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米国に残したペットの猫が心配だった―。飼い猫に会うため、偽のパスポート(旅券)で米国へ渡航を
繰り返したとして、旅券法違反の罪に問われた岐阜市の会社役員の女(48)に対し、岐阜地裁は27日、
懲役1年6カ月執行猶予4年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。
判決によると、女は2005~08年、偽造旅券で9回にわたり出入国を繰り返した。宮本聡裁判官は
「軽率な犯行だが、組織的背景はない」と述べた。
公判でのやりとりなどによると、女は約20年前に米国に語学留学して以来、アパートを借りて猫の
親子数匹を飼っていた。しかし、1998年ごろに入国を拒否され、理由を十分に説明されなかったため、
自分の旅券では渡米できないと思い込んだという。
そこで女は、幼なじみの女性に頼んで名義を借り、自分の顔写真を張って旅券を申請。渡航の際はこの
旅券を使っていたという。
公判で「テロなどでアメリカは敏感になっている。大騒ぎになるところだった」と諭す宮本裁判官に、
女は「猫が心配で仕方なかった。どうしても帰りたかった」。猫は他人が引き取るなどしたといい、
「軽はずみなことをした」と反省していた。
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