シンジ「学園都市?」at NEWS4VIP
シンジ「学園都市?」 - 暇つぶし2ch50:1
11/11/16 04:54:46.89 2Vq3xPIM0
「なるほど、勉強になります。野良猫たちへキャットフードを与えることにより、彼らを安心させ、
またそれを継続して行うことにより彼らと信頼関係を築き上げ、ひいてはまた明日、同じ時間にな。といいあう仲にまでなれる、ということですね。とミサカは貴方から得た新たなる情報をまとめ、メモに取ります」

シンジ「まあ、大体そんな感じですね、はい」

遠くで猫の様子をうかがっていた女子中学生はいつのまにやらシンジの隣に腰掛けている。
頭には大きなゴツゴツとしたゴーグルをかけ、彼女は必死にメモをとり、満足そうに頷いた。

「これが子猫、というものなのですね。はじめて見ましたがまるで天使のようです。とミサカは見たこともない天使のイメージを勝手に固定しようと試みます」

シンジ「子猫、見たことないんですか?」

子猫たちはとっくにキャットフードを平らげ、シンジの持ってきたボールと戯れている。

「はい、ミサカは研究所での生活が長かったので、と意味深に自分の人生の一ページをほのめかします」

そういいながらも彼女は前かがみになり、猫を凝視している。

シンジ「触りたいんですか?」

「い、いや、まさかそんな、とミサカは心を読まれたことに動揺しつつ、それを華麗に誤魔化します」

シンジ「大丈夫ですよ、こいつらはお腹一杯のときはひっかいたりしませんから」

シンジはくすりと笑ってから、目の前の少女にそう、助言した。



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 04:57:50.33 xmmTtjfM0
ワカメの方かとヘタレの方か…

52:1
11/11/16 05:10:15.39 2Vq3xPIM0

「い、いや。でも、とミサカは急な展開に動揺を隠し切れません」

シンジ「大丈夫ですよ、ほら」

シンジがそういって、猫の下へ駆け寄ると、子猫たちはしゃがみこんだシンジにじゃれるように寄り添ってきた。
その様子をみて少女は、ゆっくりとシンジたちの傍へ近づいてくる。視線はジッと子猫たちを捕らえて離さず。
シンジはなぜかそれをみて少しだけ笑ってしまった。無論それは少女の視界には入らなかったのだが。

少女はシンジの隣へしゃがみこんだ。猫達はあまり気にした様子もなくじゃれあっている。
少女が子猫へと手を伸ばしたときだった。触れるか触れないかのところで、一匹の子猫が急に駆け出し、それに釣られるように残りの子猫たちも草むらへと逃げ出してしまった。

シンジ「……あ」

「やはり、こうなってしまいましたか。とミサカは差し出した手をひきます」

シンジ「たぶんびっくりしただけですよ、そんなに気にすること……」

「いえ、違うのです。ミサカは発電能力者なので微弱な電磁波を身体の周囲にまとっています。人間ならば気付かないほど些細なものですが、敏感な動物はすぐにそれに気付きます。
子猫たちはそれに反応して逃げていったのです。わかりきっていたことなのですが、とミサカは自らの行動を反省します」

シンジ「……」



53:1
11/11/16 05:17:52.47 2Vq3xPIM0

少女は落ち込んでいる様を隠しもせずにしゃがみこんでいた。
きっと加持さんならこんな時に気の聞いた台詞の一つでもいうだろうな、と。シンジは少しだけ的外れなことを考えながら、遠く響いている。電車の音を聞いていた。

「すみません。ミサカの所為で貴方まで子猫と戯れることが出来なくなって、とミサカは自らの失態を詫びます」

シンジ「僕は平気ですよ。この場所が好きなだけですから」

「それでは、ミサカは調整がありますので失礼します」

そう言って彼女は去っていった。
シンジは彼女を見送り、そして再び茂みに背中を預けた。

シンジ「学園都市かあ、」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 05:23:04.75 JqTIOb210


55:1
11/11/16 05:29:55.39 2Vq3xPIM0
街中を歩いていると周囲が少し騒がしいことに気づいた。
道行く人の視線が集まっている。シンジがそこに視線を向けると、いつかみた白い服を着た少女が掃除用ロボに噛み付いていた。

禁書目録「かえしてなんだよ!! なんでそんなことするのかな!!」

時間を確認すると登校時間ギリギリだった。たいしたことには見えず、このまま素通りしようという考えが頭に浮かぶ。

「ジャッジメントですの!」

声高らかに聞こえた風紀委員という声。
シンジは数秒逡巡したのち、結局、真っ白なシスターと再会する選択肢を選んだ。


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 05:37:21.04 j3QNH1w60
レイ「ィィィ碇くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」

57:1
11/11/16 05:50:46.20 2Vq3xPIM0
禁書目録「ありがとうなんだよ、しんじ」

シンジ「うん、誤解が解けてよかったよ……」

インデックスは頬にクリームをつけながら、クレープを食べている。
気の抜けるような声で返事をしたシンジはインデックスの真っ白な修道服にたくさんの安全ピンがついていることに気がついた。

シンジ「服、どうかしたの?」

口に出してから、前回出会った時にインデックスが口にした追われている。という言葉を思い出した。

禁書目録「そうなんだよ!! 聞いて欲しいんだよ!! とーまがね、私の服に触って私をすっぽんぽんにしちゃったんだよ!!」

シンジ「……そのとーまっていうのが、インデックスを追っている人なの?」

禁書目録「ううん、私が偶然とーまの家のベランダにひっかかった時にご飯をくれたのがとーまなんだよ」

シンジ「……そうなんだ」

禁書目録「うん、それでとーまの『異能ならなんでもうちけせる幻想殺し』でわたしの『歩く教会』が破壊されちゃったの!」



58:1
11/11/16 05:51:18.10 2Vq3xPIM0
異能、という言葉に今日がシステムスキャンの結果がわかるはずだった日であることを、シンジは思い出す。
超能力開発を行う学園都市において、その才能を見定める。システムスキャン。
どうやらシンジの通う中学はその才能が余りない人たちが揃った学校のようだったし、とてもじゃないが自分にそんな才能があるとは思えないが、やはりその結果とやらは多少気にはなった。

禁書目録「ちょっと、しんじ、ちゃんと聞いてるのかな!」

シンジ「うん、ちゃんと聞いてるよ」

禁書目録「怪しいんだよ!!」

それでも目の前の少女はシンジをすぐには話してくれそうになかったし、それに


なぜか似ても似つかないはずの目の前の少女にかつての同居人を重ねていたジンジには、ここを離れてすぐに学校へ行くなんてことは出来そうにもなかった。



59:1
11/11/16 05:59:28.98 2Vq3xPIM0

禁書目録「なんだか人が少なくなったね」

シンジ「たぶん、皆学校へ行ったからじゃないかな」

禁書目録「え、駄目なんだよ! シンジもちゃんと学校にいかないと!」

シンジ「いや、インデックスと話してたから……」

禁書目録「言い訳はめっ! なんだよ!」

急にまともなことを言い出すインデックスにシンジは少しだけ笑ってしまう。

禁書目録「なんで笑うのしんじ! 学校はちゃんと行かなきゃいけないんんだよ!」

シンジ「うん、ちゃんといくよ、大丈夫。それよインデックスは大丈夫なの? 教会にはちゃんといけた?」

禁書目録「わたしの心配はいいんだよ! ほらしんじはちゃんと学校に行くんだよ!」

シンジ「ああ、わかったよ、わかったってば」

膨れっ面でシンジの背中を押すインデックスにシンジは再び苦笑してしまう。



60:1
11/11/16 06:03:58.38 2Vq3xPIM0

禁書目録「ちゃんと勉強して立派になるんだよ!!」

そういって手を振るインデックス。
彼女に急かされてシンジは走るように学校への道をいく。
インデックスはシンジの背中が見えなくなるまで手を振っていた。


ありがと。さよなら。しんじ。貴方にどうか神のご加護がありますように。


インデックスが見えなくなってから空耳のように聞こえた彼女の声。
シンジはもう一度振りむいたけれど、やはりもう彼女の姿は見えなかった。



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 06:05:35.54 oix3KHDu0
インさんが可愛い…だと?

62:1
11/11/16 06:13:40.84 2Vq3xPIM0

つーかこれ誰か見てんのかな


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 06:15:19.25 w4MIfhpT0
いちいちそんなこと気にしなきゃ書けんのならもうやめろうっとおしい

64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 06:15:31.35 UeE++qU+0
誰か見てるの→見てますよ→じゃあ書く

この流れほど茶番で萎えるものは無い

65:1
11/11/16 06:16:15.92 2Vq3xPIM0
ちょっとシャワー浴びてくる
落ちたら落ちたでいいや

66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 06:19:24.33 LKLIfZqLO
待ってるよ(´・ω・`)

67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 06:43:48.52 Keos6ygs0


68:1
11/11/16 06:47:45.26 2Vq3xPIM0

シンジ「……なんだか学校いくの面倒だなあ」

ミサカ「おや、今日もここにいるんですねとミサカは久しぶりの再会の演出をします」

シンジ「昨日もあった気がします。と僕は返事をします」

ミサカ「何故ミサカの真似をするのですか、とミサカは憤慨しつつ日課の餌やりを行います」

シンジ「……ああ、最近ご飯を持ってきてもあんまり寄り付かないと思ったら」

ミサカ「ふっふっふ、普段学校に通っている貴方より研究所暮らしのミサカの方が餌やりには適しているのです。とミサカはここに勝利宣言します」

シンジ「じゃあ、お願いするね。餌やり」

ミサカ「な、なんですと。とミサカはあまりにあっさりと役目を奪い取れたことに少々物足りなさを感じます」


69:1
11/11/16 06:53:10.03 2Vq3xPIM0

シンジ「……別に餌やりが趣味でここに来てるわけじゃないからね」

ミサカ「では何故毎日子猫に餌を、とミサカは尋ねます」

シンジ「場所を借りるときは、なにかしら返さないとさ」

ミサカ「そういうものなのでしょうか、とミサカは貴方の言葉を理解しようと考えます」

シンジ「わからないけど、いままでがそうだったから。君が変わりにやってくれるなら安心だよ」

ミサカ「よくわかりませんが、当面の間は任せてください。と無い胸をはってみせます」

シンジ「うん、君なら安心、出来るかなあ」





70:1
11/11/16 06:57:21.50 2Vq3xPIM0

ミサカ「随分と眠たそうですが、とミサカは貴方に質問を投げかけますが、同時に貴方はいつも眠そうだともミサカは考察します」

シンジ「うーん、少し寝不足なのかなあ」

ミサカ「つまり、ここはあなたの昼寝スポットですね、とミサカは結論付けます」

シンジ「そうなのかもね。いい風が吹いて。人が来なくて。ここはよく眠れる気がするよ」

ミサカ「家のベッドよりも、ですか。とミサカは疑問をそのまま口にします」

シンジ「うん。もしかしたら。そうかもしれない」



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 06:59:01.78 +0dzdD680


72:1
11/11/16 07:00:48.77 2Vq3xPIM0

ミサカ「それでは失礼します。とミサカは貴方の横に寝転がります」

シンジ「……え、い、いきなりなんだよ」

ミサカ「抜群の昼寝所だと貴方が太鼓判を押したので、真似てみただけですが。とミサカは答えます」

シンジ「いや、いいけどさ」

ミサカ「といいながらミサカを気にするあたりは思春期の少年なのですね。とミサカは小さな嫌がらせをしてみます」

シンジ「なんなんだよ、もう!」

ミサカ「ああ、怒らないでください。とミサカはほんの出来心だったっとテンプレートどおりの言い訳をします」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:01:16.86 tIw10byv0
ここが今日の禁書スレか

禁書小物多すぎわろた
スレリンク(news4vip板)
禁書の御坂美琴に制裁を与えるスレ コンマ00でインデックスに腹パン
スレリンク(news4vip板)
上条が御坂のまんこに電球入れて腹パンしてる画像ありませんか?
スレリンク(news4vip板)

74:1
11/11/16 07:03:32.89 2Vq3xPIM0

シンジ「……気にしてないから、慌てなくても大丈夫だよ」

ミサカ「……昼寝もミサカにとっては初めてです」

シンジ「そっか」

ミサカ「はい」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:05:39.42 +0dzdD680



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:10:36.67 AMZVJTzj0
これはなかなか

77:1
11/11/16 07:12:28.30 2Vq3xPIM0

シンジ「いつの間にか寝ちゃってた、か」

目を覚ますと既に夕方で、もう少女の姿はなかった。きっといつもの調整とやらにいったのだろう。
起き上がるとシンジの足元に一枚の紙が落ちていた。女の子の字で書かれた、ちぎられたメモ帳。


猫師匠へ

気持ちよさそうに寝ていたので、取り合えず放置していくことにします。
決して寝過ごして調整の時間に間に合わなくて動揺しているわけではないとミサカはここに付け加えておきます。
最近猫太郎達はキャットフードより、鮭フレークが好みのようです。
昼寝、草がくすぐったかったです。

それではまた明日


雑に切り取られたメモ帳をシンジは少しだけ迷ってたたんでポケットへと入れた。
子猫たちがにゃあにゃあといっていたので、手を振って草むらをゆっくりと歩いた。


シンジ「それにしても猫太郎ってなんだよ。……ペンペンくらい安易な名前だなあ」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:12:46.31 +0dzdD680


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:13:28.07 5UaIC4aci
ズボンを上げてるシンジくんが
禁書の世界にいるのを想像したら・・・

80:1
11/11/16 07:17:03.40 2Vq3xPIM0

猫師匠の名称については明日文句を言ってやろう。
そう思った帰り道のことだった。

「ってえな!! んだよ!!」

呆けて遠くを見ていると、いかにも柄の悪そうな人たちと肩がぶつかってしまった。
謝ろうと思ったときには既に胸倉を掴まれていた。

「てめえ、どこみて歩いてんだ? あ?」

久しぶりに誰かに敵意というものを向けられた気がする。
素直に謝ればいいものを、シンジは何故か言葉が出ずに呆けていた。

すると案の定、すぐに言葉はやみ。代わりに拳が飛んできた。


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:21:37.55 TVqyrBYC0
しえん

82:1
11/11/16 07:21:58.01 2Vq3xPIM0

頬に鈍い痛みが走る。
ああ、これは駄目だ、とシンジの中でなにかしらの警告がでる。
これはいけない、と。警鐘のなる。

反抗も謝罪もしないシンジに不良たちは苛立ちを大きくさせたのか、そのまま近くの路地裏へとシンジを引きずり込んだ。

「ああ、悪いことした時はどうするのか、母ちゃんにならわなかったのかあ?」

後ろに立つ取り巻きが笑いながら、声を荒げる。
これはよくない。駄目だ。シンジは怯えた。目の前の暴力ではなく。
自分の中のものに。それを引きずり出そうと言う行為に。

83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:25:09.88 8pqBx3DY0
「まさか!?暴走?」

84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:26:43.58 JW2p1rbz0
初号機なしだとシンジは雑魚すぎるな

85:1
11/11/16 07:27:11.81 2Vq3xPIM0

目の前には四人の不良が立っていた。
けれどシンジの目にはその不良たちはうつっていない。

「なんだよお前、なんとか言ってみたらどうなんだ? ああ!?」

再び拳が飛んでくる。それは俯いていたシンジの額を打ち、シンジはそのまま地面に倒れこんだ。
痛みを感じる。頭の中にノイズが混じる。

「転校生、ワイはお前をなぐらなあかん」

殴られた額でも打ち付けた下半身でもなく。いつか友人に、親友に殴られた場所が痛んだ。
視界が揺れる。腹部を蹴られたのだと気づいたのはその少しあとだった。



86:1
11/11/16 07:33:22.93 2Vq3xPIM0

「男がそんなんでいいのかよ? 一発くらい殴り返してこいや!」

同時に上がる笑い声。
シンジは蓋を閉じようとする。鍵をかけようとする。

「そんなんじゃあ、なんかあったとき何にも出来ないぞ? お前」

何も出来ない。なにもできない。ナニモ、デキナイ。

自分の中から感情があふれ出すのがわかった。そしてそれはとても黒くて、とても暗いものだということ。
それだけがわかった。それしかわからなかった。

遠くで音がした。込みあがる何かがシンジの容量を超える。あふれ



「おい、大丈夫か?」







87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:33:27.65 NM9odWtc0
許されないかと思ったら許されてた

88:1
11/11/16 07:37:45.48 2Vq3xPIM0

ふと、視界が澄んだ。
髪の毛がツンツンの高校生がシンジの肩に手をかけ、声をかけている。

「おい! ほんとに大丈夫か?」

シンジ「あ、はい。なんとか」

「なんだよ、あんまり反応ないから上条さんはびっくりしましたよ」

目の前の少年はわざとらしくため息をついて、そのあと、シンジを庇うように手を広げ振り返った。

「よし、今のうちに逃げてとけ」

「ざけんなよこらああ!!」



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:38:45.52 K5gV3UVX0


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:42:13.52 JW2p1rbz0
しえ

91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:42:52.22 QHhubnpP0
いいね

92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 07:43:27.96 a2Q8siPu0
嫌いじゃないけど今のところこんなのシンジじゃない感がすごい

93:1
11/11/16 07:44:41.73 2Vq3xPIM0

不良が声を荒げて目の前の少年に二人がかりで突っ込んでくる。
よく見ると一人は地面に転がっていて、もう一人はすぐそこで尻餅をついている。

「うるせえなあ!! 黙って聞いてりゃ男、男って、四人がかりで中学生に殴りかかっといて!!」

ツンツン頭の少年は突っ込んできた一人のパンチをかわして、倒れた男の方へと振り回すように強引に投げ飛ばす。

「てめえらの方がよっぽど男じゃねえだろうがよおおお!!!」

そして、もう一人の男のパンチに合わせるようにカウンターを食らわせ、交わしきれなかったパンチを豪快に顔面へと貰っていた。



94:1
11/11/16 07:49:27.06 2Vq3xPIM0

「いてて、てて」

シンジ「だ、大丈夫ですか?」

「こんなの余裕っていうかお前のほうが一杯貰ってただろ?」

シンジ「いや、僕は全然……」

「へへっ、強いやつだな。おまえ」

シンジ「あ、いや……」

「とまあ、あいつらが追っかけて来る前にさっさと逃げるぞ。四対二なんてちゃんとやったら絶対勝てねえ」



95:1
11/11/16 07:59:53.88 2Vq3xPIM0

「ふう、危なかったなあ」

少し離れた公園で二人はベンチに腰掛ける。もう辺りは夕暮れで暗いというのに、ぼろぼろの二人はどこか浮いていた。

シンジ「あ、あのさっきはすみませんでした」

「ああ、いいよ。気にしないでくれ、好きでやったことだから。それより、なんか飲むか?」

シンジ「え、いや悪いですよ。ここは僕が……」

「いいんだよ、気にすんな。こういう時は年上に奢らせてくれよ。コーヒーで大丈夫か?」

シンジ「あ、はい……すみません」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:02:31.95 58uWQ56r0
UCCコーヒーを親父に飲まれたの思い出した

97:1
11/11/16 08:05:35.67 2Vq3xPIM0

「ほら」

シンジ「す、すみません」

「んーすみません、ばっかりだなあ」

シンジ「え?」

「ありがとう、のが嬉しいんだけどな」

少年はそういってシンジに向かって微笑み、コーヒーを手渡した。

シンジ「あ、ありがとうっございま……」

「あー!! ちっくしょう!! またのまれたあ!! くそう最後の百円だったのに!」

シンジ「……」

自販機の前で不幸だ……と呟く、その背中を見て、シンジは少し笑った。
さっきまでのことを忘れたかのように振舞うその姿をかっこいいと、素直に感じていた。


98:1
11/11/16 08:07:53.43 2Vq3xPIM0

シンジ「よかったらどうぞ」

自販機に百円を入れて、うなだれている目の前の少年に声をかけた。

「え、いいのか?」

シンジ「はい、さっきのお礼です」

「おお、ありがとう!」

シンジ「こちらこそ、ありがとうございます」


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:09:58.83 5sWK0yx+0
保守

100:1
11/11/16 08:12:07.56 2Vq3xPIM0

「ってもうこんな時間だ。特売が終わっちまう」

シンジ「え、あ……」

「コーヒーありがとなー!」

シンジ「えっと、あの……、行っちゃった」



シンジ「財布、落としてるのに……」


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:14:05.32 +0dzdD680


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:15:58.09 JW2p1rbz0


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:16:26.88 wo1SiquT0
これは上×シンジ来るか?!

104:1
11/11/16 08:21:11.87 2Vq3xPIM0




シンジ「えっと、ここの路地を曲がって……こっちか」

シンジ「っいて、……コーヒー染みるな」

シンジ「もうすぐ、かな?」

少年のポケットに深々と入っていたはずの財布が誰かに引っ張られるかのように落ちるのを目撃してから数十分。
シンジは学生証の住所を頼りに先ほどの少年の家を探していた。

シンジ「学生寮を探すにしても、学生寮だらけだからなあ」

夕暮れ時は過ぎ、日も落ちて、辺りはずいぶんと暗くなっていた。
遠くで、サイレンの音がする。何かあったのだろうか。

なんだか胸騒ぎがした。粘りつくような、嫌な感覚。

シンジ「あっちの方みたいだな。……ちょっと言ってみようかな」

杞憂ならそれでかわまない。そう思いながら何故かシンジは自分の悪い予感が当たる、そんな気がしていた。


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:34:07.25 4O+Ai0fA0


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:34:10.20 +IabYo7a0
しえ

107:1
11/11/16 08:41:30.48 2Vq3xPIM0
時は少しさかのぼる
先ほどの少年と別れたあと、ツンツン頭の少年―もとい、上条当麻はいつもどおりに不幸を嘆きながら、いつもどおりの道を歩いていた。

上条「ああ、やはり今日も不幸だった……」

スーパーの特売を逃した余りか、そもそも財布を落としていたことに上条は多少落ち込みを見せる。
しかしそれでも、上条当麻にとってはそのような不幸を含めて、ここまでの出来事がいつもどおりの事柄であったため、彼はそれこそ“いつもどおり”に不幸を嘆いていただけであった。

しかし、そんな彼の一日の締めくくりはその“いつもどおり”から逸脱していたものだった。



108:1
11/11/16 08:44:22.99 2Vq3xPIM0

自分の住む男子寮の階段を上り、自分の部屋へと続く廊下へと足を進める。
そこには“いつもどおり”の殺風景な、“いつもどおり”の何もない廊下が続いているはずだったのに。
上条当麻の目の前には“いつもどおり”の知っている風景は広がっていなかった。

彼の部屋の前には一人の男が立ち、一人の女の子が横たわっていた。

上条「な、……んな、」

立っている男は見たこともない男だったが、上条はその足元で横たわっている少女を今朝見かけたばかりだった。

上条「な、……インデックス!!」



109:1
11/11/16 08:50:37.06 2Vq3xPIM0
「……ここにはもう誰もいないと思っていたんだけどね」

 長身の男は値踏みをするかのように上条を見据える。
 
「やれやれ、これは面倒なことになってしまった」


禁書目録「とー……ま……なんでここに……」

 純白の修道服を真っ赤に染めたインデックスが上条に話しかける。

禁書目録「早く………逃げ……………て……」

 そう言い終わるとインデックスの体から力が抜ける。
 意識を失ったらしい。

上条「……てめえが、インデックスの言っていた魔術師なのか?」

 上条は拳を握り締めて目の前の男に尋ねた。
 
「君の言う、インデックスが言っていた魔術師が何をさすのか、僕にはわからないけれど。その魔術師が彼女のことを捕らえにきた魔術師を指すのなら。間違いなく、僕がその魔術師だよ」

 魔術師は悪びれる様子もなく、上条へとそう言い放った。


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:56:44.55 JW2p1rbz0


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 08:57:05.28 +0dzdD680



112:1
11/11/16 09:00:55.73 2Vq3xPIM0

上条「……どいてくれ、インデックスを病院へ連れて行く」

「出来ない相談だ。そもそも彼女は外部の人間だ。その彼女を引き入れてくれる病院がこの学園都市にあるのかい? 外部の人間であるなら、外部の人間である僕が回収する。それが道理だろう?」

上条「なんとしてでも治すさ。お前に連れて行かれるより、ずっとずっとマシだ」

「はあ……、話にならないね。いいかい?僕はあくまでも禁書目録の回収のためにここにいる。禁書目録を死なせる理由はない」

魔術師は言葉を続けながら、口元の煙草へ火をつける。

「同じように僕達にとっての外部の人間である、君達学園都市の人間にも極力危害を加えるつもりはない。禁書目録の回収、それに影響が出ない限りは、ね」

上条「御託はそれでおしまいか」

「わからない男だな。今、君が退けば僕は追わない。また逆に僕の目的の障害になるようならば、僕は君を排除することを厭わない。そういってるんだよ?」



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:07:01.77 PQXSCXkZ0
ふむ

114:1
11/11/16 09:07:52.02 2Vq3xPIM0

上条「ああ、それでも俺はお前をぶっ飛ばして、インデックスを助ける」

「はあ、長々悪かったよ。無駄口だったようだ」
「――『Fortis931』」

魔術師はそうつぶやき、上条を見据えた。
真っ黒い全身を覆うコートが風に靡いた。

「これは魔法名といってね。昔は相手に名前を知られてはいけないなんて言い伝えがあったそうだが……まあそれはどうでもいいか。そうそう、僕の本当の名はステイル・マグヌスというんだ。せっかくだ覚えておくといい」



ステイル「―それが君を殺す男の名だ」






115:1
11/11/16 09:16:52.26 2Vq3xPIM0

ステイルの手からタバコが落ちる。

ステイル「せめてもの慈悲だ、痛みを感じる間もなく終わらせよう―炎よ」 

彼の手の上で炎が燃え上がる。それはまもなく肥大し、すぐさま巨大な炎の塊となった。

ステイル「巨人に苦痛の贈り物を!」

その炎は真っ直ぐと上条へと飛んでいった。上下左右に逃げ場を許さないほどの巨大な熱量の塊。それは程なくして上条当麻を包み込み。
そして上条当麻の右手、どんな異能でも消し去る異能―『幻想殺し』によって打ち消された。



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:17:06.22 +0dzdD680


117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:19:37.50 Dl5cHK9x0
なあこれシンジ君出番あるの

118:1
11/11/16 09:27:37.26 2Vq3xPIM0

シンジがその建物に到着したときには周囲には少ないながらも野次馬が集まっていた。
学生寮であろう、その建物は小さな火の手が上がっており、その弱々しい炎が嘘であるかのように、その周囲は黒く焼け焦げていた。

先ほど拾った財布から学生証を引っ張り出して、建物の名前と照らし合わせる。

シンジ「やっぱり、同じだ……」

心臓が少しだけ早く高鳴っている。
幾つかの選択肢が浮かんだ、がシンジはそのどれかを選択するよりも早く、階段から先ほどの少年と朝方一緒にパフェを食べた少女が姿を現した。
インデックスは上条に背負われて、二人とも煤で体中を黒くしながら、野次馬の視線から逃げるようにその場を離れた。

シンジは少しだけ迷って、それから、二人を追いかけた。


119:1
11/11/16 09:29:28.76 2Vq3xPIM0
ねみい、もしねたらすまんこ

120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:31:31.19 58uWQ56r0
完結させてくれよ

121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:36:04.82 JW2p1rbz0
一回落として書き溜めしてからまた夜にでもスレ立てろよ


さすがに投下遅すぎ

122:1
11/11/16 09:40:53.34 2Vq3xPIM0
>>121

うん、そうしようかな
何書いてんのか、わからんくなってきたし。

全部描ききってから、もう一回同じタイトルでスレ立てるわ
見てくれてた人すまん

123:コディバ ◆/aY9xwOL0Y
11/11/16 09:42:05.55 0v9Lq3NY0 BE:2099286656-2BP(222)
sssp://img.2ch.net/ico/002.gif
書き切るって言ったじゃないですか!やだー!

124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:42:26.48 ZzdEuoph0


その時は最初から貼り直したほうがいいかもな

125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:43:45.80 58uWQ56r0


楽しみにしてるよ

126:1
11/11/16 09:44:41.72 2Vq3xPIM0
>>123
ほんとに申し訳ないです

>>124
誤字とかもなおしときます

ありがとごめんなさい。あとは落としてくださいな

127:コディバ ◆/aY9xwOL0Y
11/11/16 09:44:54.66 0v9Lq3NY0 BE:839714562-2BP(222)
sssp://img.2ch.net/ico/002.gif
……乙

128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/11/16 09:53:04.94 6klqRFW70
期待しとくわ


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