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土浦市乙戸南の西山裕さん（当時８２歳）、由幾子さん（当時７８歳）夫婦が昨年９月、
自宅で孫に刺殺された事件の初公判が１９日、水戸地裁（河村潤治裁判長）であった。
検察側は、強盗殺人、窃盗の罪に問われた無職岸本交右(こうすけ)被告（２５）が、
滞納していたマンションの家賃１か月分を払うために犯行に及んだことを明らかにした。
岸本被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、岸本被告は昨年９月４日午後１時半頃、由幾子さんの腹などを
包丁で刺して殺害。同３時半頃には、裕さんを殺害し、耐火金庫を壊して現金約１６万円や
商品券９８枚（計９万８０００円）、キャッシュカードなどを奪った。岸本被告は前日から家に忍び込んでいた。
岸本被告は、高校中退後、定職に就かず、家族の財布や金庫から金を盗み、パチスロや夜遊びに
興じるようになった。キャバクラに通うようになってからは、貯金証書や国債を盗んで現金化し、
半年間で約２０００万円を浪費したこともあった。高級外車の代金支払いに窮し、一昨年には
銀行に侵入し現金を盗もうとしたところを逮捕され、執行猶予・保護観察付きの有罪判決を受けていた。
しかし、その後も、すさんだ生活を改めようとせず、裕さんの昨年８月の日記には「家の鍵を２重にした。
交右の件、由幾子が心配。金庫の鍵が問題」「交右が帰ってきてバッグを探していた」など苦悩が
つづられていた。岸本被告は、一人暮らしをしていたつくば市のマンションの家賃１か月分約５万４０００円を
滞納しており、祖父母を殺害して金庫から金やキャッシュカードを奪おうと考えたという。
弁護側は、被害者のきょうだいの嘆願書を読み上げ、「被害者が、分身である交右への重い処罰は
望んでいないと思う。どれだけ時間がかかっても更生してほしい」と、寛大な処分を主張した。
検察側の供述調書朗読で、裕さんが「こうちゃん、やめて」と命ごいした場面では、岸本被告は手を
組んだり、指を動かしたりして、落ち着かない様子を見せた。
ソース：YOMIURI ONLINE
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