10/01/12 23:34:01 0
キムとパクは帰国するかどうか迷っていた。
キム:「まず僕がひとりで向こうへ行き、あちらの事情を手紙に書く。
君はそれで判断すればいい」
パク:「しかし、悪口を書いた手紙を検問官に見られたら君はタダでは済むまい」
キム:「じゃあこうしよう。僕は祖国がどんな国だろうと、褒めて書く。
手紙が黒のインクで書いてあれば、祖国は素晴らしい国だと受け止めたまえ。
逆に赤のインクで書いてあったら内容とはかけ離れた貧しい国という意味に取ってくれ」
キムはそういうと北に旅立っていった。
それから3ヵ月後、パクの元に手紙が届いた。送り主はキムである。
手紙には黒のインクでこう書いてあった。
黒のインクということは・・・素晴らしい国なんだ!とパクは喜びながら読んだ。
『親愛なるパク同志。この国は地上の楽園です!
帰国してすぐ割りの良い仕事を紹介してもらい、
広くてきれいな住処を与えてもらった。食料と酒はふんだんにあるし、
何より国自体に活気がある!
仕事はすこぶる順調で、来月にはクルーザーを買って別荘で余暇を過ごすつもりだ。
一部のマスコミが『北には物資が何もない』なんて書いてるが、
それは大きな間違いだ。この国では欲しい物は何でも手に入る!
手に入らないのは赤のインクくらいのものだ』