09/06/05 23:58:05 EDA+bHut0
闇金を騙す鈴木という詐欺師が7年前に知り合って半年くらいしてから、俺の前から消えた。
そのあと、取り立て屋、やくざが引っ越した後の周辺をうろうろしていた。
つい先日、俺の携帯に非通知で電話があった。
「おう、お前か田中だけど最近なにしてる?今お前の近所なんだけど会えるか?」
と言ってきたので、俺の名前を知っているのには驚いたが、田中という知り合いがいなかったため
「おたく誰?」と問いただしたところ
「あ~ごめんごめん、鈴木だよ。ほら、一緒にあそこの居酒屋で、その後あそこのスナックへ行ったじゃないか。」
俺は、ピンと来て思い出した。その数分後に家の前に現われたので、久しぶりに会って話をした。
居酒屋へ行って話を聞いたが、鈴木は、実は偽名であった。もちろん田中という名前も偽名。
飲み友達であったので、最近どうしてるの?まだ、土建屋やっているの?と聞いたら
「俺は土建屋をやったことなんてない。実は俺は詐欺師だ。」と話しだした。
この町に住んでいた6年前から偽装通帳・偽装書類などを揃えていろんな闇金から一気に金を借りまくった
らしい。そして、蒸発したらしい。その繰り返しをして各地を転々としているらしい。
金持ちやくざを20名近く騙して蒸発を繰り返しているらしい。俺は話を聞いて驚いたが、
6年前に借りていた金を返しに来たとのこと(詐欺師がおごると言ったキャバクラの10万円の立て替え分)
俺とは仲がよく気が合うので蒸発された時は少し悲しくなったが、久しぶりに会って、
少し和んだ。闇金を騙し、やくざを騙す。そいつが言うには法律に反してることをしている奴らは警察に
被害届を出すことができないということらしい。携帯電話も飛ばしの携帯。そいつの人生を聞いて
面白おかしくなったが、女に食わしてもらったり、20歳から約30年弱の間に5億円を稼ぎ出した。
話を聞いて、嘘だろ?と思う部分もあったが、その頼もしさに感激した。
「お前はどうする?俺と手を組まないか?」などと言われた。だが、そのあとすぐ
「俺はお前の名前を知っている。調べようとすれば調べられる。だが、お前は俺の本当の名前を知らない。
お互いに名前も知らない状態でなければこのビジネスは成立しない。また、ビジネスパートナーであると
片方がやくざに捕まったとき、もう片方の所在や人物をしらなければ、もう一人は生き残れる。
捕まったほうは手取り足取りいいように使われ、最悪は殺されるだろうが、、、。
それに、俺はまたお前とこうして飲みたい。5年後か10年後か20年後かわからないが、お前が引っ越しても
俺はすぐにお前の居場所が分かる。またそのうち会いにくるよ。」と言って居酒屋を後にした。