10/05/26 09:32:11 0
「自宅にテレビがなくても、ワンセグが見られる携帯電話を持っていれば、NHKの
受信契約が必要」-。そう言われたら、「えっ?」と驚く人が少なくないのではないだろうか。
NHKは、パソコン(PC)やワンセグ対応端末でもテレビ放送を受信可能であれば受信料の
支払いが必要としているが、「妥当なのか」「納得がいかない」といった声もある。 (近藤晶)
「ワンセグ携帯だけで受信料が必要なんて知りませんでした。携帯のワンセグって全く見ないし、
そんなものなのかなって思いました」
都内に住む二十代女性の自宅に、NHKの契約担当者が訪れたのは三月下旬。今春から一人暮らしを
始めた女性が、テレビがないことを伝えると、担当者は女性が手にしていた携帯電話を見て、
「これ、ワンセグ見られますよね」と、受信契約が必要と説明した。女性は契約に応じたが、
釈然としなかった。
「テレビもPCもなく、ワンセグ付き携帯電話だけで受信契約を結ばされたが、妥当なのか」
「ワンセグだけで受信料の支払い義務はあるのか」。こうした問い合わせは、
国民生活センターにも寄せられている。中には「やり方が強引で納得できない」という不満の声も。
同センターによると、件数は集計していないが、いずれも引っ越しシーズンの三~四月に寄せられた
相談で、主に一人暮らしの子どもを持つ親からだったという。
放送法は「NHKの放送を受信できる設備を設置した者は、受信契約をしなければならない」
(第32条第1項)と規定している。NHKの見解は「NHKの放送を受信できる設備」とは、
テレビに限らず、地デジチューナー付きPCやワンセグが見られる携帯端末なども対象としている。
受信契約は世帯ごとのため、一住居に何台テレビがあっても一契約で構わない。
すでに受信契約があれば、ワンセグ携帯を持っていても、新たな契約は必要ない。だが、
親元を離れて暮らす学生や単身赴任など住居が別の場合は、受信契約が必要としている。
ただ、携帯電話のワンセグは、メールやカメラ、「おサイフケータイ」のように付加機能の一つ。
携帯でワンセグを頻繁に見ている人もいれば、先の女性のように全く見ない人もいる。NHKは
「見る見ないという意思の部分は、外形的に判断できない。実際に(放送を)受信できるものか
どうかという、客観的なものをよりどころとせざるを得ない」(営業局計画管理部)と説明する。
ワンセグ放送が始まったのは二〇〇六年四月。電子情報技術産業協会(JEITA)の統計によると、
昨年度に出荷された携帯電話のうちワンセグ対応機種は約八割に上る。購入時にワンセグが
付いていない機種を選ぶことも可能だが、NHKは「携帯電話会社に対し、『購入時に、
NHKの受信契約が必要だということを説明していただきたい』というお願いはしているが、
言っていただくのはなかなか難しい」(同部)のが実情という。
最近は、次々と新しい情報端末が市場に投入され、テレビの視聴形態も世代によって多様化。
一人暮らしでテレビを持っていない若者も少なくない。一方、NHKはテレビ、パソコン、
携帯端末の「3-Screens(スリースクリーンズ)」展開をうたっているものの、
その割にはパソコンや携帯端末の受信料について、視聴者に十分理解されているとは言い難い。
NHKは「われわれの周知や説明がまだ十分でないかもしれないが、理解促進に努めたい」
(西田文則営業局長)としているのだが…。
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)