11/02/03 02:02:22 D3CzTTaw0
個別タイトルのDVD売上枚数、レンタル枚数、YouTube視聴数、Winnyダウンロード数を比較した結果、
次のような知見が得られた。
(1)YouTubeでの視聴はDVDの売り上げを減らさず、むしろ増やす効果がある。
YouTube視聴が1%増えるとDVD売り上げは0.25% 増加する。
(2)特にテレビ放映終了後にはYouTube視聴による
DVD売り上げを増やす効果がはっきりする。
これから考えて、テレビ放映時には見ていなかったがYouTubeで作品を知って
ファンになり、DVDを購入していると考えられる。
(3)YouTube視聴がDVDレンタル回数に及ぼす効果ははっきりしない。
少なくともYouTube視聴がレンタル回数を減らす効果は無いようである。
(4)Winnyによるファイル共有は
DVD売り上げには影響を与えないが、レンタル回数は減らす効果がある。
Winnyのファイル共有で作品を入手する人は、
DVD購入の代わりにファイル共有を使っているのではなく
レンタル視聴の代わりにファイル共有を使っていると考えられる。
YouTube視聴は被害を与えておらず、むしろ売り上げを増やしているので、
YouTube型の配信ビジネスは広めることが望ましい。YouTubeでの配信を嫌って
削除を続ける権利者は自ら損をしていることになる。この意味でダウンロードの
違法化は誤った政策であったと言えるだろう。
積極的な政策としては、動画のネット上の配信を励ますような政策が望ましい。
これは本来は民間企業が損得勘定から自らの判断でできることで、
政策的サポートは必要とはしない。しかし、個々の民間企業が自由に判断せず、
集団行動(カルテル)をとっているときは問題である。現在、YouTubeでの
アニメ配信を削除するかどうかは、事実上アニメの制作会社の自由裁量に
まかされているので、制作会社の中には宣伝効果を認めてYouTube配信を
黙認する企業がある。このような各企業の自由な試行錯誤の結果、
ネット配信がたちあがるのが筋である。しかし、このとき権利者が著作権団体を
通じた団体行動をとると、一律に著作権を強化する方向に走りやすく、試行錯誤が失われてしまう。