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クマに襲われ顔に傷痕、周囲から「出没するのにわざわざ登山した人」と心ない言葉
2024/10/02 06:51
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冬眠準備に向け、クマの活動が活発化する秋を迎えた。昨年度に発生した岩手県内のクマによる人的被害のうち、4割超はキノコ狩りで入山者が増える9~10月の時期に集中している。いまだ残る後遺症の苦しみ、備えの大切さ―。今年、山中でクマに遭遇した男性2人の証言からクマ対策の重要性に迫る。(藤沢優介、押尾郁弥)
「悲鳴を上げる余裕も、恐怖を感じる隙もなかった」。5月に山中でクマに襲われた県内の60歳代男性は、顔に7か所の傷を負った。
日本百名山の踏破を目標としていた男性は午前6時前、一人で県南地域の山に入った。異様なほどの静寂の中、中腹に差し掛かった頃だった。3メートルほど先のやぶから突如、成獣のクマが現れた。体当たりをしてきたクマはそのまま馬乗りに。男性は前脚で顔面を押さえられ、口元をかまれた。わずか数秒の出来事だった。
クマは立ち去ったが、「再び襲われるのでは」という恐怖心を抱きながら、約1時間かけて自力で下山。その途中で2回ほどクマの姿も見かけた。
男性はドクターヘリで病院に搬送され、手術を受けた。顔の傷痕への視線に、「クマが出没するのにわざわざ登山した人」という周囲からの心ない言葉―。外出時は顔の傷を隠すため、帽子やマスクは欠かせない。
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