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09/06/17 23:17:19
規制解除されましたので、以下3レス分続きを投下します。

217:文書係
09/06/17 23:19:10
公式出るまで脳内補完/機動戦士ガンダム00/短編小説パトリック・コーラサワー/「アロウズ離脱 その2」

※本編は原作の補完を主眼としています。本編の後に出版される公式小説と内容に齟齬が生じた場合には、
 後日文書係がまとめサイトにおいて、内容を改変する予定です。

>>199
 パトリック・コーラサワーがカティ・マネキンに熱烈な好意を寄せ、ガンダムから彼女を守るという理由で
アロウズに志願してきたことは、アロウズに籍を置く者なら上層部や士官たちはおろか、食堂や事務方の
職員でさえ知らぬ者はない。アロウズに来てこのかた、作戦行動中の公開ラブコールは自粛してなくなった
ものの、普段の言動までは彼女といえど制しようがないのであった。

だが彼女はその艶聞を逆手にとり、彼の入室を公然と許していた。放って置けば一日中寝食を忘れ考えに
耽ってしまう彼女にとって、むしろ彼のような存在は気分転換になり、考えようによっては有難いのかも知れない。
しばしば彼が前触れもなく突然部屋に飛び込んでくることと、彼女の黙想が妨げられるのが難点といえば
難点だが、自分の目の届かぬところで彼が生命の危機に晒されることだけは何としても避けたかった。
作戦行動中も彼女の権限の及ぶ限りにおいて、尤もらしい理由をつけて側近く置き、残虐な作戦に加わらせ
ないよう腐心していたのもそのためである。

これがエゴでなくて何なのだろう。彼女を清廉高潔と称える者があっても、その賞賛は痛烈な皮肉の刃となって、
カティの胸を刺すばかりだった。
世界中の紛争を早期解決に導くという信念に嘘偽りはないが、目の前で屈託なく笑う、愚かしいほどに無邪気で
純粋すぎる男の命も無下にはできないのも、また彼女にとって真実なのであった。

パトリックはそんなカティの思惑に気付く由もなく、鼻歌交じりにコーヒーを淹れている。
―非常時だというのに、呑気な奴め。だが、この声は悪くない。
最初は聴くとはなしに聴いていたのだが、少し鼻にかかった、甘さのあるパトリックの声は、彼の母国語で
囁くように歌うと、実にしっくりと耳にくるのだった。

 Ange d'or, fruit d'ivresse,         金色(こんじき)の天使 陶酔の果実
 Charme des yeux,             魅惑のまなざし
 Donne-toi, je te veux,           許しておくれ お前が欲しい
 Tu seras ma maitresse,          俺の恋人になっておくれ
 Pour calmer ma detresse.        俺の悲嘆を和らげるため
 Viens, o deesse,               おいで おお 女神よ
 J'aspire a l'instant precieux        俺は憧れる 二人幸せな
 Ou nous serons heureux: je te veux  大切なひとときを お前が欲しい

カティに聴かせるつもりがあるのかないのか、恐らくはその日その時の気分で歌っているだけなのだろう。
歌い出しも冒頭からであったり途中からであったり、同じフレーズを繰り返していたりと、気ままそのものである。
しかしながら口ずさむのはきまって、恋の歌だった。この辺りは彼自身の嗜好と、民族性とによるのだろう。
普段伊達男を気取っているこの男も、それでも一旦戦闘となれば、時として狂戦士に変貌するのだから、
人というものは分らない。そういう時の彼は、まるで別人のようであった。


218:文書係
09/06/17 23:21:22
公式出るまで脳内補完/機動戦士ガンダム00/短編小説パトリック・コーラサワー/「アロウズ離脱 その3」

 ―別人、か・・・・・・。
5年前のソレスタルビーイング殲滅作戦において、カティの部隊が捕えた羽根付きガンダムのパイロット、被検体
E‐57は、二十歳前後の若い男だった。
アンドレイ・スミルノフの報告によれば、被検体E‐57は超兵ソーマ・ピーリスの姿を認めると、親しげに「マリー」
と呼びかけ、自分を「ホームでずっと話をしていた、アレルヤ」だと名乗ったという。
収監中いかなる尋問や拷問にも一度として動じず、口を割らなかった男が笑顔さえ見せたということだった。
対するピーリスは、男の呼びかけに強い拒否反応を示し、逃れるようにその場を去ったという。

ピーリスには超兵となる以前の記憶がなく、後日セルゲイ・スミルノフに「マリー」という名が超兵機関の残存データ
にあるか照合を求めていた。
これらの事実を考え合わせるに、セルゲイの告白した「人革連の咎」とは、人間の尊厳を無視した人体強化実験の
中に、記憶や人格の操作を含んだものであったと推定できる。
既に超兵機関が消滅し、データも大部分が隠滅された今となっては、確かめようがないのであるが。

ソーマ・ピーリスと被検体E-57―「マリー」と「アレルヤ」―聖母の名と神への賛辞と、神聖な因縁で繋がれた
二人の名を、カティは思い返した。
二人の乗ったMSは戦闘の末、もつれ合うように落下し消息を絶った。そしてピーリスの乗機スマルトロンだけが主の
ない帰還を遂げたが、死を裏付けるような痕跡をコクピット内に認めることはできなかった。
また、セルゲイからの報告書に、不審な点は見当たらなかった。あえて言うならば、彼女の死を悼みつつ作成された
ものであるとすれば、それは些かそつのなさすぎる出来栄えであった。

―戦う以外に己の存在意義を見出せぬ乙女を、我々人革連は創り出してしまった。あれには人としてあるべき
はずの家族も、朋友も、過去の記憶すらない―
―あれが・・・・・・人革連の咎なのだよ―あれが過去に失ったものを取り戻してやることが叶わぬのなら、せめて
今、この手にある未来は・・・・・・と思うのだ。一体何の罪滅ぼしのつもりかと後ろ指をさされ、あざ笑われようがな。

自分の娘にと望み、人並みの幸せを与えてやりたいと願うほどに慈しんでいたピーリスを、セルゲイが軍に背き死を
偽装してまで手放した理由を、カティは彼の遺した言葉を手がかりに、頭の片隅で考え続けていた。
しかし何という偶然の符合か、その疑問が彼女の中で氷解した。

 J'ai compris ta detresse,         あなたの悲嘆はわかったわ
 Cher amoureux,              愛しい恋人よ
 Et je cede a tes voeux,          だからあなたの切なる願いに負けたの
 Fait de moi ta maitresse.        わたしをあなたの恋人にして
 Loin de nous la sagesse.         思慮分別は遠く押しやり
 Plus de tristesse,             もう寂しさなんてない
 J'aspire a l'instant precieux       わたしは憧れる 二人幸せな
 Ou nous serons heureux: je te veux.  大切なひとときを あなたが欲しい

 Je n'ai pas de regrets           わたしは後悔していない
 Et je n'ai qu'une envie:           だから願いは一つだけ
 Pres de toi, la, tout pres,          あなたの側で すぐそばのそこで
 Vivre toute ma vie…           一生涯生きること・・・・・・


219:文書係
09/06/17 23:23:14
公式出るまで脳内補完/機動戦士ガンダム00/短編小説パトリック・コーラサワー/「アロウズ離脱 その4」

 ―面白い男だ。
パトリック・コーラサワーをタクラマカンでの作戦に加えるか否か、カティ・マネキンが思案している奇しくも
その折も折、彼は玄関の呼び鈴を鳴らし、彼女が大規模作戦を控えた緊張状態にある横で、締まりのない
笑顔を晒していた。あたかも彼女のパズルの欠けたピースを、ひょっこり持って現れるような間の良さを、
彼は持ち合わせているのだった。
大体においてそれは彼の意図しない内に、また彼女にも思いもかけぬ形で僥倖をもたらしていた。

パトリックの破天荒な言動が、彼女の勘気を蒙ることもままあるのだが、彼のしょぼくれた間抜け面を見て
いる内に滑稽になり、腹を立てているのもじき馬鹿らしくなり許してしまう。見ていなければ何をしでかすか
分らんと、危なっかしくて放っておけず、今日この時に至っている。

今は彼岸の人となった戦友、セルゲイ・スミルノフが見せた不可解な行動の真意が、徐々にカティの中で
輪郭を現し、浮かび上がって来ていた。思慮が服を着、分別が眼鏡をかけているような彼女には思いも
寄らない仮説であったが、彼らに当てはめてみると、なるほど全ての辻褄が合う。
父親が娘を手放すとすれば、娘が一人の男を生涯の伴侶に選び、女としての幸せを掴もうとする時に他ならない。

「マリー」と「アレルヤ」は「ホーム」と呼ばれる超人機関において親密な間柄であったが―人格操作に
よってマリーの記憶は封印され―アレルヤはホームを脱走してソレスタルビーイングに接触し、
羽根付きのパイロットとなった。
アレルヤは国連軍に捕えられ―連邦軍収監施設において二人は再会を果たした。同胞アレルヤの
呼びかけがピーリスの封印された記憶を徐々に呼び覚まし―やがて完全に覚醒した彼女は旧知の男の
許へ奔った。
セルゲイは、マリーの人格を取り戻したピーリスを捜索の末発見したが、アロウズに連れ戻して戦わせるにも、
男と引き離して手許に置くにも忍びず、マリーとしての彼女の幸福を尊重して、離別を選び死を偽装した、
ということになる。

彼ら―マリーとアレルヤ―は今、幸福なひとときを過ごしているのだろうか。二人の身は恐らくソレスタル
ビーイングにあり、今後敵として相対する可能性も皆無でないことを思うと、カティは手放しで二人を祝福して
やる気持ちにはなれなかった。
ただセルゲイの父親としての想いは叶えられ、果たされた―それをせめてもの慰めにするしかない。
妻を戦場に見捨て、我が子に討たれた男が、その手で最期に護ったものは、全てを失った少女の未来だったのか。

思えば殲滅作戦の後、国連軍が蒙った壊滅的被害の収拾にカティが追われている中、ピーリスは負傷した
セルゲイに人目も憚らず取り縋り、呼びかけを繰り返し、金色の瞳から大粒の涙をこぼしていた。
彼女と世界を結ぶたった一人のよすがであったセルゲイを失うかも知れない恐怖と悲しみに、軍人然とした
平素を忘れ、途方にくれた子供のように泣きじゃくるピーリスの姿に、カティも少なからず心を打たれたのだった。
セルゲイはあの時、何を見、何を想ったのだろう。
死に顔すら見ることの叶わなかった妻の、決別の涙をそこに見ただろうか。
戦場に母を喪った、アンドレイ少年の慟哭を、少女の嗚咽の中に聴いただろうか。

あの時、彼はひとりの人間として犯した過ちを、少女によって改めて気付かされたのかも知れなかった。
己が身を顧みず単身、朋友を諫め、軍人としての功績を擲って少女に未来を与えたのは、その償いであったのだろうか。
人としての禍福と功罪とをないまぜにしたセルゲイの最期に、運命の皮肉を感じてカティは長嘆息した。
だが逝った戦友と年若い恋人たちに思いを馳せ、感傷に浸ることが許される時間は、もう残されてはいなかった。
(今回投下分終了。多分「アロウズ離脱 その5」に続く)


220:通常の名無しさんの3倍
09/06/17 23:29:26
>>文書係さん
投下乙!

221:通常の名無しさんの3倍
09/06/18 05:30:57
>>アロウズ離脱
やっている事は、カティの思考を使って、一期二期をまたぐ
総集編に近いんだけど、映像媒体のアニメではやりにくい
回想が違和感なく再現されてて面白かった。
GJ

222:通常の名無しさんの3倍
09/06/18 05:52:06
>>216 GJ!
カティ頭良すぎですw
実は相当コーラに惚れてるっぽい感じなのが面白かった
多分~じゃなくて是非続けてください
離脱するとこwktkして待ってる

223:弐国 ◆J4fCKPSWq.
09/06/20 03:00:17
小さな島に風が吹く 5.5話
『製造者責任の所在』(1/5)

「コンテナへのボンベ設置完了です。噴霧開始は予定通りに。引き取りの確認もとれました。
こちらも予定通り明朝マルサンサンマルにトレーラーが来るそうで、サインは所長が直接、と」
「イヤな仕事ばかり済まない、今日はもうあがって良いよ。―あぁ、構わんで良い。ご苦労さん」
 これでこのフロアには誰も居なくなったはずだが。……ドアくらい閉めたらどうだ、全く。
初老の彼が大きなデスクから立ち上がり、コート掛けから外套を取った所で声がかかる。

「―博士、お出かけですか? ならばフロアが誰も居なくなりますので施錠の準備、しますね?
何か急なご用件ですか? 聞いてなかったんすけど。なら、すぐ下に言って運転手を……」
「車は良い。今日は泊まりだし、ちょっと外の空気を吸おうと思ってね。心配は要らん。すぐに戻る」
 ガードマンの制服の上、人の良さそうな顔が座る。だが腰には実弾を込めた銃を下げ、
右手には棍棒になりそうな巨大な懐中電灯をてもちぶさたにもてあそぶ、顔見知りの彼にそう言う。
 確かにドアは開いていた。バレた訳では有るまいが室内にいる時にガードマンから声を
かけられた事などコレまで一度もなかった。友人とは言え、注意するに超した事はない。

「ならばその前に少しだけ、良いですかね? 俺も課長にばれたら怒られるんですが……」
 出来ればこの期に及んで厄介ごとはゴメン被りたいのが本音だが、彼にはこれまでずいぶん暇
つぶしにつきあってもらった。それにあの人のいい顔を見れば断る訳にはいくまい。と思う。だから
「なんの話だ? その時はわしから所長に言ってやろう。……仮眠の時間もある。手短に頼むよ」
 と博士は言わざるを得なかった。
「実は抜け出したのを捕まえたんですが、部屋に戻る前に彼が博士に話があると。―おい」
 ひょい。と、ガードマンの陰から顔を出したのは14,5才の少年。 
「おっさん、コンゴウ達が居ないんだ。知らないか?」
 施設で育成していたブーステッドマンの中でも優秀と目された十数人は、『生体CPU』として
更に改造と教育を受けるべく、昨日移動した。彼も本来移動の対象だったのだが急遽一人多い
と言われて残ったのだ。仲間の記憶がある以上、またしても記憶消去の前に逃げ出したらしい。 
「ちょっと厄介な病気になったので病院送りだ。おまえも担当官の言う事を聞いておとなしくして
いないと人ごとじゃなくなるぞ? おまえ達は常人よりもデリケートなんだからな」
 手間だが彼を部屋まで送ってくれないか、施錠も頼む。博士と呼ばれた初老の男は、
ガードマンが頷くのを確認してからエレベーターの呼び出しボタンを押した。


 自分の車のドアノブを掴んだ博士の手が止まる。―わしはこれから何処に行こうというのか。
そう、行くべき場所など博士には無かった。あるとすれば……。
「博士、お車を使われるとは聞いてませんよ? 外出は避けて頂かないと俺が怒られます」
 いつの間にか先ほどのガードマンが背後に立つ。博士には武道の心得など無かったが、
それでもまるで気配を感じさせずに現れた彼を、さすがにいぶかしむ。だいたい、ついさっき
上階で別れたばかりではないか。

「―キミは、何か言いたい事が……」
「ハッキリ言いましょう、最短で明朝5:30、どんなに遅くても7:00には博士がなさった事は
露呈します。―どのみち銃殺。つまりコドモ達は助かりません。そして博士ご本人も、です」
 やはり知っていたか……。博士は肩を落とす。しかし、このしゃべり方は。博士は頭を上げる。
「助ける道があると言うなら示してくれ。わしの命ですむと言うなら交換と行こうじゃないか。
金は確かに、無尽蔵にあるとは言わんが、わしの資産、有価証券、全て譲ろう。……頼む」
 そんな物、要りませんって。行きましょ? ガードマンはそう言うとあごをしゃくってみせた。

224:弐国 ◆J4fCKPSWq.
09/06/20 03:01:59
『製造者責任の所在』(2/5)

 あごをしゃくった先。黒い、バイオハザードマークのついたコンテナの前。四角い箱の四隅に
更に四角い箱が付いている。
「本来であれば今頃は死んでる訳ですよね? 中のコドモ達は。でも今はまだ生きている、と」
 そう言いながら彼がリズムを取ってコンココ、コンコン♪ とコンテナを叩くと、中から同じリズム
で帰ってくる。中に生きた人間がいるのは間違いない。

「いずれ明朝、搬送先で死体の員数確認をするんですから、そこでバレまさぁね。そして博士も
此処からの移動は出来ない訳ですからほぼ同時刻に拘束される、と。何でまた、こんなわかり
やすい事を?」
 本来であれば毒ガスの吹き出すはずの四角い箱は二つが換気装置、あとの二つは水のタンク
に改造されている。デスクに張り付いていると思われがちな博士、手ずからの仕事である。
「わしはどうでも良いんだ。……たった一人でも良いから逃げ延びて欲しかった。ただそれだけだ」
「金も食料も持たずに逃げた所でたかが知れてます。それに何れ薬がキレた所で自動的にアウト。
―あ。薬切れの死体を軍関係者以外に発見させたかったとか? ……意外に黒いっすね」

「あ、いや。そう言う可能性まで考えては……」 
「突発的な自殺願望みたいなモンだと思っておきましょ。で、さっきの話。アレ、撤回していいすか?
―やっぱり博士の命を下さい。それでコドモ全員+α、連合圏から脱出。どうです?」
 博士が答える前に迷彩服にライフルを抱えた男二人が目の前に現れる。
「博士が外出されるとは聞いていないぞ。連絡は? 今夜のフロアマスターはおまえだろうが!」
「こんばんわ軍曹。散歩をされたいと仰るので。フロアも空だし、ガード兼話相手っつー事で。
問題、ないでしょ? あぁ、外には出ますが30分で戻ります。―ね、博士?」

「キミと友人なのを皆が知っているから切り抜けたが。―そうか。わざと……、そう言う事か」
 博士一人ならば制止されるであろう正門の立ち番にガードマンが「よっ、ごくろーさん」と軽薄に
声をかけただけで、敬礼をかえされつつあっさりと通り過ぎ、二人は今は森の中の小道である。
「メサ・イード君。君は何処の手の物だ。……あ、あの子達を何かの実験材料にするつもりか!」
「友人関係は確かに誇張して喧伝しましたよ? けど、博士は本当に良い友人だと思ってますが。
それにブーステッドマンなんざぁ、世界で誰が欲しがります? 大西洋連邦(ここ)以外で」
 そう言って制帽を脱ぐとくるくると弄ぶ。何処まで本気なモノやらつかみ所がない。
「ズバリ、欲しいのは博士の頭脳。あぁ、脳みそって意味じゃないですよ? 開発中のG兵器の、
更に派生機種のOS。目処さえ立たないそれを完成に導いて欲しい訳です。―『我が国』で、ね」
「なるほど。極秘にGATベースでモルゲンがMSを作っているという噂は聞いとる。オーブか……」

「それが出来るのは鹵獲したジンのOS解析、GAT系OSのベースフォーマット作成に関わり、
運動機能と大脳生理学の権威。更にはスポーツ医学に精通し、ついでにブーステッドマン開発の
第一人者でもある博士。あなただけでしょう? ―この辺ならもう良いかな?」
 そう言いながらメサ・イードは懐から携帯電話を取り出す。
「モルゲンのMSはシモンズ博士が担当の筈だ。あの才女の前ではわしの入る余地など……」
「子供に会えないと言って泣いてますよ。ハードもソフトも何一つ形になって居ないんです。お手伝い
頂けませんか。……用意は出来てます。コドモ達の住む場所も用意します。―ハインツ博士?」
なるほど、オーブに行く以外選択肢はない訳だ。そう言うと博士はその場の大きな石に座り込む。
「ありがとうございます。感謝します、博士。―あぁ、待たせた。現時をもってプランBスタート。
車とコンテナ塗り替えを予定通りに。―それと荷物じゃない子供を一人増やすからそのつもりで」
 わしの随行員は子供かね? の問いにメサ・イードは携帯電話をしまいながら振り返る。
「リコ、ですよ。さっき抜け出してきたでしょ? ま、短期記憶処理が必要ですが、良いでしょ?」

225:弐国 ◆J4fCKPSWq.
09/06/20 03:04:04
『製造者責任の所在』(3/5)

「ブルコスの連中は何考えてんです? あの子らを暗殺以外のなんに使おうってんですか?」
「『生体CPU』。君ならば聞いた事があるだろう? MSをナチュラルが動かせないなならば
動かせる様に特化してしまえと言う話だ。都合の良い事に運動神経だけは人一倍だからな。
MSの形さえ出来てしまえば、ジンのOSのデッドコピーでも、動かすだけなら何とかなる」
 施設へ戻る道すがら。世間話をするかの様に、ろくでもない事を平然と話す二人が行く。
少なくとも門をくぐるまでは隠しマイクにおびえる必要はない。

「いくら何でもマジメに子供をベースにするとは思わなかった。……命令系統とかどうする気
なんですか? あの子らにそこまでの教養は無い。仮にも軍の使う兵器でしょうに」
「わしに言うな。今のところは窮状打開の特攻兵器として考えてる様だ。特攻のみなら指揮系統
なんぞ要らん。上からブーステッドマンの『増産』指示が出た。なにしろMSの部品だからな。
そしてブーステッドマンは”歩留まり”が悪いし不良品は……。正直、もうわしには耐えられん」
「『不良品』をロットごと『廃棄』するとか、正気の沙汰ではないですね、確かに。……青き清浄なる
世界。どんな世界なんですかねぇ。―ブルーコスモス。博士はメンバーなんでしょう?」
 知るか! ついさっき辞めた! 博士が吐き捨てる様に言うと迷彩服が走ってくる。

「博士、外出の時は緊急無線くらい持って下さい。あと、主任はいい加減、携帯直して下さいよ!
怒られるの、自分なんですからね! ―あ、えと。失礼を。所長がお話があるとの事でした」 
「な、なんの話だろうな。こんな時間に」
 多少慌てる博士とは対照的に、あれ。またつながんなかった? と涼しい顔はメサ・イード。 
「明後日の搬入の件だと言えばわかると仰っていましたが」
「急ぎでなければシャワーを浴びたいが。―どうせ徹夜だ。わしから部屋に伺うと言ってくれ」
 入ってくる荷物ってーのは……。走って戻る軍服を見やってガードマンの制服が振り返る。
「その通りだよ。少なくとも君とわしではもう救えないコドモ達だ……」

「ともかく博士はそのまま、3:30までは普通通りに過ごして下さい。その後俺が迎えに行きます」
 エレベーターの通過設定とエレベーターホールのロックを解除しながらメサ・イード。
「素人考えだがコンテナ一つ、丸ごと無くなれば、国外脱出前に事が露見するのではないかね?」
「明日、死体を検分する連中がコンテナで見つけるのは何故か俺の死体。―俺じゃないっすよ?
科学的にも”俺に見える”死体って事です。……そしてほぼ同時刻、そこから30kばかり離れた
河原で、地元警察が子供11人の鑑定出来ないくらい丸焦げになった焼死体を発見する予定です」
 しかし、此処で鑑定すれば。……! 現地の警察が、見つけるのか。博士は目を剥く。
「此処で鑑定? ―する訳ないでしょ。地球軍の、いやブルーコスモスの秘密施設ですよ?
この件は圧力をかけられ初動捜査で終了、報道もされない。只死体が見つかるのみ。まして此処は
表向き海洋動物の研究施設。変な噂が立っちゃ困りますから鑑定のために遺体を運び込むなんて
あり得ない。そもそもブルーコスモスが現地警察になんか協力する訳がない。搾取はしてもね」

「館内中、監視カメラと盗聴マイクだらけなのではないか? あまり過激な発言は」
 暴走したリコが扇動して子供達は丸焦げ。それを手助けしたらしい俺は死亡。ブーステッドマンの開発に
懐疑的意見を唱えていた博士は行方不明。30分で考えたにしちゃ悪くない、と一人悦にいる
メサ・イードを横目に自室の扉を開く博士は小声で聞く。
「俺が構築した、いや、一ヶ月かけて構築し直したシステムですよ? 俺だけは特別扱いです。
メインサーバに記録を登録する前に、俺と博士の部分は丸ごと抜け落ちる。今夜だけは、ね」
「―。君は……、誰だ」
「マ・ト・メサ・イード。オーブの諜報機関の者です。もっともスパイの名前なんぞ覚えたってなんの
意味もない。何処かでお会いする機会が有れば名前も立場も違うでしょうから……。では後ほど」

226:弐国 ◆J4fCKPSWq.
09/06/20 03:05:46
『製造者責任の所在』(4/5)

「……おそらくはIRB外事諜報部2課の馬(マァ)さん、ですね。お話の中の諜報部員は」
「情報調査局、か。わしにはお堅いお役所とは無縁な人に思えたがね。彼は今……」
「連合、プラントが開戦後、地上のプラント領に入ったのを最後に消息を絶ったそうです。もっとも
相手が相手ですから何処まで本当かは。―何れ手は尽くしましたが、お会いにはなれません」
 リビングに日の差し込むのんびりした昼下がり。カーディガンを着てくつろぐ博士の元、制帽を
小脇に抱え、オーブ国防軍の制服に飾諸を吊った青年が訪問して来ていた。アスハの家系で
国防軍参謀。一人で来た様だが、本来なら護衛が付いてもおかしくない立場だろう。と思う。
 これまでの全ての経緯を教えて頂きたい。とだけ言うと、その実直そうな彼はソファに座った。 

 人道にもとる研究を行い、更には少年少女を使って人体実験どころか人体改造の指揮を執り、
自らは良心の呵責に潰されて亡命。などとは研究者として恥の極み、誰にも話せない話ではある。
だが、しかし。むしろ今、聞いてくれる相手が居る。その事が博士には嬉しくさえ思えた。
「あなたの立場ならば、リコ達の薬を調達出来る。どうにかしてやってはくれまいか」
 オーブから与えられた仕事は的確にこなし、コドモ達も一部を除いて普通に戻りつつある。
順調なこの数ヶ月、けれど博士の中にわだかまって、つもっていくもの。わしは誰かに懺悔が
したかったのかも知れんな。薬のリストを書き出しながら博士はそう思う。
「はじめからそのつもりで伺いました。ただ、薬学の分野では見ない記号が2,3見えますが」

 懺悔してすむ話でない事は自身も十二分に承知していたし、わだかまる気持ちがふくらむ原因
も当然心当たりはある。置き去りにしてきたのだ。自らが勝手に人間以外のモノに改造し、彼らの
意向など無視して、生存環境としては最適な研究所から”持ち出した”実験体を、3人も。
 薬が無くなれば、ただ苦しみ抜いて死んでいくのを分かっていながら……。
「一部、重工業の知識が無いと合成出来ない物質がある。勿論出来上がるのは薬じゃあない」
「出来上がるのは……。誰が、何を、どう考えれば、コレを人間に、子供に、投与など……」

「コドモ達は更に施設を移されたと聞いたのですが。何があったのか教えては頂けないか」
 メサ・イードが博士とコドモ達の住みかとして用意した絶海の孤島。移動させられるとき、
絶対安全の口約束と引き替えに、コドモ達とは別れさせられた。但し改造度の高い3人の子供を
人体実験の材料にされる事を恐れた博士は結果、野に放った。手持ちの薬、全てを持たせて。
「連合が武力侵攻をかけて来る気運が高まった。なので、例の3人以外は既に全員国外です」
 ですが連合が攻めてきたからと言って。青年の眼にぐっと力がこもるのが博士には分かった。
「自殺などと言う安易な選択肢は取らないで下さい。IRBと国防軍が全力を挙げて御身をお守り
しますし、状況が落ち着き次第また一緒に暮らせます。―それにご自身が一番ご存じでしょう。
そんな簡単で卑怯な選択肢は、あなたが取って良いはずがない」
「だが、わしは……」

 ばんっ! テーブルを両手で叩き、震えながら青年は立ち上がる。
「……。良心の呵責を感じると言うなら、責任を取れと言っているのだ! あなたは自分が改造した
コドモ達に恨まれもせず、むしろ感謝され、自身の想いは封印したまま、表面上幸せな老後を
暮らし、あのコドモ達に囲まれ、そして惜しまれながら死んでいくんだ……!」
 そう言うと一つ息をついてソファへと体を深々と沈める。
「わしが……? 彼らを……。良いのか、それで。本当に……?」
「罵られたくとも、恨まれたくとも誰もそんな事はしない。彼らから見れば檻から解き放ってくれた
英雄だからだ。読み書きを教えてくれた大事な先生だからだ……。あなたがそれを悔いるなら、
彼らはどうすれば良いんです……! 良いですか? あなたには過去を悔いる自由などない。
それが、あなたの罪であり罰であり業。一生をかけて背負って行かねばならぬものなんです」

227:弐国 ◆J4fCKPSWq.
09/06/20 03:08:03
『製造者責任の所在』(5/5)

 そしてあなたにはもう一つ、背負って貰うモノがある。彼はソファからゆっくり身を起こすと
テーブル上に肘をついて指をくむ。
「あの三人は体の事を含め、俺が全面的に面倒を見る。―但しあなたには消息情報は一切
伝えない。彼らがしかるべき年齢になったとき、あなたに会うかどうか、自身で判断させる」
「せめて生きているかどうかだけでも……。それにわしの責任だ。あなたまで背負う事は……」
「彼らには俺のいとこの戸籍を与える事にした。分家の分家、中枢にはまるで関係が無いとは言え
我が名もアスハに通づるもの。意味する所はいかな博士でもおわかりになろうと思いますが?」
 オーブにおいて氏族は絶対、その中でもアスハは完全に別次元だ。この青年は教育や体の
ことまで超法規的措置で押し切るつもりなのだと気づく。確かにそれ以上の体制は考えられない。

「アズチ参謀、あなたさえ良ければむしろ是非。―そして、その時が来て、あの子らがわしを
殺すと言うのであれば……。事後、彼らが罪に問われない様に手回しをしてやって欲しい」
 少し表情をゆるめると、軍服の青年はまたソファへと沈み込む。
「仮にも氏族の末流としての戸籍を与えられる子らです……。約束しましょう。間違ってもそんな
結論に達する様な中途半端な教育はしないし、させない」

「すみませんでした博士。感情的になり、立場を忘れ、失礼な発言があった段、お許しを頂きたい」
 玄関先まで出てきた青年は博士に向き直ると真顔でそう言う。
「わしは科学者だから知っている。真実を求める議論に多少の暴言は付きものだ。―気に病む
事はない。あなたは間違った事は言っていないし、しないだろう。だから、もう顔を上げて下さい」
 そう言われて、青年は正面に向き直ると制帽をかぶり、敬礼の形を取る。
「彼らの事はお任せします。―あぁ、最後に一つだけ。当然ご存じでしょうが彼らは改造の
ステージが高い。つまり暗殺者として最低限の能力は保有している。特にリコは、廃棄処分
どころか選抜メンバーだ。くれぐれも扱いに……」

 門の前に止めてあった車のドアを開けた青年に博士が話しかける。だが振り返った青年は
博士の意に反してふっと表情をゆるめた。
「その彼が”妹”たちの為を思って、食料を集め、教育のなされていなかった彼女らに簡単な
読み書きを教え、自分の薬を節約してまで与えていたそうです。製造者の手を離れ
カスタマイズが進んだ……。と言ったら不謹慎でしょうが、もう彼らは暗殺機械ではない」
 
 門の前。青年が自ら運転する車も居なくなり、博士は一人取り残される。
会いに来てくれるだろうか……。そう思うことさえ業が深くなるのだ、と思いながらも考えずには
居られない。ここへ来て恨み節の一つも言ってくれればまだ救われる。
 だが、あえて彼らが彼の元へ訪れると言うなら、おそらくはその逆の行動を取るだろう。
「誰も殺してくれんと言うならそれで良い。そんな不良品を作ったわしの責任だ.。わしが死ぬ
までは保証期間内だ。もはや修理も出来んが、……返品だと言うならば受け付けようじゃないか」
 夕方の太陽に長く影を伸ばした博士は、表情を少しだけゆるめると、あとはただ玄関ポーチに
立ち尽くした。

~第6話へ続く~

228:弐国 ◆J4fCKPSWq.
09/06/20 03:10:50
今回分以上です、ではまた。

島の外では一応こんな感じになってましたと言うことで。
『生体CPU』は某福祉公社的暗殺兵器の改造型って言う脳内設定ですが
ブーステッドマンの定義がもしかすると公式とは違うかも知れません。
あとは。……すいません、馬さんを出したかっただけなんです。

229:通常の名無しさんの3倍
09/06/21 16:56:35
真面目に短編を書いておきながら
こういうネタに走ってしまうのは、弐国氏の
本能であるのかも?

230:通常の名無しさんの3倍
09/06/21 16:59:10
言い忘れました。GJ!

231:文書係
09/06/25 00:14:01
>>220 さん
㌧クス!


>>221さん
感想ありがとうございます。
カティの思考を借りて全部書くと総集編になりそうですが、
息抜きと必要上、時々コーラにすると30代エロ妄想か、
視野狭窄なのでアフォ回想になることに、ご指摘頂いて気付きました。
なので主人公なのにたまにしか視点が回ってきません。
無意味にやっているわけではないのですが、時々エロでほんとにすみませんorz

>回想が違和感なく再現
小躍りして喜んでます。


>>222さん
>カティ頭良すぎですw
離脱編1~4は公式小説と齟齬があった場合
丸々ボツになる可能性もあるので、どうせならと中の人つながりで遊んでいます。
カティのセルゲイ回想はコナンの謎解き風にしておきました(なってなかったらスマソ)。
ちなみにコーラの中の人は美声の音痴だそうでorz

>実は相当コーラに惚れてるっぽい感じ
恋愛や結婚は、理解と(良い意味も含めた)誤解、またタイミングで成り立っているような気がします。
これから投下予定の離脱編5は1~4とちょうど裏表になっていますので、
二人のこの時点での温度差や認識のずれなどを楽しんでいただければと思います。
何とか離脱するつもりですノシ
感想ありがとうございました。

以下1レス分続きを投下します。


232:文書係
09/06/25 00:19:32
公式出るまで脳内補完/機動戦士ガンダム00/短編小説パトリック・コーラサワー/「アロウズ離脱 その5」
>>217-219
 物思う女は美しい。
パトリック・コーラサワーは、アロウズ大型海上空母の士官室で、今日も至福のひとときを過ごしていた。
椅子に深く身を預けた彼の上官、カティ・マネキン大佐は、自室に戻ってよりこのかた、一人思索に耽っている。
親指で形の良いおとがいを支え、人差し指を微かに開いた唇に添えて、眉根を寄せ、あるいは瞑目し、時には
僅かに瞳を潤ませて、ここではないどこかを見ていた。

爪は形を整えてあるものの彩りはなく、化粧も身だしなみ程度に薄く施されただけではあるけれども、それが
かえって、彼女の天性の麗質を際立たせていた。
無論、彼にとっては、華やかに着飾り念入りに化粧した女性も、十分に好ましいのであるが。

加えて彼女を一層、魅力的にしているのは、日常の何気ない仕草、立ち居振る舞いといったものだった。
指揮を執るとき、真っ直ぐに差し延べられる細腕の力強く優美なさま、彼の前を歩く後姿の颯爽として迷いなく、
それでいて抱きしめたくなるような、うなじや腰つきのなまめいた風情も、彼の心を捉え、もう幾年も彼女の側を
去らせようとしなかった。

ただ厳格で慎み深いだけの女ならありきたりだが、色事にかけては百戦錬磨の彼をも時折どきりとさせるほど、
大胆で挑発的な言辞を吐いてのけるところもたまらなかった。
―お前を男にしてやる。
―面白い女だ。それでこそ、落とし甲斐もあるってもんだぜ!

女はまさに神の造形の最たるものだと、自分で淹れたコーヒーを飲みながら、いつものように彼はひとしきり感嘆する。
また、こうしたカティの姿を思う存分堪能できるのは、彼女の副官を自任する(勝手に立候補して勝手に随伴している
だけなのだが)彼の特権だと、パトリックは勝手に思っていた。

ただ惜しむらくはアロウズに転属して以来、彼女の愁眉が滅多に開かれないことだった。
彼女の物思いの種が世界云々でなく、自分のことであってくれれば嬉しい。唇に触れ、肌を重ねることを許してくれるの
なら、無上の悦びであるに違いない。だがそこに至るまでの彼の恋路は、未だかつてないほどに峻険だった。
―人の恋路を邪魔するヤツはっ!!
カティの憂いを打ち払い、彼女の心を獲得するため、パトリックは奮戦に奮戦を重ねていた。

カティの戦術予報は実に正確なのだが、こちらの勝利まであと一歩というところまで肉迫すると、必ずと言っていいほど
ソレスタルビーイングから、新型や新装備などの新兵器が現れるのだ。そしてあっという間に戦況を覆され、パトリックが
彼我の性能差を測りかねているうちに隙を突かれ、あえなく撃墜されてしまう。
連邦やアロウズのように巨大国家群をバックにしている訳でもなしに、一体どうして次から次へと隠し玉を繰り出せるだけの
カネとウデがあるのか、パトリックは不思議であり、正直羨ましくもあった。

これまではガンダムを目の敵にし、付け狙っていればよかった。だがここにきて、ややこしいことになってきた。
アロウズの上つ方がコソコソおっ建てた衛星兵器とやらが中東のあちこちを攻撃し、民間人を含めた何百万もの人間を、
一瞬にしてふっ飛ばしてしまったのである。さらに旧AEUの建造したアフリカタワーまで、連邦軍のクーデター派が擁した
6万の人質ごと、ダメにされてしまった。

しかも被害の拡大を防ぐ為に、崩落したタワーのピラーを破壊することを主導したのは、よりによって彼が敵視していた
ソレスタルビーイングらしいのである。
―ちっ!! これじゃ、どっちが敵だか味方だか、分りゃしねぇじゃねえか!
惚れた女を守るため、どこに向けて引き金を引けばいいのか分らない。それとも周り全てが敵なのか。事態は混迷を極めていた。


233:文書係
09/06/25 00:21:05
行数オーバーのため補足。
(今回投下分終了。多分「アロウズ離脱 その6」に続く)
以上です。

234:通常の名無しさんの3倍
09/06/27 21:33:52
>>233
GJ!
コーラも意外にいろいろ考えてたんだな
「はい、ないです!」の頃から多少は成長したってことなのか
面白かったですw

235:通常の名無しさんの3倍
09/06/27 23:49:07
>>文書係
投下乙です。
CBが新型を繰り出してくるペースは確かに、コーラのように
真っ当な装備で戦っているパイロットには不公平に感じるでしょう。
意外と考えの深いパトリックに次回も期待です。
GJ。

236:通常の名無しさんの3倍
09/07/01 01:13:20
ほしゅ


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