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初日
2009年11月01日 06:03
URLリンク(blog.hudson.co.jp)
AKB歌劇団
宮澤×柏木チームが30日に、秋元×柏木チームが31日に初日の幕を開けた。
何十回と初日の幕を開けてきたが、いつも前日からドキドキ。
眠れない。
今回は初舞台の若い女の子を、荒波の舞台に上げなくてはならない。
心臓に悪いよ。
幕が開けば、演出家は手出しが出来ないわけで、彼女たちが自身のちからで幕を下ろさなくてはならない。
幕開けを待っている役者は、気絶するくらい長い道のりに感じるものだ。
そして迷いながら、それでも必死に、キャラクターとして舞台の上に生きなくてはならない。
初舞台で、キャラクターで生きるなんて真似が出来るわけはないけれど、それでも近づかないかぎり舞台でセリフを言う価値はないのだと思う。
そのために稽古場でたくさんの汗と涙を流したのだから。
AKB商法とか言うものを耳にするが、少なくとも一生懸命舞台に生きようとしている彼女たちは美しく尊い。
どんな名優でも初舞台から名優ではありえない。
いつか彼女たちの中から舞台女優が生まれたとき、この初舞台は見た方々には価値のある記憶となるだろう。
それもまた舞台を見る楽しみのひとつだと思っている。
一部関係者から、歌が不安定だから、録音で口パクをと言われたが、断固拒否した。
少なくとも、ミュージカルと言った以上、生歌しかあり得ない。
それならセリフも録音にして、なんなら芝居も映像にして流せばいい。
毎回同じクオリティで見られますよ。
それがお望みなら、板の上に立ちなさんな。
稚拙だろうと、未熟だろうと、恥をかいて自覚していかないかぎり、舞台人にはなれない。成長もありえない。
舞台はライブだ。
生なんだ。
役者がキャラクターを演じながら、それぞれの人生を映し出すものだ。
高校生には高校生の人生しか映せない。
それこそが舞台の面白さであり怖さじゃないのだろうか。
舞台の上には、毎日違う人生が映し出されている。
毎日、客席と舞台が互いに緊張と信頼と優しさでつながっていけたら極上だ。
それは魔法の時間だと思う。
舞台の神様がAKB歌劇団に微笑んでくれると信じている。
ひたむきに舞台に生きようとしている彼女たちに千秋楽の幸福が訪れることを願う。
投稿者: 広井王子