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「オバサンをバカにするな」
30歳代の女性がオバサンかどうかは微妙だろう。しかし、40歳代は、客観的に見れば、
そう呼ばれて、仕方のない年だと思う。
歯切れの悪い言い方をするのは、40歳を超えたのに、
オバサン呼ばわりを受け入れられない自分がいるからだ。
オバサンと呼ばれると、バカにされたようで、むっとしてしまう。
私が小学生のころ、30歳以上の女性には、普通にオバサンと呼びかけていたし、
先方も抵抗なく受け入れていたように思う。
オバサンは中年期の女性を指す言葉にすぎなかった。
でも、最近、オバサンという語は蔑称(べっしょう)に近いのではないか。
そんなことを考えていて、大塚ひかりさんの『オバサン論』と巡り合った。40代の大塚さんが、
「オバサンをバカにするな」という義憤に駆られて書いたもので、副題に「オバの復権をめざして」とある。
大塚さんによれば、オバサンに悪いイメージが定着したのは、
80年代後半に漫画『オバタリアン』(堀田かつひこ著)が発表されたあたりから。
ずうずうしくおせっかいな作中人物の姿が、オバサンのイメージを決定づけたようだ。それに対して、大塚さんは、
若者が言えないことをはっきり言うずうずうしいオバサンがいたからこそ歴史が動いた事例を紹介したり、
おせっかいなオバサンがいるからこそ地域の清掃や市民運動が成立したりしていると説明。
「女が年をとることが罪であるかのように蔑視(べっし)される」風潮はおかしいと批判する。
全く同感だ。確かにオバサンは若くも可愛(かわい)くもないかもしれない。
でも、若者より知恵も経験も豊かだ。誰もが年をとるのに、
若さばかりが偏重される社会は、未来に希望がもてない社会だと思う。