09/12/20 09:56:02 0
例えば、国連の気候変動に関する国際会議「COP15」で鳩山首相が中国の温家宝首相と
会談した、というニュースがマスコミで流れる。その直後にmixiなどのニュースに対する
コメントを見ると「シナ(戦前に使われた中国の蔑称)」「赤旗」「陰謀」・・・などの言葉が並んだ、
明らかに中国排斥のコメントが並ぶ。
また、ライブドアニュースの岐阜大のアカデミックハラスメントの記事。
このコメント欄も、見れば「中国に帰れ」などの多くのコメントがある。
いずれも書いた人間は誰かと見れば、匿名のコメントか、あるいはだれが書いたのかをわからなくしている
プロフィルしか見えない。要するに完全な匿名のコメントばかりだ。これらのコメントに反論か、
あるいは反論に近いコメントをすれば、今度はそのコメントを書いた匿名の複数の人間から
「おまえは誰の見方なのだ?」などの激越なコトバを連ねたコメントが返ってくる。
また、中国、韓国との友好の記事、自衛隊の記事なども、同様のコメントの嵐となる。
今回は民主党の小沢氏が天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会談を決める過程で
「1カ月ルールを守らなかった」というニュースがあれば、この匿名の人間はこのニュースに
食らいつき「中国の言うことなんか聞くな」「屈辱外交」「天皇の政治利用」などの罵声を浴びせてきた。
天皇という存在そのものがもともと政治でできたものであって、天皇という存在が生まれてこのかた、
政治にその権威を利用しまくってきた日本の歴史を見れば、いまさら「政治利用」などということばを使うのは、
どこか変な感じがする。「政治」にも「党利党略」にも、戦前、戦後を通じて天皇は使われ過ぎて擦り切れるほど
使われた存在である、というのは、ちょっと調べればわかることだ。
一方、世界の経済、そしてその経済にかかわる世界の政治の舞台では中国は大きな存在となっていることは
疑いようもない。米国のオバマ大統領の来日でも、来日の時間よりも中国にいた時間のほうが長かった。
それだけではなく、私たち日本人がふだんから使っている身の回りのものの多くは「Made in China」だ。
パソコンのマウスをひっくり返してみれば、そこにも「Made in China」の文字を見ることができる。
コンビニで買う食材や菓子などは言うに及ばず、日本で働く中国人も数が増えているのはご存知の通り。
いまや米国で仕事の打ち合わせが中国語で行われていることも普通に増えた。経済には成長の限界と
いうものが必ずあるので、このままの状況がいつまで続くか、ということには疑問もないではない。
しかし、今日現在、中国が中心となって世界の経済が動き始めている、と言うエコノミストは非常に
多いばかりではなく、しばらくはこの勢いが続くだろう、と彼らは見ている。
日本だって、かつては「Japan as No.1」などと持ち上げられた時代があったものだ。
中国もまた、似たような持ち上げられ方をしている、と見ることもできないではない。
しかし、日本の経済や将来を真剣に考えるのであれば、これから中国に日本人の目が向くのは当然だ。
既に日本の名だたる大企業が中国マーケットを目指して多くの投資を行っている。この時代にあって、
前述のような「ネトウヨ」は、戦前の右翼の亡霊のような古臭い言葉で中国のみならず、韓国なども
排斥しようという言動に満ちている。しかし、その影響はいまだに小さい。
小さいがゆえにさらに激越なコトバを使って目立とうとしているが、
激越なコトバを使えば使うほど、彼らは現実の日本社会から「浮いて」しまう。
逆に、今の「ネトウヨ」のような閉鎖的な思考では、日本は世界で生きられない国になるだろう。
鎖国をしたら日本人は飢えるしかなく、戦争をしたら日本は負けるだけではなく、その準備を
一定以上のラインをこえてしたら、国際社会の非難をあび、日本は孤立する。
やがて始まる「日本での中国の時代」。おそらく、その世の中に「ネトウヨ」はゆらゆらとはかない
存在として「浮く」ことになるだろう。日本国内でさえ、中国はじめ諸外国とのつながりなしに、
私たちは一日も生きていられない「グローバル」な時代に我々は生きているのだから。
「ネトウヨ」は日本を滅ぼすだろうか? いや、彼らにはもうそんな力はない。「ほえる犬は噛み付かない」のだから。
ソース(PJ NEWS):
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