10/03/23 12:55:01 umUlJo1q0
>897
荘園公領制って知ってる?
寄進地系荘園って知ってる?
上の方のレスにもあったけど、荘園の話は、物語中に結構出てくるよ。
律令制から荘園公領制へ、というあたりの歴史を理解していれば、彼らがどういう政治を
していたか理解できると思うけど。
簡単に言うと、この時代、地方の開発領主が、租税免除を目的として、中央の権威を借りて
私領を荘園化していて、中央貴族は荘園領主になっていた。
また、公領も、実質的には国司(受領)の私領化していっていて、国司の任免権だとか
について影響力を持っていた摂関家などの中央貴族の「権威」による支配が及んでたわけ。
なので、宮中での権力闘争も、権威を獲得した者が地方の荘園・公領からの収入を
るかという点で、地方の支配権を得るという実際的意味を持っていたわけよ。
家柄がよくて伝来の所領があったはずのお姫様が、父母の死後に零落してしまうと言うのは、
父母が死んで実質的権威(宮中への影響力など)を有する人がいなくなると、荘園への
国司の介入などを避けられなくなったりするから、現地の荘園の開発領主が、別の、もっと
その当時権威のある人のところへ持ってっちゃったりするからなわけ。
当時の日本は内乱が殆どなく、外憂もなかったわけだから、それだけ「中央貴族の権威」
というものが実際的権力として通用していた。
一方で、武士が台頭してくると、そういう「権威の力」っていうのが一旦揺らいで、土地支配と
貴族の権威が切り離されていくようになるのだけれど。
ちなみに、六条御息所についても、八の宮についても、経済的基盤の話は必ず出てきてる。
特に八の宮については、薫視点で色々八の宮の経済的状況についての話が出てくるよ。