09/12/01 11:33:12 biiS77uM0
>>289
母親の身分や力で厳然たる差がついてしまうんですね。
源氏がいかにウルトラC的な出世街道を走っていたか、改めて凄いと思う。
臣下の出世の極まりつく所は太政大臣だというのに
准太上天皇の待遇受けるなんて、当時の読者さん達もビックリだったろうなあ。
こうなってみると、源氏が子供だったころの人相見さんのやや曖昧な所見と合致するのも上手い。
>>290
本編は「光君」が主人公で、光りの輝きと翳りは
自然現象よりも主に御本人を通して感じさせてたのかも。
彼が季節を運んでくるような印象です。
宇治十帖は、強烈に「陰、闇」を印象づけてるような物語の運びをしているかもしれません。
(季節を運び、人を統べ、影響を与えるような主人公がいなくって、
うーんと現実的な人たちが生々しく生きている感じ。
もう、源氏のように大仰な主人公は要らない時代だったのかも)。
闇の中で重要な事が起こり、闇の中に真実が眠ってる。「あさきゆめみし」では
そこを突き抜けていけば光りに到達するよ、光りを目指して生きようという浮舟に感動。
生まれながらの光りの子(心の翳り持ち)の話を締めくくるのが彼女というのにも。
香りって記憶を呼び覚ます事があるくらい、深層心理に残るよね。
香りの描写を辿って想像しながら読めば(or匂いを追体験して読めば)、
作者が喚起したい感覚とか感情とかが一層分かる…という仕掛けが施されてるかも?とオモタ。
でも匂いの印象の残り方って人それぞれって所があるから難しいかな。