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報道によると２３日朝７時２０分ころ、福建省南平市実験小学校の校門前で
登校してきた子供たちを中年の男が刃物で次々に切りつけ、
８人が死亡５人が重傷を負う事件が起きた。わずか５５秒間の犯行だったという。
南平市実験小学校は南平市でトップレベルの小学校で、
保護者の多くは子供のために学校の近くにマンションを買ったという。
事件が起きた時刻はちょうど朝の登校時間で校門の前にはたくさんの児童のほか、
付き添いの保護者や清掃作業員もいた。
突然「人殺し！」と子供の叫び声が上がると、
人々の群れは騒然となり、その中で中年の男が次々に子供を刺していった。
子供たちは悲鳴を上げて逃げ回り、大人たちは罵声を浴びせながらなんとか男を
止めようとし、現場は修羅場と化した。
ある女性清掃作業員は切りつけてくる男から３人の児童を守りぬき、
自身は顔に傷を負った。男は比較的小さい子供ばかり狙い、
５５秒間に１３人に切りつけていった。
更にナイフを振り回す男に実験小学校教務副主任の体育教師が飛びかかり、
ようやく力づくで取り押さえると男の手から血だらけのナイフが落ちた。
ナイフは刃渡り２５センチ、現場は切りつけられた子供たちの血で染まった。
女の子が１年生３人と３年生１人、男の子が１年生１人、２年生１人、４年生２人の８人
の児童が犠牲になった。３人は現場で死亡が確認され、
５人は搬送先の病院で亡くなった。
他に１年生から４年生までの５人が重傷だが予断を許さない状況だという。
いずれの児童も傷が深く、ある子供は切りつけられた後、無我夢中で近くの店に駆け
込んできたが、店の人によると切られた腹から腸がすべて飛び出して
放心状態だったという。
すぐに駆け付けた警察により男は現行犯逮捕された。
男の名前は鄭明生、１９６８年生まれの４２歳独身で昨年まで南平市衛生局に所属し
馬駅社区の診療所で外科医として勤務していた。
同僚や衛生学校時代の同級生の話では鄭明生は物静かで、
あまり人と交わらない性格だったが外科医としては腕がよいということで”一刀”と
呼ばれていた。しかし診療所の上司と折り合いがわるく人間関係では問題を
起こしがちで昨年退職してからは何も仕事をしてなかったという。
鄭明生は８０歳になる母親と兄の３人暮らしだったが給料がとても安く、
生活は貧しかったという。趣味もなくたまに宝くじを買う程度だった。
恋人が何人もいたと言いふらしても、誰も信じなかった。
普段の姿から恋愛経験はないと誰もが確信していた。
一度近所の人たちでマージャンをした時に「もしかして童貞なのか」
と冗談を言われた時は普段のおとなしい姿から一変して激しく怒ったという。
「本当に恋人がいたことがなかったからそういう話題に敏感だったようだ」
近所に住む老人はそう証言する。犯行の前日にはふらりとやって来て「仕事を
探そうかな」と言っていた。失業したから今度は何か大きな仕事をして大金を
稼ぎたいとも言っていたという。翌日の犯行を聞いてこの老人はただ
失業しただけなのにこんな事件を起こす理由がわからないとため息をついた。
仕事、恋愛、結婚という人並みの幸福がどうしても手に入らない絶望感から凶行に
至ったのか。地元難関小学校の低学年児童ばかり狙った犯行にかつて日本でまったく
同じような事件があったことを思い出す。
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