14/05/20 23:48:51.12 p0QBcuCqO
飛び立つカラスを見上げていた私は我に返り辺りを見渡した。買い物帰りの主婦は走り去り、公園には母猫と私だけがとり残されていた。
私は母猫と子猫を思い何とも言えない気分になっていた。
母猫はじっとその場に座り込み、悲しみのあまり泣いているかのように体をワナワナと震わせていた。
「ん？」
母猫の後ろ姿をじっと見ていると、頭を小さく前後振っていた。
何気なく母猫の方に駆け寄った私は大声を上げそうになった。
子猫の体からはみ出た物を母猫はザラザラの舌でからめ取り、ムシャムシャと美味しそうに食べていたからだ。
おい、我が仔を食べるなんてあんまりだろ。ムカッときた私は野良猫を足でつついたが野良猫は構わず腑を食べるのに夢中になっていた。私は母猫と勘違いしていただけで、無関係の野良猫がカラスと獲物を取り合っていたのかな。
そう思い直した私は公園気を取り直した。「ミーミー」
再び付近から、か細く高い鳴き声が聞こえてきた。