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「路チュー」 に見る韓国の近代化
昨年6月から今年3月まで、ソウル特派員を務めた。ソウル勤務は2度目。前回は1997年から2001年ま
でだったから8年ぶりだ。韓国は変わったかと聞かれるたびに、「変わりましたよ」 と即答した。
「だって、路上で若い男女がキスをしてるじゃないですか」
実際、ソウルの繁華街、鍾路かいわいで、20歳代とおぼしきカップルが、唇を重ねているのを見たと
きには、たまげた。いささか大げさだとお思いの向きもあるだろうが、かつての韓国を知る者にとっ
ては、やはり驚きなのである。
韓国について学び始めた1980年代には、物の本には、おおむね次のように書いてあった。韓国では、
儒教の規範が生活を律している。高校生のカップルが放課後、街中を手をつないで歩いたりしたら、
通行中の老人がつかつかと近づき、「お前たち何やっているんだ。親はどんな教育をしているんだ」
と叱りつける。「男女七歳にして席を同じゅうせず」 の教えが生きている社会だという訳だ。
前回ソウルで勤務した時でもまだ、男女が街中で、抱擁したりキスしたりする姿は見なかった。韓国
の知人たちは、カップルのこうした振る舞いは、ここ数年の間に顕著になったと口をそろえていう。
韓国文化論の大家である老教授は、「若い連中は地下鉄の中でもキスするからな。儒教はどこへ行っ
たのか」 とつぶやいた。 (つづく)