09/09/24 22:18:04 o1H/N23J
しかし、今年上半期の中国の国内総生産(GDP)は13兆9862億元と、14兆元未満であったから、
同じ時期における国内新規融資の総額はGDPの半分以上に達しているという前代未聞の異常事態が生じているのである。
このようなむちゃな放漫融資があってこそ中国経済の急落が食い止められたわけだが、
いわば「カンフル剤の注射」に頼り切った経済の回復は、
まさに温首相の指摘通り、極めて「バランスの欠いた」ものである。
そして、このような過激なてこ入れ策はそう長く続くはずもない。今年の8月になると、
国内の新規融資額は大幅に減少し、2009年に入ってからの最少月額である3200億元となっている。
それ以上の放漫融資をやると、いずれかインフレになる危険性があるから、中国政府は急ブレーキをかけたと思われるが、
「カンフル剤」の投与が断たれた中国経済は、果たして持続的な回復ができるのか。まったくの疑問である。
というのも、温首相自身も上述の談話の中で認めたように、「(国内の)短期での大幅な内需拡大は極めて難しい」し、
「世界不況が長引くことで外需の下落はさらに続くだろう」と予想されているからである。
中国経済の行方に対する温首相の心配は、決して杞憂(きゆう)ではないようだ。
しかし大変面白いことに、当事者である温首相の「慎重論」とは対照的に、
国外の一部専門家やマスコミはむしろ、中国経済の「奇跡的回復」をべた褒めしている最中である。
たとえば、日本を代表する某証券会社のトップは先日北京市内で、
「中国経済は非常に健康だ」と発言したことが中国のメディアによって報じられている。
あれほどの放漫融資に頼っていた中国経済が「健康」なのか。多くの日本人の中国認識は、結局この程度のものである。
終わり