09/10/10 00:34:46 y5xT77RO0
日本渡航後：北九州の海岸にたどり着いたアボジとオモニは、その日のうちに
堂々と地元の警察署へ出頭。なぜか署長さんが親切で留置場に布団を敷いて休
ませてくれ、うどんをご馳走になった。あとでわかったが署長さんも奥さんも
北の生まれだったそうだ。大阪や東京は混乱で危険なので行かぬように忠告も
してくれたとのこと。しかも経歴や本籍地、軍籍の証明書も書いてくれ、それ
を持ってアボジとオモニは東京西部の大繁華街のかたすみに本籍地をかまえる
ことになる。そこは日本人博徒と戦前に日本に来た同胞が混在する地域で傷害
事件も多かったが利益が一致すれば共存するようだ。アボジはヤミ商品の仕入れ
れへ、オモニはスルメを水でふやかし天ぷらにして売っていたが、おもしろいよ
うに売れたそうだ。店の前は指をくわえた孤児が人寄せのサクラになったので、
一日中人ひとだかりの山。そのうちに材料のスルメをさきイカにして、ころもを
増やし利益を上げた。いまでも酒のつまみで売っているがイカフライのことだ。
密造のマッコルリを売るようになるとアメちゃん（アメリカ進駐軍）相手のおネ
イさんたちも飲みに来るようになり、「今夜も股ぐらでＢ２９を撃墜～パンパ～ン
パンパ～ン」と笑っていた。なにやら戦争中は高射砲はパンパンと音がするだけで
Ｂ２９は落ちて来なかったようで、高射砲は打つと前後にピストン運動する姿が
チンポこすりになぞらえて、おネイさんたちをパンパン屋さんと称していたそうだ。
おネイさんたちは北部の県の進駐軍相手に、地元農家の離れを借りて、出張パンパン
も営業していて、レーションという進駐軍の給食セットを持ってきてくれたそうだ。
アボジはセットに入っているラッキーストライクのタンベが好きだった。オモニは
クラッカーにジャムを塗って食べるのが好きだった。こうして混乱の戦後は終わる。
区で