11/04/03 21:47:20.30 F+1oBFCk0
「ほむらちゃん……止めてくれて、ありがとう」
去り際のまどかの一言に、ほむらは胸が締め付けられるような思いがした。
「なあ、そろそろその物騒なモンを下ろしてくれよ」
ほむらが素直にベレッタを仕舞うと、杏子は両手を頭の後ろで組み、
「あんた、さっきのは一体どうやったんだ?
一瞬であたしと巴マミの間に現れてさ……。人間業じゃねえよ」
「忘れたの?わたしたちは魔法少女だってこと」
「そういう意味で言ったんじゃない」
「すぐに種明かししてあげる。巴マミらの後を追うわよ」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 21:51:42.09 FM5laf4V0
ホムスピナー\クロックアップ/
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 21:54:10.36 vbuLWYdf0
これは
まどかほむら杏子マミでハッピーエンドかな?
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:02:13.50 F+1oBFCk0
駆けだしたほむらに、杏子は白けた調子で言った。
「待てよ。あんた、本気であいつの援護をするつもりなのか?」
ほむらは半身を翻して首肯する。
「ええ、そのつもりよ」
「こう言うとあたしがあいつを認めてるみたいでイヤだけどさ、
『余計なお世話』っていう、あいつの言葉は強がりじゃない。
魔女を狩ることにかけては、あいつはこの界隈じゃ一、二を争う魔法少女だよ」
一はもちろんこのあたしだけどな、と無邪気に笑う杏子。
ほむらは物わかりの悪い生徒を諭す教師のような、低い声で尋ねた。
「杏子は……魔女との戦いで生き残る秘訣を知ってる?」
「な、なんだよいきなり」
「面倒だから答えを言ってしまうとね、そんなものは"ない"のよ。
どんな魔法少女も、死ぬときには死ぬ。
それまで培った経験も、磨いた戦闘技術も、何の役にも立たないわ」
黒髪の魔法少女が語る言葉の重みに、杏子はごくりと固唾を呑む。
「さっきわたしが言ったことは本当よ。
今度の魔女と戦えば、巴マミは死ぬ」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:07:04.83 FM5laf4V0
このほむほむはいいodnですね
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:21:47.40 TTy++aAD0
しえn
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:22:00.41 F+1oBFCk0
◇◆◇◆
結界の中心部に迫ったあたりで、巴マミはキュウべえのテレパシーをキャッチした。
「マミっ!
グリーフシードが動き始めた……孵化が始まる……急いでっ!」
「オッケー、分かったわ。今日という今日は速攻で片付けるわよ!」
一息に変身を済ませ、可愛い未来の魔法少女を一瞥する。
さあ、はやく魔女とその手下どもを倒して、
みんなで美味しいご馳走と、ケーキを食べましょう。
マミは己を鼓舞し、お菓子の世界に降り立った。
空中に具現化させた六丁、胸元から具現化した一丁、
都合七丁のライフルドマスケットで、並み居る魔女の手下たちと対峙する。
あなたたちには、これだけで充分。
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:25:27.89 VII+nS31O
マミるかどうかはほむほむの行動に掛かっている
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:25:45.21 FM5laf4V0
マミ「馬鹿な・・・私は・・・絶対生き延びて」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:30:46.99 fduPo6uN0
マミさん、速攻で片付けるなんて言わないでー!
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:39:24.52 F+1oBFCk0
飛びかかってきた手下の一匹を真正面から打ち抜き、
返す手で後方からの奇襲を叩き潰す。
蹴り上げたマスケット銃を両の手に掴み、左右からの同時攻撃を打ち払う。
即座に正面と後背に照準を定め、勘とセンスでトリガーを引く。
用済みになった銃を投擲し、新たに二本のマスケット銃を蹴り上げ、
慣性はそのままに手下の一匹を蹴り飛ばす。
宙を舞うマスケット銃を両手に回転、至近に迫った二匹を振り払い、
両脇から飛来した手下を、余裕を持って迎撃する。
古い銃を手下にぶつける形で蹴り飛ばし、
最後に残った二丁を蹴り上げ、自分の体を抱き締めるようにして、バックショットを放つ。
銃弾は正確に手下を打ち抜き、
ただの一射も外れることがなかった。
マミは戦いながら、喜びに震えていた。
体が軽い。
こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて。
もう―なにも怖くない。
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:40:04.17 FM5laf4V0
これはマミる
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:43:48.47 NgCb8Tm90
表現が上手いな
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:51:56.99 FM5laf4V0
ネルベント
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:53:36.35 LCGOWw8T0
なにもこわくないはいりましたああああ!!
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:53:39.12 F+1oBFCk0
『マミさんはもう、ひとりぼっちなんかじゃないです』
と、耳許で温かい声がリフレインする。
そうよ。わたしは、ひとりぼっちじゃない。
『マミさんと会って、誰かを助けるために戦ってるのを見せてもらって……。
同じことが、わたしにもできるかもしれないって言われて……。
何よりも嬉しかったのは、そのことで……。
だからわたし、魔法少女になれたら、それで願い事は叶っちゃうんです。
こんなわたしでも、誰かの役に立てるんだって、
胸を張って生きていけたら……それが一番の夢だから』
『大変だよ?
怪我もするし、恋したり遊んだりしている暇もなくなっちゃうよ?』
『でも、それでも頑張ってるマミさんに、わたし、憧れてるんです!』
ああ……。
誰かに憧れられることが、誰かに認めてもらうことが、
こんなに気持ちいいことだったなんて。
舞い戻ったマミを、尊敬と憧憬の眼差しで迎えるまどか。
お菓子の世界を駆けながら、マミはこれからの未来に思いを馳せる。
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 22:55:56.50 c6l8fCzC0
ここまで本文が読めたスレタイは久々だ
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 23:03:25.17 5Z2c3ChDO
新番萌アニメ
くうかい!
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 23:06:55.12 iYLvKf5c0
10スレ以内で落とすための糞スレを立てたはずなのになんで伸びてんの?
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 23:09:24.08 NgCb8Tm90
>>102
杏子「てめぇ!どの面下げて戻ってきやがったッ!!!」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
11/04/03 23:11:07.49 F+1oBFCk0
ともすれば我を忘れてしまいそうな幸福感の中で、
しかし暁美ほむらの死の予告が、静かに警鐘を鳴らしていた。
最後の障壁をぶち破り、
マミとまどかはついに結界の最深部に辿り着いた。
巨大なドーナツの影に隠れるようにしていたさやかとキュウべえを見つけ、駆け寄る。
「お待たせ」
「はぁー、間に合ったぁ」
さやかは安堵の息を吐く。
が、マミたちの到着と時を同じくして、キュウべえは魔女の出現を感知した。
「気を付けて!出てくるよ!」
白い液体が降り注ぎ、結界内の全景が変化し始める。
やがて中央に脚の長い丸テーブルと一対の椅子が現れ、
その片方に腰掛けたのは、果たして、まるで魔女らしくない魔女だった。
ピンクを基調とした体に、黒地に赤い斑点の首巻き、紅のマントを纏い、
円らな瞳と橙色のほっぺは、人の赤ちゃんのそれを連想させる。
その外見には可愛らしさすら覚えるが―しかし、マミは容赦しなかった。