09/08/12 01:36:54 FPbQ0gP50
ヒ素は蓄積性の有害物資であり、生体内では血液中に入り、肝・腎・脾臓あるいは皮膚に吸収される。
また、母体では胎盤を経て胎児に移行する性質がある。慢性中毒としては、爪や毛髪の萎縮、角化症、
異皮膚、皮膚がん等がみられる。ヒ素は自然界に広く分布し、自然水中にも存在しているが、
ヒ素の基準値は飲料水等によるヒ素中毒例等を基礎として、十分に安全なレベルとして定められている。
ヒ素は自然界では主として銅、鉄、水銀、鉛等の鉱物と共存し、水中に溶出することがある。また、
鉱山排水、工場排水、ヒ素石炭やヒ酸鉛などの農薬の混入によっても水中に含まれることがある。
これらが水質基準値以上に検出されるときは、必要があれば給水を一時停止し、当該有害物質の検査を
継続して行うとともに汚染源を調査し、その原因を排除するかまたは、特殊処理を行う。
ヒ素は自然界では主として銅、鉄、水銀、鉛等の鉱物と共存し、水中に溶出することがある。また、
鉱山排水、工場排水、ヒ素石炭やヒ酸鉛などの農薬の混入によっても水中に含まれることがある。
無機砒素化合物の発癌性は, 動物種によって, また曝露経路によって一定していない. 砒素はヒトでは
発癌性があるが, 他の動物では認められていない. 経口摂取では皮膚癌のほかに白血病や膀胱, 肺, 腎
, 消化管, 肝等の癌を起こす. 吸入では肺癌を起こすが, その他の全身の癌は起こりにくい. 発癌性の
強さは曝露経路によって異なり, 標的器官ごとに用量反応関係が異なる. これらの不一致を理解するために
砒素の発癌の機序に関するいくつかの仮説を検討した.
基礎としたデータは, 台湾その他で行われた砒素含有量の多い飲料水の影響の調査で, いずれも曝露と
皮膚癌との関連を認めたもの. とくに定量的な曝露量の評価が行われている Tseng らの台湾南西部地
方での調査が重視された. この地方の井戸水は砒素を高濃度に含み, 住民には各種の疾病が高頻度にあ
り, とくに四肢の血管閉塞による黒足病と皮膚癌を含む皮膚異常が注目された. 有病率は砒素の摂取量
と年齢（曝露期間を示す）とに相関していた. また, 肝, 腎, 膀胱および肺の癌による死亡率が砒素曝
露の程度および期間と相関していることも認められた.