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『日本人の対外国人態度』
慶応義塾大学教授 岩男寿美子
今後市民レベルに於て国際的な人的交流がますます盛んになることは確かだが,
その場合,こころの国際化の遅れが深刻な国際問題に発展するおそれがなきにしもあらずである。
そこでこれまでに私自身が行った社会心理学的研究のなかから少し角度の異なる4つの実証研究
をとりあげ,日本人の対外国人態度の問題を考えていきたい。先ず最初に,広告モデルの扱い方に
反映された日本人の心理からその対外国人態度,とりわけ人種差別意識を探ってみよう 。
いま日本は電車の中の吊り広告から,テレビのCM,雑誌のグラビアまで外国人モデルを使った
宣伝広告で溢れている。外国製品の宣伝に外国人モデルが使われているのなら取り立てて問題に
するほどのことはなかろう。しかし,日本人の消費者をターゲットに,どうみても外国とは直接には
関係がないとしか思われない商品の広告に外国人モデルが多数登場しているという印象を
私は受けるのである。だが主観的印象が時には極めて誤ったものであることは経験的に我々のよく
知るところである。そこで私は,期間をある一週間に限り,その週に発売されていた週間誌と月刊誌の
なかから発行部数の多い30誌を選び(注3) ,グラビア広告515本に起用されていた1,008のモデルを
その扱い方を中心に分析することにした。
(注3) 30誌は次の通りである。
月刊・隔週刊誌 週刊誌
1 文芸春秋 9 微笑 16 サンデー毎日 24 女性セブン
2 ポパイ 10 メンズクラブ 17 週刊朝日 25 アンアン
3 ノンノ 11 ホットドッグプレス 18 週刊新潮 26 週刊プレイボーイ
4 ナンバー 12 モア 19 週刊文春 27 平凡パンチ
5 J.J 13 クロワッサン 20 週刊現代 28 週刊明星
6 写楽 14 ブルー夕ス 21 週刊ポスト 29 週刊平凡
7 月刊プレイボーイ 15 婦人公論 22 週刊女性 30 アサヒ芸能
8 ビッグトウモロウ 23 女性自身