QB「マミ、君は最高の魔法使いだ」at NEWS4VIP
QB「マミ、君は最高の魔法使いだ」 - 暇つぶし2ch38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:13:07.29 Hn5k6cYy0
QB「マミ、そっちは家とは反対方向だ」

マミ「あら、そうだったかしら。
ふふふ、失敗ね」

スタスタスタ

QB「……」

マミ「なにしているのQB。
早く帰ってお夕飯の支度するわよ」

QB「彼は……」

マミ「……」

スタスタ……ピタ

QB「見滝原総合病院にいる」

マミ「!」

タッ

39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:13:45.56 qWeVzv6QP
さるよけ

40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:14:07.07 Hn5k6cYy0
QB「『巴マミのマネジメントは僕の役』……か。
これが正しい選択、とは言い難いな。
しかし、彼女の今後を考えれば、
正しく結末を見届ける方がいいのだろう」

41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:15:02.96 Hn5k6cYy0
見滝原総合病院
5階「香坂一矢」病室。


一矢「窓の外は冷えるよ。
入ってきて」

マミ「ええ」

一矢「初めて会ったときも、
その服だったね」

マミ「そうね」

一矢「ひょっとしたら、さ。
なにかの奇跡で病気が治ったらって思ったんだけど、
やっぱりダメだったみたいだ」

マミ「……ごめんなさい」

一矢「なにを謝るの」

42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:16:59.39 Hn5k6cYy0
マミ「私、魔女退治なんて浮かれてた。
魔法少女は街を守るなんて言ってたくせに、
あなたのこと気づけなかった。
あなたの苦しみを癒す魔法も力も無い。
ごめんなさい……本当にごめんなさい」

一矢「ダメだよ、マミ。
そこは怒るところだよ。
謝るのは僕のほうだ。
充実した想いのまま死にたいと、
願って僕は自分の為に君を利用したんだよ?」

マミ「怒ってる、怒ってるわ!
何も言わないあなたに、
無力な自分に。
でも、もうどうにもならないじゃない!」

一矢「触れて、いいかい」

マミ「(コクン)」

43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:18:24.59 Hn5k6cYy0
一矢「君の頬は暖かいね。
僕の手はこんなに冷たいのに……。
……こんなに幸せだったことは、始めてだ。
なにもままならない体で、
ただベッドに縛りつけられている日々に僕は絶望していた。
そして、医者から治らないから突然好きにしろといわれて、暴れたよ。
なにもかもめちゃくちゃにしたいと思った。
窓から見えるこの街が滅ぶことを何度も願った」

マミ「……」

一矢「以前僕が言った願いのこと覚えている?」

マミ「ええ、いつか話してくれるって言ってたわ」

一矢「僕の願いは
『天使に恋をする』ことだったんだ」

マミ「天使に……?」

一矢「小さい頃読んだ本にすごく綺麗な天使がでてきたんだ。
それ以来ずっと探していたんだ。
変だよね。
でも、その願いだけが僕の生きている実感だった……。
そして、あの日、シエロを助けたのは天使だった。
君だよ、マミ」

マミ「え……」

44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:20:07.77 yl42mxZB0


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:20:28.55 Hn5k6cYy0
一矢「本当に驚いたよ。
なんて美しいのだろうと。
ねえ、マミ。
気づいていないかもしれないけれど、
君はその笑顔で僕の人生を一変させたんだよ?
憎しみのまま終わる僕の生を、
こんなに豊かに変えてしまった。
君の魔法は人を幸せにしたんだよ」

マミ「私……私……」

一矢「君との日々は楽しかった。
あんなに憎かった街が、
君が愛している街だと思うだけで、ずっと輝いて見えた。
ありがとう……」

マミ「そんな、私なにもしていない。
なにもできなかった……。
あなたの想いにも答えられない、
そんな……私です……」

一矢「十分すぎるぐらいだよ。
君がいるだけで僕のすべてが意味を持つ。
とたんに鮮やかになる。
とても、素敵な女性だよ。
……謝るのは、僕のほうだ。
本当にごめんよ。
お詫びしたいけれど、
でも、もう無理みたいだ」

46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:22:02.79 Hn5k6cYy0
マミ「一矢さん!
ダメ、私を置いていかないで!
傍にいて!」

一矢「勿論今QB君と契約できるなら、
マミとずっと一緒にいたい、って願うさ。
ふふふ」

マミ「どうしたの、一矢さん」

一矢「笑ってくれないか。
泣いている君があまりに綺麗で、
嬉しくなってしまったんだ」

マミ「バカ……///」

一矢「それでいい。
僕と約束してくれないか。
ずっと笑っていると。
この先、つらいことがあっても、
君が笑っていると思えば僕は安らかにいける」

マミ「……スンッ……クッ……。
ええ、約束するわ。
……ッグスッ」

47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:23:16.08 Hn5k6cYy0
一矢「僕の想いが叶わなくて
本当によかった。
きっと恋が実っていたら、
マミはそんな可憐には泣いてくれなかっただろうから。
つくづく僕は最後まで幸せな男だ」

マミ「一矢さん……」

一矢「君が天使ならば、僕の魂を持っていてくれるだろう。
もし、君が一人だと寂しく思うことがあるなら、
僕を思い出してほしい。
魂になっても、僕はそばにいる」

マミ「一緒、ずっと一緒よ!
一矢さん、私達……

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:24:20.29 Hn5k6cYy0
一矢「マミ、たくさんごめ……んよ。
そして、たくさ……んありがとう……
僕は、き、みが……
マミが……大好き……だ……」

パタ……

マミ「あ……あ……」

一矢「」

マミ「どうして!
どうしてなの!
どうしてみんな私を置いていくの!
一矢さん! 一矢さん!
私を一人にしないで!
私の傍にいて!
私、強い魔法少女なんかじゃない!
憧れるような天使なんかじゃない!
ただの、ただの、女の子よ!
あぁ、ああ! 一矢さん!」

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:27:30.21 rBNwundA0
うむ

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:27:50.14 Hn5k6cYy0
スッ

QB「彼の能力は死期が近い人間に現れる、
勘のよさのようなものだったらしい。
だから、病気が治ったとしても、
君と魔女退治を続けることはできなかっただろう。
そもそも、ならば出会うこともなかったはずだ」

マミ「グッ、スンッ、ヒック……」

QB「マミ。
彼が君を天使と言っていたが、
僕にはどういうことかわからない。
ただ僕に言えるのは、
君は
誰よりも命を慈しみ、
誰よりも街を想い、
誰よりも人を幸福にしている。
僕が出会ってきた中で、
最高の魔法少女だということだ」

51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:29:12.34 TNwKIfGY0
一矢さん何歳くらいなんだろ

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:30:03.46 Hn5k6cYy0
マミ「……」

QB「君が不安定だと魔女退治に支障が出る。
けれど、幸いこのあたりに魔女の気配はないようだ。
……今は、存分に泣くといいよ。
次にあったときは彼の望み通り、
笑顔のマミだと僕は嬉しい。
では、マミ。
また明日」



スッ



マミ「……一矢さん!
……一矢さぁん!
わぁあああああああ!」

53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:30:17.21 m9jTFAPP0
おもったより良いものじゃないか

54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:31:28.83 Hn5k6cYy0
『笑顔でいて』

胸に秘めた約束を携えて。
彼女は今日も街を駈ける。




QB「マミ、後ろだっ!」

マミ「そこね!
さあ、これで消えなさい!」

魔女「Ich gebe Vergismeinnicht……」

マミ「ティロ・フィナーレ!」




QB「君は最高の魔法少女だ」 end.

55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:33:32.71 m9jTFAPP0
面白かったよ。乙です!

56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:33:52.74 Hn5k6cYy0
以上で終了です
ご支援と、ご読了のほど、
心から感謝します

57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:34:18.41 yl42mxZB0
乙乙

58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/09/09 00:34:21.46 jgGx34N30
すごくよかった、マミさんまじ天使


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