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黄砂・酸性雨対策、日本が協力 日中首脳会談で合意へ
29日、北京で行われる麻生首相と中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相による首脳会
談で、日本が中国の環境汚染や廃棄物対策に協力する「日中環境・省エネルギー総合
協力プラン」で合意することがわかった。両国が重点的に取り組む4分野、計15項目を列
挙。日本も大きな影響を受ける黄砂、酸性雨への対策や、膨大な二酸化炭素を排出する
石炭火力発電所の設備改善などが盛り込まれる。
日本政府関係者によると、深刻な環境問題を抱える中国に対し、日本が得意としている
環境・省エネ分野での協力を進め、両国の「戦略的互恵関係」を支える柱にする狙いがあ
る。さらに、中国の参加がカギとなる13年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト
京都)づくりに向け、中国側の意識を高めるきっかけにしたい考えだ。
石炭分野では、地球温暖化対策や施設の安全性向上を目指し、石炭火力発電所の設
備改造や人材育成で協力。今年度中に約1万人の中国人研修生を受け入れるほか、現
地指導も行う。
水の分野では、農村地域での排水処理モデル事業への協力を進め、湖沼などの水質
を浄化する日中共同プロジェクトを立ち上げる。水質汚濁の原因となる窒素やリンの削減
に向け、日中の共同研究も進める。水質汚濁が深刻な渤海湾の浄化対策にも協力する。
大気汚染対策では、光化学オキシダントや黄砂、酸性雨に関する研究・技術協力を推
進。廃棄物に関しても、3Rと呼ばれるリデュース(排出抑制)、リサイクル(再生利用)、リ
ユース(再使用)のための技術支援を行う。
対策が遅れがちな地方を支援するため、次回で4回目となる日中省エネルギー環境総
合フォーラムを年内に中国の地方都市で開き、日本の優れた省エネ技術などを紹介する
「技術集」の中国語版を配布する。
環境対策に日本政府が力を入れてきた姿勢を示すため、麻生首相は30日、熱エネル
ギーの有効利用や粉じん飛散対策を日本が技術指導した北京市郊外の「首都鋼鉄」を視
察する予定だ。(東岡徹)
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