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餓鬼
俗に、生前に贅沢をした者が餓鬼道に落ちるとされている。
ただし仏教の立場から正確にいえば、生前において強欲で嫉妬深く、
物惜しく、常に貪りの心や行為をした人が死んで生まれ変わる世界とされる。
しかし大乗仏教では、後々に死後に生まれ変わるだけではなく、
今生においてそのような行状をする人の精神境涯をも指して言われるようになった。
餓鬼は常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると
火に変わってしまうので、決して満たされることがないとされる。
極端な飢餓状態の人間と同じように、痩せ細って腹部のみが丸く
膨れ上がった姿で描かれることが多い。
「正法念処経」巻16には、餓鬼の住処は2つある。
人中の餓鬼。
この餓鬼はその業因によって行くべき道の故に、これを餓鬼道(界)という。
夜に起きて昼に寝るといった、人間と正反対の行動をとる。
薜茘多(餓鬼)世界(Preta-loka)の餓鬼。閻浮提の下、
500由旬にあり、長さ広さは36000由旬といわれる。
しかして人間で最初に死んだとされる閻魔王(えんまおう)は、
劫初に冥土の道を開き、その世界を閻魔王界といい、
餓鬼の本住所とし、あるいは餓鬼所住の世界の意で、
薜茘多世界といい、閻魔をその主とする。
余の餓鬼、悪道眷属として、その数は無量で悪業は甚だ多い