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昨年10月26日の囲み取材で、「(大阪・関西万博の会場建設費を)1850億円の予算の範囲内でおさめていきたい」と語っていた大阪府の吉村洋文知事。
しかし、吉村知事も副会長を務める、万博の運営主体「日本国際博覧会協会」に本誌が問い合わせると、こんな答えが。
「会場建設費については資材高騰の影響により、増額の懸念が高まっていることから、8月31日に政府のほうから指示があり、必要な額の精査を行っているところです」
予算の枠を超え、さらに血税がつぎ込まれる可能性があることを示唆された形だ。
会場建設費は、すでに資材価格の高騰や人手不足の影響で、2020年12月に1250億円から1850億円に引き上げられているが、
今後さらにどれほどの予算の上振れがあるのだろうか。建築エコノミストの森山高至さんが解説する。
「万博の開催地である夢洲は産業廃棄物などで埋め立てた人工島で、地盤が軟弱です。
埋立地に造られた関西国際空港も埋め立て後、たった1年で6メートル近くも地盤が沈下し、開港から30年間でさらに4メートル近くも地盤が下がりました。
パビリオンが建設されるエリアは、埋立て工事が終わったばかりで関西国際空港以上の地盤沈下が懸念されます。
軟弱な地盤に施設を造るためには50?60メートルの鉄筋コンクリート製の杭を硬い地層まで何十本も打ち込むことになりますが、建設費用は2割以上増えます。
その負担は招致する側の日本が負う可能性が高いのです」
さらに、打ち込んだ杭は、万博が閉幕して数カ月後には、撤去することが義務づけられているという。
「杭を抜き取るのは、打ち込むよりも困難な作業となります。
また抜き取った杭は廃棄されますから大量のがれきの処理費用もかかります。
資材費などのさらなる高騰も含めると、会場建設費は現在の2倍に膨らんでもおかしくはありません」(森山さん)
現在の2倍となれば、3700億円となる。だが、予算の増額が懸念されているのは、会場建設費ばかりではない。
総額1兆円規模の可能性も…「大阪・関西万博」無尽蔵に膨らむ予算
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