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北朝鮮の暴走防ぐ「キーマン」中国 利益優先の援助 不信買う恐れ
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日中韓首脳会議が１０日、北京で行われたが、これに先立って、中国の温家宝首相は、４日から３日間、北朝鮮の平壌を
訪問した。温首相は、北朝鮮の金正日（キム・ジョンイル）総書記と会談し、北朝鮮に６カ国協議への復帰を求める一方、
経済協力や教育交流などの協定文書に調印した。中国と北朝鮮の関係緊密化は、北朝鮮の非核化という６カ国協議の
目的にとって大いに問題がある。北東アジアの安定にも重要な意味合いを持つ。
■分析
温首相は、４～６日の北朝鮮訪問で熱烈な歓迎を受けた。昨年夏に脳卒中で倒れたといわれる金総書記が平壌国際空港に
出迎えた。金総書記が、国家元首以外の外国要人を出迎えるのは異例だ（中国の国家元首は、胡錦濤・国家主席）。
金総書記は、金英逸（キム・ヨンイル）首相と、金永南（キム・ヨンナム）最高人民会議常任委員長を従えていた。温首相を
主賓として豪華な祝宴が催された。中国は、温首相の北朝鮮訪問を契機に同国に対して２億元（約２６億２０００万円）の
無償援助を約束したという。
≪温首相訪問で軟化≫
北朝鮮の非核化をめぐる６カ国協議は今年４月、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と称して長距離ミサイルを発射したことに対し、
国連安全保障理事会が同国を非難する議長声明を採択して以降、停滞していた。北朝鮮は安保理の対応を「敵対行為」と
批判し、「６カ国協議は存在意義がなくなった」として「二度と絶対に参加しない」との声明を発表していた。
ところが、温首相との会談で、金総書記は「米国との協議の状況をみて、６カ国協議を含む多国間協議を行いたい」と６カ国協議への
復帰に含みを持たせた。
中国は、外交・経済で大国として台頭しつつあり、西側先進国は受け身に立っている。世界的な金融危機で、中国経済の
強靱（きょうじん）さが明らかになった。こうしたことから、政治的、経済的に、中国は国際問題の中心を占め、国際舞台で地歩を
固めようとしている。