09/11/18 06:28:08 XVyOhsZJ
おはよう鳩研
余録:事業仕分け第一幕
URLリンク(mainichi.jp)
「朕(ちん)は国家なり」と言ったのは、フランスの絶対王制の頂点をなすルイ14世である。
彼は虫歯でもないのに侍医に歯をすべて抜かれるという目にあっている。侍医は虫歯が
死病をもたらすと信じ込んでおり、健康な歯もすべて抜くよう国王に求めたからという
▲しかも抜歯の際には誤って上あごに穴をあけられ、消毒のために熱した鉄棒で繰り返し
その部分を焼かれたそうだ(瑞穂れい子著「残酷の世界史」河出書房新社)。麻酔も何も
ないのにそんな荒療治に耐えられるものなのかとも思うが、なにしろ並の人間ではなく
「国家」である
▲さて麻酔なし、しかも衆目の中でのわずか1時間の荒療治だ。なのに施術する方は
必ずしもその分野のエキスパートとは限らない。悪くすれば上あごに穴があくかもしれない。
予算の無駄削減にむけ国家行政に加えられた初の事業仕分けだ
▲ 「乱暴だ」「人民裁判だ」「民間仕分け人に権限があるのか」……そんな声が出るのも
もっともな事の運びではある。だが膨張する歳出と税収の落ち込みが気がかりな国民には、
国の事業と予算の実情をかつてない形で目の当たりにできた仕分けだった。「政権交代
効果」である
▲仕分けは第1幕を終え、結果は行政刷新会議に報告される。ただし仕分け結果は主に
事業の費用対効果に基づく個別判断である。政権全体の視野からその結果を生かし、
時には見直して予算の圧縮や制度改革を進める本当の政治はこれからだ
▲歯にだけこだわる侍医のせいでルイ14世は硬い食事がとれなくなり、胃腸の調子も
崩したという。むろん現代国家の健全も、政策の優先順位を誤らぬ大局的政治判断に
かかっている。