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「まだ関西弁直ってないの?」。大阪から東京に赴任し、3年ほどたった時に、他社の記者からそ
う言われ、ムッとした。「なんで直さなあかんねん」。東京では東北の人も九州の人も、地元の言葉
を「直し」、標準語で話す人が多い。しかし、「関西人だけは、世界のどこに行っても関西弁を通し
ている」と指摘されたこともあった。
かくいう私も実は、初めての東京勤務にかしこまり、関西弁を話さないよう意識していた時期があ
った。でも、すぐやめた。関西弁の方が相手と親しくなりやすく、面白い話を聞けることに気づいた
からだ。
いつもは標準語で堅苦しい話をしている企業トップが、こちらにつられて、素の熊本弁になり、い
いネタを教えてくれたことがあった。そういえば、三重県出身のトヨタ自動車の奥田碩相談役の言葉
も関西弁に近い気がする。日本経団連会長時代の辛らつでも、どこかユーモラスな話が印象に残って
いる。
関西弁には、相手の心を広げる力があるようだ。関西弁を「直さ」へんで、ほんま、よかった。【
須佐美玲子】
毎日新聞 2009年4月28日 大阪夕刊
毎日jp
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