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「ガダルカナル」化する特捜捜査 「大本営発表」に惑わされてはならない
郷原 信郎
民主党小沢代表の公設第一秘書の大久保氏が東京地検特捜部に、政治資金規正法違反(政治資金
収支報告書の虚偽記載罪)の容疑で逮捕されてからおよそ2週間。衆議院議員総選挙を控え、極め
て重大な政治的影響が生じるこの時期に、比較的軽微な政治資金規正法違反の事件で強制捜査に
着手した検察側の意図、捜査の実情、今後予想される展開が、おぼろげながら見えてきた。
捜査は当初から想定された展開ではない
この時期に検察があえて強制捜査に着手したことについて、「国策捜査」などの見方もあったが、
どうやら、今回の検察の強制捜査着手は、これ程までに大きな政治的影響が生じることを認識した
うえで行われたのではなく、むしろ、検察側の政治的影響の「過小評価」が現在の混乱を招いてい
るように思える。 その推測の根拠は、今回の強制捜査着手後に、東京地検の特捜部以外の他の部
のみならず、全国の地検から検事の応援派遣を受けて行われている事実だ(3月8日付毎日)。
検事の異動の大半は、定期異動で行われる。全検事のうちの3分の1近くが一斉に異動する年度末を
控えたこの時期、事件の引き継ぎの準備を行いながら、捜査・公判の日常業務を処理しなければ
ならない全国の地検はただでさえ多忙だ。そのような時期の応援検事派遣には検察部内でも相当な
抵抗があるはずである。
ましてや、今年5月には裁判員制度の施行を控えており、検察は、この制度を円滑に立ち上げることに
組織を挙げて取り組んできたはずだ。この時期、定期異動に伴う繁忙を克服して、裁判員制度開始に
向けての総仕上げを行うことが、裁判員制度導入の中心となってきた樋渡利秋検事総長の下の検察に
とって、何はさておいても優先させなければならない事柄だったはずだ。
そのような時期に、今回の特捜捜査に大規模な戦力投入が行われていることで、検察の他の業務に
重大な影響が生じていると思われる。特捜部が担当する脱税事件、証券関係の事件の捜査処理の
遅延だけではなく、裁判員制度の対象となる一般刑事事件を扱う検察の現場も相当な影響を受けているであろう。
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