10/10/02 02:16:22
コンテンツの魅力は変わらない
状況は急激に動いた
iPadが日本の出版界へ与えた影響、ということでみると、もっとも意義深いのは「もう、逃れられない……」という現実を突き付けたことだと思います。
iPadが出現するまでは「海外から電子書籍という黒船がやってきても、アタマを隠して大人しくしていれば、そのうち通り過ぎていくだろう」と、日本の出版界はいつもの調子で楽観視していました。
「Kindle Storeの日本版を展開したい」とアマゾンから持ちかけられた際にも、業界をあげて抵抗し、結局そのときは話をツブしたりしている。
既得権益を守ろう、既存ビジネスモデルの脅威になる存在は排除しよう、という体質にドップリ染まっている業界ですから。
ただ、iPadを目の当たりにして、製品の仕上がりや扱いやすさを体感してしまうと、「これは売れるな」「キャズムを超えてくるだろう」と、旧態依然とした出版界でもさすがに考えざるを得ない。
電子書籍という大きな潮流がやって来ることを、肌感覚でようやく認識したんだと思います。
出版文化って何なのですか? 銀座の文壇バーで酒を飲むことですか?
大手出版社の社員編集者に支払われる高い給料のことですか?
情報が出版社やテレビ局、新聞社に独占されていて、過剰な富がもたらされていた時代は終わったんです。
本のプラットフォームは土台から崩れようとしています。
─電子書籍、普及するでしょうか
普及するでしょう。しないわけがない。
後年振り返ったとき、2010年が電子書籍がもたらした変革の最初の年だった……そう記録されているはずです。
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