11/07/18 23:38:16.61 BD8QDcgQ0
うーん
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:38:24.55 dHe1WQqE0
もう一回頑張る
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:38:52.56 dHe1WQqE0
フレンダは逃げ疲れていた。
壁に背を持たれて座り込み、息を荒く吐き出しているだけ。もう何もできなかった。
足はもう動かない。逃げて逃げて、逃げ続けて、もう心臓も足も、壊れそうなくらい疲労している。
どこかで爆音が響く。あのレベル5の、絶対的な力が脳裏を過ぎる。
そして、その力は、今は自分を殺すために向けられているのだとわかって、さらに体が震える。
怖い。怖ろしい。殺される。
フレンダ「嫌だ……嫌だ……死にたくない……」
絞り出すように、誰へとなんて意識せずに懇願する。また、爆音が響いた。
フレンダ「誰か……助けて……」
助けになんて、誰も来るはずがない。わかってる。でも、言わずにはいられない。爆音が響いた。
フレンダ「助けて……助けて……」
ただただ、壊れたレコードのように、同じ言葉を繰り返す。意味なんてないのはわかってた。
「呼んだかい?」
すると、その場に似合わない、明るい声が横から答えた。
フレンダ「ひっ……」
驚いたフレンダは横に転がるようにして、後ずさる。だが、すぐにそれは、フレンダの恐れてるモノではないとわかった。
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:39:07.35 dHe1WQqE0
「酷いなあ、これでも愛らしい姿をしていると自負しているんだけど」
それは白かった。真っ赤な目をした、ウサギのような、猫のような、少なくとも、フレンダの見たことのない生物であることは確かだった。
フレンダ「誰……?」
恐る恐る、聞いてみる。人語を話してるせいか、思わず、何、ではなく、誰と聞いてしまった。
QB「僕はキュゥべえ! 君のような素質のある女の子を探していたんだ」
果たして、それは正解だったらしい。それは、キュゥべえは確かに日本語で返答してきた。
フレンダ「素質……?」
QB「そう、素質。魔法少女の素質さ。僕は君たちと契約して魔法少女になってもらいたくて、ずっと素質のある女の子を探してるんだ」
QB「もちろん、ただで、とは言わないよ? 魔法少女になってくれたら、なんでも願いを一つ、叶えることができるのさ」
フレンダ「何でも……?」
思わず、フレンダは復唱した。その言葉は、酷く魅力的だった。
QB「そう、なんでもさ。大抵のことは可能だよ」
「フゥゥゥゥレェェェンンンダァァァァ? どぉーこに隠れちゃったのかにゃー?」
フレンダ「ひぃっ!」
その時、地獄の底から響くような、悪意と殺意と恐怖を練り固めたような声が響いた。
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:39:27.84 dHe1WQqE0
フレンダ「し、死にたくない……」
反射的に、声が出る。
QB「それが君の願いだね?」
それに、キュゥべえが答えた。
フレンダ「死にたくない……死にたくない! 魔法少女でもなんでもいい、私は死にたくないっ!」
欲望を、感情を、願望を、フレンダは無表情のキュゥべえに向けて一気に吐き出す。
突拍子もない話なのに、信じたかった。もう藁にも縋る気持ちだった。
QB「よし、契約成立だ」
その気持ちにキュゥべえは快活に答えた。
キュゥべえの耳の辺りから伸びる触手のような器官が、フレンダの胸元へ伸びる。
すると、フレンダの胸元から光が溢れ、そこに球体が形成されようと―
フレンダ「えっ?」
その瞬間、真っ白の閃光がフレンダの視界を焼き尽くした。
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:39:41.72 dHe1WQqE0
フレンダ「きゅ、キュゥべえ!?」
キュゥべえと名乗る最後の希望がその激しすぎる光に飲み込まれたという事実を遅れて認識し、遅れて慌てる。
だが、どこを見渡しても、キュゥべえの姿はない。
当然だ。あの光、粒子でも波形でもない曖昧な電子の奔流に飲み込まれて生きてるわけがない。跡形が残ってるわけがない。
見れば、フレンダが背中を預けていた壁、ビルに大きな穴が空いていた。つまり、ビルごと貫通した光が、キュゥべえを焼き尽くしたということになる。
こんなことができるのは、当然、一人しかいない。
「見ぃーつけた」
その一人が、白い光を纏った悪魔が、穴から顔を出した。
「ったく、手間かけさせやがって。さっさと殺されてろっての」
フレンダ「え……あ……」
もう逃げられない。腰が抜けて、立ち上がることすらできない。必死に、手だけで這って逃げようとするが、一歩で追いつかれた。
「でも、この私からここまで逃げたってことは評価してやろうかしらね。よし、提案。その小憎たらしい顔と、フレンダご自慢の脚線美の、どっちを吹き飛ばしてほしいか、選ばせてあげる」
悪魔がにこりと笑う。フレンダはそれだけで限界だった。
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:39:51.95 0zvraZFI0
フレンダスレとは俺得
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:39:54.14 dHe1WQqE0
「あーん? なんだなんだ、フレンダったら濡れ濡れじゃない。それじゃ決定ね。
そのビッチな下半身に『原子崩し』をプレゼントだ」
悪魔が手をかざす。意思一つで軍隊に匹敵する力を持った手をかざす。
フレンダ「ゆ、許して……」
「は……? アハハハハハハハハ!」
フレンダ「む、麦野……?」
突然笑い出した、仲間に、フレンダは少し安堵を覚えた。なんだかんだで、仲間なのだ。きっと、精一杯謝れば以前みたいに……
麦野「絶対に、許さない」
そんな淡い希望は一瞬で打ち砕かれた。
フレンダの記憶は、そこまでだった。
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:40:01.71 0uqKfZW+0
支援
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:40:09.46 dHe1WQqE0
―
フレンダ「……あれ?」
フレンダが目を覚ますと、そこは天井があった。つまり、屋内だった。
フレンダ「ここは……」
辺りを見渡す。現状確認をすると、自分はベッドに寝かされていたようだった。
真っ白なシーツに真っ白なベッド。そして、真っ白なカーテン。病院のようだった。
フレンダ「あれ……私ってば、どうしたんだっけ……」
記憶を掘り返す。フレンダは、垣根帝督に追い詰められて保身のために、仲間の、『アイテム』の情報を売った。
その場は逃がしてもらったのはよかったが、それが『アイテム』のリーダー、麦野にバレて、粛正を受けるところを逃げて。
そして、殺されたはずだった。
しかし、フレンダは、生きてる実感があった。
フレンダ「まさかここが天国ってわけ……?」
「いや、ここは僕の戦場であり、休息所だよ?」
ふと、呟くと、どこからともなく、答えが返ってきた。
「おはよう、気がついたようだね?」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:40:24.14 dHe1WQqE0
それは、医者だった。初老の男性で、白衣を着てるのだから、やはり医者だろう。
フレンダ「ゲコ太……」
思わず口走ってしまうくらいの、強烈な印象は、それだった。カエルのような顔をした医者だった。
「ん?」
フレンダ「な、なんでもないわけよ」
しかも聞こえていたらしい。失礼そうなので、フレンダは慌てて取り繕った。
「そうかい? しかし、驚いたよ? 君は腰から下がまるまる無くなっていたというのに、肉体的に生きてたんだ。しかも徐々に再生していってね?
君は『肉体再生』の能力者か何かかい?」
フレンダ「えっ……」
そんなはずはない。フレンダは、正真正銘の、正常の人間のはずだった。
「お陰で処置は簡単だったよ? ほとんど手を加える必要もなかったね?」
「それでも、体は回復しても、精神的なダメージが深刻なようでね……この一ヶ月、眠り続けていたんだよ?
まあ、あれでも生きてたってことは、下半身を生きたまま焼かれたということになるから当然だろうけどね?」
フレンダ「ひぅ……」
記憶が呼び覚まされる。あの電子に焼かれる悪夢のような記憶が。
「ああ、すまないね、辛いことを思い出させてしまったね?
でも大丈夫、目を覚ましたのなら、もう検査だけで、退院できると思うよ?」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:40:37.53 dHe1WQqE0
フレンダ「生きてる……んだよね」
右手を見つめて、握って、開いて、握って。
結局、検査が終わった後、フレンダは退院した。今はとりあえず昼食を取ろうと、ファーストフード店に来ていたところだ。
学園都市はどうも慌ただしい。店内の会話に耳を傾ければ、何やら第三次世界大戦が終わったとかなんとか、そんな話を誰もがしていた。
どうやら眠っていた一ヶ月の間に色んなことがあったらしい。情報を入手する手段を持たないフレンダには、まるで異郷の地へと放り出されたような感覚だった。
護身のために一応武器は調達したが、暗部の方には連絡する気はない。生きてると麦野に知られれば、また粛正されようとするのは目に見えている。
フレンダ「はぁ……結局、これからどうすればいいってわけよ」
QB「魔法少女として戦うしかないんじゃないかな」
溜息を吐きながらフライドポテトを食べていると、不意に声を掛けられた。
QB「やぁフレンダ、目が覚めたんだね」
フレンダ「きゅ、キュゥべえ! 生きてたんだ!」
見ると、テーブルの上に、フレンダに取引を持ちかけた、あの白い生物キュゥべえがいるではないか。
フレンダにとって、これは僥倖だった。仲間も、知り合いからも断絶されたフレンダの、唯一の顔見知りとも言える相手だったからだ。
QB「く、苦しいよフレンダ」
フレンダ「あ、ごめん」
感激のあまり、思わずキュゥべえを抱きしめていたフレンダだったが、言われて解放する。
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:40:50.36 dHe1WQqE0
QB「ふぅ、わけがわからないよ」
解放されたキュゥべえは毛繕いをするように前足で自分の顔を撫でる。
フレンダ「それで……結局、魔法少女ってどういうわけなのよ?」
QB「あの時は切羽詰まっていたみたいだからね、説明は省略したけども……君は生き残りたいと願って、その願いは叶った。その代償として君は魔法少女として魔女と戦う義務が課せられたんだ」
フレンダ「ちょ、ちょっと待って。願いってなんだったわけよ、魔女ってなによ」
QB「君は生き残りたいと願ったのだろう? だから本来は死ぬはずのあの怪我でも、生き残ることができたんだ。つまり、願いが叶ったってことだね」
QB「魔女は、人に呪いと災いをもたらす存在さ。そして、魔法少女が退治するべき敵でもある」
フレンダ「そんなファンタジックな……」
信じられない、そんなような口調で呟いて、フレンダはストローを咥える。
フレンダ「いや、私が今ここで生きてること自体がファンタジックか……」
しかし、すぐに思い直す。そう、思い返せば、あの状況から生き残れるわけがないのだ。
フレンダ「魔法、か……この科学の街でそんなものがあるなんてね」
QB「わかってもらえたなら助かるよ」
キュゥべえは毛繕いが終わったらしい。ポテトを勝手に食べ始めていた。
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:41:02.27 dHe1WQqE0
フレンダ「それで、結局魔女と戦うってどうすればいいわけ?」
ファーストフード店で食事を終えた一人と一匹は、秋空の街を歩く。
QB「基本的に、ソウルジェムを使って探すって方針かな?」
フレンダ「ソウルジェム?」
QB「ほら、君の左手についてる指輪があるだろう?」
フレンダ「いつの間に……」
言われて気がついたが、よく見れば左手の中指にいつの間にか身に覚えのない指輪が嵌められていた。
QB「そこからソウルジェムを出すんだ。感覚としてわかってるはずだよ」
フレンダ「むむむ……こうかな?」
フレンダが軽く念じると、左手の中に何かが生まれた。
それは、卵のような形をした宝石らしきもの中心に埋め込まれ、その周囲を骨組みで囲われ、下を台座で支えられ、頂きにアクセントを添えられた外見をしていた。
宝石のように見える部分は仄かに黄色の光を放っている。
QB「それがソウルジェムさ」
フレンダ「へぇ……綺麗ね」
QB「大事にしておくれよ? それは君たちの分身と言っても過言じゃないくらい大切なものだからね」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:41:14.68 dHe1WQqE0
QB「さあ次はそれの光に注目するんだ」
QB「ほら、歩く度に光が強くなっているのがわかるだろう? ちょうどこの先に魔女がいるみたいだ。
魔女のような、魔力の強い存在がいると、それに反応してソウルジェムが光るのさ」
QB「基本的に、それを目印にして魔女を捜し出し、退治するっていうのが方針かな?」
フレンダ「……なんか、意外と地味」
QB「現実というのは往々にしてそんなものだよ、フレンダ」
フレンダ「魔法なんて言ってる時点で現実も糞もないと思うんだけどなあ」
QB「魔法も、魔術も、現実には確固として存在するものだよ」
フレンダ「まあ、だから結局私も生きてるってわけなんだけどね」
ふと、フレンダが立ち止まる。
QB「どうしたんだい?」
フレンダ「私ってば、本当は死んでたわけよね?」
QB「そうだね。あそこで僕と契約しなければ君は間違いなく、肉体的な死を迎えていただろうね」
フレンダ「つまり、これは私の第二の人生というわけね」
QB「うーん、ずっと生きてるから第一も第二もないと思うのだけど、君たちがそう思うならそうなんだろうね。君たち人間の考えることはよくわからないや」
フレンダ「……よし、決めた!」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:41:26.67 dHe1WQqE0
フレンダ「人に災いと呪いをもたらす魔女? そんなブッソーなもんはこのフレンダちゃんがぶっ倒してやるってわけよ!」
フレンダ「暗部で働いてたのも今は昔! 心を入れ替えて、正義の魔法少女として頑張っちゃうわけよ!」
フレンダ「誰もが小さい頃から憧れる魔法少女……それが私ならやらない理由はないっしょ!」
おー、とフレンダはソウルジェムを握った右手を強く天に突き出す。
QB「……一応補足しておくけど、僕は普通の人には見えないから、今のフレンダはとても奇妙な人として注目されてるんじゃないかな?」
フレンダ「えっ」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:41:37.86 dHe1WQqE0
―
フレンダ「ここが魔女の根城ってわけね……」
スキルアウトが闊歩していそうな、裏路地を進むこと十数分、フレンダは一際ソウルジェムが反応する場所に辿り着いた。
そこは人気のない倉庫だった。窓は割れて荒れ放題、壁には恐らくスキルアウトがしたであろう落書きで満載。
明らかに使われていない、廃倉庫のようであった。
フレンダ「さて、突入と」
QB「その前に変身しておいた方がいいんじゃないかな?」
フレンダ「へ、変身?」
QB「魔法少女としての戦闘モードに切り替えることだよ。そのまま戦うのは些か面倒だからね」
フレンダ「変身まであるなんて……いよいよ魔法少女ってわけね……!」
フレンダがソウルジェムを握って、変身後の自分をイメージする。誰に教えられたわけでもないが、変身の方法はなぜか理解していた。
フレンダ「おおっ! 本当に変身できた!」
変身した自分の全身を確認して、興奮するフレンダ。
フレンダ「すごいすごい! 本当に魔法少女ってわけよ!」
QB「喜ぶのはいいけど、まずは魔女退治が先決じゃないかな?」
フレンダ「わかってるってわけよ。それじゃ、とつにゅー!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:42:13.46 dHe1WQqE0
倉庫へ入ると、そこは異世界のような空間が広がっていた。
倉庫に入ったはずなのに、そこは倉庫ではまるでなく、奥に扉の鎮座する、子供の部屋のよう。
そして中空を舞う人形、人形。そして人形。しかもそれらはだまし絵のような形をして、現実では絶対にあり得ない形をしていた。
フレンダが入ったことに人形たちは気付く。動かないはずの顔が動き、全員が全員、笑ったような顔になる。
フレンダ「うぇっ……なんだこれ」
あまりの壮絶な非現実感に、フレンダは苦い顔をした。
QB「これは使い魔だね。魔女の手下さ。本体の魔女はこの奥にいるんじゃないかな」
フレンダ「そういう意味じゃないんだけどね……よっしゃ、じゃあいっそやりますか!」
QB「じゃあまずは魔法少女としての武器を―」
キュゥべえの言葉を最後まで聞かずに、フレンダは使い魔の群れへと突っ込む。
QB「ああ、もう」
説明を聞かずに飛び出したフレンダに、キュゥべえは溜息を吐いた。
当然だ。さすがに魔法少女として身体能力は強化されていても、それだけでは魔法少女になったばかりの少女が使い魔には勝てるわけがなかったのだ。
だが、キュゥべえの予想は外れる。
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:42:26.05 dHe1WQqE0
フレンダ「ひゃっほう!」
銃声が何発も響き、人形たちの体が砕かれていく。
フレンダの両手には拳銃が握られていた。そこから吐き出される銃弾は寸分違わず、全て人形に命中している。
とても人間業ではなかった。
フレンダ「体軽っ! これが魔法少女パワーってわけ!? すごい!」
銃の反動など、存在しないように玩具の人形を撃ち抜くその銃こそ、玩具のように見えるほど。
弾倉が空になると、フレンダはマガジンを捨て、服の中からさらにマガジンを取り出し、弾を補充する。
さらに撃ち抜かれること数体、小さな人形では歯が立たないことを使い魔たちが理解したのか、十数体の人形が一つに集まる。
するとそれらはまるで粘土のように混ざり合い、一つの巨大な人形へと変貌する。
しかしフレンダは焦ることはない。銃を躊躇いもなく捨て、服の中から、手品のように新たな武器を取り出す。小型ミサイルだ。
発射されたそれは巨大な人形という巨大な的に見事、命中し、爆発。
二分も掛からない内に、夥しい量の人形たちは全て撃墜され、跡形もなく消え去っていた。
QB「僕の話をもう少しゆっくり聞いてくれると嬉しいんだけどな」
フレンダ「結局、使い慣れた武器が一番ってわけよ」
フレンダ「さてと、次行くわけよ」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:42:31.14 k9F+BV1h0
15分目を離したすきに落ちてた
これが3連休の恐ろしさよ
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:42:38.48 dHe1WQqE0
その後もフレンダの快進撃は続いた。
扉を開けると同じような子供部屋がその奥に続いており、さらに人形が同じように存在する。
しかしフレンダの相手にはならなかった。
その人形たち、つまりは使い魔たちは全て近代兵器の前にひれ伏し、誰もフレンダを止めることはできなかった。
かと、思われた。
フレンダ「はぁはぁ……どこまで続いてるわけよこれ……」
もうどれだけ進んだだろうか。どんなに進んでも、一向に目的の魔女にはたどり着けない。
フレンダの装備はもちろん有限で、もう拳銃のマガジン一つしか残っていなかった。
フレンダ「やばっ……弾切れ……」
そして、それも尽きる。
人形が、三日月のように裂けた口を大きく開けて、武器の尽きたフレンダを食らわんと肉薄する。
それに反応してフレンダは靴の踵からナイフを出す。そのまま踵落としを食らわせ、人形は沈黙。塵になる。
QB「フレンダ!」
その時、キュゥべえが叫んだ。
見上げるとそこには、天井に蜘蛛の巣を張り、その中央に座した巨大な蜘蛛の怪物のようなモノがいた。
23: 忍法帖【Lv=26,xxxPT】
11/07/18 23:42:45.61 0r0aUCE+0
面白支援
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:42:55.31 dHe1WQqE0
QB「あれが魔女だ!」
フレンダ「くっ……!」
キュゥべえが二言目を叫ぶと同時に、その蜘蛛は極太の糸を吐き出す。間一髪、フレンダはそれを避ける。
フレンダ「なるほどね、獲物が弱るのを待ってたってわけ……!」
二撃目、三撃目と続いて、極太の糸が吐き出される。フレンダは必死に避ける。
だが、すぐにフレンダは気がついた。避けて避けて、避ける先には子供部屋の角があることに。
つまり、誘導されていたのだ。
そしてそれに気がついて、気がついたからこそ、動揺し、反応が遅れる。
今度の糸は、避けられなかった。
フレンダ「あうっ!」
その糸はやはりというか、粘着性を持っているらしく、思わず左腕で防いだはいいが、そのまま一本釣りのように引っ張られる。
フレンダ(結局、私はこうなる運命ってわけ……!?)
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:43:06.64 dHe1WQqE0
その時、フレンダの脳裏にキュゥべえの言葉が過ぎる。
フレンダ「そうだ、武器、武器!」
思い出して、イメージ。右手に何かが生まれた感触があった。
見ると、それはナイフだ。しかもただのナイフではなく、サバイバルナイフだ。
フレンダ「なるほど、生き残るだけにサバイバルナイフねー、ってこれでどうやって戦えっていうわけよー!」
そんなことをしてる間にも、さらに引っ張られる。物理的に考えれば、フレンダの体重からすればもう体が浮き始めているほどの力だったが、魔法パワーか、フレンダはまだ踏ん張ることができた。
フレンダ「こなくそっ!」
とりあえず、この糸を切らなければ状況は変わらない。
手にしたサバイバルナイフを思い切り糸に振り下ろすと、ブチブチという、まるで血管を人間の筋をまとめて切り裂くような、気持ち悪い手応えがあった。
糸は綺麗に切れたらしく、フレンダは自由を取り戻す。
フレンダ「切れ味はいいみたいだけど……こんなのじゃ攻撃できないってわけうわっと」
再び、糸による攻撃。今度は避ける。
フレンダ「……いや、もしかして」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:43:20.47 dHe1WQqE0
ふと、フレンダは思いついたように、意識を集中させる。そしてイメージする。
思い描くのは、大量の、ナイフ。
手応えは、確かにあった。
見れば両手にナイフが四本ずつ、計八本、指の間に出現していた。
フレンダ「なるほど、こういう使い方ってわけね!」
合点がいったように、フレンダはそれを投げる。
勢いは、人間のものではなかった。魔法によって強化された筋肉が、強力な投擲を可能にしていた。
ナイフは全て蜘蛛の魔女に命中した。蜘蛛の魔女がつんざくような悲鳴をあげる。
フレンダ「まだまだ、終わらないってわけよ!」
フレンダは構わず、ナイフをさらに手中に出現させると投げる。そしてさらに投げる。
目にも止まらぬスピードで大量のナイフを投げ続け、まるで機関銃のような威力を発揮した。
ほどなくして、魔女の体は崩壊する。異世界のような空間だった倉庫が、元の廃倉庫の景色へと戻る。
黒い何かが地面に落ち、コーンという、小気味の良い音を立てた。
フレンダ「た、倒した……?」
QB「危なかったね、冷や冷やしたよ」
フレンダ「ま、天才美少女魔法戦士フレンダちゃんにかかればこんなもんよ」
QB「魔法戦士じゃなくて魔法少女だけどね」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:43:34.14 dHe1WQqE0
―
シャクシャクと、気味の良い音がする。林檎を囓る音だ。
QB「まさか君が来てくれるとはね。学園都市と言うだけで、ほとんどの魔法少女は近寄ろうとしないのに」
少女が、キュゥべえの隣で林檎を囓っていた。もう片手には、袋に一杯の林檎が詰め込まれている。
「当然じゃん? グリーフシードがたんまり手に入るって聞いて、来ないわけないっしょ」
その少女は芯だけ残すと、その芯をポイと投げ捨て、袋から新たに林檎を取り出す。
「ま、それに学園都市にはちょっと野暮用があるしね……」
言いながら、少女は手元にある林檎へと視線を落とした。
QB「野暮用?」
「アンタには関係ないことさ。
―食うかい?」
そう言って、少女はキュゥべえに林檎を差し出す。
QB「一つだけいただくよ、佐倉杏子」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:43:50.07 dHe1WQqE0
―
フレンダ「これで、とどめ!」
フレンダがナイフを投げる。するとそれは足の付いた蛇のようなモノ、魔女に直撃。
魔女はほどなくして姿を維持できなくなり、崩壊した。
フレンダ「ふぅ……」
結界も崩壊し、通常の風景、病院に戻ってフレンダは安堵の息を吐く。
QB「大分手慣れてきたね。あのクラスの魔女も簡単に倒せるなんて、凄い成長スピードだよ」
どこからともなく現れたキュゥべえがフレンダの肩に乗る。
フレンダ「何をっ! 私は最初から強いってわけよ」
QB「最初は危なっかしくて見てられなかったけどね」
フレンダ「結局、最初は慣れてなかっただけってわけよ」
QB「だからそう言ってるじゃないか」
フレンダ「むぅ……」
言い返せなくなって、フレンダは視線を落とす。
すると、ソウルジェムが反応を示していることに気がついた。
QB「どうやら、また魔女が出現したようだね」
29: 忍法帖【Lv=30,xxxPT】
11/07/18 23:43:54.66 vhh3uNsE0
四円
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:44:08.53 dHe1WQqE0
QB「これは、割と遠いね」
すたっと地面に降りて、ソウルジェムの点滅を見上げて、キュゥべえが言う。
フレンダ「でも、魔女がいるなら行くしかないってわけよ。それが私の使命っ!」
QB「いや多分、そっちの方面は大じょ……ああ、行っちゃった」
すぐさま魔法少女に変身したフレンダは、強化された身体能力でキュゥべえの言葉を聞かずに飛び出していく。
キュゥべえは軽く溜息を吐くと、ゆっくりと、そのフレンダの後を追っていった。
「あれは……フレンダなのか……?」
それを、物陰から見ている人間がいたことには、二人とも、気がつかなかった。
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:44:18.45 IsU5O1od0
さっきの落ちたのか
>>92から先見損ねた
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:44:26.13 dHe1WQqE0
杏子「鬱陶しい!」
佐倉杏子が槍を大きく振るう。すると蛾のように杏子の周りに集まっていた蝶の姿をした使い魔が蜘蛛の子を散らすように、散開した。
魔女は目前。繭に籠もった姿をした魔女で、どうやらあれが本体らしい。
近づくと先ほどの蝶の使い魔が大量に押し寄せて、近づけない。
杏子の武器は槍であるため、戦いづらいことこの上ない。
恐らく、魔女側も、それを見抜いてこその作戦なのだろう。
杏子「だけど、甘いんだよな」
にやりと杏子は笑う。
槍を握る手に力を籠める。
イメージする、槍の変形する姿を。多節棍としての槍を。
そして、それを振るおうと、その時になって、
フレンダ「せいやっ!」
数えるのも億劫なほどの大量のナイフが繭の魔女に降り注いだ。
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:45:40.07 vaW9C0yV0
俺が保守しなかったばっかりに…
>>1ガンガレ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:45:40.00 2QmO1ewp0
いや曜日だとか時間帯はほとんど関係ないから
魅力あって興味引けるssなら丸2日放置でもギャラリーが保守するし
魅力なくて興味引けないssならクロスでも安価出してもdat落ちするし
建て直してやり直すとかねーよ
そのままPCの中で永久に寝かせとけ
35:1
11/07/18 23:46:21.40 SWFS0u8+0
えっ・・・●買ったのにバーボンなるのかよ・・・
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:47:52.19 IsU5O1od0
SS速報行けば?
あっちならのんびりやれるぞ
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:48:36.23 J74Fp37L0
支援
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:48:49.26 vmZD2p6N0
はーい
素敵なss書き1名様ごあんなーい
SS速報VIP
URLリンク(ex14.vip2ch.com)
39:1
11/07/18 23:50:09.89 U68+alEV0
てすと
40:1
11/07/18 23:50:52.94 U68+alEV0
書けた。続き貼る
>>36,38
すまん、SS速報は好きじゃないんだ
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:51:10.53 k9F+BV1h0
ログ残ってるから途中から書いたら?
URLリンク(logsoku.com)
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:51:51.20 U68+alEV0
杏子「……は?」
魔女は悲鳴をあげる暇すらなく、崩壊する。結界も次いで崩壊する。
フレンダ「いやー、私ってばやっぱり才能あるじゃないかな。大丈夫?」
呑気な声と共に、闖入者が姿を現した。フレンダだ。
杏子「何しやがんだおい」
剣呑な空気を漂わせて、睨み、杏子は言う。
フレンダ「えっ……なんかちょうどいい位置にいたからやっちゃおうかなっと」
怒られたのが意外な風にフレンダは答えた。
杏子「そういうことじゃねえよ。あたしが戦ってるのが見えなかったのか?」
カシャリと、杏子は槍を持ち上げて、穂先をフレンダへと突き付ける。
フレンダ「そ、そんなに怒らなくてもっ……どうせ魔女を倒すならお互い倒せる時に倒した方がいいってわけよ。
それで助かる人は変わらないんだからさ」
慌てて、フレンダは弁解する。
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:52:45.98 IsU5O1od0
>>41
俺がちょうど見損ねたところで切れてるな
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:53:55.01 U68+alEV0
>>41
一応貼り始めちゃったし、最後まで貼るよ
外部サイトだと対応してない専ブラだと見づらいだろうし
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:54:28.94 U68+alEV0
杏子「何を寝ぼけたことを言ってやがる。
……いや、なるほど。あんた新人か」
杏子の声が若干、穏やかになるのをフレンダは感じた。
フレンダ「新人は新人でも、期待の天才新人ってわけよ」
空気が落ち着いたところで、ふふんと自慢げにない胸を反らすフレンダ。
杏子「何か勘違いしてるようだけどな……」
呆れた風に言いながら、杏子は槍を下ろす。
杏子「魔法少女ってのは慈善事業じゃあないんだ。生きるために必要なグリーフシードを集めるために戦ってるに過ぎないんだよ。
そこで、実力もないくせに変なお節介なんて焼いてると後悔するのはあんただよ」
フレンダ「何をぅ……」
杏子「人助けのために魔女を倒す? 努力目標としては結構結構。だけどな、そんな甘ったれた気持ちで、子供の夢物語みたいなことやってたら―
いつか死ぬぞ?」
杏子「食物連鎖って知ってるか? 学校で、小学生でも習う簡単な自然の摂理さ。
弱い人間を魔女が、使い魔が食う。成長した使い魔や、魔女を食べて、あたしたちがいる。ただそれだけのことさ」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:54:46.88 U68+alEV0
フレンダ「まさか……アンタ、グリーフシードのためだけに戦って、グリーフシードのためにならないことはするなって言いたいわけ?
例えば、使い魔に人が襲われても、見殺しにするとか、そういうわけ?」
杏子「理解が早いじゃないか。当然っしょ。誰でも得にならないことはしないしない」
フレンダ「……どうやら私とアンタは気が合わないみたいね」
フレンダの手の中で、金属音がした。ナイフを生み出す音だ。
杏子「お、やるってのかい?」
それに敏感に反応した杏子が再び穂先を上げる。
フレンダはそれを鋭く睨むと、即座に行動できるよう、重心を落とした。
杏子「やるってんなら、いいぜ。
―その代わし、あたしは強いよ?」
杏子も両手で槍を握り、臨戦態勢を整える。
フレンダ「上等!」
答えと共に、フレンダは手の中に生まれたナイフを投げつけた。
QB「ああもう、困ったな……」
その二人を眺めていたキュゥべえが、独りごちる。
QB「こんなことをしてる場合じゃないってのに……仕方ない、彼女を呼んでこよう」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:55:05.74 U68+alEV0
フレンダが投げつけたナイフが目視するのが難しいほどの速度で杏子に迫る。
これに対し杏子は正確に、かつ迅速に、全てのナイフを難なく槍で叩き落とす。
さらに間を開けずに、矢のような速度でフレンダに接近。槍を思い切り叩き付ける。
ゴバッという凄まじい音が響いた。
しかし、手応えはなかった。
杏子「避けたか」
まるで爆撃があったかのように大穴が空いたコンクリートにフレンダの姿はなかった。
自分の威力を誇ることもなく、即座に杏子は槍を振るいながら、半回転。
ナイフが、背後に迫っていたが、全て叩き落とされる。
フレンダ「うへっ……背中に目でもついてんの!?」
見ればフレンダは壁にナイフを突き刺し、足場にしながら高い位置に立っていた。
杏子「新人がやろうとすることくらいわかってるさ」
杏子はその場で槍を振るう。同時に、槍はただの槍から多節棍へと変化し、フレンダの位置まで伸びた。
フレンダ「げっ!」
慌てて飛んで、フレンダは避ける。
壁は大きく抉れ、コンクリート片が辺りに撒き散らされた。
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:55:35.52 U68+alEV0
杏子「新人は、魔法少女になる前の感覚が残ってるんだよな。
だから、攻撃も、一般人に有効なものばかりやりたがる」
空中に逃げたフレンダを目で追いながら、杏子は言う。
フレンダ「食らえっ!」
そんな余裕綽々の杏子にフレンダはナイフを投げつけるが、やはりそれは軽々と弾かれる。
杏子「ダメなんだよ、それじゃ。魔法少女相手に、そんな常識的な戦い方をしちゃダメだ」
杏子が獲物を狙うような目で、フレンダを睨み付ける。
フレンダはぎょっとして、さらにナイフを投げつけるが、やはり弾かれる。
杏子「そして、急に超人的な身体能力を手に入れたから、新人はそうやってすぐに空を飛びたがる」
再び、杏子は両手で槍を握る。
杏子「煙となんとやらは高いところが好きってな。空中は逃げ場がないってのは、バトル漫画の定石っしょ」
そうして、多節棍となり、伸びた槍がフレンダに叩き付けられた。
当然、杏子の言う通り、フレンダに避ける術はなかった。
フレンダもただ受けるだけではない。かろうじて、ナイフを両手に生み出し、それを盾にすることはできた。
だが、もちろん、空中で踏ん張りが効くはずもない。
鈍い音が響いて、フレンダはコンクリートの地面に激しく叩き付けられた。
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:55:48.76 U68+alEV0
杏子「ま、こんなもんか」
ふぅ、と軽く息を吐いて、杏子は槍を背負う。
だがすぐに杏子は軽く首を傾ける。杏子の顔があった場所をナイフが勢いよく通り抜けた。
杏子「おっかしいな、今のが直撃してたら全治半年は堅いはずだったのに」
見れば、フレンダはまだ健在だった。
両足でしっかり地面を掴み、両手にナイフを持って直立していた。
杏子「回復系の魔法か、面倒だ」
杏子はそれを見て笑う。
フレンダ「終わったと勘違いするのは、まだ早いってわけよ!」
言葉と同時、フレンダは大量のナイフを投げつける。
数えるのは到底間に合わない。機関銃のようなナイフの連射だった。
杏子「今度は数ってか!」
だが、杏子が多節棍モードの槍を大きく振るうと、それらは全て叩き落とされる。
どんなに投げても、結局、杏子に一本も届かないどころか、傷一つ付けられなかった。
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:56:00.30 jg8/rJJu0
俺の浜面は出ますか?
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:56:01.83 U68+alEV0
フレンダは、それに一切動揺しなかった。
それどころか、それを確認するより早く、フレンダは駆け出す。
杏子の速度には及ばないが、それでもフレンダの速度は常人を遥かに超えていた。
杏子「何っ!」
杏子が槍を戻すより早く、フレンダは杏子の懐へと潜り込み、ナイフで直接切りつける。
かろうじて杏子は槍の柄で受け止めた。
フレンダ「ふふん、リーチの差は重々理解してるってわけよ。だから、懐に入っちゃえば、槍よりナイフの方が有利!」
フレンダはナイフに力を籠め、杏子は槍に力を籠める。ギリギリと、小競り合いとなる。
杏子「回復系の魔法と言っても、あれだけのダメージを受けた直後に、こんな素早い反応はできないはず……!?」
初めて、杏子の表情が焦りへと変貌する。
その様子ににやりと、フレンダは笑った。
フレンダ「結局、詰めが甘いってわけよ!」
受け止められたナイフとは別に、もう片手にナイフを生み出し、フレンダは切りかかる。
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:56:45.90 U68+alEV0
杏子「―なんて言うと思ったか?」
フレンダ「えっ」
ナイフを振り下ろしたはずのフレンダは、手応えがなくなったのを感じた。
いや、手応えがなくなったのではない。
手が、肩から先が、丸々なくなっていた。
杏子「こっちだって武器くらいいくらでも作れるっての。そして、こいつは伸縮自在だ」
杏子の手には、もう一本、槍が握られていた。
柄が片手で持てるくらいの、最早槍というより、短剣に近いような槍だった。
それで、腕を切り落とされたと、フレンダは遅れて認識する。
杏子「あんたこそ、甘かったな」
その事実に動揺するフレンダ。その隙をついて、もう片手も切り飛ばされる。
フレンダ「あぐっ!」
さらに追撃。杏子はフレンダの文字通りがら空きとなった脇腹を回し蹴りで思い切り蹴飛ばした。
フレンダは吹き飛ばされ、ノーバウンドで壁に叩き付けられた。
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:57:18.00 0uqKfZW+0
さるよけ
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:57:42.21 k9F+BV1h0
速度落とさなきゃまた規制くらうぞ
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:58:20.28 U68+alEV0
>>54
そしたらまたルーター切断する
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:58:24.21 U68+alEV0
その様子を見て、今度こそ杏子は終わった、と判断した。
杏子「安心しな。魔法少女ならゆっくりと治していけばその腕はくっつくさ。回復系のあんたなら尚更ね」
もう用はないと言わんばかりに、フレンダに背を向けて、立ち去ろうとする。
フレンダ「いいや、結局甘いのはそっちってわけよ」
だが、後ろからまだ声を投げかけられる。
杏子「はぁ……? いい加減に諦め―」
呆れたように溜息を吐き、振り向く杏子。
そして、フレンダの様子を見て、杏子は言葉を失った。
フレンダは健在だった。切り落とされたはずの両腕は、既にくっついていた。
そして、その新しい両腕で何かを持っていた。
それはマラカスのような形をしていた。金属の棒に、先端に楕円形のものがくっついていた。
もちろん、そんな玩具などではないことは杏子でもすぐにわかった。
携帯型対戦車用ミサイルだった。
杏子「はぁっ!?」
杏子は今度こそ、本当に焦った顔をした。
それでも、もう遅かった。しゅぽっという気の抜けた音と共に、先端のミサイルは発射される。
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:58:35.27 U68+alEV0
避けても爆風が襲いかかり、防いでも爆風が襲いかかる。直撃なんて以ての外。
打つ手無しだ。
杏子(くそっ……!)
自分の甘さを嘆き、苦し紛れに結界を張ろうとする。
結界を張っても、防ぎきれるかどうかはわからない。それでも、そうする他なかった。
しかし、それは杏子に届くことはなかった。
銃声が響いて、ミサイルは空中で爆発する。
フレンダ・杏子「なっ……」
杏子は驚き、フレンダも予期してなかったのか、一緒に驚いた。
「まったく、佐倉さんは……また喧嘩しているの?」
落ち着いた声が、新たに加わった。
杏子「お前は……」
こつこつと、靴の硬い音が室内で反射する。
「今はそんなことをしてる場合じゃないでしょうに」
杏子「マミ……」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 23:58:51.55 lRuFsKPq0
>>46
殺されて改心したんでさやかのような正義感を
持ってるんだろうけど、原作の利己的なキャラの
ままの方がフレンダらしいんじゃないかと思う。
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:00:12.95 sHbZ84t60
―
QB「君たちには困ったよ。せっかく戦力を集めたのに仲間同士で戦っちゃ意味がないじゃないか」
ぶすっとした表情の杏子、同じくそっぽを向いてるフレンダ、そしてあきれ顔で紅茶を飲む金髪でドリルな少女、マミ。
ついでにキュゥべえ。
三人と一匹は揃ってファミレスに来ていた。
マミ「こらキュゥべえ。テーブルの上にあがっちゃダメっていつも言ってるでしょ」
そう言ってマミはテーブルの上のキュゥべえを抱え、膝に抱く。
フレンダ「戦力を集める? どういうわけよ」
QB「そういえばまだフレンダには言ってなかったね。この学園都市は、今、極めて異常な状態にあるんだ」
フレンダ「異常?」
QB「そう、異常さ。例えば、そうだね……この三日間、君たちが倒した魔女の数は何体だい?」
フレンダ「いち、にー、さん、よん、ご-、ろく、なな、はち……八体ね」
杏子「七体」
マミ「私は今日来たばかりだから三体よ」
フレンダ「それがどうしたっていうのよ」
QB「杏子、マミ、君たちならわかると思うけど、この街の魔女はいくらなんでも数が多すぎるんだ」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:00:38.16 Du8LFeFV0
QB「正直言って、これは自然発生のレベルじゃない。明らかに多すぎる」
フレンダ「確かにこんなに戦い続けてたら体が保たないなー、と思ってたけど、やっぱり多いだ」
マミ「普通、魔女ってのはそうそう毎日見つかるものじゃないわ。それが毎日、しかも一日に数体も出てくるなんて異常すぎる」
フレンダ「どうしてそんなに多いわけよ」
QB「わからない。ただ、僕はこれに人為的な、作為的な意図が絡んでると思ってるよ。だから君たちを呼んだのさ」
フレンダ「でもなんで外部から呼ぶ必要があるの?
学園都市に侵入するのは結構大変だし、学園都市なら少女はたくさんいるからみんな契約させればいいわけじゃない?」
QB「それがそうもいかないんだ。素質がある子は中々いないし、学園都市の少女と契約しても、戦力にならない場合がほとんどなのさ。フレンダは特別だけども」
フレンダ「どういうこと?」
QB「それが僕にもメカニズムはよくわからないんだよね」
杏子「そんなことよりだ、本当に魔女が人為的に増やされてるとして、一体誰が、何のためになんだ?」
シャクシャクと注文したシャーベットを潰しながら杏子が割り込む。
QB「まったく見当が付かないよ。僕の契約した少女の中でも、そんなことをする子の心当たりは今のところないんだよね。
そもそも、目的がわからない。魔女を増やしたって、人間にも、魔法少女にも、百害あって一利無しだろう?
例え魔女の作り方を考案できた魔法少女がいても、自分で魔女を作ってグリーフシードを集めるより、自然発生する魔女を倒した方が効率的だしね」
フレンダ「……学園都市なら、ありえるわよ」
ぽつりと、フレンダが言った。
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:02:39.66 sHbZ84t60
フレンダ「魔法、魔女なんて、普通の人間からしたら未知の存在。
学園都市の研究者が見つけたら研究しないわけがないってわけよ」
マミ「でもそんなものを研究して何の意味があるの? 魔女は人に災いをもたらす、邪悪と災害が顕現したような存在よ」
ショートケーキを食べていたマミが言う。
フレンダ「そう、普通に考えて、魔女は害しか生まない。でも、もしそれが敵対する国に発生したら?」
杏子「まさか……学園都市は魔女を兵器として利用しようって言うのか?」
フレンダ「その可能性は大いにあり得るわけよ。だって、証拠は残らない、因果性もわからないなんて、これほどテロにぴったりな兵器はそうそう存在しないわよ」
フレンダ「昔、ロシアの巨大なショッピングセンターで孵化の時間を人工的にコントロールしたベニオオアシグンタイアリっていう人食い蟻を使ったテロ事件もあったわけだしね」
マミ「そんなこと……できるの?」
チョコレートケーキを食べ終えて、苦々しそうになったマミが言った。
QB「不可能だね。グリーフシードの孵化タイミングはそうそうコントロールできるものではないし、そもそも普通の人間は魔女を認知することすらできない。
しかもこれだけの量だ。恐らく、使い魔を成長させたものだと考えるのが妥当だろう。そうしたら、さらにコントロールは困難だ」
フレンダ「この学園都市で不可能なんて、あり得ない。魔法、魔女、そんなオカルトも、きっと学園都市が研究すればすぐに解明できちゃう。
……昔、そういう実験も聞いたことあるしね」
QB「……まったく、人間の考えることはわけがわからないよ。兵器ならもっと効率の良いものがあると思うけどね」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:02:52.76 sHbZ84t60
マミ「ともかく、佐倉さんも、貴方も、喧嘩してる場合じゃないのはわかってもらえたかしら?」
杏子「あたしは別に戦わないってなら、わざわざ戦う気なんかないけどな」
フレンダ「うっ……でも……」
杏子「まあ、その信念を曲げたくないなら強くなればいいさ。そこのマミみたいにな」
マミ「あら、佐倉さんがそんなこと言うなんて珍しいわね」
杏子「うるせー」
マミ「まあまあ、いいじゃない。今はみんな仲良く、ね?」
フレンダ「仲良く、かあ……」
杏子「はぁ……わかってるよ。ただし、仲良くじゃなくて、共同戦線だ」
杏子「自己紹介が遅れたな、あたしは佐倉杏子だ」
マミ「巴マミよ」
フレンダ「私はフレンダ・セイヴェルンよ。よろしくね」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:03:24.12 sHbZ84t60
>>58
調子に乗ってるフレンダ可愛いよ
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:03:36.79 sHbZ84t60
フレンダ「それで、この後どうするの?」
ファミレスから外を見れば、既に日は傾いていた。
フレンダ「学園都市の夜は早いわよ。完全下校時刻になればバスとかほとんど止まっちゃうから動くなら早くの方がいいわね」
フレンダが時計を見て、言う。
マミ「そうね……まずは拠点ね。雨風凌げる場所が欲しいわ」
チーズケーキを食べ終えたマミが提案した。
杏子「それなら適当なホテルがちょうどいいな」
マミ「そうね。ねえセイヴェルンさん、どこかいいホテルを案内してくれないかしら?」
フレンダ「学園都市のホテルは選り取り見取りよ。この時期に観光客なんてほとんどいないから、どこでもすぐに部屋を取れちゃうってわけ」
杏子「そうか、そりゃ都合がいい。適当なところを勝手に使わせてもらうとするか」
マミ「ダメよ、佐倉さん。そんなことしたらお店の人に迷惑がかかるでしょ」
杏子「そんなこと言っても金ねーぞ」
マミ「いいわよそれくらい、私が出しておいてあげるわ。緊急事態だしね」
杏子「ま、タダで泊まれるならあたしはいいけどさ……」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:03:51.60 sHbZ84t60
―
路線バスを乗り継いで十数分、三人と一匹は第三学区に到着した。
杏子「おいおい……大丈夫なのかよここ……めちゃくちゃ高級っぽいぞ……」
フレンダ「第三学区には外部からの客が比較的多いからもし、二人の侵入がバレたとしても誤魔化しやすいってわけよ」
杏子「それにしたってなあ……」
杏子は乱立する見上げると首が痛くなるほどの高層ビル群を見て、辟易する。
それらは外装から綺麗な状態が保たれていて、金をぼったくっても文句を言わせないぞと言わんばかりだった。
フレンダ「あ、前に麦野たちと泊まった時にサービスがいいところみっけ」
その内、一際大きなホテルにフレンダはずかずかと入っていく。入り口にはガードマンが張り立ちっぱなしになっており、警備はいかにも頑丈そうだ。
それに続いて、マミも入る。
杏子「うへえ……」
遅れて杏子もついて行く。
杏子「無理矢理侵入しようとしなくてよかったな、こりゃ……」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:04:04.74 sHbZ84t60
チェックインし、バイキングへ。
バイキングと言っても、さすがは高級ホテルと言うべきか、杏子には全ての料理が輝いてるように見えた。
杏子「おいっ、これ本当にいくらでも食べていいのか!?」
目を輝かせて杏子が聞く。
フレンダ「ま、まあ、バイキングだし……」
戦闘時のイメージがついていたので、あまりの豹変ぶりにフレンダは困惑する。
杏子「よっしゃ、たくさん取ってくるからな!」
マミ「食べきれる量だけ取ってくるのよ」
杏子「わかってる!」
子供のようにはしゃぎながら、料理へと向かう杏子。
杏子「やべえ、これかなり美味いぞマミ、フレンダ!」
そしてすぐに杏子の大声が聞こえてきた。
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:04:41.97 sHbZ84t60
フレンダ「……なんか、杏子のイメージが最初とは違うんだけど」
フレンダは半ば呆然として、呟いた。
マミ「無理してるのよ、あの子も」
適当に取ったスパゲティを食べながら、マミが言う。
フレンダ「予想外に妹キャラってわけね。私の妹とはまるで違うけど」
マミ「あら、妹がいるの?」
フレンダ「私に似てかっわいい小学生の妹が一人、ね。どうやら私ってば戸籍上は死んでる扱いになっちゃってるから会いには行けないけど」
マミ「妹……いいわね、家族がいるっていうのは」
遠い目をして、マミが呟く。
フレンダ「マミも妹とかいるの?」
マミ「いないわね……家族もみんな事故で死んじゃったわ」
フレンダ「あぅ……ごめん」
シュンとして謝るフレンダ。
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:05:04.25 sHbZ84t60
書いたのここまで
速度上げて続き書く
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:05:16.72 Je50LedA0
こっからだな!
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:06:07.52 0IzKW1Iq0
マミさんって雑魚なんでしょ?
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:06:15.77 wY9ysGaC0
>>63
なるほど了解した(笑)
フレンダと聞いて見ない訳にはいかなって訳よ。
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:07:05.86 1KTFw4DU0
「すまん。SS速報は好きじゃないんだ」
それが>>1の出した選択であった。
別に本気でSS速報が嫌いなわけではない。だが彼は不安だったのだ。
なぜなら――
「禁書ssスレがこんなに……!?」
生半可な書き手である>>1にとってSS速報の壁はあまりにも高く、そして厚かった。
目の肥えた読者たちが跋扈する、まるで獄中のような厳しさを耐え切る自信と技量が>>1にはなかったのだ。
あんなところで書いたところでレスはもらえない。そのことを一番理解しているのは>>1自身であった。
「SS速報でやれよ」
「建て直しすんな」
誤謬なき野次が>>1の信念を掻き乱し、欠けたガラスのように鋭利な言葉が>>1の心を抉った。
「……」
返す言葉が見当たらない。否、下手な返答をすれば『叩かれる』ことを理解した上でのスルーだった。
それ故、彼は『好きじゃない』とどうにでも取れるような『逃げ』を意識した返答を出すに留めたのだ。
しかし、その答えはSS速報の内情を知る者たちの失笑をかってしまうほどの悪手であった。
SSスレは改行や投稿制限がVIPとは比べ物にならないほど緩やかで、書き手にとってはVIPよりも遥かに良好な環境であるからだ。
(俺はなんとしてもVIPで書ききる……! そしてss乞食共から賞賛レスをかき集めてまとめに載り、名作を作った神として歴史に名を刻むんだ……!)
―その日の夜中、>>1が立て直したssスレは無情にもdatの欠片となり電子の海へと消え入った。
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:08:30.83 sHbZ84t60
マミ「いいのよ、昔のことだし、ね。惜しむらくは、その時、願いで自分だけの命を願っちゃったことかな?」
フレンダ「マミも生きたいから魔法少女になったんだ……」
マミ「『も』、ってことは、セイヴェルンさんも?」
フレンダ「まあね。あの時はどうなるか冷や冷やしちゃったわけよ」
マミ「そうだったの。なんだか私たち、気が合いそうね」
フレンダ「なーんか、深いところで似てる気がするってわけよ」
杏子「なあ、二人とも! 店員さんに頼んだらこんなにケーキもらえたぞ!」
フレンダ「ちょ……それ、普通に注文しただけじゃ……」
杏子「えっ……」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:09:07.46 p4ssEmka0
>>72
これは新コピペに認定してもいいくらい評価する
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:09:26.24 mNkRFYzr0
>>72
これググッても出て来ないんだが、コピペだよな?
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:09:37.44 aaYn0zyY0
>>72
ちょwwwww
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:09:45.26 Je50LedA0
俺のさやかの出番なさそう
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:10:25.00 d3EAvkgD0
上半身ぱっくんちょのマミさんと
下半身どぱーんのフレンダか…
合体させてマミンダつくろうぜ!
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:10:43.54 yYYcUiiP0
>>72
久々にひどい才能の無駄使いを見た
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:10:47.51 Bq7FsQsS0
>>70
雑魚じゃないよ ちょっと後輩にいいとこ見せようとして調子のって
倒せる敵に隙をみせて頭からパックンされただけだよ
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:10:47.58 qfP8H56F0
>>72
コピペにマジレスはカッコ悪いが
SS速報は落ちないんで安心してなかなか
書かないようになちゃう作者が多いんだよな。
反応も少ないし。
VIPは良くも悪くも反応があるし緊張感もあるから
モチベーションが保てるんじゃないか。
保守は俺達に任しとけ。
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:11:36.55 gEmPaf0/0
>>72
これコピペじゃねーだろ見たことねえぞこんなの
秀逸だな
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:12:49.19 c5iQ/Ddk0
もう>>72が引き継いで書いちまえよ
地味に地の分うまくて笑うわ
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:14:46.16 7hImUlR00
以下>>100まで>>72を賞賛するスレ
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:15:03.63 aK65+hxI0
>>72
念の為にリストに入れておく
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:15:27.95 qfP8H56F0
>>82
新たなコピペ誕生の瞬間だった。
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:16:06.10 sHbZ84t60
―
浜面「本当だって、見たんだよ!」
学園都市の個室サロンの一室で浜面は力説する。
浜面「フレンダの幽霊を!」
絹旗「はぁ……ついに超浜面菌が脳にまで達してしまいましたか。幽霊なんて非現実的な……」
浜面「B級映画見てるお前が言うかっ!?」
絹旗「はいはい、どんな格好してたんですか? 三角巾でも超被って、うらめしやーとでも言ってたんですか?」
浜面「いや、なんか変な格好してたんだよな。フレメアみたいなフリフリの格好で……」
絹旗「15点」
浜面「まったく信じてないなお前!」
ぎゃーぎゃーと喚き会う浜面と絹旗。そんな二人を尻目に、一人ジュースをストローで吸い上げながら上の空な麦野、そしていつも通り眠たげな目をした滝壺。
アイテムのメンバーが集まっていたところだ。
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:17:03.89 GPMxepjy0
>>72作品ごとにちょっと改変すりゃそのまま使えそうだな
ゴネるss書きを挫けるわ
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:17:15.78 BNSr1xFd0
>>72
コピペの誕生をみた
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:18:53.73 7Pr6oZ0p0
なんて奴だ>>72…
たった1レスでssスレをコピペ誕生スレに作り変えやがった…
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:20:36.52 mNkRFYzr0
この前の古畑スレで出来たコピペよりも秀逸
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:21:07.86 sHbZ84t60
滝壺「はまづら……」
くいっくいっと、浜面の袖を引っ張る滝壺。
浜面「おお、滝壺なら信じてくれるよなっ」
浜面は救世主を見つけたと言わんばかりに感激する。
しかし、滝壺はそんな浜面をジト目で見つめて、一言。
滝壺「言っていい冗談と、悪い冗談があると思う……」
浜面「あ、あれ……? 滝壺サン、怒ってらっしゃる……?」
浜面が恐る恐る尋ねると、滝壺はそれに答えず、プイッと顔を背けてしまう。
「信じてくれよ滝壺ぉ」と懇願する浜面に、当然です、という風に憮然とする絹旗。
そんな三人を尻目に、麦野は溜息を吐いた。
麦野「フレンダの幽霊ね……会えるものなら会いたいわね……」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:21:12.32 A4aZaXyd0
これどっかのまとめが拾ったら>>72は確実にコピペとして使われるな
とりあえず大手のまとめに拾われるよう>>1頑張れや
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:21:38.63 mNkRFYzr0
早速百合豚のところに貼られてるぞwww
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:22:53.49 dJxdi7+00
私男だけど>>72になら抱かれてもいい
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:24:17.96 CDtgUkCh0
>>72って元ネタがあるわけでは無いんだよな?
自前だとしたら>>1如きの駄文と比べるまでも無い才能の差があるな
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:24:31.51 Fluj8JbN0
>>1「くそおおおおおお!!なんで書いてる俺に安価つかないんだよおおおおおおおおお!!」ガスッガスッ
>>1母「やめなさいトオルちゃん!近所迷惑でしょ!」
>>1「ふざけんなよ>>72!このssは俺が数ヶ月構想練った渾身のssなんだよおおおおおお!!くそがあああああ!!!」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:24:58.64 b85nHv6D0
どうでもいいけど滝壺ってウザいよな
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:26:32.98 yczYutgz0
誤謬なき野次とか
電子の海とか
なんかオサレ
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:27:11.19 sHbZ84t60
―
杏子、フレンダ、マミはホテルの一室に泊まっていた。
一室と言っても、豪勢なもので、キングサイズのベッドで三人は悠々と寝られる環境だ。
そこで、佐倉杏子は目を覚ました。
本能的に、結界を張る。
次の瞬間、部屋の入り口、扉ごと貫通した銃弾が三人を襲った。
マミ「何事!?」
フレンダ「へぁっ!?」
その衝撃に、残り二人も起きる。
杏子「わからねえ、だけど敵襲なことは確かだ!」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:28:51.69 PDC90p270
コピペ誕生の瞬間をリアルタイムで遭遇するとは思わなかったわ
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:29:17.70 R85lqmuE0
>>98
アイテムで一番いらない子なのは確か
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:30:35.35 JTUBxE0c0
最近あの浜面補正まだ続いてるの?
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:30:38.37 mNkRFYzr0
アイテムで一番可愛いのは最愛ちゃんなことは確か
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:32:15.66 5pK75IfI0
すばらしいコピペだ
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:32:42.12 sHbZ84t60
しばらく掃射が続いた後、ドアがボロボロになり、外にいるものが見えた。
それは、機械だった。ずんぐりとした人型で、黒い装甲に覆われている。
右手に当たる部分には大型の機関銃が握られており、あれで攻撃してたことが窺える。
それを見て、フレンダはぎょっとした。
フレンダ「『駆動鎧』(パワードスーツ)……!?」
駆動鎧は機関銃を投げ捨てると、杏子の張った結界へと突進する。
ぐしゃり、と駆動鎧が衝撃でひしゃげるが、構わず、何度もその巨体を叩き付ける。
杏子「ぐっ……やべえ、もたねえぞ!」
三度目の体当たりで結界はひび割れ、杏子が顔を歪めた。
その間に、マミとフレンダは変身を済ませる。
そして、四度目の激突で杏子の張った結界は破れた。
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:32:45.83 XgAvA+tlO
>>104
超同意です
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:33:41.03 t0uLxpX/0
フレンダかわいいよフレンダ
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:34:20.09 aK65+hxI0
モアイちゃんマジ天使
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:35:38.68 mNkRFYzr0
>>103
操作方法が勝手に脳内に入って来る最新式のバイクが偶然道中にある
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:39:00.87 sHbZ84t60
パリンという、乾いたものが砕かれる音が響き、杏子の結界が消失する。
そこに間髪入れずにマミがマスケット銃を放ち、フレンダがナイフを投げる。
しかしそれは当たらない。巨体に見合わない俊敏な動きでそれは易々と回避される。
さらにその回避の瞬間、その巨体が光に包まれるのを三人は目撃し、驚愕した。
光に包まれたと思うと、ひしゃげたはずの駆動鎧の体は元の綺麗な形となる。
だが、三人が驚いたのは修復されたことではない。
マミ「魔力……!?」
杏子「嘘だろ……こいつ魔法少女だ!」
駆動鎧は蜘蛛のように地面を這う姿になると、一飛びでドアまで後退する。
飛びながら、捨てた機関銃を拾い上げ、銃口を三人に。
杏子「やべえ!」
今度は結界を張る暇がなかった。
機関銃の壮絶な掃射が放たれる。
三人は床に伏せ、間一髪で避けるが、部屋は滅茶苦茶だった。
ジリリリリリと、緊急警報が鳴り響く。
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:40:34.62 53fx275k0
しえn
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:41:24.84 8MD8P1U+0
支援
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:44:06.27 OD7a4pjs0
支援
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:44:17.79 ZorkuytkO
>>103
しかも超高速&トランスフォーム機能つき
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:47:06.12 qXWlVJoI0
主人公補正とか気にしとったら禁書は読めん
支援
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:47:51.92 sHbZ84t60
どたどたと、大勢の人間の足音が響いた。
警備員だろうか、武装した大人が数人やってくる。
駆動鎧はそちらに目もやらず、機関銃の掃射でなぎ倒す。
杏子「やりたい放題だな、おい!」
その隙を突き、変身を済ませた杏子が槍を持って飛びかかった。
駆動鎧はそれに鋭敏に反応し、槍を機関銃で受け止める。
杏子が着地するより早く、駆動鎧は杏子の胸元へと、空いた手を伸ばした。
それも杏子の胸元には到達しない。銃声が響く。マミのマスケット銃の銃声だ。
マミの放った銃弾は正確に駆動鎧の腕を打ち抜き、それによって腕の軌道が逸れ、結果、腕は杏子に当たらない。
その一連の流れでぎょっとした杏子はすぐさま後退する。
杏子「こいつ……ソウルジェムを正確に狙ってきてやがる!」
再び、駆動鎧による機関銃の掃射。今度は反応が間に合い、マミがリボンを大量に発生させ、壁を作る。
リボンの壁に銃弾が突き刺さる凄まじい爆音が室内に響いた。
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:50:50.87 fcU50nvk0
ほむほむ、なのか?
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 00:55:15.73 sHbZ84t60
杏子「ちくしょう、なんだこいつは!」
フレンダ「『駆動鎧』! 人間の身体能力を上げるための機械ってわけよ!」
マミ「つまり、ロボットってわけね!」
掃射の音が止む。すると再び、腹の底に響くような音がし始める。
また突進で破ろうとしているのだろう。
フレンダ「まあ、厳密に言えば違うんだろうけど! とりあえず、この部屋じゃ狭すぎてどうしようもないってわけよ!」
リボンの壁は頑丈らしく、巨体の突貫でもびくともしなかった。
フレンダ「多分、あのタイプは機動性を犠牲にした装甲重視のパワータイプ! この部屋じゃ圧倒される!」
杏子「じゃあどうすんだよ!?」
フレンダ「ぶっちゃけ、逃げるしかないっ!」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:00:19.63 sHbZ84t60
駆動鎧は突破は無理と考えたのか、重低音が止む。
次はバガンという、砕ける音がした。コンクリートが砕ける音だ。
フレンダ「まさか……!?」
そして、次にまたその音がする。フレンダたちの真上で。
駆動鎧が、天井を砕いて降ってきた。
さらに素手を振り回す。単純なパンチだ。
だが威力は凄まじい
標的は、障害と判断されたのか、マミ。
マミ「くっ……!」
思わず、マスケット銃で受け止めるが、マスケット銃は砕かれ、マミはそのままノーバウンドで吹き飛ばされた。
フレンダ「マミっ!」
杏子「何が機動性を犠牲にしただ! 無茶苦茶素早いぞ!」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:05:15.11 Bq7FsQsS0
支援
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:12:21.55 2JtAn+WW0
しえんに
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:16:06.36 sHbZ84t60
フレンダ「中身が魔法少女だから!? そんな反則な!」
ぐるり、と今度はフレンダの方を駆動鎧が顔を向ける。
フレンダ「げっ!」
駆動鎧が腕を振り上げる。
マミ「はい、そこまで」
するとそこで大量のリボンが駆動鎧の拳から溢れだした。
リボンは駆動鎧に絡みつき、駆動鎧の動きを止める。
フレンダ「マミ……!?」
マミ「さっき殴られた時にリボンの種を植え付けておいたのよ」
だが、動きを止められたのも一瞬。ブチブチと、ちぎれる音と共に駆動鎧は少しずつ動き出す。
マミ「まだ足りないのね」
銃声が三発。マミの放った銃弾が駆動鎧に直撃する。
しかし、もちろん、駆動鎧には大した傷がつかない。
それでもマミは慌てない。着弾した地点からさらにリボンが生まれ、厳重に駆動鎧を包み込む。
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:20:38.64 qzS3NYtQ0
フレンダは俺の嫁
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:21:54.19 Bq7FsQsS0
>>124
いやいやフレは俺の嫁
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:23:17.88 3T1PMdk+0
>>125じゃあおれンダもらうわ
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:26:42.99 sHbZ84t60
フレンダ「おおっ!」
それでもまだ駆動鎧は止まらない。ギシ、ギシと、音を立てながら少しずつ動こうとする。
マミ「さて、二人とも下がっててね」
次に、マミは自分の体よりも大きなフロントフックの銃を作り出す。
杏子「おいちょっ……」
それを見て、慌てて杏子はフレンダの手を引っ張り、駆動鎧から距離を取った。
マミ「ティロ―」
杏子「伏せろフレンダ!」
マミ「―フィナーレ!」
巨大な銃から巨大な銃弾が放たれる。それはリボンに雁字搦めにされた駆動鎧をノーバウンドで吹き飛ばした。
吹き飛ばされた駆動鎧は壁にぶつかっても止まらず、廊下の壁すらも貫通。結局、駆動鎧は向かい側の部屋まで吹き飛んで、初めて地面に叩き付けられた。
駆動鎧の体は大きく変形し、ぴくりとも動かない。
杏子「や、やったか……?」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:31:00.74 sHbZ84t60
杏子が覗き込むようにして、恐る恐る確認する。
見ると、駆動鎧は仄かに光に包まれていた。変形した機体が少しずつ修復されていくのが見える。
杏子「おいおい……あれでもダメなのかよ!?」
マミ「とにかく、今の内、逃げるわよ!」
フレンダ「おっけー!」
杏子「ああ!」
それ以上駆動鎧に追撃せず、破られた部屋の窓から、三人は逃走した。
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:31:21.24 0IzKW1Iq0
誰かノーバウンドに突っ込んでやれよ
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:32:03.70 sHbZ84t60
ダメだ、アニメ見ながらだと集中できないからロリきゅーぶ見てくる
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:33:33.47 3T1PMdk+0
またおちんぞ
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:34:08.02 qzS3NYtQ0
いいかげんにしろ
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:34:17.30 GNzRh9tD0
これはロリキューブ視聴中に落ちるフラグ
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:34:19.08 4bVYMpuI0
また落ちるぞ
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:40:18.71 qfP8H56F0
嫁のフレンダの為にも落としてなるものか。
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:45:17.84 L+hRDMh/O
ほ
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:47:30.22 2JtAn+WW0
ほ
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:52:48.82 j9NM4IEtO
は
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:58:23.28 yGh67UML0
ほ
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 01:58:26.09 sHbZ84t60
保守してくれた人ありがとう、続き書く
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:08:19.62 sHbZ84t60
夜の学園都市は静かだ。基本的に学生で構成されるこの都市で、深夜に出歩く人間は極端に少ない。
いるとしても、教師か、夜遊びしているスキルアウトくらいだろう。
夜の路地裏で、三人は息絶え絶えに座り込んでいた。
既に第三学区は抜け出していた。スキルアウトが屯している辺りなのだろう、壁に大量の落書きが書き散らされている。
杏子「一体なんだってんだあいつは……」
杏子は息絶え絶えに、どこからともなく取り出した水を一口飲み、マミに渡す。
マミ「私たちが学園都市に侵入したのがバレちゃったのかしら」
それを受け取ってマミも水分を補給する。続いてフレンダへ。
フレンダ「それなら警備員が派遣されるってわけよ。あんなの、どう見ても表の人間じゃない。私が昔いたのと同じ、学園都市の暗部、裏の人間よ……!」
フレンダも受け取り、飲んだところで空になる。そして空になったペットボトルを投げようとして、手を止めた。
フレンダ「とにかく、もう表だっては動けないわけよ……」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:12:34.20 FLgHhuh80
絹旗ちゃんかわいい
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:16:47.87 cSLi0JWM0
期待の保守
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:16:55.58 sHbZ84t60
―
浜面は今日もパシリだ。
アイテムの面々でファミレスで屯しているが、浜面だけは席に座れず、ジュースを運ぶ機械となっていた。
服部「は、浜面っ」
そんな浜面の下に、浜面の悪友である、服部半蔵が飛び込んで来た。
服部「助けてくれ、お前の仲間が俺たちのところで無茶苦茶やってるんだよ!」
浜面「はぁ? 仲間って……」
そう言われて浜面はアイテムの面々の顔を見る。
浜面「誰がなんだ?」
服部「あの金髪の女だよ! フレメアの姉の!」
浜面「……は?」
浜面は怪訝な顔をする。当然だ、フレンダは死んだわけだから、そんなことできるはずもない。
だが次に浜面は自分の見かけたフレンダの幽霊を思い出す。
浜面「もしかして―」
麦野「ちょっとその話、聞かせてちょうだい」
浜面が思いついたように何か言おうとして、興味を示した麦野の言葉に遮られた。
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:25:32.39 sHbZ84t60
―
フレンダ、マミ、杏子の三人は第七学区に来ていた。
あれから一晩中、三人は駆動鎧が現れては撃退し、現れては撃退し、の繰り返しだった。
疲労困憊。そして辿り着いた先がスキルアウトのねぐらだ。
攻め入ってくる敵に備えて罠が張り巡らされてるそこは、何もないよりかは安全だと考え、スキルアウトたちを制圧し、一時的に奪い取ったのだ。
マミ「はあ……こんなことしたくないのだけども」
震え上がるスキルアウトたちを見て、マミは溜息を吐く。
杏子「いいんじゃねーの。緊急事態だよ緊急事態」
食料品を勝手に漁って食べる杏子。
フレンダ「ちょっと、私の妹に何かしたわけ!?」
スキルアウト「し、知らねえ……それは服部さんのものだから……」
たまたまフレメアの写真を見つけたフレンダが、スキルアウトに詰め寄る。
滅茶苦茶な状況だった。
そして状況はさらに滅茶苦茶になる。
ゴバァッという凄まじい音が響き、アジトの入り口が吹き飛ばされた。
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:31:06.15 Bq7FsQsS0
支援
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:41:59.85 4bVYMpuI0
ほ
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:47:18.02 cSLi0JWM0
ほ
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:49:04.86 sHbZ84t60
スキルアウト「ひぃいっ」
杏子「ちっ……もう嗅ぎつけやがったか!」
しかし、今までとは毛色が違った。
見れば、ずっと三人を襲撃し続けている駆動鎧はいない。しかし、数が増えていた。
全二十五体。モデルはHsPS-15。学園都市の技術を詰め込んだ、オールラウンジタイプだ。
マミ「あのロボットはいないみたいね」
フレンダ「数が尋常じゃないってわけよ!」
杏子「おいおい……」
フレンダ「これ、むしろ今までよりピンチなんじゃ……」
すぐさま出口を探すが、完全に窓の外にも駆動鎧の姿が見えた。どうやら二十五体よりもさらに多いらしい。
マミ「仕方ないわね……」
それを見て、マミが一歩踏み出した。
マミ「みんな、下が―」
だがその後の言葉はその後の言葉は遮られる。
真っ白い光線が轟音と共に外から入り込み、駆動鎧をまとめて数体吹き飛ばしたからだ。
「なーんか物騒なことになってるわね」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:49:08.09 Bq7FsQsS0
>>1は寝たのか
そしてまた落とすのか……
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:52:12.85 sHbZ84t60
ごめん、やっぱりカイジとユルアニ終わってからまた来るわ・・・
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:54:07.62 4bVYMpuI0
いい加減にしろww
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:54:16.37 qzS3NYtQ0
ぜったいに許さない
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:54:17.94 Je50LedA0
俺が代わりに見とくから続き
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:57:05.17 qfP8H56F0
好きにしろ俺は保守するだけだ。
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 02:58:46.31 ZS26+Vrg0
ユルアニなんて見てる奴いたのか
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:07:28.18 4bVYMpuI0
ほ
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:14:44.67 qzS3NYtQ0
アイテム好きなやつ普通にいるのに何でSS少ないんだよ
みんなもっと書いてくれよ
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:23:44.09 ZS26+Vrg0
ほ
160: 忍法帖【Lv=7,xxxP】
11/07/19 03:26:38.17 gIjZaePa0
んでんで
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:35:04.72 Amw4cik+0
にゃあwwwww
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:35:46.81 kMQiLj+U0
にゃぁ!
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:46:16.59 ZS26+Vrg0
かまってかまってほしいの~wwwwwwwwwwwwww
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:56:11.31 sHbZ84t60
● んでっ!んでっ!んでっ! (にゃあ) にゃ~んでっ! かまって かまって 欲しいの~
┠~~~┐ イイ子じゃない時のワタシ~ カワイイとかって ありえな~い
┃ ● ∫ ソレ!ソレ!ソレ!(にゃお)LOVE! もらって もらって ください~
┠~~~┘ 非常事態が にっちじょうです~ 好きって言ったらっ ジ・エンドにゃん!
┃ わがまま、そのまま、 ねこまんま~ 上から目っ線のてんこ盛り~
┃ 三毛ブチ~ トラシロ~(早くしろ!) ウェルカム 猫招き~
┃ 調子にのっちゃだめ~ にゃんたら優しすぎるの、ダ・イ・キ・ラ・イ~(みゃ~ん)
┃ はっぴぃ にゅう にゃあ~ は~じめまして~
┃ キミにっ あげるっ さっいしょの オーバーラーーン!
┃ 逃げるから~ 追い掛けて~ まぁるいせか~い~
┃ ラ~~ッキー ニュ~ フェ~イス
┃ ち~~っかづいてる~ わたしだけ見つけなさい~
┃ 拾いたいなら 拾えば~~~~~~いーじゃん!
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:57:29.53 gPX88hwl0
じゅ~しーからあげナンバワ~ン
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 03:57:37.29 Je50LedA0
んでんでんでwwwwwwwwwwww
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:04:23.80 sHbZ84t60
フレンダ「えっ……」
その声を聞いた瞬間、フレンダは全身の筋肉が硬直するのがわかった。
その声をフレンダは知っている。焼き付いた痛みと共に、記憶に焼き付いてる。
杏子「次から次へと! 今度はなんなんだよ!?」
杏子が腰を落として臨戦態勢を整える。と、そこで顔を真っ青にして、硬直してるフレンダの姿に気がついた。
杏子「おい……フレンダ……?」
フレンダ「麦……野……」
掠れた声で、フレンダは呟く。
こつこつこつ、と靴音が響く。
「これは超ただ事じゃないですね」
フレンダは次いで、知ってる声を確認した。しかし、そんなことはどうでもよかった。
「おい、フレンダ、いるのか!?」
知ってる男の声がする。しかし、そんなことはどうでもよかった。
「まあ、こいつらを片付けるのが先でしょ」
そして、駆動鎧の隊列に空いた穴から、五人の人間がスキルアウトのアジトに足を踏み入れた。
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:11:55.81 sHbZ84t60
浜面「フレンダ……」
浜面仕上だ。アイテムのパシリをやっていた男だ。
絹旗「フレンダ……!?」
絹旗最愛だ。アイテムのメンバーで『窒素装甲』の能力を持つレベル4だ。
滝壺「フレンダ……」
滝壺理后だ。アイテムのメンバーで『能力追跡』の能力を持つレベル4だ。
麦野「フレンダ……生きてた、の……?」
麦野沈利だ。アイテムのリーダーで『原子崩し』の能力を持つレベル5で、
フレンダ・セイヴェルンを残虐に殺した張本人だ。
フレンダ「あ……うわぁぁぁぁあああああ!!」
その姿を認めた瞬間、フレンダは全身の金縛りが解けた。
生存本能が逃げろと告げていた。魔法少女が入ったしつこい駆動鎧より、数十体の駆動鎧の隊列より、
ただただ、あのレベル5が怖ろしかった。
周囲の状況なんて、全てが吹き飛んだ。
無作為に、無謀に、無責任に、フレンダは麦野たちのいる方向とは真逆の方向に走り出す。
当然、その先には駆動鎧がいて、そこに突っ込めば殺されることなど目に見えていても、だ。
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:23:01.47 sHbZ84t60
杏子「待てよ!」
取り残されそうになった杏子がフレンダの腕を掴み、引き留める。
フレンダ「はなっ……離して! いや、いやぁぁぁぁあああ!」
だが、フレンダは半狂乱で暴れ、杏子の腕を振り払う。
腕力としては杏子の方が上回っていたが、無茶苦茶に暴れるフレンダを抑えきることはできなかった。
フレンダはまた逃げ出す。向かう先の駆動鎧が臨戦態勢を整えた。
杏子「おいっ……!」
一度手を振り払われた杏子が後を追おうとする。
その脇を、青白い光線が駆け抜けた。
光線は駆動鎧に直撃する。当然、駆動鎧が耐えられるはずもなく、真っ赤に融解。
人間が乗っていたはずの兵器の上半身が解けて消え去った。
フレンダ「あ……」
その光景を目にしたフレンダが、足を止める。へたり込む。
かつて殺された瞬間が、下半身を焼き落とされた瞬間が、脳裏に過ぎった。
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:27:41.54 sHbZ84t60
杏子「なんだよ……なんなんだよあんたら!」
闖入者の五人を睨み付ける杏子。
浜面「お前達の助太刀だよ、一応な」
睨み付けられた内の一人の男は困ったような顔をしながら後頭部を掻いて言った。
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:43:08.56 sHbZ84t60
レベル5の力は圧倒的だった。
集まった駆動鎧は麦野が原子崩しを放ち、腕を振るうだけでなぎ払われる。
機関銃の掃射が行われるも、巨大な原子崩しの壁を作るだけで通用しない。
あっという間に、駆動鎧の軍勢は壊滅した。
杏子「すげえ……」
圧倒的な力に、杏子は思わず感嘆の声を漏らす。
マミ「大丈夫?」
それを気にせず、マミはフレンダに語りかけるが、フレンダは呆然としたまま反応しない。
滝壺「ねぇフレンダ」
そのフレンダに滝壺が話しかける。ぴくり、とフレンダが反応した。
滝壺「話を聞いてほしい……」
フレンダ「…………ぃ?」
ぼそり、とフレンダは呟いた。
フレンダ「誰も私を、殺さない……?」
再び、フレンダは呟く。滝壺は今度は聞き取れた。
滝壺「……うん」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:47:44.47 sHbZ84t60
―
「駆動鎧部隊、撃退された模様です」
「あの数をか? 敵はたったの三人だぞ」
「それが……あの学園都市第四位が邪魔をしたようで……」
「第四位? ああ、『原子崩し』か」
「いかがいたしましょう? 第四位が敵に回るとなると、今、私たちが対抗できる戦力と言えばUMAくらいしか……」
「いや、UMAを動かす必要はない。第四位と言えば、ほら、実験中のアレがあっただろう」
「もしかして……あの特殊モデルの駆動鎧ですか?」
「それだよ、それ」
「しかし、あれはまだ問題点が多く……」
「長期駆動ができないことくらい、わかってる。近くまで来るまで運んでから動かせばいい」
「戦力と考えましても……」
「超能力者に匹敵するくらいの性能はある。体調が万全じゃない『原子崩し』ならいけるはずだ」
「了解しました」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 04:47:57.57 sHbZ84t60
「それとだ、人工UMA部隊は今、いくつ動かせる?」
「四……いや、三体でしょうか。一体は今朝からの使用でもうすぐ制御限界を越えるでしょう」
「いや、いい。どうせやつらを片付けられればいいんだ、人工UMA部隊なんぞ、いくらでも補給が効く。全機出せ」
「了解しました……」
「まったく……想定外には想定外が重なるものだな」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:10:32.92 sHbZ84t60
―
再び、ファミレス。奥から、麦野、絹旗、滝壺に対面して、マミ、フレンダ、杏子の順で座っていた。
浜面は当然、ドリンクバー係だ。
マミ「話は大体わかったわ。つまり貴方たちはアイテムという組織のメンバーで、フレンダとは元仲間だった、ってことね?」
麦野「そっちの話はにわかには信じられないわね。魔法、魔法少女、そして魔女。こんな科学の都市で、そんな荒唐無稽な話は、ね……」
杏子「あんたが殺したって言うフレンダが生きてるのが何よりの証拠だ」
俯いたままのフレンダが杏子の言葉にビクッと反応する。
絹旗「しかし……魔法、ですか……」
マミ「やっぱり信じられないかしら?」
絹旗「正直言えば、信じがたいですね。魔法と言わないまでも、この学園都市でなら、なんらかの方法があるかもしれませんし」
杏子「少なくともだ、あたしらの調べてる案件に学園都市が関わってる可能性はでかい」
絹旗「それには確かに超同意ですね。話を聞く限り、襲撃のタイミングが超良すぎます」
浜面「でも、なんでもありの学園都市だって言っても、そんな実験あり得るのか?」
滝壺「私は聞いたことあるよ。私と同系統の能力の女の子が、そういう実験されたって」
杏子「ということは、手がかりはそいつか」
滝壺「ううん、その子はなんでも実験に参加してるだけの子だから……それに、その実験をすると、体が壊れちゃうらしいから、そんなに実験できないと思う」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:17:29.31 sHbZ84t60
麦野「まあ、確かに、そういう実験を回されるのは大抵『置き去り』だからな」
麦野の言葉を聞いた瞬間、杏子が机を激しく叩いて立ち上がった。
杏子「『置き去り』!? おいちょっと待て、学園都市ってのはそんなことやってるのか!」
浜面「お、おい、どうしたんだよ急に……」
杏子「どうしたもこうしたもねえ、『置き去り』の実験をしてるやつを教えろ! ぶっ殺して来てやる!」
絹旗「そんなの教えたって、超どうにもなりませんよ」
激昂する杏子に、絹旗が冷静に答えた。
杏子「そんなのやってみなくちゃわからないだろ!」
絹旗「超わかりますよ。私も、実験をされた『置き去り』ですから」
杏子「……!」
さらりと言う絹旗に、杏子は言葉を失った。
麦野「諦めろ、それをどうにかするっていうことは、学園都市の暗部を丸々敵に回すってことだ。
そんなことできるやつなんざ、この学園都市にはトップ以外、一人もいねえ」
杏子「くそっ」
言われて、乱暴に座り直す杏子。
マミ「落ち着いて佐倉さん、らしくないわ」
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:26:00.60 sHbZ84t60
QB「その慌てる理由を、僕にも聞かせてほしいものだね」
そんな声が、ファミレスの窓から聞こえた。
フレンダ、マミ、杏子、麦野、滝壺がその声に反応する。
対して、浜面と絹旗は他五人の様子に、きょとんとする。
そこには、うさぎのような、ねこのような、白くて赤い目をした生物、キュゥべえがいつの間にか鎮座していた。
麦野「お、おい……なんだその生物……」
絹旗「麦野……? 何を言ってるんですか?」
絹旗が、まるで中空を見て喋っているような麦野に怪訝な目を向ける。
QB「僕はキュゥべ」
滝壺「……可愛い」
キュゥべえが自己紹介をしようとした瞬間、滝壺がキュゥべえの耳から伸びる器官を掴んで、引っ張り上げた。
QB「ちょ……痛い、痛いよ!」
そしてそのまま滝壺は悲鳴を上げるキュゥべえを抱きしめる。
QB「ギブ、ギブギブ! 締まってる締まってる!」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:33:26.74 sHbZ84t60
キュゥべえが暴れるが、滝壺はしっかりとホールドし、離さない。
その様子を見て、絹旗と浜面は唖然として表情をしていた。
マミ「離してあげてくれないかしら? その子はキュゥべえ。私の友だちなの」
言われて、滝壺は少し不満そうにしながら、キュゥべえを解放する。
フレンダ「まあ、その、魔法少女にしてくれる、私の命の恩人ってわけね。いや、恩猫かな……」
そこでファミレスに入ってから初めて、フレンダが口を開いた。
杏子「そして、いたいけな少女を騙すペテン師さ」
気にくわなそうに、続けて杏子が言う。
QB「酷いな、杏子。僕は嘘を言った覚えは一度もないよ」
キュゥべえはそう言いながらも、まるで気にしてない風で、とてとてと机の上から、マミの膝元へと逃げる。
麦野「へぇ……こいつがね……」
麦野はマミに撫でられて、丸くなるキュゥべえを見つめる。
滝壺「うさぎ……」
抱きしめたいのか、うずうずとした様子で滝壺もキュゥべえを見つめる。
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:35:19.64 Z6knk5PG0
うるるとさらら
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:42:31.33 sHbZ84t60
浜面「ちょ、ちょっと待て、お前ら一体何の話をしてるんだ?」
絹旗「えっ、これ状況がわからない私が異常なんですか? 浜面と一緒なんて超嫌だ!」
遅れて、状況を把握してない二人が一気に問い詰める。
杏子「ああそうだった、魔法少女か、素質のある人間にしか見えないんだったな」
マミ「ということは、麦野さんと滝壺さんは魔法少女の素質があるってことね」
ふむふむ、とマミと杏子は得心したように言う。
浜面「ちゃんとわかるように説明してくれ……」
それに浜面は困ったような声しか出せなかった。
麦野「いや、なんか白い生物がいるのよ。今は巴が抱いてる」
絹旗「はぁ……?」
麦野も困ったように説明するが、やはり絹旗と浜面は困惑したままだ。
フレンダ「ねぇ……キュゥべえ、みんなに見えるようにできないの?」
おずおずと、フレンダが聞く。
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:47:36.93 sHbZ84t60
QB「できないことはないけど……正直、オススメしないね。
一度これをやると珍獣扱いされて捕まえようとする人間が出てくるんだ。
まったく失礼しちゃうよ」
杏子「なんでもいいから、話が進まないからやりやがれ」
QB「うーん……しょうがない」
キュゥべえはそう言うと、姿を現した。
もちろん、元から見えている五人には何の変化もないように見えたが、残りの二人の顔が驚きに染まるのは見えた。
浜面・絹旗「ち、超珍獣だあああああああ!」
QB「だから僕は珍獣じゃないってば」
オーバー気味に驚く二人に、キュゥべえは呆れるように愚痴を吐いた。
QB「それで、君がそんなに焦っているのはどういうわけなんだい、佐倉杏子?」
杏子「……別に面白い話じゃねえぞ」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 05:49:00.94 c98Q71PM0
この>>1の精神力はすごい
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:04:55.71 sHbZ84t60
杏子「あたしが前に魔女を倒した時、その魔女に襲われてた家族がいたんだよ」
杏子「別に人助けをしようとしたわけでもないし、たまたま、魔女を倒したらその家族を助けることになっちまっただけなんだけどな」
杏子「その家族の父親と母親は命は助かっても、昏睡だった。ゆまっていう娘がいたんだけどな、そいつだけは無傷で、中々残酷だったよ」
杏子「ゆまはあたしについて回るようになってな……あたしを助けるために魔法少女になりたいとも言いだしてた」
杏子「あたしはそれを拒否してたんだけどな、ドジっちまって、結構ヤバイことになった」
杏子「それをゆまに見られちまったらしくてな、あいつはキュゥべえの言葉に乗せられて、魔法少女になっちまったんだよ」
杏子「過ぎちまったことを嘆いても仕方ねえ。あたしはゆまを連れて行くことにした」
杏子「だけど、問題はその後だったんだよ。ゆまの願いは、家族を治すこと。それで親は全快した」
杏子「でもその親が問題でな……母親がゆまを虐待してたんだよ」
杏子「なんとかしようと、あたしがお節介を焼くと、もっと面倒なことになった」
杏子「虐待を父親に密告したはいいが、父親も父親で、今度は問題の根源のゆまを学園都市に送りつけると言いだしたんだよ」
杏子「そして母親も了承して、ゆまは学園都市に送られた。でもそのまま二人はまた魔女に襲われて食われちまった」
杏子「結果、ゆまは学園都市で言う『置き去り』になっちまったんだよ」
杏子「あたしのやりにきたことは簡単だ。一つ、ゆまを探し出す。二つ、ゆまの姿を見て、辛そうなら力尽くでも連れ戻す。ただそれだけさ」
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:12:58.42 75WjlA4a0
@
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:14:54.50 sHbZ84t60
マミ「へぇ……やっぱり佐倉さんは優しいのね」
話を聞いて、マミが杏子を見て、笑った。
杏子「勘違いすんじゃねえよ。あたしはただ、ゆまが妹にダブって見えて、ほっとけなかっただけだ」
マミ「それでも十分、優しいわ」
杏子「ふん……」
マミに言われて、杏子はそっぽを向く。
フレンダ「妹がいたんだ」
杏子「……死んじまったけどな」
フレンダ「うっ……ごめん」
杏子「過ぎたことだ、気にすんな」
フレンダ「……決めた、私は杏子に協力する」
杏子「はぁ?」
フレンダ「私にも妹がいるんだよね。だから杏子の気持ちはわかるわけ」
杏子「別に見返りは何も出せねーぞ」
フレンダ「そんなものいらないってわけよ。
私からすれば杏子もなんか妹っぽいしね」
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:23:23.81 sHbZ84t60
杏子「なんだそりゃ……」
憮然とする杏子を見て、フレンダはにへへ、と笑う。
麦野「その話は大体わかった」
そこに、麦野が割って入る。
麦野の声を聞くとフレンダはビクッと震え、縮こまった。
そんなフレンダを見て、麦野は表情が暗くなる。
麦野「肝心の、今起きてる魔女大量発生の異変、とでも言うべきか? そいつはどうする?」
麦野「こんなの、調べるのは途方もないわよ。手がかりが襲ってくる敵しかないし」
QB「それについては大丈夫、僕にアテがあるんだ」
浜面「アテ?」
QB「マミと杏子が来るよりもっと早くからとある魔法少女に調べてもらっていてね、最近の駆動鎧の動向から、相手のしっぽを掴んだって連絡が入ったんだ」
杏子「おいおいちょっと待て、あたしらは囮だったってわけか?」
QB「まさか! たまたま調べていたところに、なぜか君たちが襲われるようになったからの僥倖だよ」
杏子「納得できないけど……まあいいか。情報が手に入るんならそれに越したことはない」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:28:21.21 sHbZ84t60
マミ「さて、この後はどうしましょうか。今はホテルすら取れないし、夜は辛いわ」
絹旗「それなら、アイテムとして働いてた時に超使ってたアジトはどうでしょう?」
フレンダ「なるほどね……確かにあそこなら私のトラップもしっかり仕掛けてあるから安心して眠れるかも」
浜面「妥当だな」
杏子「じゃあ、そこを一晩借りるわ」
よし、っと杏子は立ち上がる。
QB「おっと、忘れるところだった」
と、そこでキュゥべえがマミの膝元から机に上り、とてとてと麦野達がいる方に向かい、笑顔を作って言う。
QB「麦野沈利、滝壺理后。僕と契約して魔法少女に」
杏子「やめい」
言葉は、杏子が下した拳骨で中断された。
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:29:06.98 sHbZ84t60
もうゴールしてもいいよね……
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:33:04.50 XgAvA+tlO
あきらめんなよ
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:43:09.88 sHbZ84t60
五時間だけ、五時間だけ寝させてくれ・・・
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:44:49.92 mhelo3mv0
朝方から昼前にかけては人口減る時間だからむしろ夜より落ちやすいぞこの時間帯は
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:45:12.59 S4dPXVae0
次落ちたらss速報でやれよ
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 06:47:52.67 qfP8H56F0
保守
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 07:02:47.07 /QAeMVNM0
ドーン
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 07:08:22.43 fcU50nvk0
ほ
195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 07:15:20.42 c98Q71PM0
この>>1は禁書もまどかも読み込んで話も考えつくしてあるんだろうな・・・
でもここまで書いて人気キャラが一人も出ない長編SSは地味すぎる
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 07:18:25.19 GHRY42IS0
ほし
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 07:39:26.66 mUYjzbk10
ほ
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 07:48:40.67 2JtAn+WW0
ほ
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:02:33.06 Un1R5ue20
まだ落ちて無かったかw
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:03:16.45 Un1R5ue20
間違って単芝にしてしまった・・・
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:05:15.40 du6FsSRH0
よくやってるけどな
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:15:04.28 6KkKdfm+0
>>195
俺のフレンダが不人気ってのかこの野郎
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:34:29.95 du6FsSRH0
不人気のほうが独り占めできていいよ
モアイの競争率は異常
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:38:17.87 Mp7OT6rc0
④
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:49:01.26 Mp7OT6rc0
ほ
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 08:59:12.03 3N3AXVtg0
も!
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:12:17.90 THdhkcMCO
まーだー?
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:21:26.19 Mp7OT6rc0
ゆ
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:28:38.15 emiy5ee70
く
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:33:34.99 Mp7OT6rc0
ゆ
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:41:20.72 Mp7OT6rc0
ほ
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:48:21.98 Mp7OT6rc0
ほ
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:54:14.74 +vewDURu0
しゅ
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 09:59:09.88 Mp7OT6rc0
ほ
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:06:05.33 2JtAn+WW0
ほ
216: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
11/07/19 10:15:28.94 cNvpG14x0
む
217: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
11/07/19 10:16:53.63 cNvpG14x0
ここ迄出てないスーパーむぎのんはもらっていきますね
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:27:50.44 OSSlhWUeO
マミさんはほむほむと1、2を争う人気キャラだぜ
219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:28:13.34 du6FsSRH0
むぎのんもかつての勢いが・・・
もうモアイが最後の砦だな
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:36:25.03 2JtAn+WW0
ほ
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:51:26.10 Mp7OT6rc0
ほ
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:51:46.94 GMQBOB600
ほう
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:52:32.72 FLgHhuh80
>>1乙!!
くっそーー、「学園都市」知ってたら楽しさ2倍だったんだろなぁ~。
適当にけいおん(?)の女キャラを勝手にアサインして脳内再生してたw(けいおんも全く知らんww)
それでもフレンダファンにとっては、マジ楽しかったよ!!
久々の神SS、グッジョブ!!ありがとうノシ
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 10:57:39.04 3AXA6Z630
人気をどういう定義ではかってんのか知らないが
キャラスレで生き残ってるのは滝壺スレだけなんだぜ
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:01:49.02 du6FsSRH0
むぎのんスレがないだと・・・
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:08:00.88 qfP8H56F0
>>189
いくらでも寝ろ
保守はするから。
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:10:32.22 Mp7OT6rc0
もうそろそろ5時間だぞ
228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:19:12.16 8qikMLu70
えっ?
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:25:21.82 qlu2Ls/i0
まだ20分もあるじゃん
230: 忍法帖【Lv=35,xxxPT】
11/07/19 11:34:32.24 oxa5hejm0
どうか夜帰ってくるまで落ちてませんように
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:43:30.69 Wbd2rR/X0
ほむ
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:53:32.77 lRDglqNh0
ほ
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:58:22.16 sHbZ84t60
おはよう、保守ありがとう
今から続き書く
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 11:59:05.09 m4iR7iaHO
人気ジャンル同士を安易にクロスさせるとつまらなくなるのが関の山だが、これはすごく面白い!
期待支援
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/19 12:09:25.82 sHbZ84t60
―
杏子「おいおい……何が安全だ」
ファミレスを後にした七人は一番近いという、マンションに向かっていた。
立地の割には値段が高すぎるということで、入居者のほとんどいないマンションで、昼間でも人気の少ない辺りだ。
そして、だからこそ、アイテム面々は好き勝手やっていたとのこと。
だが、そのマンションに着いて、全員が全員、苦々しい顔をした。
マンションの前に、人影が五人分見えた。二足歩行の人の形をしてたが、それは大きく人からかけ離れていた。
四体はずんぐりとした人型で、黒い装甲に覆われている。
右手に当たる部分にはそれぞれ大型の機関銃が握られている。
深夜、フレンダたちを襲った、魔法少女が入った駆動鎧と同型だった。
しかも、それは四体。
さらにもう一体、四体の駆動鎧を背後に控えさせた、今まで見なかったような、真っ白なライダースーツにフルフェイスを被ったような、すっきりとした風貌の駆動鎧もいた。
こちらも手に銃を持っているが、大きな機関銃ではない。一般人でも片手で持てるような拳銃サイズ。
しかし外観は従来の拳銃よりかけ離れていて、まるでSF映画に出てくるレーザー銃のような形をしていた。また、それはケーブルが真っ白の駆動鎧に向けて伸び、接続されている。
「よぉ、わざわざやってきてくれてゴクロウサン」
先頭の白い駆動鎧が皮肉たっぷりに言う。男の声。どうやらリーダー格のようだ。
浜面「くそっ……回り込まれてたのか!?」