09/12/17 06:47:28 +DuNLoCi0
URLリンク(img.2ch.net)
◇感情移入の危うさ
07年9月~09年3月、名古屋市内で保護観察中の少年が当時17~26歳の女性4人をカッター
で脅して強姦したなどとして起訴された。法廷では、女性検察官が被害に遭った女性たちの供述調書
を朗読した。被害者自身の証言はなく、調書の朗読も強姦の場面は裁判員に黙読を促すなど、
被害者に配慮した形で進められた。
男女3人ずつの裁判員は大半が中年だった。私は「女性裁判員の方が性犯罪への処罰感情は
厳しいに違いない。男性裁判員は少年の監督を約束した父親に共感するのでは」と感じていた。
だが、記者会見での質問に、裁判員からは予想を裏切る言葉が返ってきた。
女性裁判員2人は「女性としては許せないが、(男の子を持つ)親としては刑を少しでも軽くして
あげたいと思った」「(少年に)同情はしないが、親の気持ちを考えると正直、刑が少しでも軽くなる
といいと思った」と感想を述べた。「目を覆いたくなった」「女性だから負う心の傷だ」と語ったのは
男性裁判員だった。
法律を専門的に学んだ裁判官とは違い、一般市民で構成される裁判員は誰もが公平な目や耳を
持っているわけではない。裁判を理解するために、特定の立場に感情移入してしまうこともある。
女性裁判員の2人は、女性としてではなく、少年と同年代の子の母親としての目線で裁判に臨んで
いたのだろう。
性犯罪で傷つくのは体だけではない。女性としての誇りや自身が負った目に見えない傷は
一生消えない。「被害に遭ったことは親にも言えない」と泣き寝入りする女性もいる。性犯罪の
被害を訴える勇気を持てずにいる女性たちは、今回の事件の裁判員の感想をどう受け止めただろうか。
URLリンク(mainichi.jp)