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労働力,機械および器具
近年の畜産規模の拡大と家畜飼養頭数の増加によって,防疫に際して必要な労働力,機械および器具についても検討
が必要であると考えられる。北海道では705頭の牛の殺処分と死体の埋却および汚染物品の処理と消毒には大量の
人員と機械,資材を必要とした。殺処分は連日の降雨による悪条件も重なり,家畜保健衛生所職員を中心に家畜の取り
扱いに熟練した要員からなる3班体制によっても,5月12日から15日まで4日間を要した。こうした殺処分および死体の
処理には,動員人数だけでなく熟練した技術力も必要であり,事前にこうした人材を確保するための体制整備も必要と考
えられた。また,ウイルスの散逸防止に対する配慮から,殺処分,死体の処理および消毒その他の作業は家畜保健衛生
所の職員の指示で実施されたが,これら一連の作業および防疫について精通し指揮を執ることのできる家畜防疫員の養
成も行われておくべきであろう。
情報の伝達と広報
行政措置で述べたように,迅速な防疫措置の実施にあたっては情報伝達と広報が重要な役割を果たした。情報伝達は
すべての方針が防疫現場に速やかに届くために必要であり,今回は携帯電話が有効に機能した。緊急時には,情報が
必要な場所に直接届くことが重要であり,対策本部の設置と同時に各担当の情報伝達を有機的結んだ連絡体制を整備
することが重要であろう。また,今回の発生では正確な情報を広報するためにインターネットの重要性も見直された。文字
と写真による情報伝達はその情報量の多さと正確性に優れており,今後の防疫と広報活動に期待される方法であると思
われる
URLリンク(www.sat.affrc.go.jp)
わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点