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愛知県知多市の加藤功市長(67)が、自宅前を通る名鉄常滑線のさくを乗り越えて線路内を横切り、
自宅の向かいにある畑との間を日常的に行き来していた。地元の住民から「危険だ」と苦情が出ており、
加藤市長は「今後はやめる」と話している。
この場所は常滑線の寺本―朝倉駅間の複線区間。列車は午前7時台のピーク時に上下19本が行き交い、
空港への特急も高速で走り抜ける。線路の両側にあるさくは、高さ約1メートルで、縦方向に青い鉄棒とコンクリートの柱が交互にあり、
横方向に2本の細い鉄板を通してある。
しかし加藤市長の自宅前だけは、1本だけ青い鉄棒が抜かれ、柱の間隔が広くなっていた。
さらに横方向の2本の鉄板のうち、上の1本が幅約95センチにわたって切断された上、改めて片端をボルトで留め、
そこを支点に上下に動くように加工されていた。
通る際には上の鉄板を下げ、足元のコンクリートブロックを踏み台にすれば、容易に乗り越えられる仕掛けだ。
踏切はここから東西にあるが、東に約70メートル付近にある踏切を通るルートが自宅から畑へ最も近い。
加藤市長は15日午前5時10分ごろ、自宅前に姿を現した。手で上の鉄板を下ろしてさくを難なく乗り越えて線路反対側の畑に直行。
サヤエンドウなどを栽培していて、約2時間農作業をして、自宅に戻った。
加藤市長は取材に対し、「名鉄の許可はとってないが、前からずっと通っていた」と日常的な繰り返しを認めた。
畑に行くため、近くの踏切から回り道をするのがおっくうだったという。
さくの細工は、「自分ではない。名鉄がやってくれた」と話したが、「子どもが横断をまねしたらどうする。
さくの横に『立入禁止』の看板があるのが見えないのか」と怒る地元住民もいる。
市民からの苦情は、知多署にも届いている。同署は「名鉄が『さくを壊された』と告訴すれば、器物損壊罪を問えるが、
話し合いで解決できる問題だ。往来の目的が畑への通過なら、列車往来危険罪にもならない」との見解だ。
一方、名鉄は普段の線路点検では、さくの細工に気づかなかったと説明。「個人的に頼まれても、危険性を理由に、
踏切以外での往来は認めていない。ただ、さくが完成した30年前の経過は資料が残っておらず、分からない」という。
朝日新聞が指摘した15日夕、針金でさくを固定し、応急処置したという。
加藤市長は元市職員。01年に初当選し、現在2期目。3月議会で、今秋の市長選について続投の意欲を示した。
また同市交通安全推進協議会の会長も兼任。交通事故防止に寄与したとして、2月18日、同協議会を代表し、
知多署長から感謝状を受けている。(佐藤仁彦)
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