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【第二章】
-おやじに見られた-
てっきりそう思った。しかし、落ち着いて良く見ると、自分の姿がサッシのガラスに、映っていただけだった。
-ふぇ-びっくりした-
でもちょっと残念な気もしいてた。
-隣のおやじなら-
見られても構わない。
-俺って露出症かな?-
越中フェチに露出フェチ、見事な変態ぶりだ。
-変態の何処が悪い-
開きなおって自分に問うた。
-職場でイジメやってるあいつらの方がよっぽど変態だぜ-
その通り。勝手な理屈で結論を導いた。
越中をきっちり締め直すと、ベランダに降りた。夜風は前垂れをなびかせ、裸の身体に喪快感を与えた。股を開いて腰に手をあて、暫し男伊達を堪能する。
-たまんねえ-
これだから越中褌は止められないと、改めて思った。ベランダには、燐室との境のボードはあるが、小さな庭に柵はなく、自由に行き来出来た。
「カタ、カタ」
音に振り返ると、おやじさんの洗濯ものが、風に煽られ、境界線をこえて旗めいている。
-随分たくさんだな-
洗濯ピンチに十枚以上あるだろうか。
眺めているうちに、肛門がぎゅっとなった。ガキの頃から、悪さをしようとすると、必ずこうなる。
ドキドキと鼓動が響いた。辺りのようすを窺う。
-すんません一枚失敬します-
「パチン」
ピンチがはじけて、洗濯物の所有者が変った。
「ドクン、ドクン」
肋骨を突き上げ、激しく心臓が鳴った。
「バタン」
「シャ-ッ」
サッシを締めカ-テンを引いた。
-やっちゃったよ-
手の中の白い布からは、僅かに洗剤の臭いがした。「すぅう-」鼻に押し当て深呼吸した。増幅された洗剤の臭いと、サラサラとした布の感触が、俺を虜にした。
パラリと広げ、明かりに透かしてみた。洗い晒され、透ける程に薄くなっている。紐の部分は、ほそく全体に粋な感じだ。