11/04/10 01:53:04.05 O7DilR5V0
ほむら「すごい……」
まどか「私のお気に入りの場所。ほむらちゃんに知って欲しかったんだ」
ほむら「まどか姫……」
まどか「皆には内緒だよ?」
ほむら「はい……」
まどか「……マミさんの事。最近は皆話さなくなったね」
ほむら「あれから、もう何日も立ちます。辛い戦いでしたし、思い出したくもないのでしょう」
まどか「私も、忘れちゃうのかな……」
ほむら「………」
まどか「もしお嫁に行ったら、皆のことも、思い出せなくなっちゃうのかなぁ……」
ほむら「姫……」
まどか「私、忘れたくない! 嫌だよぉ…… うっ ぐすっ ずっとぉ……ここに居たいよぉ」ポロポロ
ほむら「ひめっ!」ダキッ
まどか「ほむら……ちゃん?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 01:54:07.73 3RK6Pi2vO
こりゃ杏子ちゃん死んだらお家断絶だな
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 01:55:23.30 G3JtKoci0
いいねいいね
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:00:11.37 O7DilR5V0
ほむら「私は忘れません! マミさんの事も、姫の事も!」ギュッ
まどか「うん! わたしも忘れない! ぐすっ ……絶対忘れないもん!」ギュッ
まどか「私達、ずっと一緒だよ」
ほむら「勿論です。姫様」
まどか「絶対に離さないから」ギュッ
ほむら「姫……」
まどか「まどかって、呼んで」
ほむら「まどかっ!」
まどか「ほむらちゃん……」
星星が見守る中、二人は固く抱き合い、互いに誓い合った。
だが、彼女の見滝原を離れたくないという願いは、ある意味最悪の形で裏切られることになる。
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:03:51.15 GMi7v9YyP
寝るけど全力で期待してるとだけ言っておく
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:04:03.47 O7DilR5V0
お絢「上條家に、志筑家の娘が嫁いだってぇ!?」
知久「それは本当なのかい? 九兵衛」
九兵衛「私の放った間者が捉えてきた確かな情報です」
知久「そんな、志筑家は長年上條家と争っていたはずじゃ……」
九兵衛「何でも、仁美姫が、近頃家督を継がれた上條恭介殿の正室に入られるそうで」
知久「それじゃあまどかの縁談は……」
お絢「同盟も、これじゃあパァね ゴホッ ゴホッ」
九兵衛「仰る通りかと」
知久「ほら、無理をしないで、寝ているといい。ここは僕と九兵衛に任せて」
お絢「ごめんなさい……」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:05:17.68 WVnkqorR0
何これ面白い
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:06:44.30 cLYVDOZC0
朝まで残しといてくれよ
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:08:25.78 O7DilR5V0
疲弊していたはずの上條家が、将軍家の血筋をくむ名門『志筑家』と縁談をまとめ、
こちらとの同盟を蹴るということは、つまりその二国が鹿目家に攻め入ってくると同義であった。
それほど鹿目家と上條家の関係は悪化していたのだ。
まさに、絶体絶命である。
しかし悪いことほど連鎖するもの。
それから程なくして、最悪の知らせが届く。
美樹さやかの裏切りである。
以前の上條恭介との文のやりとりで、蟄居させられていたことを不満に思っての離反と思われた。
国境の支城に送られていたのも原因の一つであろう。さやかは有ろう事か、城ごと上條家へ寝返ったのである。
そして―
伝令「敵の部隊が、我が領内に侵入! 敵の大将は美樹さやかです!」
まどか「そんな…… こんなのってないよ! あんまりだよ!」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:10:25.76 G3JtKoci0
さやかUZEEEEEEEE
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:11:08.43 zd8qbwGK0
>こんなのってないよ! あんまりだよ!
いやいや今回ばかりはまどっち(とパパ)のせいだろwwwww
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:11:15.36 mPsOXgUO0
さやかクズすぎわろた
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:11:18.67 WVnkqorR0
さやかのクズっぷりは相変わらず
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:13:11.73 8crMnIFk0
お前らちゃんと歴史勉強しとけ
戦国武将は裏切り裏切られなんて当たり前
忠誠がどうのこうの言いだしたのは江戸時代になってから
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:14:38.42 O7DilR5V0
杏子「あの野郎……!! あたしが出る! 一発ぶん殴って絶対に連れ戻してやる!」
知久「杏子ちゃんいいのかい? 君達は仲が良かったじゃないか」
杏子「だからこそ許せねぇ! このままじゃ収まりがつかねぇよ!」
九兵衛「闘士は抜群といった所ですね。ここは任せてみてはいかがでしょう?」
知久「九兵衛が言うなら間違いないだろう。任せたよ、杏子ちゃん」
杏子「おうよ!」
九兵衛「それと、今回は大殿も出陣されてはどうでしょう?」
知久「僕がかい?」
九兵衛「相手は寝返ったとは言え、元は鹿目家の重臣。すべての兵が佐倉殿のように士気軒昂とは行かないでしょう。
大殿自らご出陣されることで、兵達もさやか殿が敵だと納得するでしょう」
知久「確かにそうだね。九兵衛の言うとおりだ」
ほむら「あの、私は……」
九兵衛「暁美殿は城代を頼むよ。ここが襲われたらひとたまりも無いからね」
ほむら「………分かったわ」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:18:52.66 MjzHubUzO
このSSで言うなら戦犯まどまどだろ
古くからの家臣から妬まれてる新参と頻繁に逢い引きとか
どうぞ反乱してくださいと言っているようなものだ
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:21:50.73 O7DilR5V0
知久「それじゃあ戦支度を始めるんだ! 打って出るよ!」
杏子「応ッ!」
九兵衛「御意に」
ほむら「………」
こうして、杏子率いる兵一万と、知久率いる一万五千の兵は出陣した。
相手はさやか率いる四万の大群。しかしこちらには、軍師九兵衛の策があった。
その時、美樹さやか率いる上條軍は見滝原目指して谷を進軍中だった。
その谷は狭く、数の利を生かせない。しかし他の道を通れば大幅な遠回りになってしまう。
元鹿目家の家臣であったさやかはその事を知っていたための、止む終えない進軍であった。
狙うならそこしか無い。
さらに、その谷には国の人間であっても地元民しか知らない。もちろん長らく城務めであったさやかは知る由もない、谷の切れ目があった。
そこから敵の横槍を突くことで混乱させ、殲滅しようというのが今回の策である。
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:21:53.67 X2zypumL0
ここまで読んだ
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:26:50.69 ASHXRDSE0
この流れは…まさか…
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:27:14.63 O7DilR5V0
■谷間 横槍隊
知久「敵はまだかい?」
家臣「間もなく、こちらに現れるかと」
知久「いいかい? 九兵衛が言った通りよく引きつけてから突撃するんだよ。そっちの方が混乱を誘えるからね」
家臣「ははっ!」
伝令「敵軍、こちらに向かって進軍中!」
家臣「なんだと!? もしや気づかれたか?」
知久「そんなハズは無いよ。ここは向こうからは絶対に見えないし、美樹さやかも知らないはずだよ。
たまたま進路がずれただけだろう。待機だ」
家臣「しかし……」
「敵襲! 敵襲!!」
知久「なんだって!?」
家臣「くっ! 応戦しろ! 佐倉様の援軍が来るまで持ちこたえろ!」
知久「なんで…… ここがバレるはず……」
九兵衛「そうだね、普通は巧妙に隠れたこの切れ目には気づかないよ」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:30:41.70 O7DilR5V0
知久「きゅ、九兵衛?」
九兵衛「僕が教えてあげなかったら、さやかは一たまりも無かったろうね。彼女は指揮を採るのは苦手だから」
知久「裏切ったのか!? この卑怯者!」
九兵衛「訳がわからないよ。この乱世に於いて裏切り騙し討は常套手段だろう?
君だって僕の策でこれまで何度もやってきたじゃないか」
知久「くっ……」
九兵衛「それじゃあね、鹿目知久。君はここで討ち死にするけど、僕は死にたくないから城に戻らせてもらうよ」
知久「ま、まて! 九兵衛! 九兵衛ぇぇ!!」
敵兵「居たぞ! 鹿目知久だ!」
知久「ひっ!」
敵兵「儂が手柄をあげるんじゃ!」
知久「く、くるなぁ! うわあああああああ!!」
「鹿目知久、討ち取ったり!」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:31:11.79 9MGPBb0vO
謹慎させてるのに最前線においとくなよ
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:33:34.19 nQcJtTW+O
やっぱQBはQBだな
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:33:57.15 rzaDU5lk0
出オチだと思ったけど普通におもしろいな
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:34:25.63 O7DilR5V0
■谷の先 杏子隊
杏子「くそっ! 何でバレたんだよ!? 間に合えっ!」
九兵衛「杏子!」
杏子「九兵衛! てめぇどのツラ下げて逃げてきやがった!」
九兵衛「無茶を言わないでくれよ。僕は戦いはからっきしなんだ」
杏子「だからって……!」
九兵衛「僕は、知久様からの伝言を預かってきてるんだ」
杏子「何だと?」
九兵衛「今は何とか持ちこたえている。すぐに救援に来てくれ だって」
杏子「よし分かった! 全軍突撃!」
兵「「「応ッ!!!」」」
九兵衛「…………」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:39:21.53 O7DilR5V0
さやか「あはは! その気になれば、大名なんてこんな簡単に殺せるんだ!」
敵伝令「美樹様、こちらに佐倉杏子の隊が向かってきている様子」
さやか「杏子ぉ? いいよ、やっちゃおう」
敵家臣「しかし、あの鬼杏子ですぞ?」
さやか「ふん。杏子が何よ。兵数ではこっちの方が上。実力だってあたしは杏子なんかに負けない!」
敵家臣「ですが―」
「おりゃあああああああ!!! どこださやか! 出てこい!」
敵家臣「ひぃぃい!!」
さやか「恐れるな! 敵は少数! かかれ!」
敵家臣「しかし、この狭い谷では数を生かせませぬ!」
さやか「いいから突撃よ! 最低でも相打ちなら数が多いこちらが勝つわ! かかれ! かかれ!」
敵兵「「「おおおおおお!!」」」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:43:03.17 efFtBRtn0
さやかマジクズだなwww
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:44:31.83 O7DilR5V0
◆
杏子「おらおら! 次はどいつだ!?」
敵兵「ぐへっ!」
敵兵「ぎゃあああああ!!」
杏子「死にたいやつから掛かってこい! 佐倉杏子はここだ!」
兵「すごい。さすが無双槍!」
兵「我らも佐倉様に続くぞ!」
兵「応ッ!」
◆
さやか「なんでっ…… なんで押されてるのよ……」
敵家臣「お味方の部隊が壊滅! こちらにも迫ってきます!」
さやか「退却! 退却よ!」
敵家臣「退きゃk―ぐへっ!」ズバッ
杏子「おっと、逃さないよ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:46:33.77 6iEaBsvJ0
今回はQBの言うとおり
乱世ではこれが普通
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:47:51.92 O7DilR5V0
さやか「杏子!?」
杏子「久しぶりだね、さやか」
さやか「はっ! 今更何しにきたのよ」
杏子「お館様を助けにきたのさ。お館様はどこよ?」
さやか「ふっ あははははは! あんたってほんと馬鹿!」
杏子「なにぃ?」
さやか「九兵衛に騙されてるのも知らずにのこのここんな処まで来てさ。鹿目知久なら―」
「―もう死んでるよ」
杏子「てめぇ!!! どういう事だ!」
さやか「九兵衛が教えてくれたの。伏兵だなんて、なかなか小狡い手を使うよね」
杏子「………さやか。お前は、後悔してないのか?」
さやか「後悔? あははは! 後悔なんて、あるわけない! だってこれで恭介の役に立てるんだもん!」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:52:01.94 LEiAuBecP
QBの目的はなんなんだ
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:53:15.33 O7DilR5V0
杏子「そうかい。残念だよ。あたしは結構、お前のことが好きだったんだけどな」
さやか「何よ、急に」
杏子「足軽だった頃のあたしにとって、あんたは憧れだった。家臣の鏡みたいなあんたに憧れてたんだ!」
さやか「鬱陶しいよ、あんた」
杏子「それなのに……後悔すら無い? そんなの、あたしが許さない!」
さやか「許さないから、なんだってのよ!」
杏子「お前はここで討つ。刺し違えてでもな」
さやか「はん! 地獄には一人で落ちなさい! 佐倉杏子ォ!」
杏子「そう云うな、地獄まで着いてきてくれよ。一人ぼっちは、寂しいもんなぁ…… 美樹さやかァ!」
結果から言えば、この戦は鹿目軍の敗北であった。
兵の半分以上が死に。また、佐倉杏子を始めとする名だたる武将の悉くが討ち死に。
極めつけは、党首・鹿目知久の討ち死にである。
大敗以外の何物でもなかった。
しかし、上條家も多くの損失を出す。
兵の三分の二が討ち死にし、負傷兵も多数。さらに攻撃軍の総大将であった美樹さやかも、討ち死にした。
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:55:23.84 mPsOXgUO0
どんだけ殺すんだよ
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:55:56.63 /oELXcf1i
なにこれやるせない
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:57:25.73 q8BclXpF0
死にすぎだろwww
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:57:30.85 6iEaBsvJ0
当主・鹿目知久:謹慎させた家臣をわざわざ謹慎の理由となった敵方の近くに配置
剣豪・美樹さやか:新参との不和および敵方に情が移り離反
無双槍・佐倉杏子:戦上手のはずが城勤めの長いさやかと相打ち
八百挺おマミ:コンビネーションのとれない新参がバックアップなのに一人突っ込んでマミる
策士・九兵衛:最初から敵に内通していました
これが当主と四天王って、鹿目家人材いなさすぎ
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 02:59:19.96 O7DilR5V0
■見滝原城
まどか「母上! 母上!」
お絢「ごめん、まどか…… 殿が亡くなったら。私が生きててもしょうがないかな、なんて……」
まどか「そんなことないよ! 嫌だよ! 母上!」
お絢「すぐに行くからね、知久……」
まどか「母上ぇぇぇぇぇぇ!!」
以前より肺を患っていたお絢の方が、心労により病をこじらせ、他界。
嫡男の鹿目タツヤも未だ幼い。もはや鹿目家は滅亡寸前であった。
九兵衛「まどか姫」
まどか「九兵衛……」
九兵衛の裏切りは、それを知る者たちが悉く戦死したため、未だ露見してはいなかった。
なぜ九兵衛は転覆寸前の鹿目家に未だ留まって居るのか。
それには理由があった。
九兵衛「今日は姫に大事な話があるんだ」
まどか「大事な……話?」
九兵衛「僕と契約して、戦国大名になってほしいんだ」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:01:50.62 G3JtKoci0
ほむほむ阻止してぇええええ
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:04:02.11 O7DilR5V0
◆
ほむら「このままでは鹿目家は…… どうしたものか」
足軽「はぁ……はぁ……」
ほむら「!? どうしたの? 一体何が…… !? その赤揃えは杏子隊の」
足軽「はい、上條家の者に捕らえられていましたが、お伝えすることがあり、命からがら……」
ほむら「しっかりしなさい! 一体何を……」
足軽「九兵衛様は我らを裏切っています……」
ほむら「!? そんな……」
足軽「先日の戦で伏兵が看破されたのも、九兵衛様が……うぅっ 敵に情報を漏らし……て」ガクッ
ほむら(そういえば、マミさんが討ち死にしたときのあの表情……)
ほむら(それ以外にも、怪しい点はたくさんある……)
ほむら(極めつけは絶対に気付かれないはずの伏兵が見破られたこと。そしてその作戦を考えたのは―)
ほむら「なんて事なの…… みんな九兵衛に騙されてる!」
◆
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:09:29.17 O7DilR5V0
まどか「私が、大名に?」
九兵衛「そうさ、まどか姫。今鹿目家は滅亡の危機に瀕している。それを救う力が、君にはあるんだ」
まどか「私に?」
九兵衛「そうだよ。君が大名になって、上條家と和睦を結ぶんだ。何、難しいことは僕に任せてよ!
どんな命令にだって従ってあげる!」
まどか「九兵衛……」
ほむら「騙されちゃ駄目!」
まどか「ほむら……ちゃん」
ほむら「そいつは裏切り者よ! まどか!」
まどか「えっ?」
九兵衛「おかしな事を言うのはやめてくれないか? 僕が裏切っているわけ無いじゃないか」
ほむら「騙されないで! そんな奴と契約しちゃ駄目!」
九兵衛「証拠はあるのかい? 僕が裏切っているという証拠は」
ほむら「それは…… でも本当なの! 信じてまどか!」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:15:16.25 O7DilR5V0
九兵衛「話にならないね。さぁ、まどか姫、僕と契約を!」
ほむら「まどか!」
九兵衛「さぁ!」
まどか「私は―」
まどか「―ほむらちゃんを信じる!」
九兵衛「なぁ!? 何で? どうしてだよまどか!」
まどか「理由なんか無い! ただ私はほむらちゃんを信じたいって思ったの」
ほむら「まどか……」
九兵衛「はぁ、訳がわからないよ。折角君を傀儡にして、上條家への手土産にしようと思ったのに。
そっちのほうが、統治とか色々楽だからね」
ほむら「本性を表したわね!」
九兵衛「隠していたつもりはなかったけどね。それじゃあ、僕はこれで」
ほむら「逃がすとおもったの?」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:18:49.54 O7DilR5V0
九兵衛「そう簡単に捕まると思ったかい?」タッ
ほむら「まて!」
九兵衛「さようならまどか! 君とあえて嬉しかったよ!」タッタッタ
ほむら「くっ……逃げ足の早い奴」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「はっ! 姫、大丈夫ですか?」
まどか「うん……あのね、ほむらちゃん」
ほむら「なんですか?」
まどか「私、大名になる!」
ほむら「なっ!? もしやあんな奴の言葉を真に受けているのですか?」
まどか「ううん。確かに九兵衛は私達を騙していたけど、でも言っていることは正しいと思うの」
ほむら「ですが……」
まどか「ほむらちゃんは、私に着いてきてくれる?」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:19:32.94 WB6Q/MJmO
>>90
魔法がない世界は救いがないなぁ
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:20:26.88 O7DilR5V0
ほむら「…………」
まどか「…………」
ほむら「……何なりと、鹿目まどか様」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:21:24.38 O7DilR5V0
◆
再び、上條家の軍勢は鹿目家領へと侵攻を開始した。
その兵数は実に七万。志筑家の援軍も含め、上條家の勢力のほぼ全てであった。
対する鹿目家の兵三万。
しかも名だたる家臣はほぼ討ち死にしており、頼れる武将は暁美ほむらただ一人であった。
瞬く間に支城は落され、戦火はついに見滝原城まで及ぶ。
■上條家 本陣
九兵衛「上條様。間もなく敵の本拠、見滝原城です」
上條「そうかい」
九兵衛「ようやく宿願が達成できますね」
上條「あぁ、疼く。あの時事故で動かなくなった右腕が疼く!」
九兵衛「敵に動きはなく、籠城していると見られます」
上條「城を包囲せよ! 使者は出さずともよい! 完膚なきまでに叩き潰せ!」
敵兵「「「「「「おおおおおおおおおおお!!!!」」」」」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:22:49.31 O7DilR5V0
■城内
家臣「何としてでも耐え抜け! 決して門を開くなよ!」
兵「「応ッ」」
マミ隊家臣「皆の衆! 鉄砲の整備は済みましたか?」
マミ隊足軽「勿論です!」
マミ隊家臣「かつて巴様はおっしゃった。百発百中でなくとも、八百発撃てば百中はすると!」
マミ隊足軽「「「弾丸を詰めろ! 火蓋を切れ! 我ら八百挺の鉄砲なり!」」」
杏子隊家臣「佐倉様の無念、ここで晴らさずどこで晴らす!」
杏子隊足軽「我ら鬼の子! 『鬼母』佐倉杏子の子なり!」
杏子隊家臣「行くぞ! 決死隊!」
杏子隊足軽「「「応ッ!」」」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:23:16.65 kzS8wb4OO
七万、三万の戦ってどんだけ大大名だよ
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:23:35.88 O7DilR5V0
■敵陣
上條「敵の鉄砲や矢に怯むな! 攻め落とせ!」
九兵衛(おかしい…… 敵の数は三万。全てが籠城しているとしても反撃が散発的すぎる…… まさか!?)
上條「かかれ! かかれぃ!」
九兵衛「上條様」
上條「なんだい九兵衛。僕は今忙しいんだ!」
九兵衛「敵の攻撃が弱すぎます。おそらく罠―伏兵が居ると見て間違いないでしょう」
上條「伏兵? そんなモノがどうした! こっちは倍以上の兵が居るんだぞ!」
九兵衛「ですが……」
上條「わかった、わかったよ。それじゃあ兵を預けるから勝手に迎え撃てばいいだろ」
九兵衛「御意に」
九兵衛(はぁ、彼はいつもこうだ。自分が絶対的に正しいと思い込んでいる。訳がわからないよ)
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:24:55.10 LEiAuBecP
三国志並だな
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:25:11.81 O7DilR5V0
九兵衛「このあたり…… かな。他にこの状況で有効な場所は無い」
敵家臣「九兵衛様」
九兵衛「なんだい?」
敵家臣「斥候が山中に敵を確認しました」
九兵衛「…………」
敵家臣「不意をついて殲滅しますか?」
九兵衛「いや、迎え撃とう。それで十分なはずだ」
九兵衛(簡単に見つかりすぎだ。罠の可能性があるよね)
伝令「敵が山中より出現! 奇襲を看破され戸惑っているようです!」
九兵衛(考えすぎだったか)
九兵衛「数は?」
伝令「およそ3千です」
九兵衛「よし、そのまま押し潰しちゃえ」
九兵衛「さて、これで終りかな―」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:25:57.53 O7DilR5V0
伝令「九兵衛様!」
九兵衛「なんだい?」
伝令「さらに伏兵が出現! その数5千! 斥候の報告ではまだ山中に控えているとの事」
九兵衛「はぁ? 本当に何がしたいんだい? 訳がわからないよ」
九兵衛「ともかく、その数ならもう少し兵が居るね。
今城の中に敵兵は殆ど居ないはずだよ、上條様に兵を借りてきてくれるかい?」
伝令「御意!」
■本陣
伝令「上條様! 伏兵です!」
上條「伏兵は九兵衛に当たらせたはずだけど?」
伝令「それが、伏兵と言うにはあまりに数が多く……」
上條「分かった分かった、もう順番に踏み潰しちゃおう。城に最低限の兵を残し、他はそちらへ進撃!」
兵「「はっ!」」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:26:18.56 kzS8wb4OO
侵攻に全戦力、フラグや
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:27:08.92 O7DilR5V0
伝令「九兵衛様! 間もなく増援が来ます!」
九兵衛「……………」
伝令「九兵衛様?」
九兵衛「やられたっ! 早く兵を引き返させろ!」
伝令「な、何を……」
九兵衛「斥候は何をしてたんだ! あんなのは伏兵じゃない! 農民に具足をつけ、避難させているだけだ!」
伝令「なっ!?」
九兵衛「くそっ……! そういう事か、伏兵が効果的な場所がないなら、効果があるよう敵の配置を変えればいいだなんて!」
■本陣
上條「間もなく九兵衛の居る地点だ! 皆の者心してかかれ!」
「敵襲! 敵襲!!」
上條「ふん、まだ効果のない奇襲を続けているのか」
「後方から敵襲です!」
上條「な、なにぃぃぃ!!!」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:28:23.83 G3JtKoci0
うえしのざまぁ
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:28:36.99 O7DilR5V0
兵「「「うおおおおおお!!!」」」
敵兵「ぬあっ!」
敵兵「ぎゃっ」
上條「転身! 転身せ―」ズパッ
ほむら「敵将、討ち取ったり」
こうして、見滝原城攻防戦は幕を下ろした。
大将を失った上條軍は敗走。その後、党首を失った上條家は志筑家の傀儡となり、後にその血を途絶えさせた。
その裏では、白髪赤目の策士が暗躍していたとか居ないとか。
そして、戦に勝利した鹿目まどかは、世にも珍しい女戦国大名として歴史に名を残す事となる。
ほむら「まどか、ずっと一緒だよ」
まどか「うんっ!」
鹿目家騒動記 終
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:30:47.96 O7DilR5V0
戦国と純愛と熱いバトルと腹黒策士と大人数戦闘とほむほむが書きたくて全部混ぜたらこうなった。
書いてて楽しかった。よんでくれてありがとう。
おやすみ。
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:32:28.91 G3JtKoci0
乙。発想の勝利だわwww
ちょっとラストが急いだ感じだから、もうちょっと後日談とか読みたかったかな
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:33:49.77 ASHXRDSE0
乙
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:34:43.82 8crMnIFk0
乙。
当主・鹿目知久:謹慎させた家臣をわざわざ謹慎の理由となった敵方の近くに配置
八百挺おマミ:コンビネーションのとれない新参がバックアップなのに一人突っ込んでマミる
剣豪・美樹さやか:新参との不和および敵方に情が移り離反
無双槍・佐倉杏子:戦上手のはずが城勤めの長いさやかと相打ち
策士・九兵衛:内通し事情を知り尽くした城を7万の大軍で攻めながら大将死なせる
姫・鹿目まどか:マミさやかほむらの不和に気づいときながら「……」で済ませる
ほむほむ一人が頼りだな鹿目家ェ…
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:35:11.29 LEiAuBecP
乙
欲を言えばマミさんたちは生かしといて欲しかった
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:36:33.43 /oELXcf1i
乙、純粋に面白かった
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:38:52.11 MjzHubUzO
乙
>>108
どいつもこいつも…
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:52:48.50 dqHVF5uT0
面白かった乙
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 03:58:29.32 v01REMAO0
野暮なツッコミだけど「大名」じゃなくて「国人」にしたほうが良かった。
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:00:04.56 MNex2Kud0
乙
>>113
ジュラシックパークの実は恐竜には羽毛があったけどシカトした並のどうでもよさだな
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:02:38.31 v01REMAO0
そもそも3万は多すぎるから2000くらいがいいというか3万なんて「天下取れる」だろまじで
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:07:10.39 v01REMAO0
良く調べて書いていて別にラノベ的な方向性はいいんだけど
「一地方の合戦」として書きたいんだろうけど3万なんて武田信玄くらいの動員になっちゃうから
いろいろ違和感あった
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:16:07.90 O7DilR5V0
■設定が納得行かない人向けエピローグ(言われてみれば7万とか多すぎだねノブヤボ脳でごめんね)
マミ「というお話だったのさ。って事にしとかないとやってられないわ」
QB「まぁ登録した武将ほど討ち死にしたり寝返ったりするのはよくあることだよね。信長の野望だと」
マミ「結局生き残って手元に居る武将は暁美さんと鹿目さんだけじゃない! どうなってんのよ!」
QB「ところでマミ」
マミ「何?」
QB「友達がいないからって、後輩の名前を勝手に登録して遊ぶのはどうかと思うな」
マミ「40人分」
QB「え?」
マミ「クラスメート40人分もきちんと登録してあるわ。みんなやるわよね?」
QB「Oh……」
マミ「集合写真を取り込んで顔グラも差し替えてあるわ。ふつうやるわよね?」
QB「……」
おしまい☆
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:20:09.82 dLdrlQYO0
人数については違和感あったが、他は面白かった
当時兵隊は農民だから、足軽数千人死んだら農作業できなくなるんだよな
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:23:37.31 v01REMAO0
キャラも文も「セリフだけがの文が多すぎる」が悪くない。
合戦の展開にもっと緊張感と混沌感と迫力を出したほうが面白かったと思う
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:31:41.92 +h0hj5mA0
ほむほむの通り名は何だったの?
ほむスピナーの暁美ほむら?
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/10 04:53:03.01 V7MFzCRtO
ニコニコの名人様(笑)みたいなのが多くて気持ち悪いスレだな