10/02/21 21:09:56 UmDJe2UC
2008年9月に経営破綻したシステム開発会社「トランスデジタル」をめぐる民事再生法違反事件が、証券業界で話題になっている。市場関係者によると、同社がマネーゲームのカードに歴代防衛相や自衛隊を利用していた可能性があるという。
同社は、マネーゲームを生業とする「大物」が群がってきたことで知られる。
トランス社は07年11月に、防衛大学出身の元海上自衛官、後藤幸英容疑者(44)=同法違反容疑で逮捕=を社長に据え、翌08年6月の株主総会で陸上自衛隊と航空自衛隊の出身者を取締役として招いた。
そして、彼ら元自衛官を前面に立てて一大イベントを催した。
破綻直前の08年8月7日、トランス社は防衛省(東京都新宿区)近くのホテルグランドヒル市ヶ谷で、子会社のケーブルテレビ局が制作したスカイパーフェクTV向けの新番組『ガンバレ自衛隊!安全保障アワー』の制作発表会と披露パーティーを開催。
会場には、政治家、自衛隊員、自衛隊支援者ら約400人が集まった。
来賓として政界からは林芳正防衛相、石破茂前防衛相(肩書はいずれも当時)、小池百合子元防衛相らが出席。自衛隊からは、田母神俊雄・航空幕僚長(同)も姿を見せていた。
関係者によると、林氏は「自衛隊の応援団ともいうべき番組」とあいさつ。小池氏も「海上保安庁は『海猿』で格好よさをアピールした。生の格好いい自衛官の姿が伝わる番組になるといいと思う」とエールを送ったという。
林氏の事務所は「現職(の防衛)大臣であり、自衛隊を取り上げる番組と聞き、参加した」。石破氏の事務所は「防衛省・自衛隊を応援し、市民への理解を深める番組とのことで、広報の一助になればと思い、前大臣として参加した」としている。
また、小池氏の事務所は「歴代大臣が参加予定で、自衛隊応援の気持ちから(出席を)決めた」と答えた。いずれも制作会社主催のイベントと思ったといい、トランス社とは無関係という。
ところが、トランス社は手形の不渡りを出し、このイベントの約1カ月後の9月1日、民事再生法の適用を申請した。
市場では「有力政治家を呼んでの盛大なパーティーは、トランス社(当時はジャスダック上場)の株価を引き上げるための仕掛けだったのではないか。
自衛隊が番組制作に協力してくれるほど、真っ当な会社ですよと演出しようとした可能性がある」(証券関係者)とみる向きが多い。
トランス社の関係者は「そんなことはない。1年半かけた仕事で、(イベントとしての)実態はある」と反論するが、証券関係者は懐疑的だ。
「パーティー直前の08年7月に、トランス社は新株予約権(MSワラント)による50億円の資金調達を発表した。
MSワラントの譲渡を受けて権利を行使し、株式市場で売り抜けたのが、今回の事件で逮捕された食品販売会社元会長、野呂周介容疑者らだった。彼らは資金調達話には非常に敏感で“資本のハイエナ”と呼ばれる知る人ぞ知る大物です」(同)
トランス社は08年8月27日までに31億円を調達した。だが翌日に不渡りを出し、9月1日に負債26億円を抱えて民事再生法を申請した。消えた31億円の流れについても、警視庁の捜査のメスが入るとみられる。
URLリンク(www.zakzak.co.jp)