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『『感動系』と『泣きゲー』の正体』
「感動系ゲーム」の話をしましょう。
感動とは読んで字のごとく、心が動き、何かを感じるということです。
そう考えれば、いわゆる感動大作映画やメロドラマはもちろん、コメディーにも俳句にも論文にも、
電気掃除機の使用説明書にだって感動はあります。
「紙フィルターいちいちセットしなくていいんだ。スゴいなぁ・・・・・・」とか。
ストーリーテリングの世界に話を絞れば、『感動』はもう少し狭義になります。
物語そのもの、もしくはそのキャラクターの言動に共感し、場合によっては
涙を流すこと……というところでしょうか。そして感動は即ち、作品の売りに
なります。映画の宣伝手法で、映写室から出てきた客に『メチャメチャ感動しま
した』と言わせるのも、むべなるかなというところです。
ノベルゲームにおいて、最初から受け手を感動させることに特化したものが、
いわゆる感動系ゲームです。さらにそこから一歩踏み込み、プレイヤーに物理
的に涙を流させることを売りにしたゲームを『泣きゲー』などと呼びます。『ギャ
ルゲー』『エロゲー』と同様、蔑称と取る向きもあるでしょうが、私は本質をズバ
リ表した呼び方だと思います。
『ゲームで泣けた』という事実は、ジャンルを超えるムーブメントと多くの口
コミによる宣伝効果を生みました。それまでマニア専用、または子供騙しと思
われてきたこのメディアを、一般に認知させるまでになりました。付け加える
なら、他ならぬ私自身、初めて触れたノベルゲームにコロリとやられ、小説書
きからゲームシナリオライターに転身したクチです。
しかしながら……実際に作り手になってみて、実感したことがあります。
単に泣きゲーを作るだけなら、そう難しくはないということです。