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来年から1杯1万円のラーメンだけで勝負する藤巻さん=目黒区上目黒 メニューは1杯1万円のラーメンだけ-。
国中がデフレにあえぐ中、こんなとんでもない店が来年1月、東京都内に誕生する。
目黒区上目黒の「藤巻激城」。1杯3千円の価格設定と会員予約制を敷き、庶民の味「ラーメン」の世界に“高級”という概念を持ち込んだ店主、
藤巻将一さん(41)の新たな挑戦だ。今回、裏メニュー的に存在していた1万円の「五味融合皇帝麺(めん)」に絞ったというのだが…。(安岡一成)
「スープが1万円、麺はオマケです」
自信たっぷりな視線を色つき眼鏡の向こうからのぞかせて説明する「1万円のカラクリ」は簡単に言うと、中華の高級食材の
金華ハムなどを煮込んだ肉系スープと、テナガエビやワタリガニなどの海鮮スープを混ぜ合わせ、さらにエビとカニのペーストを加えたもの。タイ宮廷料理と広東料理の融合という。
「材料の調達に1日、調理に1日、寝かせるのに1日。3日前の予約です」
「味の邪魔になる」と具はない。「腹を満たすものではなく、美食家を黙らせるものです」。
常連の有名ミュージシャンも、ネットで同志を募ってやってきた客も口にした人はみな、確実に押し黙るという。
16歳で料理の世界に入った。都内の高級レストランの料理長を務めた後、世田谷区池尻で「藤巻激場」を開いた。
人気は呼んだが、悩みもあった。行列、食券、薄利多売、B級グルメ…。ラーメンに対するこんな“常識”にうんざりだったのだ。
「あらゆる料理の中で、ラーメンだけ“高級”という概念がない。型が決まった幅の狭い世界で、アイデアも限界に来ている」
出した結論が、1杯3千円に値上げし、完全会員予約制の店にすることだった。店名も「藤巻激城」と改めた。
特異なスタイルとカウンター8席の気品漂う店構えは話題を呼び、会員は2千人を超えた。
「1万円」の挑戦もこの延長線上だ。「高級ラーメンという以上、3千円の次は1万円しかなく、これ以上もありえない。これで女を連れた男にカッコつけさせてやるんです」
話題作りのためだけに派手なパフォーマンスに走る店も多いが、藤巻さんはそれを明快に否定する。
「私欲ではなく、ラーメンの可能性を広げるという志ですよ。客のため、後進の料理人のためになるならと思っての挑戦です」
しかし、人気の3千円ラーメンまで切り捨てたのは無謀では?
「3千円をキープして、『妥協したな』と思われることがいちばん嫌。勇気と覚悟がないとできなかった。売れなかったら? ばくちだ、しようがない」
余裕で答えるのだった。
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