【関東】深夜アニメ放映時間の変更と重複329【局別】at ASALOON
【関東】深夜アニメ放映時間の変更と重複329【局別】 - 暇つぶし2ch980: 早瀬さん
10/05/03 09:29:56.98 0
ABの人気ってのは物語論的スキームの寝首を掻いてるところにあるのだろう。例えば同じP.A.WORKSの『true tears』なら
眞一郎が乃絵と比呂美、どっちとくっつくかという筋なのが1話で読めてた気がする。「俺純愛ものとか、どんな面白いストー
リー展開が待っててもどうでもいいし」という人は1話の時点でブロック。これまで脚本のよさばかり検査されて、ジャンルの
重要さが考慮されていなかった。そのジャンルでどんなによくできた話でも、興味がなければその人は見ない。例えば100万人
がブロックしない40点の話のほうが、10万人しか見ない90点の話よりもたぶんセールスは成功する。

その点Angel Beats!は、トラップギャグやったり野球やったり、そういうストーリーの冗長や破綻といわれる要素が実は視聴者の
ジャンル特定スキーマーを乱すプラスに働いている。アンチな人たちでも「切って終わり」ということが少ない。

PAworksの『CANAAN』だと、「どうせアルファルドの組織潰して終わるんでしょ」って話の筋が1話から読めてた気がする。
そして合わない人は「悪者を倒す超人アクションものね」でブロック。その点Angel Beats!は、まず1話の時点において「神に
復讐する」か「天使を倒して不良たちのモラトリアム共同体を確保すれば物語が終わるのよ」という<終わり>がゆりによって
提示されたが、神の存在は推論でしかなくモラトリアムが永遠に続いてよしとする物語は常識的ではないし、どう見ても天使が
悪役には見えない。宙吊りのまま視聴者は二話を待った。

二話で語られるのはゆりの過去=トラウマ。そして三話の岩沢さん消滅によって、視聴者は「なるほど、過去のトラウマと折り
合いをつけたキャラクターから順次消えていくお涙頂戴ものだな。」というスキーマーを立てた。ところが四話で岩沢のように
トラウマを解消しかけた日向が、ユイのどつきによって消滅を阻止されてしまう。三話での岩沢のケースと違い、四話における
トラウマは笑いで無毒化される程度の重みしかなくなってしまうのだ。

そしてギャグとシリアス、同工異曲な口で執拗に語られる「俺たちは誰と戦っているんだ?」という問い。1話で敵とみなされ
た<生徒会長=天使>が第五話において生徒会長を解任されてしまう。共同体の敵は主人公らのいじめによって、悲しいムード
とともに消滅した。カタルシスは無い。さらに彼女がただの人間でしかないという疑いさえ濃厚になり、<天使を調べ神を探す>
というゆりのプランは頓挫する。一体、Angel Beats!の物語はどうすれば終わるのか?従来の物語論的スキーマーはことごとく
機能しない。スキーマーは耐性を獲得するウィルスのように、視聴者に抵抗し絶えず変異し続けるのだ。

そしてCパートにおいて強権的な新生徒会長・直井という新たな敵が設定されたが、これもかませ的な匂いがするし、このスキー
マーがいつまで有効かは誰もわからない。脚本のいびつさストーリーが隙だらけであることが、逆に物語的な強度を生んでいる。
大塚英志的な創作論に従ったのでは得られない面白さがある。


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