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「コレクター」にみる青年期の自己愛・・・
人とつながりを持てない男が、人とつながり人に愛されるようになるには、どうしたらいいのか?
男が考えついたのは、女性を蝶のように捕らえ、社会から切り離し、隔離して
自分とだけ話したり、食事したりするようになれば、やがて自分に打ち解け、自分を好きになってくれるのではないだろうか、という事であった。
男は、かねて目を付けていた若くきれいな女性を周到に計画し誘拐する。
男は、女性がやがて自分を好きになってくれると信じている。
囚われの身となった若い女性は、鼻っ柱の強い人で、男を許さない。
しかし、男は、いずれ自分を許し、愛してくれると信じている。
だが、男を許さない女性は、やがて死んでしまう。
女性の死に対する反応は「自分は愛しているのに、自分を好きにならない彼女が悪いのだ。」というもの。
自分中心に生きるのが自己愛の人、ナルシスト男。
自分の欲望のためには人の命を奪っても、それは自分を好きにならない人が悪いという論理。
徹底的に自分中心の考えに従って行動する。この身勝手さ。