10/09/29 18:18:14
電子書籍浸透で作家に試練
文芸作家が大手から作品を出版するのは従来でも難しかった。
だが、業界の経済モデルを崩壊させつつあるデジタル革命は、文芸作家のキャリアにひときわ大きな影響を及ぼしている。
出版社や著作権代理人によると、安価なデジタル音楽のダウンロードによりレコード会社との契約で生計を立てられるバンドの数が減ったように、電子書籍の浸透により、活躍の場を得られる著作権代理人の数も減少するだろう。
マーガレット・アトウッドやジョン・ピプキンの著作を出版するナン・A・タリーズ/ダブルベイのナン・タリーズ社長は「作家を職業にするなら、収入源をもう1つ持つべきだ」と語った。
電子書籍がもたらす新たな市場原理は、作家を苦境に陥れている。
作家が電子書籍から得る収入は、ハードカバー書籍で得ていた収入の半分余りとなる。
書籍の売上高は減少している。インターネットが提供する果てなき娯楽が、読書の時間を国民から奪っているのだ。
景気の低迷もまた、売上高減少の一因だ。
一方、電子書籍の販売は急激に伸びている。
書籍全体の売上高に占める電子書籍の割合は推定8%で1年前の3~5%から上昇している。
出版コンサルタントのマイク・シャツキン氏は、12年末までに、書籍全体の売上高に占める電子書籍の割合は20~25%になると推定する。
グレコ氏は「いずれは電子書籍が現物の書籍を上回るだろう」との見方を示す。
電子書籍は一部の関係者にとっては都合が良い。著名な作家の小説や、商業色の強い小説の需要は増加している。電子書籍の読み手が派手なプロットのベストセラー小説を選好する傾向にあるためだ。
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