11/07/18 20:39:35.64 dHe1WQqE0
フレンダが投げつけたナイフが目視するのが難しいほどの速度で杏子に迫る。
これに対し杏子は正確に、かつ迅速に、全てのナイフを難なく槍で叩き落とす。
さらに間を開けずに、矢のような速度でフレンダに接近。槍を思い切り叩き付ける。
ゴバッという凄まじい音が響いた。
しかし、手応えはなかった。
杏子「避けたか」
まるで爆撃があったかのように大穴が空いたコンクリートにフレンダの姿はなかった。
自分の威力を誇ることもなく、即座に杏子は槍を振るいながら、半回転。
ナイフが、背後に迫っていたが、全て叩き落とされる。
フレンダ「うへっ……背中に目でもついてんの!?」
見ればフレンダは壁にナイフを突き刺し、足場にしながら高い位置に立っていた。
杏子「新人がやろうとすることくらいわかってるさ」
杏子はその場で槍を振るう。同時に、槍はただの槍から多節棍へと変化し、フレンダの位置まで伸びた。
フレンダ「げっ!」
慌てて飛んで、フレンダは避ける。
壁は大きく抉れ、コンクリート片が辺りに撒き散らされた。
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 20:43:25.62 B40sT/C00
いつフレ/ンダになるのか楽しみだ
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 20:45:23.13 J74Fp37L0
>>56
なっても生えてくるだろ
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 20:49:14.37 dHe1WQqE0
杏子「新人は、魔法少女になる前の感覚が残ってるんだよな。
だから、攻撃も、一般人に有効なものばかりやりたがる」
空中に逃げたフレンダを目で追いながら、杏子は言う。
フレンダ「食らえっ!」
そんな余裕綽々の杏子にフレンダはナイフを投げつけるが、やはりそれは軽々と弾かれる。
杏子「ダメなんだよ、それじゃ。魔法少女相手に、そんな常識的な戦い方をしちゃダメだ」
杏子が獲物を狙うような目で、フレンダを睨み付ける。
フレンダはぎょっとして、さらにナイフを投げつけるが、やはり弾かれる。
杏子「そして、急に超人的な身体能力を手に入れたから、新人はそうやってすぐに空を飛びたがる」
再び、杏子は両手で槍を握る。
杏子「煙となんとやらは高いところが好きってな。空中は逃げ場がないってのは、バトル漫画の定石っしょ」
そうして、多節棍となり、伸びた槍がフレンダに叩き付けられた。
当然、杏子の言う通り、フレンダに避ける術はなかった。
フレンダもただ受けるだけではない。かろうじて、ナイフを両手に生み出し、それを盾にすることはできた。
だが、もちろん、空中で踏ん張りが効くはずもない。
鈍い音が響いて、フレンダはコンクリートの地面に激しく叩き付けられた。
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 20:57:32.71 dHe1WQqE0
杏子「ま、こんなもんか」
ふぅ、と軽く息を吐いて、杏子は槍を背負う。
だがすぐに杏子は軽く首を傾ける。杏子の顔があった場所をナイフが勢いよく通り抜けた。
杏子「おっかしいな、今のが直撃してたら全治半年は堅いはずだったのに」
見れば、フレンダはまだ健在だった。
両足でしっかり地面を掴み、両手にナイフを持って直立していた。
杏子「回復系の魔法か、面倒だ」
杏子はそれを見て笑う。
フレンダ「終わったと勘違いするのは、まだ早いってわけよ!」
言葉と同時、フレンダは大量のナイフを投げつける。
数えるのは到底間に合わない。機関銃のようなナイフの連射だった。
杏子「今度は数ってか!」
だが、杏子が多節棍モードの槍を大きく振るうと、それらは全て叩き落とされる。
どんなに投げても、結局、杏子に一本も届かないどころか、傷一つ付けられなかった。
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:02:50.58 9T41CLlgO
④
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:03:17.72 WnaFleUU0
フレ/ンダが弾切れしてなかったらあんこ瞬殺だよな
手榴弾ごときで拘束解いて逃げるぐらいなわけだし
運のいい奴だ
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:06:43.79 dHe1WQqE0
フレンダは、それに一切動揺しなかった。
それどころか、それを確認するより早く、フレンダは駆け出す。
杏子の速度には及ばないが、それでもフレンダの速度は常人を遥かに超えていた。
杏子「何っ!」
杏子が槍を戻すより早く、フレンダは杏子の懐へと潜り込み、ナイフで直接切りつける。
かろうじて杏子は槍の柄で受け止めた。
フレンダ「ふふん、リーチの差は重々理解してるってわけよ。だから、懐に入っちゃえば、槍よりナイフの方が有利!」
フレンダはナイフに力を籠め、杏子は槍に力を籠める。ギリギリと、小競り合いとなる。
杏子「回復系の魔法と言っても、あれだけのダメージを受けた直後に、こんな素早い反応はできないはず……!?」
初めて、杏子の表情が焦りへと変貌する。
その様子ににやりと、フレンダは笑った。
フレンダ「結局、詰めが甘いってわけよ!」
受け止められたナイフとは別に、もう片手にナイフを生み出し、フレンダは切りかかる。
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:07:38.83 YPpZksaR0
金髪魔法少女とかマミさんと被(ry
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:15:01.24 dHe1WQqE0
杏子「―なんて言うと思ったか?」
フレンダ「えっ」
ナイフを振り下ろしたはずのフレンダは、手応えがなくなったのを感じた。
いや、手応えがなくなったのではない。
手が、肩から先が、丸々なくなっていた。
杏子「こっちだって武器くらいいくらでも作れるっての。そして、こいつは伸縮自在だ」
杏子の手には、もう一本、槍が握られていた。
柄が片手で持てるくらいの、最早槍というより、短剣に近いような槍だった。
それで、腕を切り落とされたと、フレンダは遅れて認識する。
杏子「あんたこそ、甘かったな」
その事実に動揺するフレンダ。その隙をついて、もう片手も切り飛ばされる。
フレンダ「あぐっ!」
さらに追撃。杏子はフレンダの文字通りがら空きとなった脇腹を回し蹴りで思い切り蹴飛ばした。
フレンダは吹き飛ばされ、ノーバウンドで壁に叩き付けられた。
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:16:00.34 5AK2b8Jq0
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:20:39.85 UyMtwJIc0
フ/レン/ダになったのか
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:20:43.75 PTeZZ4ht0
ノーバウンド来た
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:22:48.01 h6MsiGct0
ノーバウンドいただきました
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:24:13.37 dHe1WQqE0
その様子を見て、今度こそ杏子は終わった、と判断した。
杏子「安心しな。魔法少女ならゆっくりと治していけばその腕はくっつくさ。回復系のあんたなら尚更ね」
もう用はないと言わんばかりに、フレンダに背を向けて、立ち去ろうとする。
フレンダ「いいや、結局甘いのはそっちってわけよ」
だが、後ろからまだ声を投げかけられる。
杏子「はぁ……? いい加減に諦め―」
呆れたように溜息を吐き、振り向く杏子。
そして、フレンダの様子を見て、杏子は言葉を失った。
それはマラカスのような形をしていた。金属の棒に、先端に楕円形のものがくっついていた。
もちろん、そんな玩具などではないことは杏子でもすぐにわかった。
携帯型対戦車用ミサイルだった。
杏子「はぁっ!?」
杏子は今度こそ、本当に焦った顔をした。
それでも、もう遅かった。しゅぽっという気の抜けた音と共に、先端のミサイルは発射される。
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:29:13.39 dHe1WQqE0
>>69訂正
その様子を見て、今度こそ杏子は終わった、と判断した。
杏子「安心しな。魔法少女ならゆっくりと治していけばその腕はくっつくさ。回復系のあんたなら尚更ね」
もう用はないと言わんばかりに、フレンダに背を向けて、立ち去ろうとする。
フレンダ「いいや、結局甘いのはそっちってわけよ」
だが、後ろからまだ声を投げかけられる。
杏子「はぁ……? いい加減に諦め―」
呆れたように溜息を吐き、振り向く杏子。
そして、フレンダの様子を見て、杏子は言葉を失った。
フレンダは健在だった。切り落とされたはずの両腕は、既にくっついていた。
そして、その新しい両腕で何かを持っていた。
それはマラカスのような形をしていた。金属の棒に、先端に楕円形のものがくっついていた。
もちろん、そんな玩具などではないことは杏子でもすぐにわかった。
携帯型対戦車用ミサイルだった。
杏子「はぁっ!?」
杏子は今度こそ、本当に焦った顔をした。
それでも、もう遅かった。しゅぽっという気の抜けた音と共に、先端のミサイルは発射される。
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:34:51.19 S6KIOQaFi
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72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:36:25.47 dHe1WQqE0
避けても爆風が襲いかかり、防いでも爆風が襲いかかる。直撃なんて以ての外。
打つ手無しだ。
杏子(くそっ……!)
自分の甘さを嘆き、苦し紛れに結界を張ろうとする。
結界を張っても、防ぎきれるかどうかはわからない。それでも、そうする他なかった。
しかし、それは杏子に届くことはなかった。
銃声が響いて、ミサイルは空中で爆発する。
フレンダ・杏子「なっ……」
杏子は驚き、フレンダも予期してなかったのか、一緒に驚いた。
「まったく、佐倉さんは……また喧嘩しているの?」
落ち着いた声が、新たに加わった。
杏子「お前は……」
こつこつと、靴の硬い音が室内で反射する。
「今はそんなことをしてる場合じゃないでしょうに」
杏子「マミ……」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:45:25.63 jHOQ8knB0
支援ぬ
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/07/18 21:50:00.84 dHe1WQqE0
―
QB「君たちには困ったよ。せっかく戦力を集めたのに仲間同士で戦っちゃ意味がないじゃないか」
ぶすっとした表情の杏子、同じくそっぽを向いてるフレンダ、そしてあきれ顔で紅茶を飲む金髪でドリルな少女、マミ。
ついでにキュゥべえ。
三人と一匹は揃ってファミレスに来ていた。
マミ「こらキュゥべえ。テーブルの上にあがっちゃダメっていつも言ってるでしょ」
そう言ってマミはテーブルの上のキュゥべえを抱え、膝に抱く。
フレンダ「戦力を集める? どういうわけよ」
QB「そういえばまだフレンダには言ってなかったね。この学園都市は、今、極めて異常な状態にあるんだ」
フレンダ「異常?」
QB「そう、異常さ。例えば、そうだね……この三日間、君たちが倒した魔女の数は何体だい?」
フレンダ「いち、にー、さん、よん、ご-、ろく、なな、はち……八体ね」
杏子「七体」
マミ「私は今日来たばかりだから三体よ」
フレンダ「それがどうしたっていうのよ」
QB「杏子、マミ、君たちならわかると思うけど、この街の魔女はいくらなんでも数が多すぎるんだ」
75: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】
11/07/18 21:57:05.36 E1EbXE2s0
しえん