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しかし、顚末(てんまつ)を記した「妻沼町誌」(77年)によると、単なる誤認ではなかった。当時、妻沼にもデマが浸透していた。町内を歩く見慣れない青年を怪しみ、自警団が尋問すると、「東北弁のこととて言葉が思うように通じない。『朝鮮人だ!』血気にはやる若者が竹槍で右腹を一突」きした。青年は「日本人だ」と必死に抵抗し、派出所に連行された。警察官が調べたところ、日本人であることが分かった。青年がうれしさのあまり「万歳!」と叫ぶと、生意気だということで、槍や日本刀で惨殺された。14人が検挙されたと記す。
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