09/11/06 14:54:46 8ZDge4bnO
ところが、動物たちの受難は、これで終わりではありませんでした。
そもそもM君は、実ははじめからK牧場やC牧場と取引をしていたのです。
「じゃ、そろそろ仕上げと行くか」
いきなり、いつのまにかまぎれこんでいたK牧場の動物たちがJ牧場の動物たちからすべてを奪い、
始めからJ牧場の動物であったかのような顔をはじめました。
彼らはM君に舌も足も切られていませんでしたからとても元気です。
やがて、となりの牧場からたくさんの動物がやってきました。
大人しいJ牧場の動物たちに比べて、気性が激しく乱暴で、ただ数だけはやたらと多い、C牧場やK牧場の動物たちです。
新しく来たよそ者は、J牧場の動物たちの毛や乳を売って得たおいしいエサをむさぼり喰らい、舌や足と引きかえに建てた大きな小屋を我が物顔で占領してしまいました。
「こいつら掛け合わせて、ガンガン生ませて頭数増やそうぜ。『J牧場産』てことに変わりはないんだし、黙ってりゃわかりゃしねえよ。今まで通りのJブランドで、しかも今度は肉の販売までできるんだから、儲かりすぎて笑いが止まらんぜ」
M君はそう言ってニヤニヤ笑っています。
K牧場とC牧場の主もケタケタ笑っています。
ニワトリは叫びます。
「J牧場バンザイ!M君バンザイ!みんな仲良し、みんな平等、幸せいっぱい!友愛!友愛!」
あるところに、Jというおじさんが経営する牧場がありました・・・。