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米国を振り向かせるため? イラン、サムスンとLG排除で韓国に圧力
韓国のサムスン電子とLG電子を排除する―。イラン政府が9月30日、韓国大手2社の家電製品を禁輸の対象にした。
韓国政府に圧力をかけながら、対イラン制裁を科している米国を振り向かせる思惑がありそうだ。
イランが韓国に抱く不満は、お金の問題が発端だ。イランは、韓国がイラン産原油の売却益を中心とする70億ドル(7850億円)余りを凍結していると主張する。
一方、韓国側にも凍結を避けられない事情がある。米国のトランプ前政権が2018年以降に再開した対イラン制裁の影響で、イラン側に送金すれば、
韓国企業が「制裁破り」に問われて多額の制裁金を課される可能性があるためだ。
イランをめぐっては、15年7月に米英仏独中ロとの核合意を結んだことで、16年1月にそれまでの制裁が緩和された。
金融取引は再開し、各国の企業が進出した。その結果、18年3月時点でイランの家電市場は外国メーカーの製品が7割超を占め、
その多くが韓国と中国だった。サムスンやLGの冷蔵庫や洗濯機、スマホがよく出回った。
イランは人口8千万人超で平均年齢が31歳と若く、中東ではかなり魅力的な市場とみられている。サムスンとLGにとって、今回の禁輸措置が続けば、
対イラン制裁が仮に解除されても、再進出の障害になりかねない。
ただ、今回の韓国家電の禁輸措置について、在テヘランの外交筋は「イランの強硬姿勢は、むしろ自分の首を絞めかねない」と指摘する。
良質な外国製品の輸入がますます滞るばかりか、二国間の関係に悪影響を及ぼす可能性もある。
実際のところ、イラン国民も困る。
テヘランの家電販売業レザ・ハリリさん(45)によると、家電の禁輸措置の発表後、対象とはならなかったサムスンとLGの部品の仕入れ価格が2割も跳ね上がった。
「当面の負担は販売店、顧客が負うことになる」と憤る。
今回の禁輸措置の背景には、経済の低迷が続くイランの焦りもありそうだ。
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