もし勇者シリーズがC.E.or00世界に来たら4at SHAR
もし勇者シリーズがC.E.or00世界に来たら4 - 暇つぶし2ch50:通常の名無しさんの3倍
09/07/18 23:30:31
おかしいな…どうしちゃったのかな。
頑張ってるのはわかるけど、ここは原作をなぞるスレじゃないんだよ?
最初の時だけ、勇者が介入するフリだけして、ただ原作なぞってるだけなら…クロスする意味、ないじゃない。
ちゃんとさ、クロスSS読ませてよ。

私の言ってること…私の感想…そんなに間違ってる?

51:通常の名無しさんの3倍
09/07/18 23:58:19
原作と乖離してなおかつ面白いssを書ける人なんて中々いないぜ
大半が原作を変えられる力を持っているのになぜか原作どおりに進むテンプレssと乖離はしたのはいいけどつまらないssだけだ
まだ完結すらしてないわけだしこれからだよ、これから

52:通常の名無しさんの3倍
09/07/19 01:39:00
>>50
「J記憶回復⇒ラクシズ離反フラグにムカツク」
まで読んだ。

そう間違ってないだろ?

53:通常の名無しさんの3倍
09/07/19 01:41:22
まぁイケダ(イケヤだっけ?・ゴウ・ニシザワ
のどれか1人くらい死んでてもいいとは思うがな

54:50
09/07/19 06:27:29
>>52
なんでそうなるんだw
おかしなフィルタ付いてるぞあんたの目

55:通常の名無しさんの3倍
09/07/19 09:06:12
まあ、さっさと全人類を襲う脅威が出てこないかなーと思ってる
人間同士のつまらない小競り合いよりも、化物相手に全力で戦う展開が待ち遠しい

56:一尉
09/07/19 11:58:41
海面を走るパトカーは面白い発展ならいいです。

57:通常の名無しさんの3倍
09/07/21 21:49:47
警告:いつもの屑が暴れています

58:一尉
09/07/22 17:39:59
トダカ一佐を助ける。

59:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 20:54:39
勇者王ガオガイガー DESTINY
第13話 新たなる潮流
クレタ島沖会戦が集結し、一息吐いたミネルバ艦長タリア・グラディスの下に凱から着艦許可を求める通信が入った。モニターに目を移すと見慣れない紫色のMSらしき機体の肩に乗った凱の姿が映っていた。
許可を出して無事な左舷デッキに誘導、着艦を確認する。ガオセイバーは大破したようだが、凱本人は無事のようだ。
デッキに降り立った凱とボルフォッグは、ミネルバの惨状に目を覆う。
「だいぶやられたな」
「救援が遅くなって、申し訳ありません」
凱の感想にボルフォッグが答えるが、勇者ロボ達はロボット三原則によって人間(ギムレットに代表されるような重犯罪者に対する例外はある)を攻撃出来ない。
それが分かっているので気にするなと伝え、ルネに連絡を取るとJと合流できたと言うのでソードシルエットからフォースシルエットに換装し直して、上空で警戒しているシンに向かって迎えに行ってくれるように頼んだ。
「シン、あっちの小島に俺の仲間が二人居る。行ってジェイダーと一緒に回収してきてくれ」
「え、でもあそこに居るのはさっき凱さんと戦った奴ですよね?」
シンの疑問に対して、話がついたから大丈夫だと答えた。

Jはルネと共に小島にいた。ルネが凱と連絡を取っているのを待っていると、そこへキラのフリーダムがやって来る。Jと隣に立つ見知らぬ女性を発見したキラは声を掛ける。
「Jさん、無事ですか?」
「キラか、私は無事だ。お前はアークエンジェルへ戻れ、それと今まで世話になったと皆に伝えてくれ」
Jから別れを言い出されたキラが戸惑うが、Jは記憶が戻った事と隣にいるのは自分の知り合いだという事を告げ、彼女と行動を共にする旨を伝える。
「なら、僕と一緒にアークエンジェルへ行きましょう。そちらの女の人も歓迎します」
キラはそう言うが、ルネはやる事があるので合流する気は無いと告げ、Jもルネと共に行くので此処で別れる事にすると言う。
突然の別れに戸惑うキラに対して、Jは自分が感じていた違和感に対してキラへ忠告を送る。
「キラ、友人として一つ忠告をしておこう。お前達の自由と平和への思いは正しい、だが自分達だけが正しいと思うな」
Jの言葉にキラは怪訝な表情を浮かべ、どういう意味なのか尋ねようとするが、此方にインパルスが向かって来ているのを確認すると、Jの言葉に従って離脱した。

小島の上空に居たフリーダムは、インパルスが近寄ると急速離脱していった。
シンとしては追いかけたい所だが、自分のやるべき事を自覚すると膝を着いているジェイダーの脇に着地する。
モニター越しに外をみれば、尖がり頭で鎧を着た男とピンクのコートの赤い髪の女の二人が居る。
「凱さんの仲間の方ですか? 迎えに来ました」
外部スピーカーで話しかけると女の方が手を振ってきたので、コクピットを開けて話しかける。
「済みません、コクピットが狭いんで男性の方、手に乗ってもらって良いですか」
「それには及ばん。ルネは私が連れて行くから、ジェイダーを運んでくれればいい」
男の方がそう言うと、ルネと呼ばれた女の脇に手を回すと襟巻がウイング状に変形し、空高く飛び上がり、海上のミネルバへ向かって飛んでいった。
「…嘘」
しばし呆然とするシンだが、凱の仲間なら空ぐらい飛ぶなと考え直して、ジェイダーの回収を始めた。

60:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 20:55:43
ミネルバの甲板で凱が待っていると、Jがルネを脇に抱えて飛んできた。危なげ無く着地して凱と向き合うJ。
「記憶は戻ったようだな」
「おかげさまでな」
その言葉にちらりとルネを見る凱とJだが、当のルネは涼しい顔だ。
「まず、この船の艦長に会ってくれ、その後は今迄の事とこれからの事を話そう」
「良いだろう、今はジェイダーも動けんしな」
「ボルフォッグ、お前はこれから如何する」
「私は先程、新たな任務を受けましたので、そちらへ向かいます」
これはボルフォッグだ、詳細は明かせないと言うので任務に関しては聞かない事にする。
「では私はこれで、システムチェンジ。ウルテクエンジン全開!」
そう言い残して、ボルフォッグはロボットからパトカーに姿を変えると南西に向かって海上を走っていった。

展望ブリッジが戦闘で破壊された為、戦闘用のブリッジに居たタリアに凱から会ってもらいたい人間がいる、ついては艦内に入れても構わないかと通信があった。
流石にブリッジには入れられないので、会議室に入れて良いと許可を出し、後事を副長のアーサー・トラインに任せてタリアはその場へと向かった。
会議室に着いたタリアを待っていたのは凱の他に鎧を着た男と赤い髪の女が居た。この二人が、凱が会って欲しいといった人物であるらしい。女の方はともかく、男の格好はかなり胡散臭い。
「紹介したい人が居るという事だけど、この二人の事ね。どういった関係?」
尋ねるタリアに対して、ルネが進み出る。
「初めまして、私はフランス対特殊犯罪組織「シャッセール」所属のエージェントで名前はルネ・カーディフ・獅子王です」
獅子王という名前に凱を見ると、彼女は従兄弟に当たると説明してくれた。その後もう一人男の方も名乗りを上げる。
「私の名はソルダートJ。赤の星の戦士だ」
それだけを言い、後はだんまりである。
ルネとJを紹介されたタリアは、凱に説明を求める。ルネとはディオキアで再会したとの事で一時ミネルバを離れて議長に会いに行ったのはそれが理由の一つだと説明された。
また、Jは先程凱と戦ったジェイダーのパイロットだそうだ。何故仲間で戦う事になったのか尋ねると何でも記憶を失くしていたらしい。
お互いに今迄の事を大雑把に説明し、説明されたあとで、これから如何するのかとタリアが尋ねる。
「ミネルバはナポリに寄港して応急処置を施した後、ジブラルタルへ向かいます。あなた方は如何されますか」
「あたしとJは、ジェイダーの自己修復が終われば、宇宙に上がるわ」
ジェイダーが直れば単独で大気圏を離脱出来る。ただ、今の状態では動けないので、それまでミネルバに乗せてほしいと凱が言う。
Jはこの件に関しては何も言わない、完全に凱とルネに丸投げである。
Jに対しては色々と複雑な感情があるが、凱の仲間だそうだし行動に制限を掛けて良いならと許可を出す。
「俺も一旦GGGに戻ろうと思う。構わないか?」
凱も二人と一緒に宇宙に上がると言い出すとは思っていなかったタリアが驚くが、凱は元々イレギュラーである上にフェイスの資格も有する以上、行動を制限する理由にはならない。
これでジェイダーの修復が完了すれば、凱とこの二人がミネルバを離れる事になった。

61:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 20:58:04
帰艦したシンは怪我をしているルナマリアの所にレイとメイリンを連れ立って見舞いに訪れた。
「お疲れー、ホント今回は大変だったわね」
ベッドから起き上がり、挨拶をするルナマリアは右腕を吊っており、頭に包帯を巻いている痛々しい姿だ。
「怪我は大丈夫なのか、ルナマリア」
レイがルナマリアの体を労わるが、熱が出たけどもう大丈夫だと言う事だ。
「お姉ちゃんが落とされたって聞いて、すごく心配したんだよ」
「その割に今まで来なかったじゃない」
心配するメイリンに対して意地の悪い事を言うが、顔は笑っている。メイリンも色々と忙しいのは解っているので他愛無いじゃれあいだ。
喋っているルナと二人の会話が途切れた時、シンが声を出した。
「ゴメン、俺がもっとしっかりしてればこんな事に成らなかったのに」
謝るシンに対して、ルナマリアは平手で答える。
「頭冷えた? 確かにあんたが暴走したのは頭に来たけど、怪我したのを人にせいになんかしないわよ」
自分も戦場に出ている以上、不測の事態は常にあるし、当然覚悟はある。今回の怪我は自分の未熟が招いた結果だ。
「だからシンが責任を感じる必要は無いし、お互い生き残ったのを喜ぼうよ」
ルナマリアの態度に、シンは一寸困った顔をした後でレイとメイリンの顔を見ると、二人は無言で頷いた。
「じゃあ、ありがとう」
行き成り、礼を言い出したシンに他の三人は顔を見合わせて、なんで礼を言い出すのかと笑い出した。

イスタンブールにある、マルマライスタンブールホテルの一室でユウナ・ロマ・セイランは人を待っていた。
もっとも呼び出したのは向こうの方だが、場所と時間を指定したのはユウナである。
ルームサービスでノンアルコールのシャンパンを頼み、その人物の到着を待つ。
程無くして、ドアがノックされ、来客が告げられた。直ぐに扉が開き、二人の人物が部屋へ入ってくる。
一人はユウナを呼び出した人物、もう一人は知らない顔だが、あの書簡に書かれていた事に関係する人物だろうと当たりをつける。ならDSSD関連の人間かもしれない。
「ようこそ、いらっしゃいました。こんな機会を設けて頂いて感謝しています。プラント最高評議会議長ギルバート・ディランダル殿」
人当たりの良い笑顔を浮かべて、歓迎を表すユウナに対して入室してきた人物のデュランダル議長も右手を差し出す。
「此方こそ、突然の会談要求を受諾していただいて感謝しております。オーブ連合首長国代表ユウナ・ロマ・セイラン殿」
握手を交わした後、議長は脇に立っている人物をユウナに紹介する。紹介された人物は金の髪を逆立てた大柄な男性である。
同じように右手を差し出し深いバリトンの声で挨拶をする。
「只今、ご紹介に預かりました。ガッツィー・ギャラクシー・ガード(Gutsy Galaxy Guard)の長官を務めております、大河幸太郎と申します。ユウナ代表にお会いできて光栄です」
こうして三者会談が秘密裏に開催された。

62:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:00:08
まずはオーブ、プラントの戦闘状態を如何にするかの問題が話し合われた、この事項に関しては大河に口を出す権利は無い。
ただ合意が成されれば、第三者としてそれを見届ける事になるし、結果次第では大河が二人に持ってきた事案に対してアプローチを変えねば成らない。
「我々としてはプラントと事を構えたくは無い、しかし今現在大西洋連合と同盟関係にあるオーブとしては、勝手に終戦という訳にも行きません」
ユウナの先制に、デュランダルは慌てることも無い。
「それは当然でしょう、しかしオーブは立派な主権国家です。なら我らプラントとも同盟を結ぶ事も可能なのではありませんか」
「確かに可能です、しかしそれでは連合が納得しません」
ユウナとしてはオーブが生き残るには、こうして対立する両国家に対して、積極的中立の立場を取る事でオーブの価値を高めてゆく事が必要だと考えていた。
そのためにも軽々に承諾する訳には行かない。
「無論、それも理解しているつもりです。しかしこう言っては何ですが、オーブはクレタ沖で艦隊を失っている。充分に連合に対する義理は果されたのではないですか」
「なるほど、確かにその通りです。ですが艦隊の犠牲を持って、プラントと講和をしたとあっては、今度は国民が納得しません。なぜなら」
「そうですね、その艦隊を撃破したのが、他ならぬ我がザフトのミネルバですからね」
実際のところオーブは連合首長国の名が示すとおり、代表首長が国家運営を担っている為国民には選挙権すらない完全な独裁国家だ。
ユウナが言う国民云々は方便に過ぎず、議長もそれは承知している。
「では、プラントから停戦に向けての賠償として、採掘用の資源衛星1基を譲渡致しましょう」
オーブは資源採掘コロニーのヘリオポリスを前の大戦で失っている為、これは破格の条件だ。
「大判振る舞いですね、そうまでして終戦を急がれるとは、プラントも危ないという事ですかな」
であれば、このまま連合と一緒にプラントを潰す方が得策かと、勘定を巡らせるユウナに対して、横に居た大河が声を掛ける。
「失礼ながら代表、もはやそんな場合では無いのです。両国の関係を進める為にも、一先ず私の話を聞いていただきたい」
ユウナは確かに政治家の家に生まれて育ってきた。幼い頃からの教育と接してきた大人達からある程度の胆力は備えている。
それでも本物の修羅場を潜ってきた大河の静かな迫力に思わず、居住まいを正していた。

話は遡る。それは三重連太陽系より大河達が脱出して、この世界の木星軌道上で気が付いた時であった。全員の無事を確認するが、凱とJの反応が見つからない。
「どうする、長官?」
GGG参謀火麻激が長官である大河に、これからの方針を尋ねる。少し悩んで、大河は雷牙博士に尋ねる。
「博士、凱達が何処にいるか見当が付きますか?」
尋ねられた獅子王雷牙博士は首を振る。
「皆目見当も付かん。ブラックホールもホワイトホールも解析が終っとる訳では無いしの」
ただ、あのタイミングなら確実に脱出は出来ているはずだと続ける。見つかるまで捜索を続けたいが、Jアークはともかくや脱出艇のクシナダは燃料と空気が持たない。
「ギリギリまで捜索を続けてくれたまえ、その後探知を続けながら地球へと帰路を取る」
そう決定したGGGは木星周辺の探索を続けるが、そこで猿頭寺耕助がある反応を見つけた。
反応発見に沸く一同だが、次に出た言葉に顔色を失くす。
「違います、ガオガイガーでもジェイダーでも有りません。この反応は間違い無く!…」
「間違いないのだね、猿頭寺君」
何かの間違いであって欲しい、しかしその願いは叶えられない。
「はい、木星重力圏の奥深くで確認されました。生きています」
その報告に大河は決断を下した。

63:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:01:11
「諸君、今の我々の状態ではヤツに勝つことは出来ない。ここは最大速を以って地球に帰還し、迎撃態勢を整える」
凱とJの捜索は如何するのかと牛山一男が問いただすが、二人は勇者だ、だから彼らは無事だと信じると語るに留まる。
噛み締められた唇の端から血が滲んでいるのをみて、全員が大河長官の決意に従った。
その後火星まで来た一行はマーシャンと接触、ここが自分達の知らない世界である事を知らされるが、やるべき事に変わりは無い、
マーシャンの協力を取り付けてDSSDに接触、外宇宙探査用のMSに積載する超AI技術の提供と協力の変わりに、廃棄された資源衛星基地を譲渡してもらった。
ジャンク部品を利用して小数のカーペンターズを作成、この世界での活動拠点を作り上げて、同時に情報収集の為、いち早く修復を終えたボルフォッグとルネを地球に送り込んだ。
そして先日、ルネからの情報を受け取った凱が、GGGと木星の事をディランダルに話した事で、デュランダルからGGGへ会談要請が出され、極秘に会談を行い、プラント(議長)の協力を取り付ける事に成功し現在に至る。

ユウナは渡された資料と映像を見て、顔を青くしていた。この後、二人は親ザフトの国を回り同様に話をする予定だと言う。
これが本当ならば地球での小競り合いなど無意味だ。しかしこんな馬鹿げた話を信用しろと言うのか。仮にこれが真実であった場合、対抗など出来るのか。そんな考えが頭の中を回る。
「これに対抗しようと言うのか、彼方方は」
「その為のGGGであり、彼方の協力が必要です」
「しかし、これを倒せる者など何処に」
在ると言いかけて、一つの事に思い当たる。そうだあのユニウス7を破壊した機体ならば、顔を上げたユウナに対して無言で頷く大河とデュランダル。
なるほど希望はある、ならば自分のすることは何も変わらない。
「分かりました、オーブは全面的にGGGに協力しましょう。またプラントとも単独講和の準備を進めます。ただし」
後をデュランダルが次ぐ。
「理解しています、資源衛星の譲渡と技術交流ですね。しかしGGGの技術は私の管轄ではないので」
そこで大河の方に目線を向ける、デュランダルとユウナ。男二人に見つめられた大河は咳払いをする。
「我々の技術は無制限に拡散させる訳には行きません。しかし防衛行動には期待して頂きたい。またDSSDに譲渡した技術に関してはオーブにも公開しましょう」
ここまで来れば、細かい条項と発表日程などの調整は事務方の仕事である。こうして三者会談は終了した。

ナポリに寄港したミネルバの被害報告がタリアの下に上がってくる。実に散々な有様だ。
今回の戦闘前から使用不可能だった艦首陽電子砲QZX-1《タンホイザー》に加え、艦中央の42cm実体弾砲《イゾルデ》が使用不能。中央甲板及び右舷MSデッキ大破、各種弾頭の7割を消耗。
またMS部隊に関しても、撃墜されたルナマリアが右腕骨折、肋骨にヒビが入ったが幸いパイロットに欠員は居ないものの、
凱のガオセイバーを始めとして、アスランのセイバー、ルナマリアのザクウォーリアが大破、レイのザクファントムが中破、無事なのはシンのインパルスのみという有様である。
「参ったわね」
ナポリの基地にMSの補充を頼んでみたが、回って来たのは旧式のZGMF-1017《ジン》が2機とTMF/A-802《バクゥ》1機であった。後はロドニアで回収したガイアがあるが修理に必要なパーツが無い。
「この先、何事も無くジブラルタルまで行ければ良いけど、無理でしょうね」
嘆息して、スケジュールの調整を始めたところで、そう言えば回収したガイアのパイロットの事で話があるとドクターが言っていたのを思い出した。
碌な話ではないだろうが、一寸行って聞いてこようと席を立った。

64:通常の名無しさんの3倍
09/07/23 21:02:14
支援する!

65:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:02:46
シンは、報告書の提出を終えた足でステラを見舞う為に、医務室へ向かっていた。ドアの前に着くと中から苦しんでいるステラの声と、ドクターと話すタリアの声が聞こえてきた。
「ジブラルタルまで持ちそう?」
「厳しいですね。それより下手に処置を施すと、後でデータに齟齬が出る可能性があります」
「出来れば、生きたまま引き渡したいのだけど」
そんな会話がシンの耳に飛び込んできた。内容に愕然とするシンだが、一息ついて今の会話は聞かなかった振りをして、来室を告げてから医務室の中へ入ると、ベッドの上で荒い息を吐き憔悴した様子のステラの横へ行く。
昨日、見舞った時には落ち着いていたのに、なぜこんな事態に成っているのか問いただすシンにドクターは処置を施しながら答える。
「どうもこうも私にだって解らんよ、薬で様々な影響を受けていて、まるで解らん体だと言っただろう、一定期間内になにか特殊な措置を施さないと身体機能を維持できないようでもある、それが何なのか、何故急にこうなるのか現状ではまるで解らんさ」
コーディネイターは遺伝子レベルで病気に強い処置を施される。その為に風邪位しか病気に罹らないので、こういった薬の研究に関してはナチュラルの方が遥かに進んでいる。
苦しみ続けるステラの手を握ると、シンに向かって弱々しく訴えかけて来た。
「シン、怖い。助けてネオ」
そんな様子のステラにシンは、大丈夫だとおれが守ると、気休めだと思う言葉しか掛けられない自分が情けなかった。
ドクターに医務室を追い出されたシンは、自分に何が出来るだろうかと考えながらミネルバの廊下を歩いていた。そこへ丁度通りがかった凱が声を掛けるが、その声には気が付かずに行ってしまった。
凱は何か思いつめた様子のシンのその姿を見て、微かな不安を感じた。

その日の深夜シンは一人、人目を忍んで医務室へ向かっていた。今日のタリアとドクターの会話からすると、ステラの事は検体としてしか考えていない様だ。
確かにステラと自分の接点など、無いに等しい。でも仮にも彼女に守ると約束したのだ、このまま黙って見殺しになど出来ない。
シンは悩んだ結果、現状ではステラを連合に帰す事が、彼女の命を救う唯一の方法だと結論を出した。
医務室の中には当直のメディックが一人詰めているが、トイレに立った隙にステラを連れ出し、インパルスの格納庫へと急ぐ。
途中でレイに見つかったが、ステラを見ると事情を察したのか、何も聞かずに手伝うと言ってくれたので、そのまま甘える事にした。
「此処まで来れば、もう大丈夫だな」
「ハッチは俺が開ける、シンは早く彼女を連れて乗り込め」
インパルスの格納庫に到達した二人であったが、其処に制止の声が掛かる。
「そこまでだ」
慌てて振り向いた二人の前には凱が立っていた。
「彼女を連れ出して何処へ行く積もりだった?」
誰何の声を上げる凱に対して、無言のシン。強い語調で答えるように促すと話し出した。
「昼間、艦長とドクターがステラをまるでモルモットみたいに話していたんです。しかもこのままでは彼女は死んでしまう。だから考えた末に連合に帰すのが、彼女の命を助ける唯一の方法だって、お願いします。行かせて下さい!」
シンの告白に対して、凱は黙って聞いていた。聞き終わった後で逆に問いかける。
「それは本当に彼女の為になるのか、仮に今連合に帰したとして、境遇を考えれば再び戦場に送り込まれるだろう。それは如何する」
「約束してもらいます。もうステラを二度と戦わせないって、平和で優しい場所に帰すって」
少年らしい純粋さで訴えるが、凱はそう甘いものでは無い事は分かっている。それにシンの言い分と行動には違和感がある。
「シン、本当にそんな事が出来ると考えているのか。それともただ苦しむ彼女を見たくないから、そう思い込もうとしているのか」

66:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:03:45
凱に言われ、言葉を失くすシンに、更に追い討ちをかけるような言葉を続ける。
「お前は彼女を守ると約束したんだろう。それなのに自分の手の届かない所へ送り帰すことで本当に守れると思っているのか」
「それは、でも今、ステラの命を助けるには、これしか無いじゃないですか!」
「確かにな、今の俺達に彼女を救う術は無い。だが本当にもう俺達が出来ることは何も無いのか?」
凱は既にGGGにステラのデータを送って解析を依頼している。だが例えGGG科学班といえども、彼女を救えると決まった訳では無いので、それを口に出すような事はしない。
「無いからステラは苦しんでいるんです。だから!」
言い募るシンに対して凱は諭すような口調で会話を続ける
「だとしても俺は連合に彼女を帰すのが正しいとは思えない。分かったら戻れ、今なら何も見なかった事に出来る」
「凱さんの言う事は分かります。それでも、それでも俺は!」
「そうか、なら此処を通りたければ、自分が正しいと思うなら、俺を倒してから行け!」
仁王立ちする凱に対して、シンは怯む。普通に考えれば自分が凱に勝てるとは思えない。それに、凱に言われる間でも無く自分の行為が正しいなんて思っていない。
それでも今ステラを助けるにはこれしかないと一歩を踏み出た、その横にレイも進み出るが、これはシンが静止する。
「レイは下がっててくれ。これは俺の我が儘なんだ」
「気にするな、お前のフォローはアカデミー時代から俺の役目だ」
「済まない、ありがとう。でも、それでも頼む」
こう言われてはレイも引き下がらざるを得ない。
「いいのか、俺は二人掛かりでも構わないぞ」
徴発する凱に対して雄叫びを上げて突っ込むシン。
「舐めるなぁー!」
シンはザフトのアカデミーでは格闘、ナイフ戦でトップの成績を取っていた。凱がいかに超人エヴォリュダーといえども人間であることに変わりは無い。
ならやりかたによっては勝機があると、突っ込んだ勢いのままに攻めるシンだが、凱は見るからに余裕を持って対応している。
無論、エヴォリュダーの超身体能力もあるが、なにより戦闘経験による洞察力の差が歴然としている、シンの攻撃は悉く受けられ、逆に的確に攻撃を当ててくる。
それに対して、シンも凱の攻撃を受けた所から間接技に移行しようとしても逆に決められ投げられる。
「如何したシン、お前の力はそんなものかぁ!」
「くそっ」
致命的な一撃を与えてこない凱に対して苛立つが、それでも諦める訳にはいかない。それだけを支えにして、もう何度目か分からなくなったが震える足で立ち上がるシン。
「シン、お前にも分かっているはずだ。人は生まれを選べやしない。それでも人は自分の意思で自分の生き方を決める事が出来る。だがステラを連合に帰せば、お前の言うとおり今は助かっても、自分の意思とは関係無く戦いを強要される事になる」
凱が語りかける言葉をかみ締めるシン。
「それでもステラは、今苦しんでいるんだ!」
叫ぶシンに対して凱は静かに続ける。
「そして再び俺たちの前にステラが現れたら、お前は如何するつもりだ」
「そ、それは…」
二人の動きが止まった時、寝ていると思っていたステラが声を上げた。
「止めて、シン。大丈夫、わたし大丈夫だから」
力を振り絞った声だったのだろう、その声は其処にいた人間の耳に小さいがハッキリと聞こえた。
「シンが私の事守るって言ってくれたから、だから大丈夫」
弱々しくも毅然とした口調で、シンに話しかけるステラ。その声で緊張の糸が切れたのか膝から崩れ落ちるシンを抱きとめるとレイに託して、凱はステラを連れて医務室へと向かう。
凱が格納庫を出た所にルネとJが壁を背にして立っていた。
「お疲れさん」
「見てたのか、趣味が悪いな」
からかってくるルネに対して、軽口を叩くとベッドを押しながら歩き出す。
「その子も連れて行く? そうすれば治療も何とかなるかも」
凱としてもそれは考えたのだが、幾つか問題がある。基本的にステラはザフト、ミネルバの捕虜であり、いかにフェイスといえども凱に如何こうする権利は無い。
まあいざとなれば考慮に入れるが、一番の問題が残る。それはJの口から発せられた。
「無理だな、普通の状態ならいざ知らず。いまの状態では大気圏突破のGに耐えられまい」
凱達が宇宙にいるGGGへ行く為に使用するのはジェイダーだ、当然医療用の設備など無い。
結局のところ、ステラの容態がもう少し安定しなければ、如何ともしがたいという事だ。

67:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:04:42
格納庫に残されたシンは、床に寝転がり腕で顔を覆っていた。その脇にはレイが壁を背にして座っている。しばし無言の時間が過ぎ去りシンが重い口を開いた。
「分かってたんだ、凱さんに言われるまでも無く、ステラを連合に帰せば如何なるか。でも俺は彼女を助けたかった、だから無理な幻想に縋って」
じんわりと涙が浮かんでくる。そうだ分かっていた、それでも自分に出来る事はこれしかなかった。あの連合軍のオーブ侵攻の時、自分に力が無いから家族を失った。
だから必死になって力を得た。それなのに今また、自分にステラを助ける力が無いのが悔しかった。だから無謀な賭けに出ようとしたのだろうか。
自問するシンの耳にレイの言葉が届いた。
「シン、凱さんがさっき人は生まれを選ぶ事が出来ない、その代りに生き方を選ぶと言っていたな。それは自分で運命を切り開くという事だ」
シンはレイの言葉に静かに耳を傾ける。
「ならば、自分の生き方を選べない人間はどうすればいいんだろうか、ただある目的の為に生み出され、命をすり減らすだけの存在はどう生きていけばいい」
レイが言うのはステラのようなエクステンデッドの事だろうか、それにしては何か実感が篭っているように感じる。
「俺も良く分かんないけどさ、きっと凱さんが言った事は、もし生き方を選べないんだとしても諦めないで、その中で自分のやれる事をやれって事なんだと思う」
そう答えたあと、シンはむっくりと起き上がる。顔も腫れているし、体中痛そうに顔を顰めるが、表情は晴れやかだ。
「俺やっぱり、ステラを助けたい」
「では、如何する。やはり連れ出すか」
レイの言葉に首を振るシン。
「そうじゃない、自分の出来る事をする。確かに連合に連れ出せば、今は助かるかもしれない。けどそれは本当にステラを助ける事にはならないだろう」
誰かに任せきりにしない、自分でも色々と調べる。専門家が気づかない事も素人なら気づくかも知れない。もちろん間に合わない可能性のほうが高い、でも諦めない限り希望は残っている。
「そうか、なら俺も手伝おう。お前一人では気がつく事も気がつかないからな」
「なんだよそれ、酷いな」
「気にするな、俺は気にしない」
何かが解決したわけではない、しかしシンの表情は先程ステラを連れ出そうとした時に見せたような、悲壮感は消えていた。

凱はステラを医務室へ戻すと、艦長とドクターを呼び出した、ステラの処遇について問い質す為である。
事の顛末を聞かされた二人はばつの悪い表情を浮かべる、あのときの会話をシンに聞かれていたとは思わなかった。それにステラを連れ出そうとしていたとは、実際そんな事をされれば懲罰ものだ。
呆れるタリアだが、凱が言いたいのは違う。彼女を検体扱いしていた事こそが問題だと話す、それには素直に謝罪する二人。
「ごめんなさい。言い訳になるけど、そんな積もりでは無かったのよ」
「私も申し訳無かった、医師として人命こそ守るべきであるのを忘れていたようだ」
ステラに対してもキチンと調べたうえで治療する事を約束した。

数日が過ぎ、ジェイダーの自己修復が終了した。凱もルネ、Jと共に宇宙へと上がる、見送りに来たシンは、凱の前に進み出る。
「俺、諦めません。自分に出来ること探して、それでステラを助けます」
シンの言葉に凱は笑顔を返して口を開く。
「GGG憲章第5条125項、GGG隊員はいかに困難な状況にあろうとも、決して諦めてはならない!」
大音声で告げる凱に、シンも負けずに大声で返す。
「ハイ!」
シンの返事を聞いた凱は、背を向けて右手を上げるとGGGの仲間が待つ宇宙へと飛び立った。
それから一週間がたった。格納庫での騒動があった日から自分なりにレイにも手伝って貰って調べていたシンの下に、宇宙にいる凱からある薬の処方箋がもたらされた。
この薬はステラの体を治せるものでは無かったが、容態を安定させる事は出来た。一先ず安心するシンだった。

68:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:05:33
ラクス・クラインとアンドリュー・バルドフェルドは《ファクトリー》に到着していた、シャトルを降りてクライン派の党首たる総統の下へ向かっている途中である。
ファクトリーとは通常は資源採掘衛星の管理、運営を行う中継基地として存在している小惑星を改造した衛星基地である。
しかし、実態はクライン派が秘密裏に所有する大規模工廠であり、中に作られた工場ではMS、艦艇の修理、改造は勿論のこと新型機の開発、その他様々な施設と機能が併設された一大軍事基地である。
現在はクライン派の独自戦力としてプラントの次期主力MSの座をZGMF-2000《グフイグナイテッド》と争ったZGMF-XX09T《ドムトルーパー》の生産に入っていた。
その光景を横に見ながらラクスとバルドフェルドは奥へと進む、だいぶ奥まった部屋に到達した二人は身形を整えて入室する。
「総統、アンドリュー・バルドフェルド帰還いたしました」
そう声を掛けられた人物が腰掛けていた椅子ごと此方に振り向く、金の髪に美髯を蓄えた壮年の男性である。
「お帰りラクス、我が娘よ」
「ただいま帰りましたわ、お父様」
それは2年前にパトリック・ザラによって殺されたはずのシーゲル・クラインであった。
久方ぶりに対面する親子は軽く抱擁を交わすと、この2年間の事を話し始める。
クライン邸の襲撃はターミナルの情報網から筒抜けであり、襲われたときにはすでに影武者に入れ替わっていた。
その後シーゲルはファクトリーに居を移し、自分は表舞台に立つことなくクラインの地球圏支配の為に、また娘であるラクスを地球の女王とするべく準備を整えていたのだ。
「まったくパトリックの奴がトチ狂った時はどうなるかと思ったが、ヤキンの時は良くやってくれた。ジェネシスなど撃たれては私の農場も駄目になる所だったからな」
農場とは地球にシーゲルが作った隠れ里である、此処にはコーディネイターとナチュラルが共に生活しており、融和を謳っている為にコーディネイターとナチュラルの結婚を奨励している。
それはハーフコーディネイターが生まれる事を意味する、シーゲルはこのハーフコーディネイターを使ってコーディネイターの出産率を改善出来ないかを模索していた。
「あんな出来損ない共でも実験の役には立つ、また一から作り直すのは手間が掛かる。それに地球はいずれ我等が支配するのだ、悪戯に傷を付けては詰まらんからな」
本当に良くやってくれた、と続けて今度はラクスの話を聞く。
ラクスも2年間遊んでいた訳では無い。オーブにてキラ達との生活を続けながら、地球に浸透しているターミナルの情報を統括し、ファクトリーに送っていたのである。
「ユウナさんが私達を亡き者にしようと画策していると判った時には助かりましたわ」
いち早くその情報を手に入れたラクスは襲撃の人選に此方の息の掛かった人間を手配した、そのおかげで、何の被害も出さずにキラを戦場へ戻す口実が出来た。
本来ならサトー達ザラ派のテロを契機に戻る積もりだったが、ユニウス7の地球落下などという大事件を惹き起こすとは思わなかった。
ちなみに彼らへの支援はパトリック・ザラの息子であるアスランの名前を使っている、ザラの名前を使うことで相対的にクラインの名前を高めようという魂胆である。
すなわち強硬派のザラ、穏健派のクラインである。
「アプリリウスにちょっとした混乱を惹き起こしてくれれば良かったものを、やはりパトリックのシンパは駄目だな。ナチュラル憎しで過激な事しかせん」
地球に住む人間達もまた新人類たる我等が支配するべき者だというのに、もっともあまり詰まらん人間が多いのも考え物だ、その為にNJを使って間引きを行なったのだ。
談笑を続けるラクスとシーゲルだが、ふと会話が止まった時にシーゲルが何かを思い出した。
「そうだラクス、面白い物を見せよう」
そう言って向かった先は生体研究施設があるブロックであった、部屋にあるのは2つのシリンダーであり、その中に浮かんでいるのは12歳位の二人の男の子であった。
「この二人は半年程前に見つけたのだ、なんと宇宙に漂っていたミサイルの中に入っていたんだよ」
しかも研究の結果二人とも地球人では無いと判明した、超能力も持っていると続ける。
「彼らの力を我らコーディネイターが手に入れれば、更に超人に近づけよう。一番の候補はやはりお前と最高のコーディネイターであるキラ君との子供がよかろうな」
「まあお父様、それはとても良い考えですわ。今からキラとの子供を生むのが楽しみです」
「おいおい気が早いな、その処置にはもう少し実験をして安全性と確実性を高めてからだ」
話を続ける二人はシリンダーの中に浮かぶ天海護と戒道幾巳の目が薄っすらと開いた事に気が付かなかった。

69:通常の名無しさんの3倍
09/07/23 21:09:12
支援

70:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:10:24
戦艦の自室でネオ・ロアノークはロード・ジブリールからの通信を受け取っていた。
「今回もミネルバを沈められなかったようだな」
「申し訳ありません、ですが」
「言い訳はいい、私とて戦場が生き物である事ぐらい理解している。しかしこうも失態続きでは、厳しくもなろうというものだ」
確かにミネルバに係わってからケチが着いている。確たる戦果を出せていない現状では何も言えない。
「まあいい、そちらに新型を送った。それを使って次の作戦は必ず完遂してくれ」
通信にて送られてきた命令書に目をとおすネオが言葉を失う。
「何事も見せしめは必要なのだよ。ククククク」
画面の中で笑うジブリールの顔は醜く歪んでいた。

休憩室でコーヒーを飲んでいたアウル・ニーダが、難しい顔をしてスティング・オークレーに話しかける。
「なあ、何か忘れてる様な気がすんだけど」
「あー、何だそりゃ。何かって何だよ」
ソファーに横になって雑誌を読んでいたスティングが顔を上げて返事をする。
「判んねえけど、何か大事な事、忘れてるような気がすんだよな」
「判んねえなら、大した事でも無いんだろ。気にすんな」
アウルはスティングの言い分に首を傾げながら、お前如何思うと話を振ろうと横を向いた、当然そこには誰も居ない。当たり前だ、自分達は始めから二人だったじゃないか。
「なーんか、連敗続きで疲れてんのかな」
微かな違和感を、無理矢理納得させてアウルはコーヒーを啜った。
そこにネオがやって来て次の作戦を告げる。
「喜べお前ら、新しいおもちゃが届くぞ」

君達に最新情報を公開しよう
都市を蹂躙する巨大MS
逃げ惑う人々を守るため奮闘するミネルバ隊
苦戦する彼らの前に現れたのは、はたして
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第14話 『燃える町』 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ 《最強勇者ロボ軍団》

71:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:15:24
ども小話です
今回かなりのネタバレ回になってます
本当なら今までの話で、少しずつ語る方が読みやすいと思いますが
構成力の足りなさに反省しております
ご指摘のテンプレ展開ですが、予定ではもう少し続きます
ではまた

72:通常の名無しさんの3倍
09/07/23 21:18:33
GGGJ!
出た!
真のラクシズ総統!
黒いよ、黒すぎる!

・・・この話はGGGFINALのラストには繋がらないって事?

73:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/07/23 21:40:54
始めはオリジナルのアルマを出そうかと思ったんですが
解りやすいほうが良いかなと思ったので二人にしました
平行世界として処理するか、繋がるかどうかは展開しだいで変えるつもりです
すいません、これもいい訳ですね

74:通常の名無しさんの3倍
09/07/23 22:10:15
うんにゃ、CEでガオガイゴー的なものが見れる可能性があったりするのかな?
なんてね

しかしこの2人、生身でMSよりも強い気がするんだが・・・

75:通常の名無しさんの3倍
09/07/23 23:56:28


76:通常の名無しさんの3倍
09/07/24 00:38:25
GJ!!
予備パーツが残っていればガオファイガー復活とか出来そうかな…

>外宇宙探査用のMSに積載する超AI技術の提供と協力

つまりスターゲイザーが勇者ロボになるんですね解りますw

77:通常の名無しさんの3倍
09/07/24 01:11:54
>>76
GSライドが無いから、ポルコートやカーペンターズ的なサポートメンバーじャマイカ?w

78:通常の名無しさんの3倍
09/07/24 12:15:11
ラクシズはTVに沿ってるかと思いきや、その実キラ一人が蚊帳の外の操り人形だったか。
言い換えれば精神的な成長や自立の余地がかろうじてあるという事でもあるが。
粘着アンチの歯軋りが聞こえてきそうな展開GJ。

79:通常の名無しさんの3倍
09/07/24 16:48:49
これはいい改変、クロスの醍醐味ここにあり!
読んでいて燃えました、GJ!!
これからも自分のペースでがんばってください

80:通常の名無しさんの3倍
09/07/24 17:40:47

シーゲル黒過ぎワロタ
>>79
そういう物言いが余計な奴らを呼び寄せてるって分からないの?

81:80
09/07/24 17:41:53
×>>79
>>78
orz

82:一尉
09/07/24 19:49:10
いいよ凱旦那、嬉しいよ俺は勇気がありますよ。

83:通常の名無しさんの3倍
09/07/24 22:53:13
GJ!
護と戒道も出るとは思わなかったぜ!
あとは、ステラがどう出るか、楽しみです。

84:一尉
09/07/25 12:09:42
護が出たなので嬉しいよ。

85:通常の名無しさんの3倍
09/07/26 10:29:46
こんな腹黒いラクシズはスパロボスレ以来だぜ!
今後に期待しています

86:一尉
09/07/26 16:44:38
これから頑張れ小話君。

87:通常の名無しさんの3倍
09/07/31 09:47:03
保守

88:一尉
09/07/31 18:33:58
支援

89:通常の名無しさんの3倍
09/08/02 03:13:06 5AGXd1tp
支援

90:通常の名無しさんの3倍
09/08/02 08:34:27
>>71
木星のはやはりこの世界のZマスターか?
なんとなくゾンダー本来の機能が機能したらかなり平和になりそうな気がする種世界

91:一尉
09/08/02 13:41:40
支援

92:通常の名無しさんの3倍
09/08/03 19:31:29 VX+T6ziL
保守保守保守保守

93:一尉
09/08/03 19:38:01
炎上支援

94:通常の名無しさんの3倍
09/08/03 21:46:16
保守


95:一尉
09/08/04 20:33:22
ロス・クロス支援

96:通常の名無しさんの3倍
09/08/04 20:38:42
話のネタになればとは思うんだが…アクシズ漂流一家を勇者シリーズにゲスト出演させるとしたらどれが合うかな?

97:通常の名無しさんの3倍
09/08/04 21:30:43
むこうのスレは変なのに荒らされてるんだ・・・
そっとしといてくれ・・・

98:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:47:00
勇者王ガオガイガー DESTINY
第14話 『燃える町』 
宇宙へと上がった凱達一行は、GGGの仲間が待つ衛星基地コメット・ベース(Comet.Base)(オービット・ベースに変わるGGGの基地)に到着していた。
凱は出迎えに出てきた、火麻参謀とメインオーダールームへ足を向けた。
「じゃあ、長官は今居ないのか」
「ああ、色々と忙しくてな。彼方此方に、交渉だの折衝だのに動き回ってるよ」
途中で格納庫に寄るとギャレオンとジェネシックマシンが置いてあり、メカニックオペレーターである牛山の指揮によって修理が進められていた。
「こっちに戻って来ていたのか」
「プラントが協力してくれるって話になってな、DSSD経由で返却された」
結局プラントでは修理が完了しなかった、もっともGGGにしてもギャレオンの出現から10年の蓄積があってようやく何とかなっている状態だ。
「修理の完了まではまだ暫くかかるな、悪いがそれまではお前さんの機体は無いぞ」
作業の進行具合を見ながら、火麻が凱に告げる。
その他にも話をしながら、メインオーダールームへ到着すると懐かしい面々が揃っていた。
「よー、やっと帰ってきおったか」
「オカエリナサイデース、凱」
「HAHAHA、meは何も心配していませんでしたヨー」
「隊長、お久しぶりです」
「僕達もすっかり直りました」
口々に凱の帰りを喜び、久しぶりの再会に盛り上がる仲間達。手荒い歓迎を受けながら、凱もまた仲間との再会に笑顔を返す。
「獅子王凱、ただ今帰還しました」
帰還の挨拶をする凱と無事を喜ぶGGGの仲間達だが、凱は本当なら此処に居るべき恋人の姿が無いことに一抹の寂しさを感じていた。

クレタ島沖会戦が終了して、アークエンジェルに合流したアマギ一尉達オーブの軍人を前にしてカガリ・ユラ・アスハは自身の決意を語っていた。
「私を慕ってこのアークエンジェルに来てくれた事嬉しく思う、まだ間に合うと云うのなら、お父様のように常に諦めぬ良き為政者と成る事で、この恩を返そうと思う」
自分を慕ってアークエンジェルに来てくれた人間の為にもしっかりしなくてはならないと考えていた。
この決意表明に集った者達は感嘆の声を漏らす。その中から代表してアマギがカガリにオーブへの帰参を進める。
「オーブ国内にはセイランのやり方に反対しカガリ様のお戻りを心待ちにしている者も多くおります」
カガリは国民に人気がある、これはオーブの復興に当たって、名君と謳われたウズミ・ナラ・アスハの子であるカガリを担ぎ上げた事が大きな理由である。
父親を失いながらも国の為に尽くす少女という看板を持って、当時の国民感情を国を焼いた代表首長という本質から逸らす為に利用したのだ。
そしてカガリは復興事業の中でも、特に被災した国民の救済を行なっている(ように見える)為にオーブ国民の多くはカガリを慕っている。
代わりにセイランは、国民生活の救済よりも国営企業のモルゲンレーテやマスドライバーの修復を先行させたと思われている。
尤もこの二つの施設が無ければ、オーブには主たる産業が無く、国民の救済活動も儘ならぬのであるが、納得は出来ないのだろう。
「自分には政治向きの事は良く分かりませんが、此度の戦争は連合側に非があるように思えてなりません、となれば今やその一陣営であるオーブもこのままでは、セイランは馬鹿だ」
ムラサメ隊の一人であるイケヤが吐き捨てる。確かにこの言には一理在るのだが、それは一面から見たものでしかない。

99:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:48:02
セイランとしては無論、大西洋連合に近い自家の足場を固めるという意味もあるが、復興に際して大西洋連合から多くの支援をもらったオーブとしては、その借りを返さなければ国際社会での信用を失う事に成りかねない。
そして、現段階では連合と同盟組む以外に交渉に使えるカードが無かった為に他に選択の余地は無かったのが真相である。
企業再建策の事もそうだが、その辺りの事情に考えが及ばないのは、氏族以外の人間が政治に参加出来ないオーブと言う国の皮肉であろう。
「分かっている、分かっているから少し待ってくれ、私もオーブに戻りたいと思っている。彼方方やクレタで死んでいった者達の為にも、だからいま少し待って欲しい。そして時が来たら私に力を貸してくれ。オーブの為に頼む」
カガリは確かにオーブの事を想っている、しかし本当にオーブを何とかしたいと考えるならば、キラに誘拐された直後に何としてでも国へと戻るべきであった。
またその後でも戻る機会は多々在ったのだが、いずれも彼女はアークエンジェルに残る事を選択してしまった。
なぜならアークエンジェルに居る人間はカガリを肯定してくれたからだ、国家元首の重圧の中で仕事をしてきたカガリにとって、自分を全肯定してくれるこの場所は居心地が良さ過ぎた。
また、カガリに賛同するようにアマギ達が合流したのも、自分の考えは間違っていない、間違っているのはユウナ達の方だという思いに拍車を駆けてしまった。
しかし、彼らアークエンジェルに来た者達は何を考えていたのであろうか、常識で考えれば如何に前代表とはいえども19歳の少女である。
政治的な才能があったとしても大成には遠く、なればこそ戦場に身を置く事など許されないはずだ、それを彼らはまるでこのアークエンジェルにいる事が正しいと言わんばかりに集ってしまった。
自刃したトダカの言葉があったとはいえども、余りにも盲目的に“アスハ”に従ってしまった、この選択が後の運命を決めたと言って良い。

カガリがアマギ達と話しているその頃、キラ・ヤマトは一人物思いに耽っていた。そこへアークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスがやってくる。
「大丈夫? 彼方一人で本当に良くがんばっているもの」
考えに沈みこむキラを労わるように声を掛けるマリューに対してキラは自分が今考えていた事を話し出す。
「何でまたこんな事になっちゃったのかなって、何でまたアスランと戦うような事に、僕達が間違ってるんですか? アスランの言う通り議長は良い人で、ラクスが狙われたのも何かの間違いで、僕達のやっている事の方が何か馬鹿げた、間違った事だとしたら」
これまでの行いをアスランに否定され、Jもまたアークエンジェルを去った。キラの言葉にマリューもまた難しい顔をして言葉を選ぶ。
「でも大切な誰かを守ろうとするのは決して馬鹿げた事でも、間違った事でもないわ。
世界のことは確かに分からないけど、でもね大切な人が居るから世界も愛せるんじゃないかって私は思うの、きっと皆そうなのよ。
だから頑張るの、そうでしょ。ただやり方が、と言うか思うことが違っちゃう事はあるわ。その誰かが居てこその世界なのにね。
アスラン君もきっと、守りたいと思った気持ちは一緒のはずよ。だから余計に難しいのだと思うけど、いつかきっとまた手を取り合える日が来るわ。彼方達は、だから諦めないで彼方は彼方で頑張って」
確かに愛する人を守る事を間違いだと言う人間は居ない、当然である。しかし問題になっているのは、そんな感情で場当たり的にフリーダムやアークエンジェルという武力を持って行動してきた現在の状況である。
この返答はキラの疑問に対する答えではない、しかしキラの気持ちを肯定する答えではあった。
マリューの言葉で、キラは自分の思いは決して間違っていない、ならいつか皆が自分の思いを、行動を理解してくれる。それまで頑張れば良いと思い直した。

100:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:49:07
連合軍の地上空母ボナパルトにネオ・ロアノーク率いる第81独立機動軍、ファントムペインが到着した。
そのボナパルトの格納庫内に在る新型MSを受領し、新たな作戦に従事するためである。
新型を見て駆け寄るアウル・ニーダとそんなアウルを窘めながら、自分もその威容から目を離さないスティング・オークレー。
「ははっ、スゲーじゃん。これ俺達にくれんだろネオ」
喜色を浮かべながらネオに聞いてくるアウルに答えるネオ。
「ああ、これがお前達の新しいおもちゃだ。これで戦力は整った、直ぐに出るぞ、コイツで全てを蹂躙して来い!」
「りょーかい」
「ハイよ」
遂に全てを破壊するGFAS‐X1《デストロイ》が起動した。ボナパルトから出撃したデストロイ2機とスティングの代わりにネオが駆るカオス、
そしてファントムペインに補充されたGAT‐04《ウィンダム》12機にて、西ユーラシアにおけるザフトの軍を悉く平らげるのだ。まずは目の前の小さな駐屯地から始めよう、その町の名はリューベック。
ファントムペインが上陸して1時間後、駐屯地のザフト部隊の全てとリューベックの町は焦土と化した。
そこに存在するのはただの瓦礫の山と燃え盛る炎、そして動かぬ躯だけである。
「ひゅうー、最高だぜ」
「まだ暴れ足らないってぇの」
意気上がるスティングとアウルをよそに焼け野原と化した光景を見たネオは、無感動に呟いた。
「これも仕事とはいえ、喃々だかな。しかしやらなきゃ俺達がお払い箱になりかねん」
仮面の下のネオの顔には諦観が浮かんでいた。

モニターに映る光景にロード・ジブリールは狂喜していた。
「ハハハハハ、圧倒的じゃないですかデストロイは」
笑うジブリールに、モニターに映るロゴスのメンバーの一人が、吐き棄てるように問いかける。
「確かにの全て焦土と化して何も残らんわ、これで何処まで焼き払うつもりなのだ」
町が燃え行く様子に嫌悪感を隠さぬ様子の人間達を前にジブリールは続ける。
「其処にザフトがいる限り何処まででもですよ、変に馴れ合う連中には、はっきりと教えてやりませんとね。我らナチュラルとコーディネーターは違うのだと、それを裏切るような真似をすれば地獄に落ちるという事をね」
得意げに語るジブリールの様子に、冷めた目を向けるとモニターから消えてゆくロゴスメンバーであったが、デストロイの力に魅了されたジブリールは、その眼差しが何を意味しているか気が付いていなかった。

キラとマリューが話していると通信士のチャンドラから、ターミナルのエマージェンシーが入っていると連絡があったのでブリッジへと急いで向かう。
其処に映し出されたのは、破壊されつくした町とそれを行なった巨大なMAであった。その光景を見たアークエンジェルの一同は、皆言葉を失い立ち尽くす。
「行きます、マリューさん」
ブリッジにキラの声が響いた、キラはこのMAを止める為に立ち向かう事を決めた。

101:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:50:39
ミネルバはナポリに停泊していた、主武装のタンホイザー、イゾルデの2つは使用不能だが、外装の修理は8割完了、代替のMSの搬入も終わりようやく航行出来る状態まで回復した所で今回の騒動である。
司令部からの通達は、ドイツ北岸のリューベックより連合軍が侵攻を開始、リューベックの駐屯部隊と都市が壊滅、真っ直ぐベルリンに向かって進軍中。
これに伴い近郊のザフト全軍は非常体制を取れ、また都市駐留の部隊以外は全てベルリン郊外に集結、敵戦力の殲滅に当たれとの事であった。
この指令に直ちにミネルバを発進させたタリア・グラディスは道中、情報収集に努めていた。
「リューベックならハンブルグの部隊が近いわね、そちらはどう」
「リューベックの援護に向かいましたが、全滅だそうです。それにも係わらず近郊のハンブルグではなくベルリンを目指しているのは、やはり」
タリアの質問に答えているのは、アーサー・トラインである。
「ええ、ベルリンはこの辺りで一番大きいザフトの駐屯地ですからね、そこを叩いてしまおうという事でしょうね」
「しかし可能なんですか、そんな事」
ベルリンは西ユーラシアに置けるザフトの活動拠点の一つだ、当然それなりの戦力が常駐している。
「出来る自信が有るから攻めてくるのよ、楽観論はお止めなさい」
「はっ、失礼しました」
いかに巨大なMAを有するとはいえども、そう簡単に駐留軍を倒せる訳が無い。そう考えるアーサーに油断しないように釘を刺すタリアであった。

侵攻してくるファントムペインに対して、ベルリンの駐屯部隊はコンプトン級やレセップス級の陸上戦艦を中核とした部隊戦力の6割を郊外に展開し迎撃行動に移った。
全戦力を傾けないのは別働隊に対しての備え、また市民の避難誘導と護衛に割いたからである。
これに対して侵攻を続けるファントムペイン側はデストロイ2機を先行、その後ろにネオのカオスが率いるウィンダム隊、最後尾にボナパルトとその他の陸上艦を配置させて、正面より戦端を開いた。
先行するデストロイへ向けてディン、ガズゥート、バクゥ等が一斉に攻撃を開始する。しかしその攻撃は全てがデストロイの前面に張られた陽電子リフレクターシールド《シュナイドシュッツSX1021》によって防がれる。
攻撃が通じなかった事に驚愕して動きの止まるザフトのMS郡に対して、機体周囲に搭載された熱プラズマ複合砲《ネフェルテム503》を放つデストロイ。
「吹き飛びなぁ!」
「消ぃえろぉ!」
ビームの直撃をくらい次々と爆散するザフトのMSを横にして進み続けるデストロイに陸上戦艦の主砲が火を噴く。
しかし陽電子砲すら弾く、シュナイドシュッツには通用しない。
「あーっはっはっはぁ! 無駄なんだよー!」
「いい加減に諦めて、くたばりなぁ!」
デストロイの背中にある主砲たる高エネルギー砲《アウフプラール・ドライツェーン》が撃たれると、その威力により地面が抉れコンプトン級陸上戦艦は周囲にいたMSと共に轟沈した。
接敵から僅か45分余りの攻防でベルリン駐屯軍は壊滅した。
この事態を受けてベルリン市長は、住民の安全に配慮し連合への降伏と侵攻の停止を申し出たが、その返答は砲声によって答えられた。
ベルリンもまた炎に包まれたのである。

102:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:53:51
同時刻、ザフト軍事ステーション内ではこの事態を前に緊急閣議が開かれていた。
「どういう事です、なんの勧告も無いままでこのような」
「無差別に町ごと焼き払うとは、正気か奴らは」
プラント評議会の面々が口々に、連合の所業に対し怒りを顕にする。その中で国防委員長タカオ・シュライバーが議長たるギルバート・デュランダルに進言する。
「都市駐留軍は殆どが壊滅状態です。議長、ここは一時撤退を」
撤退を促されるデュランダルだが、それには異を唱える。
「だが下がって如何する、下がれば解決するのかね。誰かが止めねば奴らは図に乗って都市を焼き続けるだろう、そんな物は決して許される物ではない」
今回の侵攻によって最も被害を受けているのは、ザフトでもプラントでもなく、侵攻を受けた町の人達である。
人道的支援を名目に駐留しているザフトとしては、これを放置する事は出来ない。
「ジブラルタルの戦力は回せないのかね」
「無理です、この侵攻に呼応してスエズの艦隊が地中海に出てきています」
「ならば、どこでも構わん回せる戦力は無いのか」
そう尋ねるデュランダルに国防委員であるアラン・クラーゼクやエドアルド・リーは黙るのみだ、彼等の表情からはナチュラルの市民の為に、これ以上の出血を強いられたくないとの感情が見て取れる。
それを咎めようとデュランダルが声を張り上げようとした時、部屋の扉を開いて一人の逞しい男が風を切って入ってきた。
「その救援には、我々が参りましょう!」
男の名はGGG長官大河幸太郎、今デュランダルにとって、最も信頼できる人物であった。

デストロイがベルリン市内に侵入して間も無く、キラの駆るフリーダムとアークエンジェルが現れた。
フリーダムはデストロイに対してビームライフルを撃つものの、全てのビームが全前に張られたシュナイドシュッツによって弾かれてしまう。
「なんだぁ、そりゃ?」
「はっ、今まで散々好き勝手してくれた分、纏めて返してやらぁ!」
フリーダムとアークエンジェルを見た、スティングとアウルは今迄のお礼参りとばかりに、フリーダムに対してネフェルテムのプラズマビームの雨を降らせる。
しかしキラはその攻撃を、SEEDを発動させて悉く切り抜けて、逆にフルバーストで反撃に移る。
しかし先程と同様にシュナイドシュッツによってフリーダムの攻撃は全て無効化されてしまう、それどころか弾かれたビームが更に町を破壊し、住民を巻き込んでしまう有様だ。
それでもデストロイを倒そうとフルバーストを連発するフリーダムに対してデストロイは遂に封印を解き真の姿を現した。
「こいつっ!」
「チョロチョロとウザイんだよー!」
腰が180度回転し、上部の円盤状の部分がせり上がり中に隠された上半身が出現する。
MA形態からMS形態へと変形したデストロイの威容と巨大さに驚愕を表すキラとアークエンジェルのクルー。
「そ、そんな」
「あんな、巨大なMSなんて」
MSとなったデストロイは両腕を肘から切り離すと《シュトゥルムファウスト》と指先に搭載されたMJ‐1703、5連装《スプリットビームガン》でオールレンジ攻撃を開始する。
その攻撃を回避しながら邪魔な腕を破壊しようと、またもフルバーストで攻撃を仕掛けるフリーダム。
しかしその攻撃も先程までと同様に前腕部に搭載されたシュナイドシュッツで反射されてしまう。

103:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:54:44
「キラ君下がって、ゴットフリート1番2番、ってぇー!」
マリューの声と共にアークエンジェルの主砲である225センチ2連装高エネルギー収束火線砲《ゴットフリートMk.71》がデストロイを襲うがこれもまた弾かれる。
「そんな馬鹿な」
よもや戦艦の主砲まで弾かれるとは考えていなかった一同が、驚愕を顕にする。その光景を見た中で、カガリが最も早く自分を取り戻した。
「私も出る、これではキラが」
自分も出撃すると言い出したカガリに対して、アマギ達もまた同様に出撃を口にする。
「カガリ様我らも出撃を、この戦いオーブの為のものではありませんが、これを只見ている事等出来ません」
「よし、行くぞ! これを放っておけるか」
この市民を救済しようという行動は個人としては正しいのだが、オーブという国の立場から見た場合には、カガリが常々標榜する理念を自ら反故にした上で、
同盟国である大西洋連合の作戦行動を妨害すると言うことなのだが、彼等はそれを理解していなかった。
勇躍飛び出したムラサメ隊が飛び回るフリーダムに通信を送る。
「キラ様、ここは我らが!」
「大丈夫です。お任せ下さい!」
「行くぞ!」
ファントムペインのウィンダム部隊と戦闘を開始するアークエンジェルのムラサメ隊、それを見たネオもカオスを飛び上がらせて迎撃に向かう。
「フン、クレタの生き残りか。何を考えているやら」
ネオはウィンダムとデストロイに向かってくるムラサメを見て、呆れた調子で呟いた。

ベルリンの救援に急いでいたミネルバは、戦況の確認の為に前線司令部へ通信を送るが応答が無い。
目標を工学映像に入れた所で熱紋による状況確認を行なった所、戦闘中の機体はカオス、ウィンダムにunknownとフリーダム、ムラサメ、ルージュ、アークエンジェルと判明した。
アークエンジェルが町の防衛を行なっているらしいが、何故か連合と同盟を結んでいるオーブのムラサメまでがウィンダムと戦闘を行なっている。
「さすが正義の味方の大天使ね、助けを求める声あればって事かしら」
戦闘の様子を見たタリアが、苦々しげに言葉を出すと、MS部隊に通信を送る。
「情勢は思ったより混乱してるわ、既に前線の友軍とは連絡が取れず、敵軍とは今、フリーダムとアークエンジェルが戦っています」
その声を聞いた面々が思わず怪訝な声を上げるがタリアは構わずに続ける。
「彼らの思惑は分からないけど、敵を間違えないで、戦力が苦しいのは承知しているけど、本艦はなんとしても連合を止めなければなりません」
タリアの言わんとする所は、現在の状況を鑑みてアークエンジェルには手を出さずに、連合を叩けという事だ、もっともタリアとてアークエンジェルが味方だなどとは思っていない。
「MS各機発進、状況は此方に不利だが各員の健闘に期待する。共闘出来ればと思うけど難しいわね、今となっては」
発進命令を受けてシンのインパルス、アスランとレイのジン、ルナマリアのバクゥが次々と飛び出して戦場へと向かった。
インパルスを全力でベルリン市内まで飛ばしたシンは、その惨状を見て思わずうめき声を上げた。
「なんだよコレ、まだ避難も済んでないじゃないか!?」
逃げ惑う人々や怪我をした人が其処彼処に居る。インパルスから見た限りでも、相当の人間が避難出来ずにいるようだと報告を入れる。
「わかったわ、でも今は市民の安全を確保する余裕は無いの。兎に角あのMSを止める事を考えて」
タリアからの指示は現段階では救助を行なう事は出来ない、先ずは連合の侵攻を止める事が先決だという事だ。

104:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:56:25
悔しいが確かにその通りである、一刻も早く連合を倒しその後で出来る限りの救助活動を行なうしか無いと頭を切り替えてデストロイへと向かうシン達。
遠間からビームライフルを撃つと空中を飛び回る腕に陽電子リフレクターが現れビームを弾いてしまった。
「皆、コイツはあのカニと同じだ! 正面からビームを撃っても弾かれて、無駄に被害を増やすだけだ!」
シンからの連絡を貰ったアスランは、攻撃を回避して腕に機斬刀を叩きつけるが、フェイズシフト装甲に阻まれ傷を付ける事が出来ない。それを見て直ぐに作戦を変更する。
「くそPS装甲か、ならレイと俺が動き回って隙を作る。そこへシン、お前が飛び込め。悔しいがジンの武装ではヤツを倒せん。それとルナマリア、市街戦ではバクゥの機動力を生かせない。君はミネルバの援護と侵攻してくるウィンダムを叩く事に徹しろ」
「「「了解!」」」
シンを中心にしたフォーメーションを構築してデストロイ1機を足止めすることに成功するが、もう1機は遠くからフルバーストを連発しながら飛び回るフリーダムを追い回して先へと進んでしまう。
「くそっ、キラの奴何を考えているんだ!」
被害を拡大するようなキラの戦いかたに思わず悪態が出るアスランだった。そのキラの戦い方に気を取られたのか、デストロイの頭部から撃たれた200ミリエネルギー砲《ツォーンmk2》の光が機体を掠める。
「ちいっ、惜っしい!」
アスランのジンに意識が行っていたアウルの隙を縫って、インパルスが迫る。
「はあぁぁぁ!」
地面すれすれの低空を飛んでいたインパルスは急上昇してシュナイドシュッツを展開していた右腕を盾の死角からビームサーベルで切り裂いた。
「まず一つ!」
「しまった!? こんのぉー!」
右前腕を壊されたアウルはシンを追いかける、これによってアウルのデストロイをベルリンの中心部から引き剥がす事に成功した。

手を拱いていたキラも、シン達の戦い方を見て接近戦に切り替える。フリーダムのスピードを利用して、すり抜けざまに切りつける得意の戦法である。
攻撃の中を潜りぬけて一撃を入れるようとするが、ネフェルテスやスプリットビームガンに加えて《マーク62》6連装多目的ミサイルランチャーから撃たれる弾幕の激しさに近寄る事が出来ない。
「こうも、攻撃が激しくちゃ」
「落ちろぉ、フリーダムゥ!」
しかし、デストロイの攻撃もフリーダムには中らない。此方も膠着状態に陥るがフリーダムが彼方此方に動き回る所為で市街の被害が拡大していくがキラはそれには気が付かなかった。

ネオ率いるウィンダム部隊はムラサメ隊と戦っていた、戦局は五分五分と言いたい所だが、流石にネオの操るカオスの動きが抜きん出ている。
「ったく、クレタの亡霊とでも言うのかね。お前らはあそこで死んでりゃ良かったものを」
今も1機のムラサメを撃墜して愚痴るネオの上空からニシザワ率いる3機のムラサメが強襲する。
「ゴウ、イケヤ突っ込むぞ!」
「「承知!」」
高高度から吶喊してくるムラサメに対して、ネオは慌てる事無く対処する。
「見えてるってぇの!」
背中のEQFU‐5X《機動兵装ポッド》を開放し、充分に引き付けてからAGM141《ファイヤーフライ》誘導ミサイルを発射。速度の上がっていたムラサメは回避しきれずに被弾してしまう。
「ぐっ」
其処へ《MA‐BAR721高エネルギービームライフル》を撃ち込み難なく1機を撃破すると、すれ違い様に脚部のMA‐XM434《ビームクロー》を展開し翼を切り裂いた。翼を失った機体はそのまま地上へと落下して炎に変わる。
「ゴウー、イケヤー!」
「おいおい、お友達を気にしてる場合じゃ、ないだろ」
僚機2機を撃墜されたニシザワが叫ぶが、ニシザワのムラサメも何時の間にか分離していた機動兵装ポッドに挟み込まれており、MA‐81R《ビーム突撃砲》によって火球へと変じた。
推力が足りなくなって自由落下に移っていたカオスは撃墜を確認すると兵装ポッドを戻して、飛行状態に戻ると次の指示をだす。

105:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:58:53
「スティング、フリーダムの相手は俺がする。お前はあのデカイ建物をやれ」
指示されたスティングの目には多数の市民が避難しているシェルターがある市庁舎が映った。
「ハイよぉ」
胸部の1580ミリ複列位相エネルギー砲《スーパースキュラ》を市庁舎に向けてトリガーを引く、撃ちだされた光の奔流が遂に建造物に届こうとしたその時上空から躍り出た影があった。
「「ミラーシールド!!」」
掛け声と共にデストロイのビームが反射されて大空高く消えてゆく。
「なにっ!」
「えっ!」
「あれは」
驚きの声と共に目を見張る面々、そして破壊を免れた市庁舎の前に視線を移すと、そこには赤と黒の見慣れない機体が盾を構えていた。
「なに、なんなの?」
「味方なのか?」
キラとアスランが呆けたように呟く。そこへ上空から声が響く。
「待たせたな皆!」
「この声は!」
シンが視線を上空へと向けると其処には黄金に輝く船が滞空していた、GGGが誇るディビジョンⅦ超翼射出司令艦《ツクヨミ》、そしてツクヨミの上部に颯爽と赤い鬣を靡かせて立っているのは、誰あろう獅子王凱である。
「いかに戦争とはいえ、戦いとは無関係の市民を虐殺するなど、決して許さん!」
無差別に町を焼く連合に対して、凱は怒りの雄叫びを上げる。
「イーックイーップゥ!」
イクイップした凱の体に戦装束である黄金の鎧IDアーマーが装着される。
「GGG機動部隊出動だ!」
『了解!』
ツクヨミから次々と飛び出す色とりどりの機体が、先に地上に降りていた2機の周囲に着地する。
衝撃で舞い上がった煙が晴れると、市庁舎の屋根に立つ凱を中心にしてGBR-2《氷竜》GBR-3《炎竜》GBR-6《風龍》GBR-7《雷龍》GMX-GH101《ゴルディマーグ》XCR-13《マイクサウンダース13世》GBR-8《光竜》GBR-9《闇竜》が集っていた。
『GGG機動部隊、此処に参上!』
勇ましい声と共に、GGGの勇者達が此処に完全復活を遂げた。

君達に最新情報を公開しよう
燃え盛るベルリンの町に立つ我らが勇者達
町を破壊するデストロイの脅威の前に
一人の少女が立ち塞がる
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第15話 『引き裂かれる思い』 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ 《ステラ・ルーシェ》

106:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 11:04:17
ども小話です
ベルリン前編です、つか長くなったので分けました
ではまた

107:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 12:20:50
おおお!燃える展開!
後編楽しみに待機します!

108:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 13:39:33
GGGJ!!

やべぇ、魂が震えちまう…

109:一尉
09/08/05 17:55:44
面白い、続きはどうなるですか。(笑い)

110:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 19:53:07
GJとしか言えぬ引きだッゼ

111:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 21:36:25
ガガガに限らず、勇者ロボはGガンの連中か、ターンタイプでもない限り太刀打ちできない
面子ばかりだからなあ。ラクシズが擦り寄るか、または自分たちのことを棚にあげて
危険視するかのどちらかだろうな。

112:???
09/08/05 22:00:13
でも勇者ロボットって人に危害を加えることができないんじゃ?
よく覚えてないけど

113:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 22:03:48
まあ、今回はザフトが無理っつってる人命救助を最優先だろ

114:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 01:44:08 wldUTjq5
多分直接戦闘というより、救助メインで、デストロイの足どめ無力化じゃないのかな?
劾の判断に期待

115:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 09:58:20
フルバーストの跳弾による被害の拡大はまたシンのトラウマを刺激するのか、
それとも被害に思い至らないキラと、超AIの最優先事項を「敵の撃滅」から
「生命の守護」へと自力で書き換えた風竜雷竜との対比でも描かれるのか興味は尽きない。

116:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 11:19:11
>>114
それ勇者じゃなくて傭兵や

117:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 13:44:01
フルバの弊害の繰り返し強調とかけて次回予告ととく
そのココロは ステラも流れ弾で(ry

だったらやだなあ…

118:一尉
09/08/06 17:36:44
良い物支援

119:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 22:48:36
面白い

上げ

120:通常の名無しさんの3倍
09/08/07 00:22:56
続きが気になる
保守

121:一尉
09/08/07 19:23:26
支援

122:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:53:42
勇者王ガオガイガー DESTINY
第15話 『引き裂かれる思い』
ベルリンで破壊を続けるデストロイと連合軍、それを阻止すべく現れたアークエンジェルとフリーダム。
両者の戦いで被害が広がるベルリン市街、そのベルリン救援の指令を受けたミネルバ隊もデストロイを倒すべく、戦いを開始する。
三つ巴の戦いの最中に、市民が避難している市庁舎に向けてデストロイの胸からスーパースキュラが放たれた。
誰もが市庁舎が炎上する光景を想像して目をそむけた瞬間、天空より救援に現れた者たちがいた。
『GGG機動部隊、此処に参上!』
上空に浮かぶGGGのディビジョンⅦ超翼射出司令艦《ツクヨミ》から町を守る為に地上に降り立った黄金の鎧を纏った勇者、GGG機動隊長の獅子王凱を始めとした、
GBR-2《氷竜》GBR-3《炎竜》GBR-6《風龍》GBR-7《雷龍》GMX-GH101《ゴルディマーグ》XCR-13《マイクサウンダース13世》GBR-8《光竜》GBR-9《闇竜》のGGG機動部隊の面々である。
GBR-4《ボルフォッグ》が居ないもののGGG機動部隊のそろい踏みの迫力に気圧される連合の将兵達。
「ゴルディマーグ!」
「おうよっ!」
凱の声にゴルディマーグが、フリーダムを追い回して町の中心部まで来ていたスティングのデストロイに吶喊すると組み付いて町の外へと押し戻す。
「このデストロイとパワー比べしようってかぁ!」
攻撃の為に飛ばしていた腕を元に戻してゴルディマーグと相撲を取るかのようにがっぷり組むデストロイ、双方の大きさはデストロイ38.07m、ゴルディマーグ25.5mである。しかしパワーの桁が違う。
「どおうりゃあぁぁぁ!」
「なっなあにぃ!」
電車道の如く一気に押され、そのまま侵攻してきたベルリン郊外まで押し戻されるデストロイ。
「こっ、このおぉ!」
ゴルディマーグを押し返そうとスラスターを噴かすスティングだが、僅かに後退速度を弛めるに過ぎない。
「無駄だぜ、俺のパワーを舐めるんじゃねえ!」
「何だ、コイツはぁ!」
組み合って押し返すがビクともしないゴルディマーグに苛立つスティング、状況を変えられるものは無いかとは周りに視線を送ると、シン達に誘導されたアウルが近寄って来るのが見えた。
それを見たスティングはうっちゃりの要領でゴルディマーグをいなすと、アウルに通信を送る。
「手伝えアウル、どうやら今までの雑魚とは違うらしい」
「なんだよ情けねえなぁ、でも了解ぃ。こいつらウザイから、さっさとぶっ飛ばす」
対峙するデストロイ2機とゴルディマーグとシン、レイ、アスラン。そして遅ればせながら、そこへやってきたキラのフリーダムとネオのカオス。
戦いは次の局面へと移っていく。

123:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:54:47
「GGGはこれより救助活動に入る! 頼んだぞ、お前達!」
『了解!』
凱の支持で先ずは氷竜が火災現場へと向かって消火活動を開始する。
「まずは火災がこれ以上広がらないように消火活動を開始します。フリージングガン! チェストスリラー!」
氷竜の活躍で激しく燃える炎があっと言う間に鎮圧されてゆく。
「消火効率120%、間も無く火災の鎮圧が完了。続いて救助に入る」
「被害の激しいところから優先するぞ。最優先目標は」
『生命!』
炎竜の掛け声に唱和して答える勇者ロボ。言うが早いか、我先に町の中へと果敢に突入して、市民の救助活動を開始する。
「私が瓦礫を退かします、危険ですので下がっていて下さい。パワークレーン!」
氷竜がパワークレーンを使って倒壊した建物等の下敷きになった人を助けようと、瓦礫の撤去を開始する。
「僕が来たからにはもう大丈夫だ、パワーラダー! さあ早く避難を」
炎竜はパワーラダーを伸ばして、高層ビルに取り残された人の救出をする。
「さあ皆、俺の背中に乗ってくれ、まだまだ余裕はあるぜ」
「怪我人や子供が優先ダモンネ、ダイジョウブ、皆マイク達が助けるモンネー」
二人が救助した人々を運ぶのは雷龍とマイクの役目だ。ビークル形態の雷龍のダンプカーのバケット部分とマイクのバリバリーンの中に逃げ遅れた人々を乗せて避難を開始する。
救助作業を行う勇者達に向かって、ウィンダムからミサイルが放たれた。グングンと迫るミサイルを前に救助活動中の機体は防御も回避も取れない。いやそれどころか自らの身を盾にして市民を守ろうとする。
「これ以上誰も傷つけさせはしない。ティガオ2風道弾!(フォンダオダン)」
「そんなミサイル撃ち落しちゃうから、プライムローズの月!」
「ビームだって撥ね返します、ミラーシールド!」
直撃かと思われた其の時、全ての攻撃が撃ち落された。仲間を襲うミサイルやビームから守るのは風龍、光竜、闇竜の3名だ、雨霰と降り注ぐ攻撃の全てを撃ち落し弾き返す。
「僕達が攻撃を防ぎます。皆さんは救助の優先を!」
「でも風龍兄ちゃん、このままあの人達を放って置いたら、他の場所にも被害が出るよ!」
飛行しながら攻撃を加えてくるウィンダム、そのウィンダムと空中で交戦しているせいで地上に被害を広げるムラサメ隊を見た光竜が悲鳴を上げるが凱に一喝される。
「ここで俺達が踏ん張らなくてどうする!」
凱はギャレオンが修理中でMSも無い現在では満足な戦闘行動を行なえない、その代わりに救助作業のサポート全般を受け持っている。
如何に自分達を助けようとしてくれていても、ロボットである彼らに恐怖感を抱く人間も多いので、凱が間に入る事で円滑に回るようにするのだ。
その他でも狭い場所での救助や、自力で避難出来ない人間の介助など、戦う事以外にやれる事は沢山ある。
「住民の避難状況はどうだ」
「ハイ、約70%が避難を完了。しかし市街地の被害が想定より大きいようで、退避行動に13%の遅れが見えています」
凱の質問に風龍が答える。ベルリンは歴史ある街である為に古い建物か多い、その為に衝撃でも壊れた建物が多く彼方此方で道路が封鎖されているようだ。
「そうか、状況を打開する為にもシン達に頑張って貰わないとな」

124:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:55:40
町の北側に視線を送る凱の側に、ルナマリアが駆るバクゥが近寄ってきて、外部スピーカーで話しかける。
「凱さん、どうして此処に? それにこの人達は」
凱に話しかけるルナマリアのバクゥの背後に、ウィンダムが急降下して来てビームライフルを向ける。
「ウィルッナーイフッ!」
それを見た凱はウィルナイフを引き抜くと、バクゥを足場に跳び上がりビームライフルの砲身を切断する。
「こんのおっ!」
思わぬ攻撃でビームライフルを失ったウィンダムが棒立ちになった所に、背中のビームキャノンを撃ち込んで破壊するルナマリア。
「助かりました、凱さん」
「ルナマリア詳しい話は後だ。俺達は引き続き住民の救助に当たる、奴らの相手は任せるぞ」
凱に言われて、戦闘に戻ったルナマリアは、ウィンダムの攻撃を迎撃している風龍達の前に出て背中のビームキャノンを撃って撃墜する。
「そっちの相手は私に任せて! え、ええっ!?」
ルナマリアがウィンダムを落として叫ぶが、地上へ落下するウィンダムを受け止めた風龍の姿を見て驚きの声を上げる。
「パイロットは無事の様ですね、このままでは爆発します。急いで脱出を」
敵ですら助けようとする姿に驚くが、動きを止めたりはしない。ウィンダム、ムラサメの区別無く撃ち落としていく。
その横で自らも相手の攻撃を捌きながら、落下してくる敵のMSの救助活動を行なう風龍達。
「あの人達がなに考えているか分かんないけど、私は私で出来ることをしなきゃね」
自分が撃ち落した機体を保護するGGGの機体を横目で見ながら、ルナマリアは自分のするべき事を行なう為に機体を走らせた。

ミネルバのブリッジでは、艦長のタリアがツクヨミからの通信を受け取っていた。
「では、あなた方GGGはプラントの要請を受けて我々の救援に来てくれた。と言う事で宜しいかしら」
「いや~、僕としては彼方のような美しい女性の味方するのは臨む所なんだがね。あくまでも我々GGGはベルリン市民の救助活動が優先されると考えてほしい」
モニターに映っているのは、奇抜な髪型(譬えるならピンクのカリフラワー)で鷲鼻の初老の男性GGG技術部のトップである獅子王雷牙博士だ。
雷牙博士がツクヨミに乗っているのは、長官が不在である現在、参謀である火麻が基地を離れるのは如何なものかという話があったからである。
「承知しました、ではミネルバは郊外に出た連合のMSを叩きます」
「うむ、ベルリンの事は万事、我々に任せてもらおう」
力強い言葉に頷き、町と住民の事を任せてミネルバはデストロイへと向かう。
「戦線を押し上げて、連合のMS隊を引き付けます。シン達と合流してあのMSを倒すわよ」
ミネルバは後の事をGGGに任せるとウィンダムの攻撃で彼方此方から煙を上げながらもシン達の援護へと向かった。

ベルリン郊外に戦いの場を移した一同は、2機のデストロイによる凄まじい火線に晒されて膠着状態に陥っていた。
もっともゴルディマーグは直撃を受けても大したダメージは無いので、避ける事をしない。
しかし如何に攻撃を仕掛けてくるMSと云えども人間が搭乗しているのでは破壊する訳にもいかない、自分の後ろにあるベルリンへと進もうとするデストロイに組み付いて押し戻すだけだ。
「ちっ、それにしても頑丈だな、コイツ!」
「ふんっ、そんな攻撃、蚊に刺されたようなもんだぜ。とはいえこっちも手詰りかよ」
アウルはデストロイにダメージを与えられるのはインパルスだけと見て、攻撃を集中させていた、シンは町に攻撃が広がらないようにデストロイの上空でその猛攻撃をかわし続ける。

125:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:56:52
「オラオラオラオラ、さっきまでの勢いは如何した!」
「くそっ、このままじゃジリ貧だ。何とか成んないのかよ」
アスランとレイが牽制に動くが、ジンの武装ではPS装甲に通用しない。そこへ漸くウィンダム部隊を撃退したムラサメ隊とカガリの乗るルージュが救援に訪れた。
「なにやってる! さっさとコイツを何とかしろ」
言うが早いかビームライフルをデストロイに向けて放つルージュだが、その攻撃も当然の如く弾かれる。
「ああん、雑魚は死んどけっつの!」
この攻撃で目標を変更したアウルが、周囲を飛び回るムラサメに対してネフェルテムを撃ち込む。その一つがルージュのエールストライカーに直撃した。
「きゃああああ!」
「カガリ!」
錐揉み状態で落下するルージュを間一髪で捕まえて、自分のSFSへと乗せるアスラン。
「す、済まないアスラン。助かった」
「バカ野郎、なんでこんな事をする。オーブを戦わせたく無いんじゃないのか君は!」
助けてもらった礼を言ったら、いきなり怒鳴られたカガリは、初め面食らったが直ぐに反論する。
「な、そんな事、でもこんな酷い事、黙っていられる訳無いだろう!」
「それでも、ここでオーブを戦わせるのは、オーブの理念に反する事じゃないのか!」
「そうかもしれない。でも!」
「でもじゃない!」
二人は今の状況では、場違いな口論を始めてしまったが、そこへデストロイがツォーンを撃って来る。
「くっ、カガリは降りて隠れていろ。君の腕では足手まといになるだけだ」
「えっ、アスラン何を!」
この攻撃を擦れ擦れで攻撃をかわしたアスランは、低空飛行に移ってルージュを降ろすとデストロイを止めるべく戦線に復帰した。

キラは、ネオの操るカオスと交戦していた。動き回るカオスに対して攻撃を仕掛けるものの悉くかわされる。
「攻撃がワンパターンなんだよ、フリーダム!」
「こっちの攻撃が読まれてるの? それにこの動きには覚えがあるような」
ドックファイトを繰り広げる両機の間をビームが抜けていった、ビームの来た方向に視線を向けるとミネルバが接近してくるのが見て取れる。
「ちっ、ウィンダム部隊が落とされたか。また面倒な相手が増えたな」
GGGが現れてから不利になる戦況に舌打ちをするネオであった。

この戦闘をステラ・ルーシェは医務室のベッドで聞いていた。全てでは無いが在る程度の戦況は此処へ運ばれてくる人間の話し声から判る。
どうやら、今ミネルバが戦っているのは連合軍で、その中にカオスが居る事。ならその部隊は自分が居たファントムペインだと判断する。
ステラにとって、シンは自分を守ってくれる人だ、そしてそれはネオも同じだと思っている。それにスティングやアウルだって大切な仲間だ。
「行かなきゃ、シンがステラを守ってくれるなら、ステラも大切な人を守らなきゃ」
体の調子は万全とは言い難いが、一時期に比べればまだ動く。幸いかどうか今ならドクター達は他の人の治療で忙しい、隙をみつけてステラはMSデッキへと頼りない足取りで向かった。
運良く途中では誰にも見つからずにMSデッキに辿りついたステラは、周りを見回すと奥に修理中のガイアが在るのを見つけた。
コクピットに入り状態を確認すると、コクピットのカバーが壊れたままではあるが、幸い動かす事はできるようだ。
四足獣形態に変形さえしなければ、そうそうコクピットから投げ出される事もないだろうと判断してシートベルトを着けてシステムを起動させる。
「皆を守りに行く、ハッチ開けて! 開けなきゃぶっ壊す!」
この物言いと剣幕に驚いたヨウランは味方が乗っていると勘違いして、ハッチを開けてしまう。完全に開ききる前にデッキから飛び出してゆくガイア。
「待ってて、今ステラが行くから!」
今までの戦いとは違う決意を持って、ステラが再び戦場へと向かった。

126:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:02:10
相手の戦力が整ってくるのを見たネオは、周辺を見回してある事に気が付いた。途中で現れた謎の部隊は、此方からの攻撃に対して迎撃や防御は行なうが、攻撃を仕掛けて来ない。
何をしているのかと見て見れば救助活動に動き回っているだけだ。その動きを確認する為に指示を出す。
「スティング、町に向かって一発ぶち込め。人がいる所を狙ってな」
ネオの指示を受けた二人は背中のアウフプラール・ドライツェーンを町に向けて放つ。
「危ない!」
それに気が付いた闇竜がミラーシールドを掲げて防御するが、流石に一人では防ぎきれない。
「闇竜、大丈夫?」
隣に炎竜からミラーシールドを借り受けた光竜が並び、何とかビームを弾く事に成功する。
その光景を見たネオはある考えを持って指示を出す。
「そう言う事か? お前ら、まともに相手するんじゃない。町に向けて適当にばら撒けば勝手に当たりに来てくれる!」
ネオの指示を受けたスティングが試しに指先のスプリットビームガンを放つと、先程と同様にシールドで攻撃を防ぐ。
「こっ、この野郎。お前の相手は俺だろうが」
腰にガッチリと組み付いて、デストロイの動きを止めていたゴルディマーグが焦った声を出すのをみてスティングは酷薄な笑みを浮かべる。
「なるほどな。馬鹿な連中だぜ、態々身代わりになってくれんだとよ」
「ははっ、そういう事ならぁー!」
シンを追い掛け回していたアウルも砲口を町へと向けて撃つ。
「やらせるかぁー!」
気合の声と共にSEEDを発動させて防御に入るシン、SEEDを発動させると人機一体となった感覚によってまるで機体性能すら上がったかのように感じる。
縦横無尽に動き回りミサイルは撃ち落し、ビームは盾で弾く。それでも可也の攻撃が町に降り注ぎ建物を瓦礫に変えてゆく。
町が炎に炙られる光景は、シンに家族を失ったあの時を思い出させる。こんな事は許してはいけない、その思いを叩きつけるシン。
「お前の相手は俺だろ、間違えんな!」
「違うね、俺達の仕事は町を灰にする事なんだよ!」
再び攻撃態勢に入るデストロイと攻撃を止める為に特攻しようと構えるシン。その両者の間にミネルバから飛び出したガイアが両手を広げて立ち塞がる。
「もう止めてー! こんな事もう止めてぇ!」
そのガイアから全周波数と外部スピーカーを使った悲痛な叫び声が放たれた。
「今の声、ステラ!?」
「何故彼女がガイアに乗っている?」
単純に驚くシンとレイ。
「ああん、なんだコイツ?」
「なんだ、この声覚えがあるような?」
消え去った記憶の残滓によって、違和感を覚えるスティングとアウル。
「ガイアだと、それにさっきの声は、まさかステラなのか」
ロドニアに無断で出撃して撃墜された事で、損失扱いにしたステラが生きていた事に驚いたネオの動きが一瞬止まる。その隙を見逃すキラでは無い。
「動きが止まった? 今だ!」
ラケルタビームサーベルで斬りかかるフリーダム、しかし間一髪の所で直撃は回避するカオスだが、回避しきれずにコクピットのカバーが壊れて内部が剥き出しに成ってしまう。
コクピットを破壊された破片と衝撃によって、ネオが被っていた仮面に亀裂が入り二つに割れてしまう、その仮面の下から出てきた素顔を見たキラは、驚愕して動きを止めてしまった。
「そ、そんな、まさかムウさん?」
今度は逆に動きの止まったフリーダムを見逃すネオではない。
「動きが止まったな、フリーダム!」
全部の兵装を一斉射撃するカオス、キラは咄嗟に回避運動に入るがビーム突撃砲の一撃を避けきれずに背中の《バラエーナ》ビーム砲を放熱用のウイングごと破壊された。
「しまった、バラエーナが死んだ」
これではフルバーストが使えなくなって戦闘が苦しくなる、それにカオスに乗っているのが本当にムウなら連れ戻さなければ成らないと判断したキラは、攻撃を躊躇うようになった。

127:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:04:33
呼びかけによって、動きの止まったアウルのデストロイに取り付き、再度呼びかけるステラ。
「シン守るって言った、だから守りたいだけなの。だから!」
「守る、守るって何言ってやがる!」
接触回線でアウルの声を聞いたステラが更に呼びかける。
「この声、アウル。アウル、ステラ守るよ、だからもう止めよう」
「なんだよ、なんなんだよお前、なんで俺の知らないヤツが、俺の事知ってんだよ!」
その声に消された記憶が何かを訴えてくる。その奇妙な感覚に我を忘れて暴れまくるアウル。
「きゃああああっ」
振り回された勢いで弾き飛ばされたガイアを、咄嗟に受け止めるインパルス。
「どうしてステラが、ガイアに乗ってるんだ」
通信を送ると医療用のガウンを着てコクピットに座るステラの姿が映った。
「シン守るって言ってくれたから、ステラも守るの。それにスティングとアウルもネオも」
ステラが言った事をそのまま受け取れば、つまり自分が守ると言ったから同じように自分の事も守ろうと言う事だろう。それに話に出た人達はステラの仲間だったはずだ。
「じゃあ、あのデカイMSに乗っているのは、ステラの仲間なのか!?」
そうだとすればエクステンデッドに違いない、他人によってその人生を、在り方を歪まされたステラと同じ存在。そう考えた瞬間、シンは叫んでいた。
「お前達もエクステンデッドか、ならこんな事はもう止めろ。無理矢理戦う必要なんか無いんだ」
ステラと一緒に叫ぶシンだが、返ってきたのは砲声だった。
「五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い。気持ち悪いんだよお前ら、消えろぉ!」
無差別に暴れまわるアウルは辺りに破壊を撒き散らす。それを見たステラがシンを振り切って飛び出した。再び正面で相対するデストロイとガイア。目の前に飛び出してきたガイアを見たアウルが叫ぶ。
「この気持ち悪いのは、お前だぁー!」
デストロイの胸からスーパースキュラが放たれ、巨大なビーム光線がガイアを飲み込もうとする。
「うおおおおっ! 絶対に守ってみせる!」
その瞬間、突っ込んだインパルスがガイアを弾き飛ばして助けるが自身は攻撃を避けきれない、咄嗟にシールドを翳すのが精一杯である。
ガイアの代わりに攻撃を受けたインパルスであったが、何とか原型は留めているものの、頭部と両足は千切れ飛び、武装も無くしてしまう。
「メイリン、チェストとレッグ、それにブラストシルエットを出してくれ」
咄嗟にメイリンに指示を出して、コアスプレンダーを分離させようとするが、チェストは外れたが、フレームが歪んだのかレッグが分離できない。上半身をはずした事で推力を失って落下するインパルス。
「なっ、分離出来ない!?」
「換装なんぞさせるか、止め刺してやる」
中途半端に分離したインパルスが地上に落ちるのを見て、踏み潰そうとするデストロイの足にしがみ付くガイア。
「ダメ、シン殺しちゃダメ!」
「さっきから、ウザイんだよ。お前ぇ!」
アウルはデストロイにしがみ付くガイアを蹴り剥がす。蹴り飛ばされたガイアは地面に叩きつけられた。
「きゃああああ! ガッ!」
衝撃で気を失うステラ、動きの止まったガイアを左腕で掴み上げ、今度こそ破壊しようと頭部のツォーンを向けたところで、フリーダムと交戦中のネオから通信が入った。
「よせ、アウル。そいつは回収しろ」
不可解な命令に不服そうな声を上げるが、繰り替えされては従わざるを得ない。
「これで引き上げってこと?」
「そうだ、もっとも帰りの駄賃は貰ってゆくがな。スティング、ミネルバを殺れ」
ネオに言われたスティングはミネルバを観察する。彼の船は続けざまの戦闘で疲弊しており、護衛のMSは居らず、ここに到着してからもウィンダムの攻撃で彼方此方が破壊されている。
スティングのデストロイもゴルディマーグによって、下半身はガッチリと固められて動けないが、攻撃された訳ではないので武装は健在だ。
「OK」
両腕を飛ばしてミネルバに狙いをつける。それを見たアウルのデストロイを牽制していたアスランと、動け無いインパルスの回収に当たっていたレイのジンがカバーに入るが、間に合わない。直後デストロイの指先に装備された10条のスプリットビームがミネルバの船体を貫いた。

128:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:06:30
直撃を受けたミネルバのブリッジでは怒号が交錯していた。
「ダメージコントロール、両舷隔壁緊急閉鎖!」
「エンジン出力低下、このままでは市街に落着します!」
「町への被害は最小限に止めて! 各員脱出用意!」
「ダメ、落ちる!」
「大丈夫だ、俺達が何とかする!!」
誰の声かは分からなかったが、その声が艦内全てに響いた瞬間全員が希望を取り戻した。
いや誰の声かは直ぐに全員が理解した、なぜならこの頼りがいのある声は共に戦った勇者の声だからだ。
凱の声に呼応して、風龍、雷龍、ゴルディマーグの3人が落下するミネルバを支えていた。
「頼むぞ皆!」
戦艦の一隻くらいならこの3人で郊外まで運ぶことが出来るだろう。
デストロイとカオスの相手は光竜と闇竜に代わっている。二人は飛んでいたデストロイの両腕を早々に撃墜すると本体の足止めに掛かろうとしたが、肝心のデストロイが退却を始めた。

ミネルバの撃墜にまでは到らなかったが、エンジンと船体は破壊した事で航行能力は奪った。それを確信したネオはスティングとアウルに下がるように命令すると次の作戦に移る。
「ボナパルトの乗員は退避しろ、どの道灰にする予定の町だ、あいつ等ごと綺麗サッパリ消えてもらおう」
陸上空母のボナパルトにはいざという時の為に核ミサイルが積んであった。只打ち込むだけでは、この連中なら如何にかしてしまう可能性が高い。
「だが街中で起爆するなら如何するかな、正義の味方さん達」
必死にミネルバを運ぶ勇者達を見ながら、後方で待機している陸上戦艦へと帰還するネオのカオスとスティング、アウルのデストロイ。そしてデストロイの腕に捕らえられたステラの乗るガイア。
「あれはガイア? まさかあいつ等ステラを。くそっ、ステラァー!」
連れ去られるガイアを見たシンは、コクピットの中で叫んでいた。

ミネルバを何とか不時着させた凱は戦闘を行なっている方向へ視線を向ける。するとデストロイが下がるのに代わり後方にいた超大型の陸上艦が突進してくる所であった。
それを見た凱は何か引っかかるものを感じて、咄嗟にスキャンするように指示をだす。
「あの陸上艦から核反応を確認!」
「なんだと! 押し戻せ!」
凱の叫びに勇者達が飛び出し、ボナパルトに取り付き押し返す。しかし流石に大きさと重量の差によってジリジリと押される勇者達。

129:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:07:18
ボナパルトがGGGによって食い止められている光景を見たキラは、退却するカオスを追いかけるのを止めて、その上空へ飛んでいった。
「これを壊せば、良いんでしょ」
ボナパルトを破壊すれば連合のベルリン侵攻が頓挫すると判断したキラは、ビームライフルの銃口を向ける。引き金を引こうとした直前、目の前にアスランが乗るジンのSFSが割って入ってきた。
「アスラン、邪魔しないで」
「お前こそ何をしようとした。あれには核が積んで在るんだぞ!」
アスランからの通信を受けて慌ててアークエンジェルに連絡を取ると、マリューから今、調べるので待つように言われた。
ボナパルトをスキャンして核反応を確認したアークエンジェルは、即時撤退を決める。
「キラ君、カガリさんを回収して戻って!」
「え、でもこのままじゃベルリンの町が」
「言いたい事は分かるわ。でも此処で彼方やカガリさんに万が一の事があったら、世界はどうなるの。悔しいけれど分かって頂戴」
マリューの説得に納得するキラ、確かにここで自分やカガリに何かあったら、この混乱した世界を正す事が出来なくなってしまう。
「分かりました。悔しいけれど後はザフトに任せて、僕達は離脱しましょう」
キラはアスランの乗っているSFSに近づくと通信を送る。
「アスラン、君も僕たちと一緒に行こう。此処に居てはダメだ」
「そんな訳にいくか、まだミネルバが残っているんだ」
「でも、これ以上は無理だよ。このまま此処に居たら爆発に巻き込まれる、その前に離脱を」
「そうだ、私達と一緒に行こうアスラン」
説得を繰り返すキラとカガリだが、アスランは聞き入れない。
「キラ君、時間が無いわ。急いで!」
ムラサメ隊の回収が終わり、残っているのはフリーダムとルージュだけだ。業を煮やしたキラはアスランを強引に連れて行こうとするが、そこにレイのジンが近寄ってフリーダムに攻撃を仕掛けてくる。その攻撃を避けて反撃するキラ
「レイ止めろ、キラお前もだ。今はそんな場合じゃないだろう」
アスランが叫ぶが、戦いの決着は一瞬で着いた。いかにダメージを負うともフリーダムとジンでは相手にならない。達磨にされてSFSから落下するレイ、そのレイのジンを空中で回収するアスラン。
マリューから再度の撤退を進言されたキラは、その隙に飛行能力を失ったルージュの手を引いてアークエンジェルへ帰還する。
「アスラン、僕達の目指す所はきっと同じなんだ。だからいつか分かり合えるよね。それまで無事で居て」
「待て、キラァー!」
アスランの叫びもキラには届かない、追いかけたい衝動に駆られるが此処で離脱するわけには行かない。
「くそっ、キラ、カガリ何で分かってくれないんだ」
フリーダムとルージュを収容したアークエンジェルが、戦域外へ離脱するのを見送ったアスランの呟きが吐息と共に消えていった。

130:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:08:26
力自慢のゴルディマーグを中心にしてベルリンへと迫るボナパルトを押し返すが、このままでは町の中に入られてしまう、いや今の場所で爆発してもベルリンは壊滅するだろう。
まだ爆発しないのは単純にネオ達が爆発圏外まで退却中であるからで、退避行動が終れば躊躇無く爆発させるだろう。
それならば相手のタイミングで爆発されるよりは、此方で破壊した方が対処しやすい。爆発の威力と放射能を防ぐ手段は有ると判断した凱が命令を下す。
「頼むぞ、氷竜! 炎竜!」
「了解、行くぞ炎竜!」
「おうっ、氷竜!」
凱の意図を即座に理解した二人が走り出す。
「「シンメトリカル ドッ キンッ グ!!」」
竜型ビークルロボである二人のシンパレートが頂点に達した時、氷竜が右半身、炎竜が左半身に変形して《シンメトリカルドッキング》することによってハイパワーロボット《超竜神》が誕生するのだ。
「超ー竜ー神!」
超竜神に向かって上空のツクヨミから、超振動を発生させて炎や爆発を大気中より瞬時に消す事の出来るメガトンツール《イレイザーヘッド》が射出される。
イレイザーヘッドを受け取ってボナパルトへ向けて構える超竜神。
「隊長、準備完了です」
「俺が撃ち抜くからタイミングは任せたぞ」
超竜神へ告げると走り出す凱。不時着したミネルバの下に到達したところで外部装甲を蹴り上がり、上部にあるXM47《トリスタン》の上に降り立った。
膝立ちになって手を触れると射撃システムに直接介入して射撃体勢を整える。
火器管制を奪われたタリアが慌てる。
「何をするつもりなの! 凱」
「あの戦艦を破壊する」
敵戦艦を破壊する事をブリッジへと告げる凱に対して、タリアは破壊した時の危険性を指摘する。
「正気? あれには核が積んで在るのよ」
「承知の上だ。任せろ、何とかしてみせる!」
自身に満ちた力強い声でそう言われては反論も出来ない。それに彼は今までも奇跡を起こしてきた。その凱が言うのならば否は無い。
「分かったわ、私達の命もベルリンの運命も全て凱、彼方に託します」
「ああ、託された。よし、此方の準備も整った。カウントダウンだ!」
「了解、5!」
凱から破壊のタイミングを任された超竜神が秒読みを開始する。
「4!」
カウントダウンが進むごとに緊張が高まって行く。
「3!」
ボナパルトを抑えこむ勇者達は着弾の一瞬前に離脱する準備を始める。
「2!」
ミネルバのクルーが一瞬たりとも目を離さぬと視線を送る。
「1!」
ベルリンの市民が天に祈る。
「発射ぁ!!」
「イレイザァー ヘェェッドォー!」
凱の声と共にトリスタンのビームがボナパルトへと放たれると同時に、ボナパルトを押さえていた勇者達が一斉に離脱する。
0コンマ数秒の差を持って超竜神がイレイザーヘッドを撃ち込む。
先に到達したビームがボナパルトを火球に変えるのと同時に、イレイザーヘッドによって作り出された超振動力場によって、爆発の衝撃と拡散する炎そして周囲を汚染するはずであった放射能の全てが天高く舞い上げられる。
さながら天地を貫く光の柱のように、全ての力が成層圏へと運ばれ、その光が消えた後に残ったのは、僅かに地面が焦げている痕跡だけであった。

131:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:09:19
爆発と次に天へと立ち上った光の柱に目を眩ませたタリアであったが、徐々に小さくなっていく光が収まると観測手へと状況を尋ねる。
「どうなったの?」
問われた観測手は自分でも何度か目を擦ると、まるで狐に鼻を抓まれたような表情で返答する。
「観測の結果、被害は敵艦のあった場所の地面のみのようです。爆発エネルギーの殆んどは消失、放射能汚染もほぼ0、レントゲンレベルです」
「ハ、ハハハ本当に何とかしちゃいましたね。艦長」
助かった事に安堵したアーサーが椅子からずり落ちる。どうやら腰を抜かしたらしい。
「本当にね、あの人達が味方で良かったわ」
赤と青の機体の周りに集った勇者ロボ達を見ながらタリアは漸く息を吐いた。

ツクヨミ内で計測していたスワンから、報告が上がる。
「全エネルギーのうち99.99998%の成層圏への放出を確認しました。放射能の汚染レベルも問題アリマセーン」
「うむ、ベルリンは救われたの。ところで攻めてきた連合の部隊はどうしとる?」
報告を受け取った雷牙博士は次の行動を視野に入れて、連合の動きを尋ねた。
「撤退を始めたみたいデース。追いかけマスカ」
「いや、それよりも市民の救助を最優先じゃ。まだまだ休めんぞい」
外に目を向ければ、合体を解いた氷竜と炎竜も加わって救助作業が再開されていた。

凱達がベルリンでの死闘を終えた頃、木星の巨大重力の渦の中である《存在》が目覚めた。
《ソレ》は長い時を眠っていた。遥かな昔自らを生み出したモノが滅び去り、《ソレ》もまた朽ちて逝くだけの存在であった。
だが此処数年で、《ソレ》を蘇らせるに足るエネルギーが届くようになった。
エネルギーとは《ソレ》を生み出したモノが恐怖と、憎悪と、悲哀と、諦観と、嫉妬と、怒りと呼ぶ負の力である。
《ソレ》が生み出された目的は、そういった負のエネルギーを喰らい、浄化する事であった。《ソレ》はその本能に従い、ゆっくりと目を覚ます。
『ZON・DER!』
一つ咆哮を上げて自らの存在を誇示すると、自分の糧となるモノへと向かって動き出した。
木星で目覚めた《機械生命体ゾンダー》が目指す先、それは地球である。

君達に最新情報を公開しよう
遂に姿を現す機械生命体ゾンダー
人類の敵の前にして遂に手を取るプラントと連合各国
しかし、その裏で暗躍する者達がいた
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第16話 『結成 GGG』 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ 《Gutsy Galaxy Guard》

132:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:26:04
ども小話です
ベルリンの後編になりますが、いかがでしょうか
あと木星の敵は色々と考えた末に、あの二人を出す時にコレに決めました
ではまた

ところで、今回の勝利の鍵は《ステラ》と《イレイザーヘッド》のどっちか
悩んで《ステラ》にしましたけど、《イレイザー》の方が良かったですかね?

133:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 11:41:46
勇者ロボ軍団キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
うはっ鼻血物だ! 興奮した!! イレイザーすっかり忘れてた!
そういう意味でも勝利の鍵は《ステラ》でよかったかも
面白過ぎて参る、しかしキャラは崩れてない、すっげぇ!!
そしてついにゾンダーキタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━!!!!
お疲れ様でした、これからもがんばってください

134:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 13:40:45
燃ゆる! 勇者ロボがちゃんと勇者ロボしてるよ!
ゾンダーもキタ! 最初は手を結んだように見えても、双方ともゾンダーを解析して
自陣営の力にしようと画策しそうダナー
つか、真っ先にラクシズが手に入れようとしそうなのが予想できてしまうw

135:一尉
09/08/10 13:42:23
面白い、凱旦那、素晴らしいで良かったな。

136:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 14:14:40
GJ!
連載初期にはハンマーヘル&ヘブンでゾンダー化したデストロイからステラを救出する
ガオガイガーとか想像してたが……。
そうだよな、勇者ロボにはイレイザーヘッドがあったよな……。
何をどう考えてもラクシズに一番必要だったのはストライクフリーダムでもエターナルでもなく
人を救ったりするためのイレイザーヘッドのような気がする。
つーかフリーダム開発する資金があるなら防衛兵器の一つでも開発しろよ、と(ry


137:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 14:26:09
>>136
危険だから寄越せ、ですね?わかります

138:一尉
09/08/10 17:26:41
そうえば護は今はとうしているかな。

139:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 17:29:24
>>136
フリーダムもエターナルも、ザフトからおいしく戴きました>ラクシズ一同

140:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 19:06:52
結局キラは自分が被害を拡大させた面もある事を認識すらせずずらかったか。
そこへきてムネヲのツラを拝んでしかも取り逃がしたとなると、
今度はその尻追い掛け回していつの間にかAAごとPPとつるんでたりして。
プラントとGGG(あるいはセイランオーブにジブを見限りつつある地球の残り勢力)
との協力体制からはハブられるんだろうし。

141:一尉
09/08/10 19:15:55
じゃあ、続きを始めて下さい。

142:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 19:57:12
自由は本来はプラントの防衛兵器なんだぜ
マルチロックの射撃でプラントに近づく敵を撃ち落とし、打ち漏らしたのを正義がやる方式
ラクシズは見事にテロにしか使ってませんが

セリフと地の文に一行開けてほしい
そして展開が切り替わる時に二行開けると読みやすくなるかな

143:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 22:35:06
GGGJ!!やべぇ読んでいてすっかりイレイザーヘッドの存在忘れてた…
てっきりマイクのディスクMで解析したNJCを無力化とかだと思ってたOTL

そして今はこれしか言えない…
これぞ勇者魂だあぁぁぁああぁぁっっ!!


もう少ししたら戦場は宇宙かな?
そうしたら(多分)新なる勇者、スターゲイザーの出番が!?

144:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 23:28:32
去年、半分ノリで立てたスレがパートかして続いていることに驚いた。

145:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 01:59:40
>でも此処で彼方やカガリさんに万が一の事があったら、世界はどうなるの。
確実に無駄死にが減ります。

・・・いい年した大人なんだから、常識を持ってくれよ。
まぁ、それがないからガキと一緒にテロやってるんだろうが。

146:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 02:54:31
>>145
逆に28にもなって(この局面で)真顔で世界がどうとか言えるのがある意味スゲーと思ってしまう俺ガイル…

147:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 14:23:52
無力の一般人達が絶対絶命のピンチに、
命惜しさに逃げ出す正義の味方・・・情けない言い訳付き。

平成が生んだ、新しいヒーローの在り方だなorz
勇者達と競演だから、余計に対比でヒデーことになってる。
でも、同人アニメを見た後だと、全く行動に違和感ないんだよね。

148:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 15:25:18
まぁ相手が個体戦力では(多分)バイオネットロボにも劣る奴らだしなぁ…



勇者達なら充分対応可能だろう。
でも相手がバイオネットやゾンダーだろうが彼らなら分担してでも救助を優先するだろうな…

149:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 17:43:59
「思いだけでも、力だけでも」なラクシズから見れば
ある意味「思い」を「力」に変えると言えなくもないゾンダーメタルは
理想的なパワーアップツールに思えるかも。

150:一尉
09/08/11 17:47:41
この世界の護は今はとうしているだろう。

151:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 18:08:24
>>143
とりあえずノワールとのシンメトリカルドッキングをだな

152:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 18:08:37
人間の負の感情をエネルギーにしているからな
怒りをパワーに変えて平和を生み出しましょうと都合のいい事をほざくラクシズが目に浮かびます
てかガンダムワールド全般に言えるけど種世界って大半が憎しみ持ちだからな
ゾンダーとしてはこれほど都合のいい世界はないだろ

153:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 19:53:38
ゾンダーメタルは普通の人間のストレスでも怪獣に仕立て上げられるけど、
キラやラクスってその手の不の感情を超越してそうな気がする。悪意で動いて
はいない人種だし。
存在そのものが迷惑極まりない人種ではあるけど。

154:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 20:16:38
>>153
下手したら自我を保った状態でゾンダーの力を使いこなせそうな気がする。



他にゾンダーに適合しそうな人…

ジブリール、エクステンデッド一同、アスラン(板挟み的な苦悩で)、カナード、常夏、アズラエル、フレイ、案外カズイとかも

異論は認める

155:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 23:45:24
>>154
ゾンダリアンとしてラクスが四天王入りするんですね分かります。

156:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 16:55:06
>>153
いや、ありがたい平和への思いをこめた停戦命令や、
超兵器や場の主導権明渡し命令を聞かない相手へのストレスは凄いぞ。
もっとも大抵は瞬間的に高まっても直ちに自由正義で抹殺して解消するから
後を引かずさほど目立たないだけのことで

157:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 17:43:05
種世界にはストレス抱えてる人が多そうですから、ゾンダー大活躍の予感!
っていうか『浄解』された後の『きれいなラクス』とか『きれいなキラ』とか
笑えることになりそう、今からどうなるか楽しみ!
GGGJしたっ!!

158:一尉
09/08/12 18:41:33
但し、シンにもゾンダー化にしたり後はマーレ・ストロードってゾンダー化にお似合いそうな男だよな。

159:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 20:02:02
セカンドステージのパーツ全部使ったゾンダーが出来そうですね

160:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 20:34:02
ネタ画像でそんなのあったぞ・・・

161:一尉
09/08/13 12:14:12
ネタ画像ってあるですか。

162:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 07:59:50
>160
あとはカラミティとソードカラミティがシンメトリカルドッキングした「災竜神」とかもあったっけか。

163:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 10:42:57
元が狂った善意で動く連中だから
浄解されたところで行動原理が変わるモンでもないだろうな
キラとラクス
アスランなんかはとても前向きに働くようになるだろうけど
それでなくてもこのミネルバMS隊は他のSSに比べてとてもまとまっているな
カガリは・・・抱え込んだストレスが無くなれば、ポジティブに周囲に迷惑をかけまくるだけだな
浄解された人々が真っ当になれたのも、社会人として一人間としての常識などの基礎が固まっているからで
ゆえに社会との摩擦軋轢によって苦しみ、そこから開放されたことで正常に動けるようになるわけだから
ラクシズの大半は基礎から壊れているから・・・

むしろコーディネイターへの劣等感やらのあらゆるストレスから開放されたジブリールは
優秀な宣伝部長として輝くだろう・・・多分

164:一尉
09/08/15 11:49:15
シン場合はとうしますか。

165:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 13:10:07
ジブリールって金融関係の人だろ
NJで世界規模インフラ破壊でその道の人のストレスは計りしれんぞ
さぞゾンダーのいい苗床になってくれるだろうな
そして浄解後は凄く綺麗なジブリールの姿が!!

166:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 13:38:37
ふとゾンダリアン化したアズラエルとかを考えてしまった…

浄解後はCE世界の勇者王に!!…ならないわな

167:一尉
09/08/15 18:28:44
マーレって男がゾンダー化にした場合すごく暴走にされるよ。

168:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 21:30:14
>>159
こんなのか?
URLリンク(upload.jpn.ph)

169:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 21:55:00
らしくもありらしくなくもあり
ジェネシックと絡ませた日にはどっちが悪役か分からなくなるなあw
(絶対一方的にボコられるだろうから)

170:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 22:00:05
>>168
これってフルスクラッチ完全変形ピア・デケム・ピーク作った人が立体化してたよね
俺はそっちのイラスト版見るの初めてだw

171:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 23:56:33
>>168
格好いい( ´∀`)
勇者に成長したシンに乗って欲しい


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