09/09/02 17:59:45 ThaEURzY0
お姉ちゃんへ
この手紙をもって、僕の弟としての最後の仕事とする。
まず、僕の死んだ事実を直視するために、マリさんから死亡診断書の写しを見せて貰うようお願いしたい。
以下に、家族円満についての愚見を述べる。
誕生日ケーキを考える際、第一選択はあくまで丸いケーキであるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実にはうちの場合がそうであるように、三角のケーキが使用される場合がしばしば見受けられる。
その場合には、駄々を捏ねるなどして買い直して貰う必要があるが、残念ながら、未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの誕生日パーティーの発展は、お姉ちゃんの活躍にかかっている。
僕は、お姉ちゃんがその一翼を担える数少ない姉であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には僕亡き後の小野沢家の希望となってもらいたい。
遠くない未来に、地震による死が、この世からなくなることを信じている。
ひいては、僕のマロニエに水やりの後、君の自由研究の材料として役立てて欲しい。
マロニエは生ける師なり。
なお、ママの誕生日プレゼントの作成者である者が、絵を渡すことができず、親より早く先立つ不幸を、心より恥じる。
ゆうき