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《戦略情報研究所メールニュース Vol.117 平成21年8月5日》
※以下はおほやけ (戦略情報研究所会員向け情報 No.217)に掲載されたものです。
■友愛の果てに
--スウェーデンの犯罪発生率と移民--
福井義高(青山学院大学教授・戦略情報研究所客員研究員)
鳩山由紀夫民主党代表の「日本列島は日本人だけの所有物ではない」(という趣旨の)発言に対しては、民主党の左翼体質を批判する保守派が強く反発したのみならず、
民主党支持者のなかでも、賛同の声はあまり聞こえてこない。
しかし、こうした発言に対して堂々と反対を表明できる日本は、少なくとも先進国のなかでは例外的存在となりつつある。とりわけEU諸国では、
鳩山氏こそ偏狭な自国中心主義を克服した責任ある政治家であり、「日本列島は日本人だけの所有物」という意見の持ち主は「極右」とみなされるであろう。
アメリカでも事情は変わらない。先の大統領選で破れた共和党のマケイン候補は、リベラルのオバマ大統領あるいはクリントン国務長官と対峙する保守派とされていたけれども、
移民受け入れに極めて積極的な政治家として有名であった。
いまや世界の大勢は鳩山発言の方向にあるといってもよい。まだその端緒についたばかり(?)の日本と違い、
いくつかの国はその最終段階に入りつつある。税金は高いものの、男女共同参画の下、高い生活水準を維持しつつ平等な所得分配を実現した、
民主党にとって一種の理想の国といえるスウェーデンは、その典型例である。
重い税負担と違い、多発する凶悪犯罪はあまり取り上げられないスウェーデンの負の部分である。たとえば人口当たりでみると、
強盗は日本の十倍程度発生しており、そのかなりの部分が「若者の集団」によるものである。
安倍晋三元首相や麻生太郎首相といった「偏狭なナショナリスト」が支配する日本と違い、多文化共生を国是とするスウェーデンでは、
犯人の出身国を云々することは許されない。しかし、「若者の集団」がイスラム移民であることは一般国民の常識である。